第51話　麻里３


　破瓜の苦痛は不思議なほど和らぎ、好きな男性に抱かれ貫かれる悦びが麻里の心いっぱいに広がって、無償の愛情に火が灯った瞬間でもあった。
　今優しく抱きしめてくれる徹は、麻里が理想とする全てのものを持っている男性であった。
　身長も理想的な高さでジャニーズ系の美青年であり、優しくて情熱的で、なにより女心を知り尽くしている白馬の王子様そのものであった。
　容姿、性格だけでなく、家柄も良くて、非の打ち所のない希な男性と言って良かった。
　それでいて、とてもエッチで、そのセックスは耳年増な女の子を圧倒するテクニシャンで、本質的にはエッチな女の子にとって完璧な存在であり、それに加えて極上の肉棒の持ち主であった。

　女の子にとって凶器にも見える肉棒は、巨根のカテゴリーではあるのだが、異常な太さや長さというわけではなくて、ある程度慣れたらまさに理想的な大きさであった。
　あの亜紀ですら、この肉棒の良さに心酔してしまう極上の肉棒なのだ。
　初めての女の子が、その良さを知ってしまったら、もはや抜け出せない忘れられないものとなる。
　直子も、涼子も、もはや徹以外の男性には興味がなくなってしまい、徹にとって必要な女でありたいと自分磨きにひた走っていた。
　そしてまた１人の美少女が魅せられてしまった。

　肉棒がもっと太く大きい者、もっと筋肉質で逞しい者など肉体的な魅力だけなら徹以上の男性は数多く存在するだろうし、セックステクニック、女性に対する優しさと情熱において徹に匹敵する者も、更にそれ以上に上手い者が数多くいるだろう。
　そして恵まれた家柄も同様で、徹に匹敵する者も、それ以上の者も数多くいるだろう。
　にもかかわらず徹が希な存在である理由は、その全てをバランス良く持っていることにあった。
　徹は女性が望む理想の男性像そのものであった。
　徹の魅力は女性を決して上から目線で見ない、対等な目線でのスタンスから出る仕草に集約される。
　それが上っ面な見せかけの優しさではない、まさに女性をいたわる真摯な気持ちが伝わる行動に繋がる。
　男性よりコミュニケーション能力が優れていて共感しあうことが大切な女性にとって、まさに理想の異性像そのものであった。

　徹は麻里が破瓜の痛みに耐えていることは百も承知で、その痛みを少しでも和らげたい、肩代わりしたいという気持ちでいっぱいであった。
　そしてそれを和らげる唯一の方法は、真面目な愛する気持ちを身をもって伝えるしかないということを理解していた。
　男の欲望としては本能的に腰が動いてしまうが、それを無理矢理押さえつけて、チカラを加減して優しくギュッと抱きしめる、ただそれだけであった。
　そしてそれは麻里がなにか言葉を発するまで、続けるだけであった。
　性器で奥深くまで繋がりあったままで、汗ばんだ素肌と素肌が密着して体温も伝わり、お互いの吐く息も鼓動も共有する。
　たったそれだけのことが痛みに耐えている麻里を幸福感で抱き包んでいく。
　愛されている、守られているという幸福感は、女性をもっとも強くするサプリメントで痛みを次第に意識しないようになっていく。
　女性は基本的には肉体的な痛みに強く、月経の痛みもしかり、出産の激痛も同じく精神的充足感さえあれば克服できるのだ。

麻里　「はぁん　徹さん　わたし　好き」
徹 　　「よかった　少し楽になったみたいだね」
　　　　「改めて　おめでとう　もう大人だね　麻里」
麻里　「うん　麻里って呼んでくれて　嬉しいぃ」
徹　 　「だって　もう大人だもんね」

　そんな麻里の反応に徹は安堵し、次第に本性を露わにしていく。
　既に両手は自由に蠢き、麻里の肢体を思う存分楽しんでいた。
　徹が郁美達から「天然スケコマシ」と評価されるポイントとして、この無意識に繰り出される女体に対する手淫にあるのだが、不思議と女性から嫌らしい行為とは思われないという特徴にあった。
　もはや人徳とも言える優位性は一般男性がどう努力しても得られないもので、それ故に徹が希な存在である理由であった。

