バイト先の姉妹
羅衣 作
　前編


　もう３５年ほど昔の思い出話だ。
　俺こと達木優也、当時大学入学したばかりの１９歳だった。
　個人的には親からの仕送りでバイトもせずに十分暮らせる状態であったが、その当時普及し始めていたＶＴＲに嵌まりとにかくお金が欲しかった。
　当時は高級機になるとＶＴＲは１台３０万円を軽く越える時代だ。

　たまたま下宿したところに居た大学の先輩からの紹介でヤマ○キデイリーストアの夜間バイトにありついた。
　勤務時間は午後７時から８時頃から午後１１時までの日に３－４時間の勤務で、当時としてはかなり時給が良かった。
　更にオーナーの自宅が近所にあり、勤務後には入浴と夜食が無料で振る舞われるという待遇があり、お風呂がついていない銭湯暮らしの俺にとっては天国のようなバイトであった。

　オーナー家には、長男長女次女の３兄弟がいて、当時長男が２８歳、長女２７歳、次女２０歳だった。
　長男は既に結婚して実家を出ていて、姉妹がいる状況であった。
　ストアは母親の経営で、父親は証券会社の部長という家庭環境だった。
　ストアは家族経営なので、夜の勤務は長女が主体でバイトの僕らがサポートする体制だった。

　長女は香津江さんといい、グラビアアイドル大原○おり似のかなりの美人だ。
　学生の頃には六本木で「マリア」と呼ばれるほど活躍した人で、未だに美貌は衰えていない。
　彼女目当てで、夜来店する客は多かったと思う。
　ただ既に彼女には有名ホテルのシェフをしている婚約者がいて、彼女のファンは悲しみの悲劇が近づいているのを知るよしもない。

　まだ童貞だった俺には、香津江さんは刺激的すぎる存在だった。
　彼女への憧れも相まって、彼女に童貞を奪って欲しいとの妄想が日に日に膨らんでいった。
　バイトだしお客は来るが、もう女として真っ盛りの彼女と３－４時間を二人っきりで過ごすのだ。
　ふとした彼女の仕草に勃起してしまうなど煩雑に起きる。

　ただ彼女は男慣れしていて、若い僕の性欲も見透かしたように上手くあしらわられてしまう。
　悶々としながら自宅で自慰する日々。
　一端彼女ほどの美女が身近にいると、なかなか他の女性に目がいかない自縛に嵌まってしまう。
　それでも友人のナンパ目的の飲み会など参加はするなど努力していた。

　そうでもしないと閉店後のシャッターを閉めた後の密室二人になる機会は多く、取り返しのつかない行動に出てしまうかもしれないという恐怖があったのだ。
　既に香津江さんへの憧れは好きに変化していて、彼女を傷つける行動はしたくなかったのだ。

　そんな時に、ナンパで知り合った女の子と一夜を共にしてしまう。
　もう名前も覚えていないが、夢中でセックスしたのだけ覚えている。
　セックスを覚えると、もうＶＴＲというより女遊びの方が比重が大きくなっていく。
　すぐに自動車教習所にも通い始める。

　童貞でなくなると、面白いことだが香津江さんとの会話にも変化が訪れて、いわゆる大人のやりとりが出来るようになるのだ。
　後で彼女に訊いたら、やはり俺の変化に気がついていたらしい。
　彼女の結婚式間際には、「一回香津江さんとしたい」と大胆に冗談混じりに言ったことがあるのだが、笑いながら「今はまだ駄目かな」と断られる。

　「今はまだ」って、言葉に俺はやられてしまう。
　彼女は魔性過ぎる。
　だが彼女のファンとなった俺にも悲しみの悲劇はすぐやってくる。
　彼女の妊娠だ。
　既にバイトでは古株で、仲良しになっている俺には内緒に教えてくれたのだ。
　もともと万に一つの可能性がある訳ないのに、凄いショックだったのを覚えている。

　そんな俺の前に、一人、女性が現れる。
　香津江さんの妹、裕美さんだ。
　俺より１学年上で、別の某大学２年生の現役女子大生だ。
　容姿は女優戸○恵梨香似で、俺の心はざわめく。
　裕美さんは、姉が働けない日のフォローでストアの手伝いを始めるらしい。

　ただ年齢がもろ同年代だけに、手を出したら即結婚一生ストア経営者だなと話題になったのも事実だ。
　彼女は姉とは正反対なタイプで、あまり男遊びの経験は無いようでおとなしいタイプだった。
　俺は以前より面識はあり、俺が姉と仲良しだったのを知っているので、すぐに仲良しになり色んな話をするようになった。

