姉ちゃんは優等生


姉ちゃんは優等生保留守人作

１６．　赤白チェックのパジャマのズボンがベッドから少し離れた勉強机の下に、それから、生地の裏返ったショーツが壁とベッドの隙間に落ちている。『…い…れ…て…………』　高校３年生の姉・奈津子が弟の耳元に息を吹きかけるようにして、そう囁いた時、彼女のパジャマのトップスは、脇いっぱいにまでたくし上げられていた。　片方の乳輪だけが、まだ滑りを帯びており、淡い月明りに照らされて光っている。　ベッドの上、トランクス一丁で奈津子の体に覆いかぶさっていた高校１年生の弟・俊介は、セリフを伴う姉の息を耳に受けたとき、全身に強力な電流が突き抜けた。　……比喩である。　しかし、これ以外に的確な表現は見つからない。　そのとき俊介は反射的に両肘を突いて上体を浮かせ、奈津子の顔を見つめた。　ずっと一つ屋根の下で暮らしてきた姉の顔を、誰よりも可愛い女の子だと感じてしまう、不思議な夜だった。　　…………シーンと静まり返った家の外では、道を挟んだ向かいのお宅の前に、一台のタクシーが滑り込むように止まった。　ワイシャツにノーネクタイの中年男性が降車して、千鳥足になりながら自宅の門をくぐる。きっと業務上の酒席でもあったのだろう。そんな彼も普段は、奈津子たち姉弟をよく知る心優しき隣人である。　しかし、彼の背中のわずか十数メートル後ろで、その美少女の姉と甘えん坊の弟がベッドで裸体を重ねていることなど知る由もなく………… 　俊介は一度深呼吸してから、奈津子の胸に絡まっている前開きパジャマのトップスを、Ｔシャツを脱がせるように腕を万歳させて抜き取った。　そして、枕元に置いてあったコンドームを手に掴む。　むっくりと上体を起こしてから自分のトランクスを脱ぎ、床に投げ捨てる。　スキンを装着するにあたり、俊介はベッドに尻もちを付いた格好で、奈津子に背を向けた。パッケージの封を切る手が震えている。　勿論、俊介には初めての体験だったが、相手を待たせるこの“間”が、とても気まずいものだと感じた。　その上、なかなかうまく装着できないでいる。　十分勃起したペニスの先端に被せ、ゴムの輪を引っ張り下ろそうとしているのだが、破れてしまいそうだ。　予備が無いため、慎重に扱わなければならない。　焦った俊介が、無意識に後ろを振り返る。　奈津子が横寝になって両脚を少し折り曲げた状態で、少し腰を突きだすように裸尻をこちらに向けていた。　暗闇に浮かぶ姉の白い美尻。　もし、少しでも部屋が明るければ、割れ目に潜む姉の性器と肛門が目視できたかもしれない。　 ≪ハァウッ……≫　　口と鼻から同時に息を吸い込み、ますます焦る童貞少年。　はやく姉に襲いかかりたい。「あれ……うまく…ハメれない……」　イラついて、思わず声を出していた。　奈津子が起き上がる気配を背中で感じる。「こうするのよ」　小さな声と同時に背後から白くしなやかな手が伸びてきて、俊介のペニスに触れた。「あぅ！」　驚きとともに、快感を覚える俊介。　その奈津子の右手が、親指と人差し指で“ＯＫサイン”のようにリングを作ると勃起したペニスの先端に被せ、一気に付け根まで滑り下りた。「あぐぁっ！……」　ただでさえ敏感になっている勃起した男根だ。　俊介は刹那にも気が遠くなるほどの性的快感を得ていたが、同時にその瞬間、コンドームはスッポリと俊介のペニスに被さっているのである。　手品のような手さばきに、思わず口をあんぐりとさせ、驚いて奈津子の顔を凝視する俊介。　その間、奈津子は無言だったが、最後に、「やだ、どうしてわたしが……」と、困惑とも、恥じらいともとれる声を漏らした。　感極まった俊介が奈津子をベッドに押し倒す。「あんっ！……」　荒い息で姉の口腔内に差し込んだ舌を所狭しとかき回し、互いの舌がもつれてしまいそうなほど絡ませるようにして、姉の唾液を思う存分に貪る俊介。　息が切れて唇を離したとき、俊介はいよいよ挿入を決心する。　そして、上体を起こそうとした時、俊介の肩を押さえ、肩で息をしながら奈津子が言った。「…このままで…入れて…」　実は俊介はずっと、頭の中で密かに挿入時をイメージしていた。　