第49話　麻里１


　徹は女子高生の魅力にすっかり嵌まってしまった。
　普段は可憐な少女でありながら、ベットの上では妖艶なオンナの一面を覗かせて男の欲望に応えてくる。
　それはまさに鏡のようであり、男が情熱的にエロく可愛がれば可愛がるほど彼女達は妖艶なオンナに化けるのだ。
　彼女達を生かすも殺すも相手の男の器量に掛かっている。
　そのアンバランスさが少女から女に成長を遂げる年代にいる女子高生の魅力であった。
　同年代の男の子達には到底彼女達の華を咲かせることは不可能であり、相思相愛の気持ちだけが拠りどころであろう。
　しかし、それがあれば普通の女の子は幸福なのだ。
　お金で、援助交際で彼女達とセックスする男達では、肉体的性感を開発できても、彼女達が本来持つ妖艶なオンナに華咲かせることは不可能であった。
　女の子を華咲かせるには相思相愛からくる幸福感と共に、肉体的な性感の絶頂を極めて初めて華開くものなのだ。
　一般的な同年代のカップルは相思相愛で愛し合い、セックスを重ねることで男が経験を積み、やがて女の子に肉体的な性感の絶頂を導くことで永遠の愛を築くものなのだ。
　それを得ずして女の子が妊娠し出産すると、カップルには悲劇的な結末が訪れる。
　徹は直子と涼子を通して、それらを無意識に理解し会得したのだ。
　もはや徹は少女達にとって麻薬という劇薬そのものであった。

　３人目は武田麻里は、環の同級生の中でもダントツのツンツンしたクールな女の子であった。
　容姿も環に負けないほど美しく、プライドの高さも人一倍であった。
　麻里は自他共に認める環のライバルで、勉強だけでなく恋愛においても競争意識があった。
　当然の如く同年代の男の子には見向きもしないのだが、時代なのかツンツンした冷たさが逆に男の子達にはダントツの支持を集めていて、さながら学園の女王様であった。
　それでいて男の子達の間には麻里の処女伝説が広がっており、彼女に惹かれている男の子は多かった。
　そんな麻里が今回の話に加わってきたことに環は驚いた。
　プライドの高い麻里がそのような話に加わるはずがないと思っていたからだ。
　環は中学時代に美少女の称号を欲しいままにしてきたが、それを打ち破ったのが麻里であった。
　麻里は年上の男性からの人気も高く、男性教師ですら特別扱いすることがあったほどであった。
　環が初めて嫉妬心を覚えた同級生が麻里だった。

　武田麻里の父親は神戸大学で教授の地位にあり、パパッ子の麻里は頻繁に大学に訪れていた。
　彼女の進学の目標はもちろん神戸大学であった。
　そして大学で、とある学生を見かけて、生まれて初めての初恋を経験した。
　その出会いは取るに足らない、ただの通りすがりに見かけただけのものであったが、彼を一目見た途端に惹かれてしまったのだった。
　それまでは父親以外の男性に心惹かれた事はなかったにも関わらず、熱病のように燃え上がった。
　もともと苦労知らずのお嬢さん育ちでもあり、欲しいものはなんでも手に入る環境に育っただけに、性格は我が儘そのものであった。
　容姿にも絶対的な自信があり、自分に靡かない男性はいないと自負していたので片思いはプライドが許さなかった。
　父親が教授ということもあり、そのコネで簡単にその学生の名前を突き止めた。

　その学生の名前は「山田 徹」であった。
　そして程なくして、同級生「山田 環」の兄だと知った。
　ライバル視している環にすがるのはプライドが許さなかったが、初恋の乙女心は陥落寸前であった。
　今まさに環に告白する寸前に、敬子という彼女の存在、そして徹の驚くような女性遍歴を知ったのだ。
　その衝撃は言葉では言い表せないものであったが、敬子のことを調べて生まれて初めての敗北感を味わった。
　まさに容姿端麗で元新体操選手のマドンナであり、全国的にも名が知られた美少女の先輩で、麻里が唯一コンプレックスがある乳房も文句なしの巨乳だったからだ。
　そして本命の彼女という郁美という女性を見て、麻里の自信は木っ端微塵に砕け散った。
　大人の女の魅力というものを思い知らされた。
　麻里は生まれて初めて望んでも手に入らないものがあるんだということを学んだのだった。
　その麻里の眼前で、想像だにしない展開が待っていた。

　憧れの男性である徹とデート、ロストバージン出来るという夢のような話であった。
　夢は破れたが、初恋の人とロストバージンという話の誘惑は強烈であった。
　麻里はプライドをかなぐり捨てて手を挙げた。
　驚きの目を向ける環や同級生達の好奇の目も気にならなかった。
　もはや憧れの人とのデートに心は跳んでいた。

