第60話　　再会の予感


　田原は松茸のような亀頭を敬子の秘部に宛がうと、ゆっくりと腰を前に進めた。
　亀頭が鮮やかな桜色で美しい小陰唇を押し開くと、ドロッと多量の愛液が溢れ出て亀頭に纏わり付いた。
　十分すぎる潤滑を得て、巨大な亀頭は小さく硬く閉じた桜色の膣口を強引に押し広げ、ゆっくりと膣内に埋没していった。
　思わず鼻から息を漏らしつつ、秘肉を貫く男の究極の快感に酔いしれていた。
　凄まじい圧迫感に敬子の肢体は上に逃げようとするが、田原は両手両脚を巧みに使い敬子の肢体を抱き寄せて逃がさない。

　徹と祐司という巨根の男性二人と日常的にセックスを経験している敬子であったが、田原の肉棒は別格で身体を引き裂くような極太マラであった。
　圧倒的な圧迫感で押し入ってくる圧力で、両脚は押し広げられて宙を舞って痙攣し、両手は左右に突っ張りシーツを握りしめた。
「ひいぃぃぃぃぃおっきいぃぃぃ　さっ裂けちゃうぅ」
「あっ　はぁう」
　遂に巨大な亀頭が細くて小さい膣口を突破して、膣内に入り込んだのだ。
　不意に圧迫感が和らぎ、次には膣を限界近くまでに押し広げられる拡張感に襲われた。

　メリメリメリメリメリ♪♪

敬子　「うぐぅはぁ　あっあぁぁぁぁぁ」
田原　「うはぁ」
敬子　「やあぁぁぁぁぁ」

　コリップッコリコリコリコリコリコリ！！

敬子　「あっやぁぁぁぁぁ！！　ひぃ逝っちゃう　やあぁぁぁ」

　怒濤の勢いで肉棒に埋め込まれたパールが膣口を突破して膣内に流れ込んできたのだ。
　膣口をコリコリと押し広げられる刺激だけでも凄まじいのに、膣内でのそれは凶暴な生き物と化した。
　規則的に螺旋を描くように埋め込まれているので、受け入れる敬子は膣内で肉棒が回転しているような錯覚を覚えて、今までとは全く異質な快感が身体を駆け抜けた。
　敬子はまだバイブなど未経験であり、膣内でのパールなどという異形のものなど全く経験が無かった。
　そんなことお構いなしに凶暴な肉棒は秘肉を強引に押し開き、パールが秘肉を蹂躙しながら、奥へ奥へと侵入していった。

敬子　「あっあっあっあっ　だめっ　あっあっあぁぁぁん」
田原　「けっけいこちゃぁん　はぐぅ」
敬子　「あっあひぃぃぃうったぁっ・・・」
田原　「はぁはぁ　敬子ちゃん　逝っちゃったの？　かわいいぃ」
　　　　「まだ　全部入っていないのに　それぇ　今のうちに」

　グチュルプゥゥゥゥゥゥプッ！！

　敬子は快感に飲み込まれ、一瞬意識が跳んで真っ白になった。
　そして次の瞬間、棍棒のようなものを突っ込まれたような嘔吐感を伴った内臓への突き上げる衝撃に引き戻された。

敬子　「ぐげぇ　ぐっはあっ　はぁふっうぅぅぅ」
田原　「あっ　ごめん　強くし過ぎた　痛かった？　ごめん」

　田原は長年の経験、亜紀の教育的指導で、自身の肉棒を乱暴に振るえば女性に苦痛を与えることを自覚していたので、敬子の反応を見てやり過ぎたことを察しフォローに努めた。
　敬子の頭部を自身の逞しい胸に優しく抱き寄せて、いたわった。
　女性は肢体を通して男性の愛情に包まれていると感じる、感性で認識する生き物なのだ。
　その安堵感さえあれば、どんな苦痛でも克服することが出来てしまう強い生き物であり、その苦痛ですら快感に昇華できる生き物なのだ。
　月経の痛み、性交の痛み、そして出産の激痛しかり、女性を強靱に、そして貪欲な快楽への享受者に変貌させるものは「男性から愛されているという安堵感」なのだ。
　吐き気を伴った嘔吐感に襲われていた敬子は、直ぐにそれすら忘れて身悶えた。
　憧れの男性に愛されている、抱かれているという認識は敬子のオンナとしての扉を開かせた。
　敬子の白く美しく、そして長い両手両脚は田原の身体に巻き付き、全てを受け入れようとねだった。