――体を起こして姉の股を開き、くびれた腰を両手で抱えながら、露わになった奈津子の割れ目をめがけて突き刺す――というものだ。　たとえ暗くとも、その時が姉の性器を見ることができる最初のチャンスだと思って、期待もしていたのだ。　エロビデオと現実の世界はやはり違うと実感した。　ことごとく筋書き通りにはいかない童貞少年だったが、根の優しい俊介は、姉の心情を察することもできた。　やはり童貞の弟にグロテスクな女性器を見せることは、姉として恥ずかしく耐えられないものなのだろうと……。「うん……」　返事をしてから俊介は奈津子の肩を両腕で抱きしめ、少し腰を浮かせる。　奈津子も俊介を迎え入れる為に股を開いていたが、さらに挿入を容易にさせようと、両膝を立てた。　姉の手が優しく弟の背中に添えられる。　全裸の高校生きょうだいは、しっかりと見つめ合った。　俊介がゆっくりと腰を沈める。　ギンギンのペニスに突っ張りを感じた。　どうやら位置が悪く、入らなかったようだ。　もう一度同じ動作を繰り返したが、結果は同じだった。　すると、「もう少し…下の方よ……」と、奈津子が姉らしく、年下の弟を優しくリードする。　すでに奈津子の性器はビロビロとした小陰唇をベトベトに濡らし、それを花びらのように左右に開いて弟のペニスを受け入れる準備ができていた。　俊介は＜うんうん＞とうなずいて腕を奈津子の腰に回し、自分の下半身を低い位置から突き上げるようにして、入口を探りながら少しだけ腰を動かした。「うっ？……」　ニュルッとした感覚、俊介はペニスの先端に温もりを感じる……。「はっ……」　奈津子は目を閉じ、顎を上げるように白い喉元を伸ばした……。　この時、最大限に膨張した弟の亀頭は、ビロビロとした姉の花びらのような肉ヒダにパックリと包み込みこまれていた。　俊介は、さきっぽが入ったと感知して一層の力を込める。＜えいっ！……＞………… 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ～ん！」　その瞬間、今日一番大きな奈津子の叫び声を聞いた。　ペニスが……熱い……。（入ったんだ……）　互いの同意の下、姉の膣内に弟の陰茎が奥深くまで迎え入れられた瞬間だった。　今、奈津子と俊介を隔てているのは、日本のメーカーが世界に誇る、コンマゼロ数ミリの“薄膜”のみ。　　俊介は頭が真っ白になりそうだった。　少し上体を浮かせ、下半身の方へ視線を移す。　奈津子の股間とぴったりと密着した自分の下腹部。　当然ペニスは見えず、姉の陰毛と自分の陰毛が重なって混じり合っている光景が暗闇の中で薄っすらと見えた。＜男と女が体を許し合うとは、こういうことなんだ＞　そう考えた俊介には、信頼もできず、好きでもない相手とは到底、裸どうしの股間をこすり合うことなど出来ないはずだという潜在意識が働いていた。　とにかく、俊介は哺乳類としての本能により、腰の前後運動を開始する。　挿入時には亀頭で膣口を割り開くようにペニス全体が奥深くへと埋没してゆく。　　抜去時にはマツタケの傘のような俊介のカリ首が、奈津子が分泌させた愛液をかき出すように膣壁を擦り、最後にビロビロの小陰唇は大陰唇からはみ出すほど飛び出すのだ。　それが幾度と繰り返される“愛のピストン運動”。　もっともそんな結合部の様子は、当の本人たちには見えてはいないが…… 「あんっ、あん、あん、あんっ！……」　俊介の一突き一突きに呼応して、奈津子が泣いているようなあえぎ声をあげる。　ショートボブカットにした愛らしい少女が、セックスの快感を堪能する大人の表情を見せていた。　さらなる快楽を得ようとしているのか、はたまた、無意識なのか、奈津子が再び脚を踏ん張るようにして自分も腰を振り始めた。　すると、俊介の腰の動きとシンクロしてしまい、膣内でのピストン運動がほとんどなくなるのだが、俊介が感じる快感が減少することはなかった。　下から突き上げてくるような奈津子の腰に圧倒される俊介。（うううっ……姉ちゃん……）　もし、これまでに２回の“空撃ち”がなかったら、とっくに射精していただろう。　