　熱病のような初恋が再燃した麻里であったが、もちろん徹の女性遍歴は気になる。
　徹は分かっているだけで同時に５人の女性と性的な関係を持っており、その女性達は互いに友好的な関係を結んでいるのを知って、ただのスケコマシ、女たらしなのではないかという疑念は抱いていた。
　そんな男性に大切な処女を捧げて良いものなのかと迷いもあったが、環が武史という素敵な彼氏を作ってロストバージンしたという話にその迷いは吹き飛んだ。
　郁美のような大人の女に早くなりたいという憧れの気持ちが麻里に決心させたのだ。
　麻里の懸念は先に経験した直子、涼子を見て一掃されて、徹とのその日を心待ちにするようになった。
　麻里は環と直子、涼子の３人が既に大人の女の色香を身にまとい始めていることを敏感に感じ取り、焦る気持ちが広がっていた。

　徹は忙しい合間を縫って、煩雑に直子と涼子の弾けるような若い肢体を楽しんでいた。
　なので３人目最後の武田麻里とのデートも楽しみであり、そのような愛瀬も最後かと思うと淋しくもあった。
　もう徹の目には女子高生はもはや獲物の女と映っていた。
　よい子を見かけたら積極的にアプローチしたいと考えていたのだった。
　徹は見かけだけの容姿だけで女性を判別するような男ではなくて、女性全員に優しく素敵な笑顔を振りまいていた。
　そして容姿だけではない魅力を見いだすと積極的にアプローチするタイプであった。
　徹は関係を持った女性とは拒絶されない限り別れないし、性的な関係を途絶えさせない。
　以前関係を持った大学事務員の女性とも、コンビニ店員の女性とも、最近になって深い関係を再開する有様であった。
　徹自身、既に自分はセックス依存症であると自覚していたが、それに応えてくれる女性が絶えない生活にドップリ嵌まっており、その肉体は強靱ともいえる精力を持ち、肉棒は貪欲に女体を求め続けていた。
　毎日のように複数の女性の愛液をタップリ吸い込んだ肉棒は、自然と強化されて太さも堅さも成長を遂げて、もはやその良さに狂わない女性はいないというレベルに達していた。
　淫水焼けして赤黒く、そして血管が太く浮き出て、竿は大きく反り返った先には太くエラの張った亀頭があり、その外観の逞しさだけでオンナ達を狂わす魔棒であった。
　その魔棒を知ってしまった直子と涼子は、もはや徹以外の男性には興味が無くなってしまったのは当然の流れであったが、その盲目的な愛がやがて彼女達を奔放な性の世界へ導いていくことになる。
　その魔棒が今まさに、生粋のお嬢様育ちの美しい麻里に魔の手を伸ばそうとしていた。

　徹は武田麻里の名はかなり以前から知っていた。
　妹、環との会話で何度もその名は聞かされており、妹がなにやら対抗意識を抱いている同級生だと認識していた。
　そして今回、プリクラ写真を見せられて興味を抱いた。
　友達同士のプリクラ写真なのに、一歩引いた余所余所しい雰囲気で少し離れて写った気取った、それでいて凛とした美しさを漂わせる美少女。
　自身が通う大学教授の愛娘というプロフィールも興味深かった。
　良家の子女という点が郁美や紗弥に通じていて、徹の触覚に触れたのだ。

　徹はウキウキしながら、待ち合わせた阪急御影駅に車を走らせていた。
　ロータリーに車を滑り込ませると、モテ系の黒Ｔシャツに白いショートパンツというシンプルな美少女に目を奪われた。
　黒Ｔシャツの胸元にはＷＡＳＰの大きなプリントがあり、シンプルの中にも彼女がオシャレな神戸ギャルだというのが一目瞭然であった。
　ピンクのラメ入りキラキラバックがアクセントとなって、妹の環がライバル視するのが分かったような気がした。
　目鼻立ちが女優、北川○子似で、身長は169センチという長身がモデル級の美しさを醸し出していた。
　思わずにやけそうな喜びを押し殺して、それを満面の笑みに変えた。
　嫌らしさを出さずに、女の警戒心を溶かす爽やかな笑顔を出来るのが徹の最大の武器であった。

徹　　 「おはよう　麻里ちゃんだよね　ゴメンね待たせて」
麻里　「おはようございます　今日はありがとうございます」
徹　　 「さあ　乗って　六甲山ドライブに出発」

　先日、涼子の際に町行く人に注目を集めた一件以来、徹は人の目を気にするようになった。
　徹は既に20歳を迎えて成人しており、彼女達とのことは立派な淫行だ。
　にもかかわらず、そういった行動に興奮を感じるのは否定できない。
　援交をする男達「つぼみ」食い嗜好者の心境が分かってきた徹であった。
　なので直子の時と同じく、スタンダードに車で六甲山ラブホテル街に連れ込む手法をとることにした。
　六甲山ラブホテル街であれば、街中から離れており、彼女達の知人に出会う可能性は低いからだ。