　田原は待っていましたとばかりに、腰をくねらせて膣内を掻き混ぜ始めた。
　肉棒が秘肉にキュツキュッと締め上げられて、例えようのない快感が背筋を駆け抜けて、思わず嘆息の声を漏らしてしまう。
　敬子の肌は吸いつくような柔肌で、更に新体操で鍛えた筋力は肢体に見事なバランスをもたらし、もはや芸術の域に達した見事な女体となっいた。
　肉棒は絶妙のバランスで締め付けられて、田原は次第に我を忘れて敬子にしがみついた。
　たちまち射精感が高まり、肉棒がピクピクと痙攣し鈴口から多量のカウパー液をドクドクと垂れ流した。
　まだピストン運動もしてないのに、田原の興奮は今まさにピークに達しようとしていた。
　凄まじい快感に耐えようと、思わず腰の動きが止まってしまう。

田原　「うっうぅぅぅん　出そうだ　うぅぅぅまだ　もっと　うぅぅぅ」
敬子　「あん　おっきいぃ　なんなのぉ　中で　あたるぅ　あん　変よぉ」
田原　「うわぁっ　まってぇ　そんなに　締めないでぇ　出ちゃう」
敬子　「きてぇ　いいの　あんあんあん」
田原　「まだ　まだ　もっと　こうしていたい　うっうぅぅぅふう」

　オンナの本能に支配されている敬子は容赦なく田原に射精を迫ってきた。
　両腕は田原の背中を優しく抱きながら撫でてきて、両脚は田原の腰に巻き付いて肉棒を更に深く向かい入れるように誘ってくる。
　もはや射精目前の田原であったが、長い間楽しみにしてた敬子との初セックスで若造のように早々の射精という事態はプライドが許さなかった。
「ここで　出してたまるか　今日は敬子ちゃんを食べ尽くすんだ」
「うおぉぉぉ　俺は　俺は　田原 凌　凄いんだ　うおぉぉぉ」

　田原は下唇を噛みしめると、未曾有の射精感を経験でねじ伏せた。
　目を強く見開き、深呼吸してクールダウンに必死になり、わざと仕事のことなど考えていていた。
　冷静になればなるほど、肉棒を包む膣の具合が素晴らしく、そして耐えられないほど気持ちよいというのを思い知る。
　田原の数十人に及ぶ女体経験の中でも、間違いなく若い男など１分間も持たないだろうと思わせるほどのダントツの気持ち良さであった。
　亜紀や郁美達も素晴らしい女穴の持ち主であり、田原は惚れぬいていたが、それでも敬子の女穴は別次元の逸物であった。
　少し精液を漏らしながらも凄まじい射精感を耐えぬいた肉棒を、鍛えられた筋力に裏打ちされた膣の律動が容赦なく扱いていた。
「うわぁぁぁ　ここで動いたら　出てしまう　気持ちよすぎる」
「ああ　チンポが　溶けていく　ああ　俺は　俺は」　
　気がつけば口元から涎を垂らしていた田原は女穴の素晴らしさを堪能していたが、不意に脳裏に亜紀の淋しげな顔が浮かんできて、ふと我に返った。

　もう８年ほど前に初めて会った亜紀は、田原ですら背筋がドキッとするほど色香の香る美少女であり、そして亡くなった愛妻和美に似た顔立ちをしており、まさに一目惚れであった。
　愛妻を亡くしてから田原は破滅志向が強く、自暴自棄な言動・行動が酷く、もちろん周囲の者達を不幸にする元凶となっていた。
　神戸は阪神大震災から立ち直ろうとする時期に、一番必要とする経済の実力者がそのような状況に陥っていたのだから、その影響は深刻であった。
　その田原の前に突然降臨した女神が亜紀であった。
　愛妻和美とは正反対の凛とした意志の強い亜紀は田原の思う通りにならず、あの手この手で田原は顔色を窺う日々であった。
　亜紀の存在が田原にとって生きる希望になったし、亜紀を手に入れるのが目標になった。
　亜紀は決してお金に靡かない強い女で、田原が出会ったことのないタイプであった。
　そんな亜紀を遂に妻に出来たことで、田原は浮かれていた。
　亜紀が寛容なことを良いことに、既に郁美、紗弥と深い関係であり、遂に敬子と深い関係になってしまったのだから。