　バイトの数時間を一緒に過ごすというのは十分すぎる時間があるのだ。
　途中夏休み後半の頃、彼女がすごく落ち込んでいることがあって訊いてみると、大学の友人、女の子ばかり３人で「江の島」に遊びに行って、ナンパに引っかかり後悔するような経験してしまったというのだ。

　その落ち込み様は、心配になるほどだ。
　後で詳しく聞くと、彼女は３人の中ではたった１人処女だったらしく、それなのに乱交に巻き込まれて、名前も分からない３人の男性にされてしまったらしい。
　なにかあったとは察していた俺だったが、励ます意味でデートしよう、映画に行こうと誘ってしまった。

　最初は困惑していた彼女だが、承知してくれて映画に一緒に行ってデートしてしまった。
　彼女がそれまで見たことない女の子モードにおめかしして来てくれたものだから、俺は一発で惚れてしまう。
　初めはよそよそしかった２人だが、次第に手をつないで歩き始めていた。
　もちちろんその日はそれ以上なにもない。

　ただ帰ると、２人のデートは皆にバレていた。
　ストアオーナーの母親はなぜかご機嫌で、その日を境に俺を息子のように可愛がるようになっていく。
　後で訊いたところでは内向的で大人しい次女を案じていたようで、もともと俺のこと気に入っていたらしく、その俺が次女と付き合い始めた（俺的にはまだ当時付き合っていない）ので嬉しかったらしい。

　もともと年末年始も帰省せず、バイトしていたような俺だったので、年末年始の行事も２人で行ってくればと周囲から言われカップル扱いに当の本人達は困惑気味だった。
　なぜか香津江さん夫婦と裕美さんプラス俺という組み合わせで、夕食に行ったりすることも増えていく。

　男と女って不思議なもので、周囲が先行すると思いの外２人の関係は進まないものだ。
　そのまま微妙な関係で２年ほど経過する。
　その間に俺はナンパ繋がりで知り合った彼女なども出来て楽しく過ごしていたが、大学４年に進級する時期になると就職戦線という荒波がきてにわかに女遊びどころでなくなっていく。
　もともと恋愛で付き合った関係でないだけに、身体の関係が遠のくと急速に縁が無くなっていく。

　就職も決まり落ち着くと、急に女性が恋しくなる。
　しかし就職決まるとトラブルの元になるナンパは避けようという友人の雰囲気があるので、以前のようにいかない。
　ふと意識すると、もう２人の中を周囲から詮索されなくなった裕美さんがまだフリーで身近にいて、既に某商社に就職してＯＬ１年生になっていた。

　俺は純粋に肉体目当てで、彼女に言い寄った。
　彼女は困惑したようだったが、既に３年以上も身近に居た俺への警戒心は低くて、彼女も以前から俺に好意的な印象を持っていたので簡単にデートに応じてくれた。
　両親さえ知らない彼女の悲惨な初体験和知る俺が、その後も彼女になにもせず友人として居てくれたことを彼女は愛情だと勘違いしていたという背景もあるとは後日知った。

　数年ぶりのデートに映画を見た後、俺はいきなり牙を剥く。
　突然、休憩しようとカップル喫茶に連れ込んだのだ。
　奥手の彼女は、どういう店か理解していなかった。
　ただ喫茶という名で、入店時の特殊なシステムは困惑していたが理解していなかった。
　席に座ると周囲の状況からどういう店か理解したようだ。

　俺は迷うことなく彼女を抱き寄せる。
　いやいやする彼女に無理矢理キス。
　途端に抵抗が弱々しくなる。
　彼女と目が合う。
　彼女は俺の意図を見透かそうと見つめてくる。
　久しぶりに抱き寄せた年上の女性は美味しそうで堪らない。
　後先考えず、彼女に「好きだ」と囁いてしまう。

　ありふれた言葉だが、彼女には効果的だったようだ。
　あの事件以来、彼女は少し男性恐怖症気味になっていて、プライベートな関係を男性とは作らないようにしていたらしい。
　俺には身近にいて気を許していて、なにかと気を遣ってくれている印象を持っていて、もう家族のように思っていたとのこと。