　途中コンビニで昼食とお菓子、飲み物を買い込みながら、徹は麻里との距離を縮めようと積極的に話しかけたが、予想通りの突っ慳貪な態度に遭遇した。
　それは想定はしていたが、噂に違わぬ高飛車な高慢な態度であった。
「うはぁっ　ツンツンどころか　高慢ちきなお嬢様タイプじゃないか」
　徹の脳裏には、父親が参加した社交パーティに同席して、将来の花嫁候補と言われて紹介された同年代の女の子達が浮かんでいた。
　当時の徹には、どの子も魅力無い高慢ちきな態度ばかりが目について幻滅させられたものだ。
　不快な気持ちになった徹は彼女達を意識的に避けた。
　このまま年を重ねていったら、間違いなくあのような女の子と結婚させられていたかも知れなかった。
　そんな中で出会ったのが、郁美であった。
　郁美はソープランドという場に相応しくない女性であった。
　徹は一目で夢中になり、そして郁美を知れば知るほど愛するようになった。
　そして徹は郁美から多くのことを学んだ。
　徹はまだ２０歳の若者であったが、既に女性の高慢ちきな態度に怯んだり、正面からぶつかるような若造ではなかった。
　高飛車で高慢ちきな態度を見せる麻里を顔色も変えずに優しく受け入れたのだ。

　麻里は両親には従順であったが、他人に対しては人見知りの裏返しで、実に高飛車で高慢ちきな女の子を演じていた。
　普通は友人も、まわりの大人達も、不愉快そうに立ち去り、近寄ってこなくなることが多かった。
　それでもさすがに高校生ともなると多少分別もついてきて、環達とそれなりの友人関係を築いてきた。
　徹に対しては気持ちの裏返しで、いつも以上に不遜で理不尽な高慢ちきな態度をしてしまっていた。
　いけないと思っても、それを止められない、抑えられない。
　そんな麻里を徹はすっぽり包み込んで、受け止めてくれた。
　麻里の心に驚きが広がっていった。
　徹の爽やかな笑顔の中に、麻里が唯一両親以外に心を開く祖父の面影を見たのだ。　
　祖父はいつも我が儘な麻里を優しく受け止めてくれていた。
　そんな祖父が昨年亡くなったことで麻里は孤独になり、環達に心を開く切っ掛けになったのだが、麻里の本質は変わらないままであった。
　そんな祖父の面影を徹に感じてしまった麻里は困惑して、自身の理不尽な態度が急に恥ずかしくなった。
「わたしってバカ　憧れの徹さんに逢えたのに」
「徹さんは　わざわざ　わたしのために時間割いて会ってくれているのに」
「なんて　わたし嫌な女なの」
　そんな劇的な心の変化に少女の身体はついて来れず、それが涙となって溢れ出した。
　徹にすれば、急に助手席で女の子が泣き出したのだから何事かと狼狽える。

徹　　 「どっどうしたの　麻里ちゃん　なにかあった」
麻里　「うぅぅぅん　ごめんなさい　わたし　どうしたら良いか分からなくって」
　　　　「ごめんなさい」
徹　　 「なにを謝っているか分からないけど　僕は今すごくウキウキしているよ」
　　　　「麻里ちゃんに出会えて　すごく嬉しいんだ」
　　　　「一分一秒でも長く　麻里ちゃんと楽しく過ごしたいな」
麻里　「ぐすん」
徹　　 「もし初体験　怖いなら　今日じゃなくても良いし、止めにしたって良いよ」
　　　　「麻里ちゃんの気持ちが一番大切なんだ」
麻里　「えっ」
徹　　 「あれれ　そうじゃないって顔したね」
　　　　「ひょっとして　高慢ちきモードのこと？」
　　　　「あはぁ　気にしてないよ　麻里ちゃん美人だから　様になっていたし」
麻里　「徹さんって　変な人」
徹　　 「まあ変な人だから　今日ここにいるんじゃないの」
麻里　「あはぁっ　そういうこと」
徹　 　「そういうこと」

　徹は焦る気持ちは微塵も無くて麻里が落ち着くのが最優先と考えて、ラブホテル直行は止めて見晴らしの良い展望台に車を走らせた。
　そして２人は車内で朝食兼昼食となる簡単な食事を食べながら、色んな話をしたのだ。
　徹は自身がどうしてこのような立場、男になったのかということも包み隠さず話した。
　麻里はその話の凄まじさに圧倒されながら、それが徹という男性を光り輝かせている理由なんだと知り、ますます徹に惹かれていった。
　麻里もこれまで他人に対してどうしても素直になれない自分を告白してしまった。

