２．

　優子は僕を卓袱台に座らせた。それで中途半端に脱げかかったパンツを、そろりそろりと焦らすように下ろしていく。

　僕はというと彼女の次のリアクションを心待ちにして、まだドキドキバクバク状態。

　パンツが下ろされ、僕の下半身は見事に丸裸になっている。

「さて、武士くん、二択です♪」

　晒される男根、優子はその前に跪くようにして、僕の開かせた股の間に身体をいれている。シャツがめくられ、お臍のあたりを舐めながら、猫のような視線で僕に問う。

「ボクのをみたい？　それともボクに咥えてもらいたい？」

　みたい？　くわえてもらいたい？　言葉の意味が茹った頭では理解できないでいる。

「え、えっとぉ、それって、な、なんだろ？」

　何となくわかっていても、不安になって訊いてしまうのは童貞小僧の性なのだろうか……

「ふふ〜ん。見せるっていうのはねぇ〜」

　優子が中途半端におろしていたチューブなんとかを脱いで、白い乳房を僕の前にちらつかせて来る。本当、目の前！　乳首が桜色なんて初めてわかったかも！！

「ボクの身体、隅々まで見せてあげるってことで〜」

　そして優子は次に自分の唇に人差し指を当てて、舐め始めた。長い舌が、艶かしく自分の指を舐めている。

「舐めるっていうのは、ボクが口で思いっきり、武士くんのをしゃぶって上げるってことだよ♪」

　しゃぶる、しゃぶる……　ぼ、僕のを！？　そ、それってそんなに簡単にやってもらえることなのか！？

「い、いいの、ゆ、優子？」

　ふぇらちお、とか言う行為があるのは知ってる。けど、それってよっぽど親密にならないと出来ないことかと思うんだけど……

「何、これ？」

　と口を指すので僕は頷く。優子は小悪魔ちっくに笑って言う。

「だれでもいいってわけじゃ、ないよぉ♪　僕だって男の人のは二人目なんだから」

　ふ、二人目ってことは、僕の前にもいたのか、ってことですよね？　だ、誰なんだ、と思うより、ラッキーと思ってしまった僕だ。

「じゃ、じゃじゃじゃあ……　く、口のほうで、お願いします」

　優子の裸、というのもとても興味あるけど、今はこの下半身の欲望をどうにかしたくて、たまらなかった。

「ふふ〜ん、まかせて♪」

　そういうと、優子、僕の首筋に軽く唇をあててくる。その柔らかな感触に背筋が裏返るかと思うくらいゾクッとした。

　優子は軽く、シャツを捲くり、今度は僕の胸、乳首を軽く舌で舐め始める。

「や、や、やばいってそれ……」

　ゾクゾクゾクと駆け抜ける快感の攻撃、腰が引けて、僕のモノの先からはまた先走りの汁が出始めている。

「びんかんびんかん♪　男の人でもやっぱ違うんだよね〜」

　僕を攻める優子、本当に無邪気に楽しそうだ。僕は吐息をもらして、情けなく優子の肩に手を置いて、腰が逃げるのを堪えている有様だ。

「気持ちいいのかな、武士くん？」

　からかうように、楽しむように優子が言う。上目遣いも可愛くて堪らない。

「さ、最高かも……」

「ボクもたのしいよ。武士くんもかわいいし」

　と、ついに彼女の攻撃が、下半身に戻ってきた。左手で下の袋をやさしく揉み始める優子。その思わぬ攻めに、「はわぁ！」と情けない声があがってしまう。

「ちょっと、足、ひらいてねぇ」

　やわやわと揉まれる袋。ここって、こんなに刺激くるんだ……

　言われるまま足を開くと、優子、信じられない行動に出てきた。

「いっただきまぁ〜〜す♪」

　明るく宣言すると、優子、いきなり袋の方から舐め始めた。こと、そこにいたって、僕はようやく、風呂にも入っていない自分に気づき、萎縮する。

「あ、あの、ゆ、優子？　き、汚くないかい？」

　自信ない問いかけに、優子は口はそのままの位置、手だけ僕の前に持ってきて横に振る。そんなことないって意味かな？

「ちょっとね、匂うのがいいんだよぉ。ここって、『男！！』って匂いするから、ボク大好きなんだぁ」

　酔ったような優子の言葉。彼女の長い舌が唾液を僕のモノをぬらしていく。袋から次は、裏筋という辺りを本当に丹念に舌で舐めてくれる。さもすれば出そうになると、弱めてくれるし。なんて、すごいんだ、この子って……