　だから唐突な求愛に驚きが先で拒否というより困惑だったのだが、「好き」の一言でむしろ彼女の方が俺に逃げ込んできたのだ。
　彼女にすれば数年思い悩んだが、あのような経験で男性とも楽しくプライベートで話せなくなり苦しかったらしい。
　年頃でもあり処女ではなくなり、身体の淫欲は既に芽生えていてありていに言えば男が欲しいという気持ちはあったのだ。

　もう２人で狂ったように舌を絡め合い抱き合った。
　手を彼女の秘部に伸ばすとびっくりするくらい濡れている。
　周囲のカップルがこちらの状況伺っていたので、変に声をかけてくる前に事態を進行させようとする俺。
　俺は今回もともと彼女を交換する気はさらさら無い。

　何度かナンパで知り合った女の子と楽しんだところでもあったので、事情は理解している。
　俺は無理矢理彼女のパンティを片足脱がす。
　驚く彼女を強引に抱き寄せる。
　既にやや自信ありの肉棒を晒している。

　俺の肉棒は平均よりかなり大きい方だが巨根というほどでもない。
　こういう場では男同士の優劣は肉棒サイズで決まる。
　俺よりデカい奴に会ったことはあるが、片手で数えるほどしかないから俺は平均以上なんだと自覚したのだ。

　俺はお構いなしに椅子に座ったまま正対座位で挿入しようとする。
　彼女はさすがにイヤイヤするが、俺がサボートする手の力を抜くと咄嗟に自身の体重を支えられず腰を落としてしまう。

　ヌルゥンとした感覚とともに我が肉棒は裕美さんを貫いていく。
　可愛い喘ぎ声と共に、彼女が必死で抱きついてくる。
　突然生じた肢体の変化について行けないようだ。
　彼女の身体に軽い痙攣が走る。
　彼女の荒く小刻みな呼吸に連動するかのように膣がヒクヒク律動して超気持ち良い。

　しばらく繋がったままで２人で睦み合うが、椅子だと不自由だし、周囲が意識の干渉がうるさく感じ始める。
　俺的には場の雰囲気を利用したかっただけで、長居すると良いことはないと理解していたので早々に退店することにした。
　強引に中断する。

　すると火がついた彼女をフォローするのは大変だ。
　長らく押さえつけていた淫欲が破裂してしまったのだから致し方ないが、俺はこの代償を払う羽目になる。
　わずか１０分程度の距離にあるラブホテルまでの道中が非常に長く感じたのは後にも先にもこれが初めてだ。

　ホテルに着いてからの展開に俺の方が驚く。
　部屋に着くなり彼女にベットに押し倒された。
　有無を言わさず肉棒を取り出される。
　エロエロに豹変した彼女に反応して既にギンギンな肉棒はパクっと彼女に食される。
　戸惑っていると服を丸々着たままで、彼女が跨がってくる。

　驚く俺。
　なんとここまでノーパンで歩いてきたというのだ。
　膝上のミニスカートなのに、なんと大胆な。
　ズルゥンと我が肉棒は秘部に飲み込まれる。
　その状態からお互い服の脱がしあいになる。

　後で聞いたが、この時が彼女はラブホテル初体験だったらしい。
　フェラチオもなにもかも姉夫妻が持っているＡＶや裏ビデオを見て勉強したというのだ。

「あぁぁぁん　おっきぃ　おっきぃよぉぉぉ」
「これぇぇぇすきぃぃぃもっとぉぉあんあぁんあん♡」
「はぁぁあぁっあん♡　そこぉ　あんあん♡」

　物静かで内向的でおっとりした末っ子の印象だった姿はそこには全く無かった。
　騎乗位で跨がり、どこで覚えたのかと思うほどの腰使いで俺を圧倒する彼女。
　実は超がつくほどエッチが大好きな女だったのだ。

　この頃の俺は血気盛んで肉欲全開だから、正直絶倫と言っても良いほど射精しても勃起が治まらない時期だ。
　貪欲に快楽を追い求め始めた彼女は経験が無いに等しいから、限界の見極めが自分基準であった。
　狂ったように腰を振る彼女を誰も止められない。

　２度ほど連続して抜かずの２発を発射してしまい、脱力する俺だが肉体はタフで我が肉棒は萎えれば良いのに未だギンギンに立っている。
　定期的に痙攣して休んでいる彼女は、落ち着くと再び激しく動き出す。
　まさにエンドレスな展開に俺も意識が遠のいてくる。

「俺は」
「なにを呼び覚ましてしまったのだろうか・・・・・」


つづく
【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2020年1月19日掲載
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