第46話　涼子１


　徹の輪番初体験竿師デビューは快調な滑り出しであった。
　そもそも１回限りのセックスであったはずなのに、直子だけでなく徹自身も直子が忘れられなくなった。
　２人はこのような出会いをしなければ、徹がもしフリーならば間違いなく結ばれていた。
　それほど２人の相性はピッタリで、惹かれあってしまった。
　直子はもはや徹以外の男性は目に入らず、徹のお嫁さんになる事を夢見ていた。
　２人は約束を破って携帯番号とメルアドを交換してしまい、隠れて合瀬を重ねていった。
　そうなると徹の天然スケコマシの本性が顔を出す。

　徹は芸能人などには基本的には興味がなく、名前もあまり知らない状態であった。
　しかし１人だけ例外があった。
　それはアイドルグループ「モー○ング娘。」の元リーダーであった高○ 愛ちゃんだ。
　テレビで彼女が歌い、踊る姿を見て、一目で好きになってしまった。
　ネットで写真を集めるなど、童貞喪失相手に彼女を夢見ていたのだった。

　そんな記憶がある徹にとって、高○ 愛似の森田涼子は当初から興味津々であった。
　そしてプリクラ写真を見て驚喜した。
　本人も似ていることを意識して髪型など真似しているということだが、目元が瓜二つで本当にそっくりだったのだ。
　実際、昼間のＴＶ番組で行われた「そっくりコンテスト」で、なんと優勝経験もあるとの話で期待はますます高まった。
　男の夢というものは簡単に代償対象を見いだすと満たされるものなのだ。

　環は涼子を今まで意図的に徹に会わせないようにしていた。
　初めて好きになった芸能人にそっくりな涼子を兄に会わせたりしたら、どうなるか容易に想像がついた。
　環が涼子に出会った時、兄はまだ童貞で悶々としていることを知っていた。
　兄は当時は童貞とはいえ、何事にも積極的で実行力のあると環は認めていた。
　だから間違いなく兄は涼子にアプローチし、そして涼子は兄の彼女になっていたことだろう。
　環は兄が女の子が彼氏に望む全ての要素を持っていると思っていた。
　もし環がこの頃に徹を涼子に紹介していたら、徹と郁美の出会いも、環と武史の出会いも、無かったことだろう。
　その環の懸念は、どんどん現実化していく。

　事あるごとに徹に出会った同級生達の間に徹ファンクラブがあっという間に出来上がった。
　そして半ば追っかけめいた事をする同級生が現れた。
　徹の女性遍歴、豪遊が同級生の間に広まるのは速かった。
　女子高生とはいえ、計算高い女達は環に徹との合瀬をセッティングすることを要求する。
　彼女達の目的はただ１つ、徹の彼女の座そしてお嫁さんの地位であった。
　１６歳のピチピチ肢体を持ってすれば、お姉さん達には絶対負けないと自信があったのだ。

　環は同級生達の目的を看破しており、徹との合瀬を調整するキャスティングボードを握り、逆に彼女達を仕切り絶対秘密厳守を徹底した。
　彼女達にしても徹に嫌われたくない、自分を好きになって欲しいという気持ちが弱みになった。
　その序章として、ロストバージン３人娘が先兵として抜擢されたのだった。
　環の同級生達の誘導は巧みであった。
　まず兄、徹に女子高生の良さを自然に伝えるには、ロストバージンというお題目が説得力あるという話で丸め込んだ。
　実際にそれで徹との合瀬が始まったのだから、彼女達には不満より順番を心待ちにし、自分磨きに勤しむ者が続出した。

　環としては兄の秘密を如何に守るかに腐心した結果でもあったが、直子の変貌に唖然とした。
　彼女の視野から他の男性はいなくなり、徹だけを見て走り出したからだ。
　そこで改めて兄の魅力の凄まじさを知った。
　そして自分はとんでもないことを始めてしまったんだと悟ったが、後の祭りであった。
　しかしそれで鉄の結束が出来て秘密が外部に漏れることが一切無かったのだから、その効果は恐るべきものであった。

　涼子のプリクラ写真に激しく反応する兄を見て、環は激しい嫉妬を感じていた。
　涼子は同級生の中でダントツの可愛い系でありながら、奥手で男性とデートしたこともないという純な女の子であった。
　典型的な白馬の王子様願望の強い子だけに、理想ピッタリの徹に憧れないはずもなかった。
　環は実は今回の話で秘密を守ろうと腐心するあまりに、涼子の存在をうっかり忘れてしまったのだ。
　気がついたのは話が纏まってからであった。