　そこで頭に浮かんだある事……　訊くのは失礼かと思ったりしたけど、すぐに好奇心に負けてしまった。

「あ、あのさ、優子？」

「ふへ、はにかな？」

　優子の舌はついにカリの下まで来ていた。丹念になぞるように優子の舌は僕の亀頭まわりを濡らしていく。

「あ、あのさ、これって、ど、どこで、その、お、覚えたのかなって、って……」

　快感に耐えながらも僕の問いかけ、優子はそれを聞くとふふ〜んと鼻を鳴らし、妖しく微笑むと、突然、前触れもなく僕のをパクリと咥え込んだ。

「ちょ、ちょちょちょ、待って、た、タンマ！？　あ、あふ、は、はいぃ！？」

　チュパチュパと凄い音が部屋に響く。彼女の唇に咥え込まれた僕のは、あっという間に高みに連れて行かれてしまう。ここですぐ出すのは情けないと思い、必死に堪えようとする僕。

　でも、そんな僕の抵抗は、決壊せまる堤防の補強を子供用シャベル一つでやれと言われたようなもの、あっけなく、腰から力が抜けてしまう。

「は、で、でちゃうぞ、ゆ、ゆうこ。ど、どうすれば、どう？」

　口の中に出していいのかわからないので、最後の力でそれだけ訊くと、目の前にＯＫサインの手が出てきた。

　そこで終わりだった。

「あ、で、出る。出るって……」

　さっきより凄い射精感。腰の中にあった支えを根こそぎ抜かれるような錯覚。

　ドクンドクンドクン。震える僕のを、優子は離さず、咥え込んでいる。その口腔に僕の精液を受けている。そして、飲んでいる……

　嚥下する音がした。確実に僕の精液は優子の中に入った。

　……なんだろうか、この嬉しさに似た感情。やったって感じだ。

　長い射精が終わり、その後中に残っているのをすすられ腰を抜かしそうになり、ようやく優子は口を僕のから離した。

　口元を手で押さえて、中にたまった僕の精を口の中からゆっくり飲んでいる。

　なんてエロい光景なんだろうか、これって……

　僕が見惚れていると、長い時間を掛けて、優子は嚥下作業を終え、手をつけてなかったお茶をグビグビと飲んだ。

「ホント、人によって全然ちがうんだね、アレって」

　仕事終えたぁ〜って感じで、優子が自分の成果を語っている。なんだか、急に下半身露出しているのが恥ずかしくなって、モゾモゾとパンツをずり上げようとする。

「あれ、もう駄目なのかな、だらしないなぁ〜」

　そんな僕の有様を見て、軽く挑発するかのように、優子は笑顔を見せる。心の余裕が全然違うので、僕はうまい言い訳が浮かばない。

「だって、二回も、だし。そ、それに……」

　それに、の後の言葉なんか浮かばない。優子はまだまだいけるぞ、って感じだから、続きやっていいのかぁ、とも思い始めている時だった。

「ただいまぁ〜。優子、ちょっと来てぇ〜」

　階下から彼女を呼ぶ声。これは彼女のお母さんが帰ってきたってことだ！！　僕は慌ててパンツを履きなおし、ズボンを探す。

「あ〜あ、残念。タイムオーバーだねぇ。続きは、またかな〜♪」

　こちらは余裕で脱いでいた筒みたいな服をすぐに着て、部屋を出て行く。

「おっかえりなさぁ〜い。チビたちは？」

　先ほどの妖しさどこへやら、優子は快活に返事すると、下へスタスタと降りていく。一人残された僕、なんだかここに居ていいのか、不安になってしまう。

「しず、めぐ！　大人しくしなさぁ〜い」

　程なく、優子が二人の赤ちゃんというには少し大きい子供を抱えて、戻ってきた。

　見た目だけでは、まったく区別ができないほどよく似ている二人の子供。チラッといってたけど、これが優子の双子の妹さんかぁ。

