放心状態だった美鈴は、ヌルヌルと背中を這いまわっている父の卑猥な手つきでハッと我に返った。
「お、お父さん、わ、私はいいから」
「なにを言ってるんだ。父さんにとってかけがえのない大事な娘が嫁に行くんだ、最後にしっかりと我が娘の成長をこの手で確かめ、ちゃんと体で体感しとかないとな」
「えっ？」
　美鈴には、父親の『体感』と言う言葉の意味がわからなかった。
（か、体で体感・・・それって、どういう意味なの・・・）
「ひゃ！」
　肩甲骨を撫でまわしていた隆三の手が上に伸びてきた。優美な首筋のラインに沿って耳たぶと耳の裏、それに、うなじあたりをヌルヌルと這いずりまわっている。美鈴の身体には鳥肌がくまなくたっていた。もちろん肉親による性行為の不快さもあるが、それよりも、淫靡さがヒシヒシと伝わる隆三の指が的確に性感帯を愛撫してくることのほうが大きかった。
（・・・肉体が反応している・・・）
　そう認めざるを得なかったのは、あそこが湿りだしていることに気づいたからであった。
「あぁ・・・お、お父さん、本当にもう・・・っ！」
　言いかけて、美鈴は咄嗟にくちびるを噛んだ。
　両脇にすべり込んだ隆三の手がそのまま前に伸びてきて、９２センチの豊乳を下からすくい上げてきたのだ。
「・・・本当に美鈴のおっぱいは大きいなあ。これだけ大きいと肩もこるだろう」
　鞠のような乳椀をタプンタプン弄びながら、耳にぴったりと口を押しあて隆三が低い声で囁いてくる。背筋に走るむず痒いような痺れに、美鈴はたまらず背中を仰け反らせた。
（くぅ・・・こ、このままではまずいわ、な、なんとかしなきゃ・・・あはぁ！）
　乳房をねちっこく揉んでいた隆三が、すでに固くしこっていた乳首を指の腹でギュッと摘んできた。
「んはぁ！」
　反射的に、仰け反っていた美鈴の上半身が前かがみになった。中腰でたっていた隆三はすぐに美鈴の身体へ覆いかぶさり、腰を突きだし己の一物をグリグリと背中に擦りつけてくる。
（ああぁ・・・いや、だめ、・・・これ以上されたら・・・あはぁ、本当に感じちゃう）
　耳の奥のほうにまで熱い息が吹き込まれてくる。指のあいだに挟まれている乳首はコリコリと刺激的にいたぶられ、そのつど、美鈴は形のよい唇をつよく噛み締めた。
（あぁ・・・はやくここから逃げださないと、・・・んはぁ！・・・こ、このままだと、お父さん挿入しかねないわ。そ、それだけは絶対に食い止めないと・・・）
　心の中で警戒心を強めていく美鈴であるが、ヌルヌルと身体中のいたるところを這いずりまわるナメクジのような感触がなんともたまらない・・・肉体を蝕む快楽の痺れが、理性を保とうとする美鈴を強烈に誘惑し、甘美の世界へ導こうとしてやまない。そのうち、存分に乳房をもてあそんだ父親の手が下腹部へと滑っていき、その手がついに親子の関係を打ち砕いてしまう領域にまで踏み込んできた
。
「あっ、お、お父さん、そんなところまで洗わなくていいから！　お願い、やめて！」
　美鈴の訴えを無視するかのように、隆三は押し黙ったまま、見事に生えそろった黒い陰毛を手でこねくりまわし泡立てていった。
「お、お父さん、本当に、・・・あっ！・・・んはぁ・・・」
　突然、耳の中に隆三の舌がヌルリと入り込んできた。その瞬間、迂闊にも美鈴の口からは甘ったるい喘ぎ声がおおきく洩れてしまった。
「おお、どうした美鈴？　気持ちよくなってきたのか？　しょうがない娘だ。どれ、それじゃあもっと気持ちよくしてやろう」
　そう言うと、陰毛をかきまわしていた手をヌルッとすべらせ、恥丘の奥にある割れ目にそって指を入り込ませてきた。
「あ、いや！」
　美鈴は咄嗟に両足を閉じた。

　隆三の左手はすぐに太ももへと向かって這い下りていき、ざらついた手がヌルヌルと太ももを撫でまわしながら押し開こうとしてくる。
　・・・あ、ああ、いや、どうして、どうしてなの・・・
　自分の意思とはうらはらに、両足はゆっくりと開いていく。
「よしよし、それでいい。美鈴、もうちょっと腰を前に突き出してくれ、父さんにもたれかかっていいから」
「あ、あぁ・・・」
　言われるまま腰を前に突き出し隆三にもたれかかった。疼きはじめた肉体が、自身の意識とは完全に決別し、勝手に淫欲を貪っていく。美鈴は混乱した。・・・これは本当に自分の身体なのか・・・そんなふうにさえ思った。
　隆三の指が、晒された大陰唇をかるく擦りながらバラの花びらに似た小陰唇を一枚ずつめくっていく。
（あっ、だ、だめよ・・・お、お父さ・・・ん・・・くっ、んあっ！）
　その指先は、ピンク色の膣壁を擦るようにしながら奥深くへと侵入していった。
「ああぁ・・・・」
　すっかり濡れそぼった秘口は、まるで指の侵入を待っていたかのようにヒクヒクと痙攣をはじめ、濃厚な愛液がつぎからつぎへと分泌されていく。隆三は、狂気した喜びを口元いっぱいに浮かべて奥深くにまで差し込んだ指をいったん引き抜いた。そして、もう１本を追加し、２本の指でリズミカル抽送を開始した。