俊介が最後の“仕上げ”にとりかかる。　挿入したまま俊介は、両腕を奈津子のそれぞれの膝裏に引っ掛けるようにしてベッドに突っ張る。　奈津子の脚はＭ字型に開かれて、自ずと腰と足先までが浮き上がる。　自分の脚もＭ字型となり、奈津子の太腿と重なった。　太腿どうしの肌の密着が、さらなる性感を刺激する。　俊介は、以前に見たことがある無修正ＡＶを思い出しながら想像した。　もし今の自分たちの姿を真後ろから覗き見られたとしたら、ふたりの尻は浮いた状態になっていて、奈津子と自分の肛門が縦に仲良く並んで丸見えになっているのだろうと……。　恥じらい深い姉にこんな破廉恥な恰好をさせていることを申し訳なく思う反面、異様なほどの興奮も覚える。　奈津子がキョトンとした眼差しを向けている。　俊介は深く吸い込んだ息を止めた。　そして、激しく、超高速で、猛烈に腰を振るのであった。「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ～っ、姉ちゃぁ～ん！！」　同時に奈津子の絶叫がとどろく。　力いっぱい弟の背中を抱きしめて、「いやぁぁぁぁ～ん、あぁぁぁぁっっっ！……」　２階建て住宅の子供部屋、弟のベッドで体を重ねた少女と少年の叫び声が、ハーモニーとなって響き渡っていた。　弟の激しいペニスの出し入れにより、姉の小陰唇も出入りを繰り返す。　さらに≪ブチュブチュ≫という音も伴って、膣内から溢れ出した淫汁が奈津子のアヌスにまで滴り落ちていた。　奈津子の声が途切れた時が、俊介がイッた時でもあった。　プチっと何かの配線が切れたかのように、俊介は目の前が白くなった。　ピストン運動を止め、腕を奈津子の腰に回し、力いっぱい股間を押し付ける。　可愛い姉の顔を見つめながら、彼女の膣内でドクドクと精液を放出するのを感じた。　このうえない幸福感に包まれる。（姉ちゃん！……）　本当は声を出して、そう叫びたかった。　俊介は呼吸を整えながら、目を閉じている姉の唇にソフトなキスを添える。　やがて奈津子も目を開けると、静かに二人は見つめ合った。　しばらくして奈津子が俊介の首に手を回し、はにかんだ笑顔を見せる。　そして、「よかったわ……」と、　恥ずかしそうに言葉を付け加えた。「そ…そう？」　応える俊介も照れくさい。　ずっと、幸福な射精の余韻を味わっていたいが、いつまでも姉の中に入れたままという訳にはいかない。　事後処理に取り掛かる。　慎重に姉のヴァギナから抜いて、ザーメンがこぼれ落ちないようティッシュにくるんでゴミ箱に捨てる。　それから一度立ち上がって、棚にあるウェットティッシュを手に取り、自分のイチモツを拭いてから、姉の為にもウェットティッシュを箱から抜き取る。　添い寝して、手渡しながら、「俺が拭いてやろうか？」と聞くと、「バカ、いいわよ。自分でするから」と、恥ずかしがる。　奈津子がそう言ったのは想定内だった。　ところが奈津子は俊介の左手首を掴むと、受け取ったウェットティッシュで弟のその指を丁寧に拭きあげるのだ。「えっ？…あ……」と、俊介。　すっかり乾いてはいたが、それは奈津子のヴァギナをまさぐって、一時はベトベトになっていた指……。　女というものは意外なところで冷静なのだと悟る。　男の性に関する習性も熟知しているのだとも思う。　後でニオイを嗅ぐという、密かな楽しみも奪われたのだから……。　　箱ごとウェットティッシュを俊介から受け取って、奈津子が、「ね……布団……」と、のたまう。　それは布団を被りたいという意味である。「うん、ちょっと待って」　俊介は、床に落としていた掛け布団を拾い上げ、ふたりで仲良く被った。　顔だけ出して布団の中、横寝で向き合いながら奈津子が手探りで自分の股間をティッシュで清める。　至近距離で顔を見合わせながらも、奈津子が布団の中で下半身をモゾモゾさせている。「もうっ、見ないで」「え？、ハハハ……俺、何も見てないじゃん」「俊介のエッチ……」「…………？！」「フフフッ……」　まったりとした幸せなひと時。　拭き終わったのを見計らって俊介が言う。「ほら、ゴミ箱に捨ててやるよ」「いいのよ。