　麻里は自身の身体に、これほど敏感な性感帯が潜んでいたとは考えてもいなかったが、徹の腕の中で紛れもなくオンナの身体に造り替えられていく過程を楽しんでいた。
　熱く堅いモノが身体の中心で脈打ち、その感覚の衝撃が麻里を圧倒した。
　身体の中を掻き回され、次第に身体を乗っ取られる錯覚さえ覚えていた。
　口では分からなかった肉棒の大きさと立体感が生々しく感じ取られて、３Ｄイメージのように頭の中に浮かび上がり、次第にそれしか考えられなくなっていた。
　肉棒出し入れされると痛みを遙かに凌ぐ快感が麻里を飲み込んでいった。

　徹は膣の具合が絶妙であったので、射精感を押さえ込むのに躍起になっていた。
　ロストバージンしたばかりだというのに、これでもかという絶妙のタイミングで肉棒を締め付けてきて徹ですらタジタジであった。
　それに加えて、下腹部から漂う麝香のような香りが徹を狂わしていく。
　コンドームをそろそろ付けなければならないと思うのだが、身体は麻里の身体と離れることを拒否して快楽を貪り続けた。
「マズい　このままでは　逝ってしまう　身体が離せない」
「あっあぁぁぁ腰が勝手に　麻里　麻里　僕は　もう駄目だ」

　徹は気力を振り絞って上半身を起こして身体を引き剥がそうと試みたが、麻里の本能的な行動に阻止されてしまい、そのまま麻里の肢体に溺れていった。
　麻里は離れようとする徹の首に両腕を巻き付けて、その動きを阻止した。
　それは受胎を望む女性特有の本能的な動きで、麻里が意識してした動きでなかった。
　麻里の両腋からは下腹部とは異なる淡い心地よい麝香の香りが広がり、徹を包んでいった。

徹　 　「はひぃぐはぁ　あっあっあっ！！」
麻里　「きゃあっ　熱いぃぃぃ」

　麻里の体内で熱い飛沫が突き上げるように迸ったかと思うと、カッと子宮が熱い液体で満たされた。
　そこで麻里の意識は四散した。


　環は徹が実兄であるという立場を呪った。
　直子、涼子達が夢中になることなど初めから分かっていたのに、それを自ら否定していただけであった。
　実兄だからこそ、自分のモノだと思ってしまう複雑な感情があった。
　武史という素晴らしい彼氏が出来て環は幸せだったし、毎日が楽しかったのだが、それはそれ、これはこれという女性特有な欲張りな感情が日に日に増大していった。
　まして武史とは遠距離恋愛であり、お互い離れている間は浮気公認という自由さが当たり前の道徳観を破壊してしまった。
　環にしてみれば、セックスの素晴らしさをこれでもかと武史に教えられた挙げ句の遠距離恋愛であるから毎日火照る若い肢体を持て余しているのが実情であった。
　とはいえ環のプライドの高さは変わらず、武史に及ばない男性など目にも止まらない状態で、結果的に実兄、徹に熱い視線を送ってしまうのであった。
　そんな熱い思いを環は亜紀と郁美に告白した。