　そんな妹の心配をよそに、徹は天然スケコマシ街道をひた走る。
　奥手で引っ込み思案という性格というリサーチで、いきなり車に乗せるというスタイルは回避した。
　まだ初対面であり、涼子を緊張させたくないという配慮であった。
　ＪＲ三ノ宮駅前にあるマクドナルド前で待ち合わせたが、徹は３０分も早くやってきて待っていた。
　早朝だというのに何人もの女性が立ち止まって、徹に視線を投げかける。
　身長180�pほどの長身に加えて、甘いマスクが女達を惹きつける。
　物腰、身のこなしが女の嗅覚に触れて、気になって仕方ない存在であった。
　女性達の多くが徹を芸能人の誰かだと考え、思いだそうと躍起になっていた。
　思い出して、話しかける、サインを貰おうと思案していた。
　当然名前など出てくるわけがない。

　森田涼子は夢心地のあまり、待ち合わせ場所に30分近く前に着きそうになっていた。
　男性と待ち合わせなどしたことないし、ましてそれが初体験に繋がるというのだから現実感がなかった。
　道路向かいの歩道からマクドナルド前に佇む徹に気がついた。
　写真でしか見たことがなかったのだが、すぐに分かった。
　一目で乙女心はキュンとしてしまう。
　世の中にはこんなに素敵な男性が本当にいるんだと驚きが先に立った。
　やや小走りで横断歩道を渡る途中で、徹も涼子に気がついて笑顔で手を振ってくれた。
　あの笑顔が自分だけのものだと思った瞬間、涼子の心は徹のことでいっぱいになった。

徹　　 「おはよう　涼子ちゃんだね」
涼子　「はい　徹さん　今日は　ありがとうございます」
徹　　 「お礼なんて　僕こそ会いたかったんだ」
涼子　「まあ　それって誰かに似てるから？」
徹　　 「それは否定しないけど　もっと可愛かったから　まいっちゃったよ」
涼子　「あらら　上手いですね　もう」
徹　　 「それより　マクドで朝食で　いいよね」
涼子　「はい　えっはぁう」

　涼子はあっという間に右手を取られて、手を繋がれてしまった。
　男性と手を繋いだことなどなかったのに驚きや恐れとは無縁で、むしろ安堵感と悦びの感情が溢れてきてウキウキ気分になってしまった。
　その瞬間、周囲から自身に向けられた嫉妬の目線に気がついた。
　涼子は突然勝ち誇ったように、徹の左腕にその身を巻き付けていった。
「あっはぁ　徹さんは　わたしのもの」

　周囲の女性達は現れた涼子に嫉妬した。
　女性達は、気になる男性は彼女との待ち合わせをしているのだろうとは予測していたが、その現実は受け入れたくなかった。
　だがすぐにそれは驚愕に変わっていった。
「あっあの娘　モー○ング娘。の　高○ 愛？？」
「そうだ　やっぱり　あの人　芸能人よ　誰　誰？」
　早朝のマクドナルド前はざわめいた。
　何人かは携帯電話で盗撮を試みる。
　２人に続いてマクドナルドに入店する者まで現れた。
　周囲からは「高○ 愛」などの言葉が漏れ聞こえてくる。

徹　　 「あれれ　なんか騒がしいね」
涼子　「ごめんなさい　わたしのせい」
徹　　 「お店で食べようって思ったけど　テイクアウトして　車で食べようか？」
涼子　「その方がいいみたい」

　２人は早々にオーダーしテイクアウトしてマクドナルドを後にした。

徹　　 「うはぁ　ヤバかったね　人だかり出来るかと思った」
涼子　「いつも　あそこまではないんですけど」
　　　　「怖かったぁ」
徹　　 「うわぁ　後をつけてきてる」
　　　　「あのコインパーキングに車あるから」
涼子　「もう　違うって　言ってきます」
徹　　 「やめとき　もう行こう」
涼子　「でも　ちょっと怖すぎ」
徹　　 「さあ　乗って乗って」

　徹は渋る涼子を急かして車に乗せると、ソソクサと走り出した。

涼子　「すいません　わたしのせいで　こんな」
徹　　 「涼子ちゃん　美人だよねぇ」
涼子　「へえっ？」
徹　　 「ねえ　お友達からでいいから　これからも定期的に会いませんか？」
涼子　「えっ　いいんですか？」
徹　　 「良いも悪いも　涼子ちゃんと付き合いたい」
涼子　「あれれ　そんなこと言っていいんですか？」
徹　　 「結婚しようとは言ってない」
涼子　「あらら　わたし　遊ばれちゃうのね」
徹　　 「嫌なの？」
涼子　「もう　困った人」
徹　　 「涼子ちゃんって　ラブホ入ったことあるの？」
涼子　「あるわけない」
徹　　 「だよね　では　ご入場！！」
涼子　「えっえぇぇぇぇぇぇ！！」