徹　　 「そっかぁ　そうだね　僕も昔そうだったかも」
　　 　 「反抗期なのかも知れないが　僕も他人に素直になれなかった時期があったよ」
　　　　「でも　麻里ちゃんのそういう時は　今日で終わる」
麻里　「えっなんで」
徹　 　「それはね　麻里ちゃん　今日　大人の女になるからだよ」
　　　　「大人の女に　そんな心の壁は不要」
　　　　「それになにかあれば　僕がいつでも守ってあげる」
麻里　「にゃん　あはぁっ　照れるぅ」
　　　　「徹さんって　そういう台詞言っても　気障じゃないから　まいっちゃう」
徹　　 「それでは今から　ホテルに行こうね」
麻里　「お任せします　うふっ」

　徹は既に麻里の心を鷲掴みにしていたのだった。
　麻里は自分が憧れた人が、本当の白馬の王子様なんだと確信した。
「直子　涼子　が夢中になっちゃうはず　わたしも　もう駄目」
　そして２人の心は急接近して、身体が結ばれる前に既に相思相愛の恋人同士のようになっていた。
　ラブホテルに入り楽しくロビーで部屋を選ぶ２人は既に長く付き合っている恋人そのものであり、彼女の説明に彼氏がエッチに答える様はラブラブな雰囲気そのものであった。
　部屋に入ると麻里は興味津々で室内見学ツアーを開催した。
　麻里が部屋の仕掛けなどについて質問すると、徹がエッチなことを織り交ぜながら説明する。
　そして徹が提案する。

徹　　 「麻里ちゃん　せっかくだから　最初に一緒にお風呂入ろ」
麻里　「えっえぇぇぇ恥ずかしいぃ」
　　　　「わたし　オッパイ無いの　見られたら嫌」
徹　　 「なに言ってるの　僕は隅々まで見ちゃうよ」
麻里　「えっえぇぇぇマジ」
徹　　 「どうせ最後は一緒にお風呂入るんだから　気にしない　気にしない」
麻里　「その理屈　納得いかない」

　と言いながら麻里と徹は服を脱がしあって、２人とも下着姿となった。
　麻里は上下お揃いの白のブラジャーとパンティで、その清楚な感じに徹の興奮は沸騰した。
　麻里は徹のトランクス前が大きく張り出していることに目を奪われていた。
　徹は迷うことなくトランクスを脱ぎ、肉棒を麻里の眼前に晒した。
　その迫力に麻里は息を呑んだ。
「すっすごいぃ　おっきい　なんて太さなの　あれが　そんなぁ」

徹　　 「麻里ちゃん　男の人のこれ　見たこと　触ったことあるの？」
麻里　「見たというか目撃したことはあるけど　触ったことない」
　　　　「これ　すごく大きいよね　なんか怖いぃ」
徹　　 「ちょっとだけ大っきいかも　がはは　触ってごらん」
　　　　「何事も　経験経験」
麻里　「うそぉ　堅い　こんなに堅くなるものなの　すっすごい」
　　　　「あん　なんかドクドクしてる　逞しいのね　これって」

　麻里が肉棒に意識を奪われているのを良いことに、徹は手慣れた手つきでブラを取り去ってしまった。
　胸元が急に楽になったのを意識した瞬間、自分が乳房を晒していることに気がついた麻里は慌てて両腕で隠してしまう。
　その刹那、徹の手がパンティに掛かり、あっという間に下まで下ろしてしまった。

麻里　「ひぃあぁぁぁん　徹さん手が早い　剥かれちゃう」
徹　　 「さあっ　お風呂入ろ　ここはジェットバスがあるからね　楽しいよ」
麻里　「でもぉ　あん　ふぐっふん」

　麻里は男性に初めて裸体を晒す恥ずかしさに嫌々する暇も無く、いきなり唇を奪われた。
　もちろんキスも初めての経験なので驚きが先に立ってされるがままであったが、徹に優しくやんわりと抱擁されてのキスは警戒気味の麻里の心を溶かしていった。
　余裕の無いガツガツしたデリカシーの片鱗もない抱擁でのキスは、経験の無い蕾のような女の子には大敵で、それだけで恐怖で身を固くして心も閉ざしてしまう。
　徹の余裕たっぷりの優しく包むように抱かれてのキスは経験の無い女の子にとってまさに魔法であり、徹は誰に学んだ訳でもなく自然体でそれが出来てしまう男であった。
　気がつけば麻里の両腕は徹の身体に巻き付いていた。
　麻里のファーストキスは、そのまま濃厚なディープキスに発展した。

　麻里は無我夢中で唇を重ねて、貪欲に徹の舌に自身の舌を絡めた。
　誰に習ったわけでも、ネットで勉強したわけでもない。
　麻里の女の子としての本能であった。
　少女が本当の愛に目覚めた時、少女は一瞬にしてオンナになる。
　徹のキスは麻里に本当の愛を教えたのだ。

つづく