亜紀　「うぅぅぅん　環ちゃん　ここは我慢よ」
　　　　「越えて いけないから　禁断なの　分かるでしょ」
環　　 「でも　もう身体が」
郁美　「そうね　オンナって　知っちゃうとね」
　　　　「そうだ　定期的に　わたしのところに　泊まりにおいで」
環　　 「えっいいんですか」
郁美　「もちろんよ　わたしが　ご両親に話したげる」
環　　 「にぁん　郁美姉さん　大好きぃ」
亜紀　「もう　郁美ったら　いつから　そんなに手が早くなったの」
郁美　「さあ　亜紀のせいよ　うふふ」
亜紀　「うふふ　わたしも遊びに行っちゃうもん」
環　　 「うわぁ楽しそう」
亜紀　「そうそう　環ちゃんは複雑かも知れないけど　涼子ちゃんもほっとけない」
環　　 「すいません　ちょっと困っちゃって」
亜紀　「大丈夫よ　きっと　徹が責任取るから」
郁美　「そうそう」
環　　 「郁美姉さん　すごいです」
　　　　「兄　そこまで信じれるなんて　どう見ても　エロエロなのに」
郁美　「あっはぁ　信じるというか　なんかね」
　　　　「魂で繋がっているというか　うまく言葉に出来ないけど」
亜紀　「それにしても　環ちゃんも　ますます綺麗になったね」
環　　 「ありがとうございます」
郁美　「ところで近親相姦について　わたしは語る資格無いけど　ほんと禁断よ」
亜紀　「うん　わたしも　我慢した方がいいと思うよ」
郁美　「でも　わたしは　亜紀の方　心配してる」
亜紀　「えっ？　わたし　なんで」
郁美　「もう　分かってるくせに　武史くんの気持ち」
　　　　「ずっと前から　気がついていたはず」
環　　 「えっえぇぇぇぇぇ　やっぱりそうなんですか！！」
亜紀　「環ちゃん　あなた」
環　　 「わたし　なんとなく　そんな気がしてました」
　　　　「武史さんの　亜紀姉さんを見る目　弟のものじゃないって」
郁美　「うふふ　女の勘恐るべし」
亜紀　「あっはぁっ　２人には負けたわ　そうね　そうみたい」
　　　　「だからって　応えちゃいけない愛ってあると思うの　わたし」
郁美　「そうかも　祐司さん　見てるとそう思う」
　　　　「わたしのこと一色になっちゃって　これからどうしよ　みたいな」
亜紀　「だから　禁断なのよ」
　　　　「興奮も　何もかも　錯覚だからね」
　　　　「でも当人は　それ一色になっちゃう」
郁美　「そうね　そうかも」
環　　 「そうかあ　敬子姉さんに　郁美姉さんと叔父様の事聞いて」
　　　　「凄いなって　そして憧れて　そしたら　わたしも兄と良いんじゃないかと思えて」
郁美　「ごめん　わたしのせい」
　　　　「でも　マジで　抜け出せないよ」
　　　　「武史くん　泣いちゃうかも」
環　　 「あはっ　そうかも」
　　　　「でも最近　兄のわたしを見る目が違ってきたというか」
郁美　「わたしも　そう思う　徹は間違いなく環ちゃん狙ってる」
亜紀　「まったく　困った子」
郁美　「まあ　越えちゃうときは越えちゃうものだから」
　　　　「１つ言えるのは　女のわたし達が　しっかりすることかな」
　　　　「間違っても溺れない」
　　　　「快楽は快楽として楽しんで、普段は普段と切り分ける大人になること」
亜紀　「もう郁美ったら」
環　　 「そうですね　男って　子供みたいに　すぐ俺の　って言うし」
　　　　「考えてること　ミエミエです」
　　　　「そっかぁ　そうですね」
亜紀　「あらあら　環ちゃん　なんか目覚めちゃった？」
環　　 「亜紀姉さんも　武史さんとのこと　考えてあげて下さい」
亜紀　「あなたが　それ言う？　まいっちゃった　うふふ」

　それ以来、環は週末になると毎週のように郁美のマンションに泊まるようになった。
　結果として徹は環に郁美を奪われたような形になり、一時は半泣きの状態に陥る。
　そうなると徹も必死だ。
　平日の夜に毎日のように現れるようになり、あまりの必死さに敬子も遠慮してしまうほどであった。
　郁美にすれば、そんな徹がますます可愛くなってしまうので、毎夜繰り広げられる淫行は日に日に激しさを増していた。
　寝不足をものとしない連日のセックス三昧は、若い徹をますます絶倫な男に成長させていく。