「武士くん、これがあたしの可愛い妹、静香（しずか）と恵美（めぐみ）だよ♪　ほ〜れ、しず、めぐ、これが、東　武士くんです。ご挨拶」

「しずかです」

「めぐみです」

　言われてペコリと頭をさげる二人。さっきまでの淫ら空間が飛んでいった感じ。

「あずま　たけしです。よろしく〜」

　二人の目線までしゃがんで、ペコリとこちらも挨拶すると、嬉しそうに二人で顔を見合わせる双子。

「ねえちゃん、たけし？」

「たけし？」

「そ、武士くん。ほれ、ご挨拶のちゅーしてらっしゃい」

　言われると、二人がテトテトと歩いて僕の両のホッペにキスをしてくれる。

　それで照れて急ぎ足で優子の後ろに隠れる双子。可愛いなぁ、ホント。

「武士くんも、気に入られたみたいだね、このチビたちに。この子たち、男の人苦手だからお爺ちゃんたちもちゅーしてもらうのに、苦労したんだよ」

「へぇ〜」

　さっきの様子をみてると、そうは思えない。

「あ、そうだ。母さんがご飯食べていっていいって。一人じゃ大変でしょってさ」

　優子に言われて思い出す。そういえば、最初はご飯を御呼ばれしていたんだっけ、僕。

「いいの？」

「いいの、いいの。お母さんは僕の男を見る目を全面的に信用してくれてるんだから♪」

　そう言われると、自分が特別みたいで少し照れる。

　しばらくまとわりついてくる可愛い双子の相手をしていると、今度は優子のお母さんが入ってきた。わざわざまた、お茶を持ってきてくれている。

「いらっしゃい」

　優しくそう言ってくれる優子の母さん。

「お、お邪魔してます」

　その何気ない仕草に、子供のころの憧れが浮かんでくる。僕は物心つく前に母を失っているから、母親というモノをよく知らない。だから友達の家にいくといつも、そのお母さんに憧れを抱いていたものだ。

「珍しいわよね、優子が男の子の友達、家に連れてくるなんて。初めてじゃない？」

「武士くんは、ちょっと前からセンサーにビビッて来てたから、思い切って誘っちゃったんだ〜♪　しずもめぐも、こんなに懐いてるでしょ？」

「あら、本当。めずらしいわね」

　二人の親子の会話にどうも入り込めず、照れたまま、僕はおチビちゃんたちと相手をしている。

「今日はゆっくりしていってくださいね」

　そう言って軽く頭を下げてくる優子のお母さん。その時、胸の谷間が少し見え、思わずドキッとさせられる。あ、あの胸、ほんとすご過ぎるよなぁ。

　優子のお母さんが出て行った後、優子がニタァと猫のように笑って僕を肘で小突く。

「武士くん、お母さんの胸に見とれてたでしょ？」

「え、そ、それは……」

　図星なので、うまく言い訳できない。

　優子を産んでいるのだから、けっこうなお歳のはずなのに、若々しくて、なんだか魅力的な形を服の下からでも主張していたような。

　これで目が奪われないほうが、おかしいと言いたい。握りこぶしで力説する勢いで。

「てれないてれない♪」

「「てれない、てれない〜」」

　優子に続いて、双子も僕をからかうように、舌たらずな声で言ってくる。は、反撃ができない。

「さて、そんなHな武士くんにいいもの見せてあげようかなぁ〜」

「いいもの？」

「そ、いいもの。チビたち、ちょっと見ててね」

　いいようにあしらわれているな、僕……

　言われたとおり、チビちゃん達と遊んでいると、パソコンに向かっていた優子、準備が整ったかの、僕をちょいちょいと招く。

　そのモニターに映し出されいたのは……

−続く−