　田原にとっては亜紀は弱点であり、なによりも大切な存在であった。
　「天使は金で買えない」とは田原の言葉であるが、それは冗談めかして言うが本心でもあった。
　田原は亜紀に認めてもらうために、そして愛してもらうために、人生で初めて自分の生き方も含めて反省し努力したのだった。
　敬子の肢体の素晴らしさに、肉欲に溺れ夢中になって我を忘れていた自分が恥ずかしかった。
　自分と敬子の仲は、あくまでも大人の関係であり、セックスを楽しむ関係に過ぎないのだ。
　そんな自覚は田原を一瞬に冷静な色事師に引き戻した。
「俺は　俺は　メスライオンの主　百獣の王オスライオンなのだ」
「女子会という群れの長なのだ」
「だから　みんな　俺の女なのだ」
「俺の為に　亜紀は　どんどん　いい女　を集めてくれる」
「がははは　俺には　この精力と富も権力もある」
「俺の大奥も　夢じゃない」

　冷静さを取り戻した田原は崖っぷちの撃沈目前から立ち直った。
　不敵な笑みを浮かべると、肉棒を軽く前後させながら腰を８の字にくねらせ回し始めた。
　複数のパールは出入りして膣口を責めたてながら、膣内に残ったパールは的確にポイントを刺激しながら秘肉を攪拌する激しい刺激に敬子は悶絶するしかなかった。
　あまりの激しさに何度も登り詰めて意識が跳び跳びになってしまう。
「だめぇぇ　おかしくなる　あんあん　ひぃい」

　すっかり体勢を立て直した田原は、まだ経験が浅く無抵抗な敬子を食べ尽くす気満々で、肉棒が半分ほど出入りする位のストロークで腰をゆっくりと前後に振り始めた。
　ストロークはとても遅く、１０秒くらい掛けて引き抜くと、今度は同じく１０秒くらい掛けて最深部まで挿入していった。
　その過程で肉棒が奏でる快感は電流のように背筋を駆け抜けていき、嘆息の吐息を漏らしてしまう。
　
　じュルゥゥゥゥゥぽぷフゥジュ♪♪じュルゥゥゥゥゥぽぷフゥジュ♪♪
　じュルゥゥゥゥゥぽぷフゥジュ♪♪じュルゥゥゥゥゥぽぷフゥジュ♪♪

　パールが抜け出るたびに、愛液とカウパー液の白濁化した多量のカクテル液がドクドクと掻き出されて、肉棒を伝って玉袋から滴り落ち、膣口からアナルを伝ってシーツに染みこんでいった。
　その量は尋常な量ではなく、ローションを使っているのではないかと誤解するほどの大洪水であった。
　出し入れが繰り返されるたびに、量も、白濁もひどくなり、その粘性も次第に強くなり、膣と肉棒のパールの群の間で糸を引き始めるほどの凄まじさであった。

　パールの効果は激しくピストンすると女性への負担ばかり増すだけであるが、このようにとてもゆっくりピストンすることで真価を発揮する。
　パール１粒１粒が出入りするたびに、敬子はアクメの淵に追いやられてしまう。
　にもかかわらず逝く寸止めの快感で、まさに決定的な快感で逝きたいというジレンマで狂おしい渇望に身を焦がした。
　定期的に極太の亀頭が子宮を軽く突き上げながら奥の絶頂ポイント圧迫するので、まさに絶頂寸前まで登り詰めるのだが、あと数秒というところで肉棒は逃げていくのだ。
　オンナにとっては限界を越えた生殺しであり、亜紀や郁美ですら泣いて逝かせてとおねだりしてしまうアクメ入口地獄であった。
　亜紀が初めて自身が女であると屈服させられた性技であり、郁美と紗弥が田原が可哀相だからという建前で嘯いて田原との肉体関係を止められないのは、実はこれが忘れられず田原の性技に屈服していたのを欺瞞で隠しただけであった。
　敬子は狂おしい快感の津波に抗しきれず、田原に半泣き状態で必死に抱きついて、逝かせてとねだった。