　そんな中での徹と麻里の出会いは、まさに運命の出会いであった。
　麻里は男の人生すら狂わす麝香の体臭を放つ幻の女であり、かつては麝香の女を奪い合って男達は殺し合ったとも言われるほどの存在であった。
　数十万人に１人とも言われる希な体質であり、かの徳川将軍も側室にそのような女性を得て我を忘れたとも伝えられる魔性の素質を持った女であった。
　その魔性は麝香の体臭で男達を狂わせるだけに留まらず、貪欲な快楽の欲求に身を焦がす淫乱性を併せ持つ点にあった。
　本質的に、男性の精力も富も権力も何もかも吸い尽くす女であった。
　その麝香の女を独り占め出来る男は、圧倒的な精力を持ち、なおかつ盲目的に女から愛される素質を持った徹のような者だけであった。
　ゆえに権力だけ、財力だけで、独占を試みた男達はことごとく破滅を迎えた。
　それが麝香の女を魔性の女と同一視する考えに繋がる。
　所詮、男が女の器量を受け止めきれないだけのことなのだが、男達は女のせいにしたがる。
　麻里は初めてで、自身に釣り合う男に出会った。
　徹は郁美という大切な人がいながら、次々と人生を左右する女性に出会って成長を遂げていたが、麻里との出会いが極めつけであった。
　麻里は徹にとってかけがえのない存在になっていくのに、さほどの時間を要しなかった。


　麻里の意識が真っ白い空間から徐々に戻ってくるにつれて、自身の体内で生じている変化に女の幸せを実感していた。
　ボンヤリした視線の先には、恍惚として脱力した徹の顔が映っていた。
　麻里は思わず肉棒の感触を確かめたくて、キュッと膣を締め上げてしまう。
　その刺激に徹は肉棒内に残ったありったけの精を麻里の中に注ぎ込んでしまった。
　女だけに許された万感の思いが麻里を包んでいた。

　徹は動揺していたが、あまりの気持ち良さに引き返せない自分を自覚していた。
　射精の余韻に浸りつつ、麻里に覆い被さり肉棒を深く押し込み腰を振った。
　亀頭に精液が溢れかえった子宮口がヌルンと当たり、麻里の肢体の素晴らしさを満喫していた。
　鼻腔に麝香の香りが広がり、射精の疲労感を急速に癒されていった。
　たった今タップリと中出ししたばかりだというのに、肉棒は更なる性交を求めてますます堅くなった。
　中出しはマズいという冷静な判断力があると徹であったが、麝香の香りに誘われ、再び軽快に腰を振ってセックスに溺れていった。

　徹と麻里は取り憑かれたように愛し合い続けた。
　ベットであれから限界まで愛し合った後、今度は浴室でシャワーを浴びながら絡み合った。
　麻里は両手を壁につきながら、後ろから激しく突かれバストを揉みしだかれた。
　何度絶頂の声を上げて失神したか分からないほど、麻里は逝った。
　もう麻里には徹の肉棒の良さしか頭になかった。
　このままずっと一生抱かれていたいと強く願っていた。
　徹は郁美とのセックスに匹敵する快楽の中で、麻里の肢体に夢中であった。
　もう何度射精したか分からないほどで、２人の股間からは多量の体液が溢れかえっていた。

　リーーーン！！リーーーーン！！リーーーン！！リーーーーン！！

　まさにそんな時に固定電話が鳴った。
　その音で徹は冷静さを取り戻した。
　慌てて電話に出た徹に、フロント係は事務的に間もなくサービスタイムが終わり延長料金が加算される時間に入る旨伝えた。
　徹は驚いて時計を見るが、間もなく午後４時となろうとしていた。
　２人は実に６時間近くセックスに溺れていたことになるが、２人にとってはあっという間の時間であり、もう離ればなれにならなければならないという現実が辛かった。
　徹は失意のまま慌てて浴室に残してきた麻里の元に戻った。
　麻里はバスタオルを身体に巻いて、脱衣場に立ちに憂いを含んだ瞳で徹を待っていた。