　徹は迷うことなく新神戸駅前のＱＵＥＥＮというラブホテルに入ってしまった。
　涼子は焦ったが、もとよりそういう待ち合わせでもあったので観念した。
　それでも車を降りると自ら徹の左腕に身を寄せ、キョロキョロしてしまう。
　やっぱり不安が先に立つ。
　不意に徹が顔をのぞき込み、さわやかな笑顔を見せた。

徹　　「お腹減っちゃったね　さあ　早く部屋に入って　食べよ」

　その一言で涼子の不安な気持ちと警戒心は消失してしまった。
　「大丈夫だよ」とかありきたりな説得の言葉は警戒する処女の女の子には逆効果なのだ。
　徹は誰に教えられたわけでもなく、自然と処女の女の子をリラックスさせることが出来るのだった。
　ロビーに入ると部屋選択のパネルに興味津々で、先程までの警戒心は嘘のように楽しげにしていた。
　なんといっても一緒にいる男性が徹だということが大きい。
　徹が経験豊富で初体験そのものへの不安感は無くて、涼子は既に初体験への期待感で高揚していた。

　部屋に入ると、涼子は興味津々で室内を物色して回った。
　特にベット周りのスポットライト、壁一面に貼られた鏡に興味を示したが、不思議にそうにして思案していた。
　徹はにやつきながら、横から操作して見せた。
　室内は一転真っ暗となり、うっすらとピンク色のスポットライトをベットに当てて浮かび上がらせた。

涼子　「やん　なんかエッチ」
徹　　 「だって　ここはエッチするとこだもん」
　　　　「ほらぁ　鏡見てごらん　涼子ちゃん　写ってるよ」
涼子　「まあっさかぁ　ベットの上にいると写るの？」
徹　　 「そうだよ　天井も　ほらぁ」
涼子　「ひいぃ　天井も鏡なのぉ」
徹　　 「オンステージ！！」
涼子　「・・・・・・・・・」
徹 　　「それより　食べよ」

　徹は再び室内を明るくすると、ソファーに涼子を誘い早速朝食を食べ始めた。
　不安げな表情から一転して、楽しげにフライドポテトを頬張る可愛い涼子を見ながら徹は思った。
「ハンバーガー食べた後は　次は君が食べられるんだよ」
「それにしても　よく似ている　他人のそら似という言葉あるけど」
「僕の彼女にしたいな」
「うぅぅぅん　直子ちゃんといい　涼子ちゃんといい　環の友達は　ご馳走ばかりだな」
「女修行　年上ばかり考えてきたけど　年下は年下で楽しさがあるな」

　会話は主に先程の出来事の話で盛り上がった。
　涼子はとにかく全てが楽しく、徹と一緒にいるだけでウキウキしてしまう。
　そして今、ラブホテルという密室に二人っきり。
　初体験という女の子の記念日を王子様のような徹と迎えられるという喜びは何事にも変えられない。
「わたし　徹さんしかいない　わたしの徹さん」
「ずっと こうしていたい　好き　大好き」

徹 　　「さてと　先にシャワー浴びる？」
涼子　「うん　なんかドキドキしてきた」
徹 　　「時間はタップリあるよ　使い捨て歯ブラシもあるから　使うと良いよ」
　　　　「上がったらバスタオル１枚で上がってきてね」
涼子　「えっ　でも」
徹　 　「今日は　なんのために　来たのかな」
涼子　「うぅぅぅん　そうよね」

　涼子が浴室に向かうと、徹は手早くベットメイキングを整えた。
　コンドームの仕込み、ローションぺぺも準備万端であった。
　シャワーの音から聞こえてくると、浴室の側の鏡扉をそっと動かした。
　するとシャワーを浴びる涼子の眩しい肢体が一望できるガラスが現れた。
　涼子は徹に肢体を丸々見られているという事態に全く気がついていなかった。
　それはマジックミラーになっていて、浴室からでは分からない。
　涼子の肢体は見事なもので身長161センチ、バストはＤカップほどあり、既に完成されたものであった。
　徹は息を呑んで、唖然とその裸身を見つめていた。
「なんて綺麗なんだ」
「これで　まだ処女だなんて　勿体ない」
「涼子と初エッチできるなんて　なんて幸運なんだ」
　徹の肉棒は猛々しくそそり立っていたが、ここはグッと我慢していた。
「今日のテーマは　慌てずじっくりロストバージンだ」
「僕のこと　直子ちゃんみたいに　生涯忘れられなくしてやるよ」

　徹は少女達が憧れる、望む全てのものを持っていた。
　容姿、嫌味にならないさり気ない優しさ、将来性と、どれをとっても白馬の王子様であった。
　女好きという基本的資質に裏打ちされた日に日に成長を遂げている性技と尽きることが無い貪欲な女体への興味、それと共に膨れあがる精力、そしてなによりの武器が女の警戒心を溶かしてしまう爽やかな笑顔であった。