敬子　「あぁぁぁん　凌　逝かせてぇ　もうだめぇぇぇぇぇあぁぁぁん」
田原　「おう　俺も　逝くゥゥゥ　それぇぇぇぇぇ！！」
敬子　「うぐぁん　ぁっぷぅぅぅぅぅ・・・・・」

　極太の亀頭が更に膨れあがり、敬子の最深部で破裂して熱い粘液が噴き出した。
　熱いと感じた途端、敬子の意識が途切れた。
　真っ白な何も無い空間が敬子を優しく包んでいた。


　敬子がアクメ天国を彷徨っているとは全く知らない、郁美と徹は穏やかなひとときを過ごしていた。
　徹は郁美の手料理を堪能していた。
　もりもりとお代わりして次々料理を平らげる徹を郁美は優しく笑顔で包んでいく。
　徹にとって、食も、性欲も、環境も、精神的にも、郁美のそばに居ることが全てであった。
　もはや郁美のいない人生などあり得ないし、考えた事もなかった。
　だからこそ常に郁美に相応しい男でありたいと努力していたし、郁美が望むことに全力で応えてきたし、これからも前に向かって進んで成長する決意であった。
　今でも自分は未熟であるし若造に過ぎないと自己分析していたので、まだ自分は郁美を幸せにするには足りないところがいっぱいあると自覚していた。
　早く社会人になって親の七光りと言われないように、実績を上げたいと考えていた。
　焦っても自分はまだ大学３年生になったばかりであり、今は学業と女修行を邁進するのが役目だと考えていた。

　そんな徹にとって女修行は試練の連続であった。
　もともと心優しい性格で女性に対する思いも熱いタイプなので、美しい女性達に囲まれ、その肢体の誘惑は強烈であった。
　郁美と出会っていなかったら、敬子や亜紀、里奈、紗弥達に溺れていたに違いない。
　直子、涼子、麻里との出会いも、若い徹にはある意味過酷で、彼女達は徹ですら眩し過ぎる将来性抜群の女の子達であった。
　本来であれば一夜限りでなければならない関係だったはずだし、青春の良き思い出にならなければならない存在、役割だった。
　徹は真っ直ぐな女の子の愛情をぶつけてくる彼女達を捨てることが出来なかった。
　そんな徹を優しく見つめて、常に手助けしてくれる郁美の存在がその心労を全てを洗い流してくれた。

郁美　「徹ぅ　今日もよく食べたね」
徹　　 「ご馳走様　美味しすぎて　もっと食べたいくらい　あはは」
郁美　「まあ　ひとりで　２合も食べたのに　凄い食欲ね」
徹　　 「だって　フルに作ってくれたの　久しぶりだよ」
郁美　「そっかぁ　ごめんね」
　　　　「今日　徹に話が　お願いがあるの」
徹　　 「お願い？」
郁美　「ちょっと早いかもしれないけど」
徹　　 「あれれ　まさか　亜紀さん　里奈さんに　なにか聞いたの」
　　　　「ごめんなさい　ちょっと僕」
郁美　「いいの　わたしが悪いの」
　　　　「ねぇ　わたしと　結婚して下さい」
徹　　 「えっ・・・・・」
郁美　「嫌？」
徹　　 「そんなわけない　じゃなくて　僕はまだ学生　郁美に相応しくない」
　　　　「大学卒業して立派になったらって」
　　　　「すごく嬉しいし　ずっと一緒にいたいよ」
郁美　「もう徹は　わたしに　相応しいとかいうレベル越えてるよ」
　　　　「むしろ　わたしが徹のこと　放したくないの」
徹　　 「僕は　ずっと愛しいるし　これからもそう」
郁美　「だから　我慢せずに　ふたりで向き合って生きたいの」
徹　　 「郁美！！」

　徹は郁美を抱き寄せると、ギュッと抱きしめていた。
　二人の時間はゆったりと流れて、もはや言葉は必要無かった。
「健二さん　ありがとう　わたし　今　とっても幸せよ」
「いつの日か　逢って笑って話せる日が・・・・・」


　里奈は分娩室で激痛と格闘中であった。
　駆けつけてくれた夫、西川義則と亜紀の二人が手をずっと握って居てくれなかったら、乗り越えられなかったかもしれない辛い試練であったが、やがて歓喜の時が訪れた。
　赤ちゃんの元気な泣き声が響き渡る中で、感激の涙を流す義則を見上げる里奈は複雑であった。
　理由はどうあれ、自分は愛する夫を裏切っているのだと自覚していた。