徹 　　「麻里ちゃん　もうすぐ４時だよ　そろそろ帰り支度しないと遅くなっちゃうよ」
麻里　「えっえぇぇぇ　もうそんな時間なの」
徹 　　「辛いけど　今日はここまでだね　また会おうね」
麻里　「いや　今日　帰りたくない　徹さんと一緒にいたい」
徹 　　「麻里ちゃん　でも　ご両親心配するよ」
麻里　「パパ　昨日から講演で東京に行って居ないもん」
徹 　　「お母様が心配するよ」
麻里　「ママ　家　居ないの　３年前に死んじゃったの」
徹 　　「えっ　マジ　ごめん　知らなくて」
麻里　「お手伝いさんも　夕方帰っちゃうし　今日は　広いお家で独りぼっちなんて嫌」
徹 　　「麻里ちゃん　僕だって麻里ちゃんと離れたくないよ」

　２人は抱き合った。
　自然と唇を重ね合ってしまう２人。
　麻里は不意に下腹部に「おりもの」のような違和感を覚えて、両脚を強く閉じてしまった。
　ズルッという感覚と共に、生暖かい粘質の体液が膣口から溢れ出て両脚を伝っていった。
　麻里は驚いて自分の下半身に目線を下げたが、直ぐのその体液の正体を理解した。
　精液の逆流であった。
　ムッと栗の花のような強い匂いが広がった。
　麻里は恥ずかしさのあまりうずくまってしまう。
　匂いで事態を察した徹は慌てて寝室に走り、テッシュペーパー片手に戻ってきた。

徹　 　「あらら　ごめん　僕いっぱい出しちゃったみたい」
　　　　「拭かなきゃ」
麻里　「いやぁん　なんか恥ずかしい」
徹　　 「どうしよ　麻里ちゃん妊娠しちゃう」
麻里　「わたし　生むもん　徹さんの赤ちゃん欲しいもん」
徹　　 「嬉しいけど　まだ早いでしょ　麻里ちゃん　高校１年生だよ」
麻里　「麻里は　本気だもん」
徹　　 「分かっているよ　僕も麻里を守っていくと誓うよ」
　　　　「だけど　それは　あと３年我慢しよ」

　徹は麻里をなだめながら寝室に連れてくと、カバンから白い錠剤が入った薬状のものを取り出して麻里に差し出した。

徹　　 「全ては　僕が　我慢出来なかったから　ごめんね」
　　　　「麻里ちゃんのこと　好きで　好きで　我慢出来なかった」
　　　　「結局　麻里ちゃんに負担掛けてしまうなんて　僕って愚かだった」
　　　　「これ　アフターピルで　ノルレボ　というお薬なんだ」
　　　　「これでほぼ妊娠回避出来るお薬」
　　　　「ただし頭痛とか吐き気がするかも　麻里ちゃん持病とかないよね」
麻里　「うふふ　徹さんって優しいのね」
　　　　「うん　持病はないわ　分かった」
　　　　「そうよね　徹さんが困るのよね　でも　わたしが高校卒業したら」
徹　　 「麻里ちゃんの気持ちが変わらないなら　僕は約束するよ」
麻里　「でも飲むには　もうひとつ条件あるの」
徹　　 「僕は嘘言わないよ　なに？」
麻里　「今日は　わたしのお家で　２人で過ごすこと」
徹　　 「えぇぇぇぇぇ本気で言ってるの」
　　　　「お手伝いさんとか　大丈夫なの」
麻里　「５時には帰っちゃうし、パパは帰ってくるのは月曜日の昼過ぎだもん」
　　　　「明日も一緒にいて　ねぇ　いいでしょ」
徹　　 「お手伝いさんは？」
麻里　「今週の日曜日はお休みだもん」

　徹は苦笑いを浮かべて頭を掻いた。
「マジですか　こういう駆け引きは女の子に勝てないな」
「ああ　郁美　敬子ちゃん　ごめん　僕　麻里ちゃんに嵌まっちゃった」
「でも　僕も　本心から　今は麻里ちゃんと離れたくないんだ」
「一生掛けて　償うから　郁美　許してぇ」
　
　それは徹にとって初めての浮気ともいえる行動であった。

つづく