自分で捨てるから」　そう言って、布団を被ったまま奈津子が俊介の体の上に覆いかぶさって反対側へ移動する。　互いに全裸のままである。　全身の素肌が擦れ合う。（あっ…ウッ…）　一瞬ではあったが、奈津子が上になったとき、俊介は激しく興奮した。　奈津子が床に手を伸ばし、ゴミ箱に捨てた後、また二人は添い寝で向かい合った。　今度は奈津子の方からソフトに唇を重ねてきた。　少し微笑んでから聞く。「俊介…ホントに初めてなの？」「そうだよ。姉ちゃんが初めて……」「……ごめんなさい」　そう応えた奈津子の表情が、気のせいかわずかに曇ったように感じた。　つかみどころのない不安を覚える俊介。 “ごめんなさい”の意味が漠然としすぎて何を謝っているのかわからない。　初めての相手が姉になってしまったことを言っているのか、奈津子自身が初めてではなかったことを詫びているのか、あるいはもっと別な理由があったのか……。　ただ、よく考えれば重い言葉だった。 <姉ちゃんが初めて> 　俊介は一生この事実を背負っていくことになる。　もっとも俊介は寸分の後悔もしていない。　墓場まで秘密を持って行けばよいのである。　ただ、理性の強いはずの姉が自分との姦通を受け入れたことを、どう捉えればよいのだろうかと考えてしまう。　地震の発生による恐怖のあまり、トランス状態に陥ってしまっただけなのか、或は何かシグナルかメッセージを発するものだったのか……。　そして、＜間違いなく“初めて”ではなかった、姉ちゃんの性交渉相手はいったい誰なんだ？＞　という疑問が立ちはだかった。　奈津子が俊介の背中を抱き寄せる。　また姉の体と密着したので“流れ的”にも俊介は、自分の片方の太腿を奈津子の股間に割り込ませた。　すると奈津子の顔がまたイタズラっぽい笑顔になる。　深刻に考えたことは杞憂だったかと安堵したとたん、布団の中で奈津子がおもむろに俊介の肉棒を掴んできた。＜え？＞　驚いた俊介だったが奈津子はさらにそれをしごき始めた。「あぅ！……」　思わず腰を引く俊介の、萎み始めていたモノが再び反応して勃起する。　若いペニスは衰えを知らず、痛みさえ感じない。　だが奈津子は、「ごめんなさい。もう無かったのよね、コンドーム……」　と言って、すぐにペニスから手を離した。（姉ちゃんでも……もっとヤりたいとか、思うんだ……）　それは想定外だったが、うれしい誤算でもある。　しかし、俊介は大いに悔やむ。＜なぜ、一個しか持ってなかったんだ＞と……。　急に思い付いて言う、「外に出せば…いいんじゃない？」　次に奈津子が答えるまでに少し時間がかかった。「……ダメよ。残ってるかもしれないでしょ？精子が、おチンチンに……」　俊介は何も答えなかったが、その通りだということもわかっていた。　欲望に負けて無責任なことを言ってはいけないと強く自重した。でも、もし一回目だったらナマでもＯＫなのかなと考えてドキドキした。　どうなるのかは想像もできないが、今後の＜姉ちゃんとのセックス＞に淡い期待を膨らませる俊介であった。　その後、ふたりの会話は途切れたが、まどろんだ時を一緒に過ごした。　それが本当に幸せな時間に感じる。　愛おしむように掌で姉の太腿を撫で……。　ふと、勉強机の引き出しの中に、無用の長物だったペンライトを温存していたことを思い出し、ニヤリとしてしまう俊介。　それは小学校の修学旅行時に、民芸品店で自分の為に買ったものだ。　いかにも小学生が喜びそうなシロモノで、無論、お土産としての郷土性は皆無である。　今となっては子供心を掴んだ販売店の“商魂たくましき”を知るに至る。　ともあれ、＜姉ちゃんが眠ったら布団に潜って……＞と考えて、またまた勃起が始まった。　そんな不埒な使用法を思いついてしまうのもアダルトビデオの恩恵か、俊介は寝息を立て始めた姉・奈津子の可愛い様子を見つめ、ナマ唾を飲み込んだ…………。 ……つづく
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2016年7月23日掲載
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