　処女の無防備な女の子にとっては、徹はまさに劇薬であった。
　既に涼子の頭の中では、徹のことだけでいっぱいになっていた。
　徹と話したこと、手を繋いで歩いたこと、一緒にハンバーガーを食べたこと、シャワーを浴びて歯磨きする涼子をそれらの記憶が走馬燈のように蘇っていた。
　不意に自分が今からその徹に抱かれて初めてを迎えるんだと気がつくと、キュンと胸が締め付けられた。
　そしてハッとして、自らの秘部に手を伸ばして確かめてしまう。
「いやん　わたし　もう濡れてる」
「どうしよ　流しても流しても　溢れて出来ちゃう」
　涼子は処女であったが、オナニー経験はそれなりにあったので、女の初歩的な快感については経験があって軽い逝きも知っていた。
　なので憧れの徹に抱かれることへの期待感は小さなものでは無かった。
　スケベ椅子に腰を下ろして思わず自らクリトリスを弄ってしまい、吐息を漏らしてしまう。
　浴室という密室に１人という気軽さで、大胆にも脚を広げてしまう。
「あぁぁぁん　徹さぁん」

　マジックミラー越しに涼子の肢体を視姦していた徹は、その涼子の痴態を目撃して驚いていた。
　涼子の細く白い指が股間で妖しく小刻みに揺れていた。
「なんて　エッチな女の子なんだ」
「ロストバージン目前で　オナニーするなんて」
「あっはぁ　１６歳　処女の女の子のオナニーを見れるなんて」
　徹は興奮して、身を乗り出してマジックミラー奥で繰り広げられるオナニーショーに見入った。
　もう我慢の限界であった。
　その場に着ていたものを全て脱ぎ捨てた。
　既に肉棒は痛いほど堅くなり、そそり立っていた。
　徹は一瞬迷った。
　このまま浴室に乱入して涼子を犯してしまうか、自分もここでオナニーして一発抜くか。
　今朝起きがけに敬子にフェラチオして貰って、激しいセックスをしたばかりだというのに、貪欲な肉棒は更なる秘肉を求めて猛々しくそそり立っていた。
　徹は後者を選択して、貴重なオナニーショーの鑑賞を続けることにした。
　興奮しすぎて、性交に及んでも早々の暴発の予感がしたのだ。
　ロストバージンは生でするが、徹の基本的スタンスであったので暴発は回避したかった。
「まっ　まいったな」
「その為に　朝から　敬子と２回もしてきたのに」
「こんな凄いシーン　見せられたら　我慢出来ない」
　徹は膝をついて立つと、右手で狂おしいほど肉棒を軽快に掻きだした。
「うわぁぁぁ　涼子　いいよぉ　なんてイヤらしい子なんだ」
　
　涼子の妄想の中で、徹の顔が涼子の股間で妖しく蠢いていた。
　シャワーの音にかき消されると油断して、まだ誰にも聞かせたこがない切なく艶っぽい喘ぎ声を漏らし始めてしまう。
　もはや快楽に包まれた涼子は隣室に徹を待たせているという現実を忘れていた。
　ラブホテルの浴室という非日常空間が涼子を狂わしてしまった。
　初めて現物を目にして興味津々であった浴室のスケベ椅子が、実にオナニーに便利なのだということを身をもって体感していた。
「いいわぁ　こんなに し易いなんて　あっもうちょっと　あん」
　涼子は遂に限界を迎えつつあった。
　そしていつもフィニッシュを迎える行為に踏み切ってしまった。
　涼子の右手の中指が膣口をめり込んでいった。
　途端に涼子の肢体に激しい痙攣が走り思わず仰け反った。

涼子　「あぁぁぁぁうん・・・・・・・」

　眼前で繰り広げられる涼子の痴態に、徹は爆発目前であった。
　涼子に切なげな表情が浮かんだ途端、涼子は更なる痴態を見せた。
　徹の目の前で、涼子が鮮やかなピンク色をした膣口に指をめり込ませたのだ。
　涼子の絶頂と徹の暴発はほぼ同時であった。

徹　　「でぅはゃあぁぁぁ！！」

　ドビャシルゥゥゥゥゥ！！　ドルゥゥゥゥゥゥン♪♪

徹　　「うっ　マジ？」
　　 　「やっ　ヤバイ」

　徹の激しい射精の噴出はマジックミラーを直撃して、意味深な音を響かせたのだ。
　丁度、涼子の顔のあたりに飛び散った多量の精液は、白いゼリーのような質感を伴ってミラー上を滴って落ちていった。
　慌てる徹の目前では、ミラー越しに聞こえた異音で我に返る涼子が慌てて身支度を調えていた。

つづく