　義則本人は自覚していないが無精子症であり、西川夫婦には子供は絶望的であった。
　それにも関わらず企業創業家の跡取り息子である義則には、全てにおいて子供が絶対必要であった。
　出会った素晴らしい若者、徹は偶然全く同じ血液型であり、里奈は独断で悪魔の選択をしてしまった。
　里奈は墓場まで秘密を持って行く覚悟であったが、女として徹の子供を産みたいという欲望を満たしたに過ぎないという自分自身の欺瞞を夫、義則への愛というオブラートに包んで隠した。
　真実を知る亜紀は、なにも言わず満面の笑みで出産という大事業を果たした里奈を労い、頭を優しく撫でてくれた。

　里奈にとって亜紀は、同じ辛いソープ嬢時代を過ごした戦友であり恋人であった。
　荒んだ気持ちになりがちな環境の中、亜紀がいつも癒してくれた。
　事情を知って迎えに来てくれた元カレである義則への愛に応えるように、背中を押してくれたのも亜紀であった。
　そして夫、義則に申し訳ないという気持ちを秘めて、「女として、妻として全身全霊で夫を支えて生きていこう」という里奈の切ない決意を誰よりも早く支持してくれたのは亜紀であった。
　母親になったという実感が湧いてくると、女として生まれてきたことの悦びが強くなった。
　生まれてきた男の子が必死でオッパイに吸いついてくるのが堪らなく嬉しく、そして愛おしかった。

亜紀　「あはぁはぁ　可愛いねぇ　わたしも早くぅ　欲しくなっちゃったぁ」
里奈　「亜紀　ありがとうね」
亜紀　「えっなになに　急に」
里奈　「えへ　ちょっとね　それより　亜紀　出来たんじゃないの」
亜紀　「えっ　あれれ　バレちゃった？」
里奈　「ママの先輩には　隠せませんよぉ」
亜紀　「参ったな　そうよね　まだ　誰にも言ってないの」
里奈　「２ヶ月くらい？」
亜紀　「うん　さすがね　もうすぐ６週目」
里奈　「そうかぁ　お大事に」
亜紀　「まだ　凌に言っていないの　３ヶ月目に入るまでは様子みようかと」
里奈　「そうねぇ　凌の期待大きそうだもんね」
　　　　「ところで　パパは？」
亜紀　「それは抜かりなく　凌よ　うふ」
里奈　「それは　それは　さすが亜紀　お見事」
亜紀　「うふふ　凌は凄いからね　苦労いらずよ」
里奈　「参った　まさかのオメデタ　二連発だね」
亜紀　「うぅぅぅん　それより　名前は　決まったの？」
里奈　「それは　義則にお任せよ」
　　　　「男の子は義則　女の子はわたしが　名付けるって約束したの」
亜紀　「それいいね　わたしも　凌と話そう」
　　　　「そう言えば　郁美　徹にプロポーズするって言ってたよ」
里奈　「そう　とうとう決心したんだね」
　　　　「でも徹　どうするかな？」
亜紀　「うぅぅぅん　卒業まで待ってくれ　かな？」
里奈　「あの子は　そうよね」
亜紀　「だから　同棲しちゃえって　言っちゃった」
　　　　「そしたら　郁美　妊娠しちゃおうかなって」
里奈　「あはっ　徹には　女の奥の手　見抜けないよね」
亜紀　「うん　無理よね」
　　　　「それにしても　今日は　ビックリするくらい　良い天気よ　雲ひとつ無い青空」
　　　　「赤ちゃん　間違いなく　晴れ男だね　うふっ」
里奈　「うん　わたしの宝物　よしよし」

　亜紀は赤ちゃんに授乳する里奈を見ながら、そっと自分の下腹部を優しく撫でた。
　もう亜紀の心は、８ヶ月先には生まれてくるだろうお腹の赤ちゃんに飛んでいた。
「元気に生まれてくるんだよ」
「わたし　いろいろあったけど　凌　里奈　郁美　そして徹と敬子に出会えて　幸せよ」
「ずっと　ずっと　みんなと一緒にいたい」
　亜紀の瞳には病室の窓から見える雲ひとつない真っ青な青空が映っていた。



＊＊＊＊＊　ずっと愛してます　　〜　完　〜　＊＊＊＊＊