龍 晃一 作
| 第１０章 小夜子と佐賀市場を制圧する クリスマスイブの夜からめまぐるしく変化する出来事に戸惑いを感じながらも時の流れに身を任せることしかできなかった。出会っては別れていく男と女、打ちひしがれた寂しさと寒さの中で感じる人肌の暖かさに愛を抱きながらも博多に行って、自らの正義を主張しなければそのまま「職場放棄」のまま退職しなければならないことには我慢できなかった。 聖林化粧品の大島チーフの思いに感謝と涙が溢れる。大分に戻ることを許されなかったことで新しい夢を抱き、佐賀市場のパートナーになる小夜子との愛欲の温もりの中で「今は前進あるのみ」しか残された道はないことを覚悟した。潔白を証明することは、「社長賞」を獲得する以外になかった。このチャンスに生命を賭ける覚悟で挑戦することにした。 年末年始は田舎に帰らなかった。小夜子が佐賀市から食事を持ってきてくれることになっていた。小夜子は一晩泊って帰り、その翌日に再びきてくれた。年明けの３日～５日に小夜子と黒川温泉に行くことにしていた。山﨑武志は車を持っていなかったので小夜子の車で行くことにした。 小夜子の姉さん女房気取りも板についてきた。やまびこ旅館にキャンセルがあったことで予約できた。黒川温泉は人気が高くなっており、予約ができなかった。諦めかけたときにやっと予約できた。ここは入湯手形で３軒までの宿に入ることができる。混浴なのでカップルに人気の温泉郷であった。若い人達が多いということでも人気があった。ここに来る女性は、堂々として隠さないので男の方が萎縮してしまった。 人生はお金があればこんなホテルでのんびり過ごすことができる。正月が終われば地獄のようなノルマが待っているがノルマに追いかけられてはいけない。ノルマを楽しむ活動をすると生き込んでいた。小夜子との黒川での日々は天国であった。小夜子と交わり、疲れれば温泉に行き、気分転換に入湯手形を持って他のホテルや旅館の温泉に入った。部屋に戻ると裸で抱き合った。ストレスから解放されていたので交わっても、交わってもペニスが勃起してくれた。小夜子の口の中に精液を注ぎ、子宮にも何回も精液を注いだ。 このときは妊娠ということを全く心配していなかった。いつもは肩まで黒髪を流しているが温泉に入るときはアップに纏めている。白く細い首筋を見ていると小夜子の色香を感じないわけにはいかない。女の首筋や脹脛を斜めにして温泉に入る瞬間に女の魅力を発見した。 小夜子だけではない。混浴なので新婚カップルや女性グループでも入浴している。全員が髪をアップにして襟首を見せている。その首筋にお湯をかける仕草に興奮する武志がいた。女の色香は、乳房やお尻だけで感じるものではないことを悟った瞬間であった。 １月５日、年始である。朝礼の後、儀式としてのお酒で乾杯して、 「今年も福岡支社は目標を達成するぞ」 と勝ち名乗りをあげた。社内で１時間ほどの雑務を熟して１０時半には年始の挨拶に出掛けた。前任者の山内と２泊３日で佐賀県下を一周してくる計画で１１時に出発した。 玄界灘に沿って一路西に向かい、唐津市、呼子町、伊万里市、有田町で宿泊することにしている。嬉野市、鹿島町、有徳稲荷に参拝し、町沿いに佐賀市に入り、唐津街道を多久市に向かう。夕方には佐賀市の旅館に着いた。この夜は佐賀県下の美容部員との新年会を予定していた。段取りは小夜子が行ってくれた。 鍋をつつき、食後はカラオケで１０時頃まで唄った。小夜子とは一曲だけ「銀座の恋のものがたり」を手を繋いで唄った。誰も小夜子と武志が結ばれているとは気が付かないことを願っていた。少し離れた位置でさり気なく言葉を交わすことが大切と肝に銘じながら皆で談笑した。 山内担当は、鹿児島出張所に赴任していった。武志は大分に一度だけ引継ぎで戻る機会があった。倉庫から営業職になった村田は、東京から直接大分に赴任していた。武志が小樽で経験したように研修を何回受けても実践との違いで悩んだ日のことを思い出していた。武志は、山崎流営業を少し確立できた。小樽、大分そして佐賀県の担当になり、年末には営業職としての真価が問われる。社長賞を獲得すれば人事考課も全国でただ一人「ＡＡ」になり、３階級か４階級特進することができるが過去１０年間、２０代の営業職が獲得できた記録はないと言われている。 過去にない実績を築いたとき、１階級が追加される。武志が獲得できれば４階級の特進が出来、新記録が生まれるとそれが追加される。全身全霊でチャレンジするしかない。結果は気にしないで全力で努力することにした。当面は日曜日も祭日もなくして新店開拓をすることにした。会社の車を使用する為には「休日出勤申請」をしなければならない。 「チャレンジしたい」 と課長にいうと印を押して貰った。宿泊申請も同時に行なった。 美容部員は、月の２回は出勤しなければならない。小夜子の派遣は武志の出張予定に組み込んでいる。できる限り小夜子と宿泊するのは、唐津であったり、有田や嬉野を選んでいた。小夜子を迎えに行き、一緒にチェックインすることが多くなっていた。 チーフと言えども他の美容部員に「できている２人」とは言われたくないと思っていた。佐賀市内のホテルは出来る限り避けるようにして、鳥栖市にしたり、その近郊で泊った。視られないにすること、出来ていると思われないお店での言葉づかい、態度を心がけた。知られないことが継続できる条件であった。 逢えば一緒に食事を摂り、一緒に入浴して一緒に寝ることが条件反射の様に行われた。小夜子は４６キロしかない。裸体になれば折れるのではないかと心配するほどウェストが細いがヒップは大きかった。乳房は大きくはないが容の良いお椀を伏せたような富士山タイプの乳房であった。武志好みの乳房であり、陰毛は薄いがハート型の容をしており、思いをそそる陰毛であった。 花弁も花弁が小さく、はみ出していることはない。閉じると縦の割れ目の線が観える。産毛のような陰毛は、アナルの周辺までビッシリと生えているのはセックスが好きなタイプと言われている。フェラをするといつも女上位でしてくれるので、最後まで体力を温存できた。最後のフイニッシュは高速ピストンで小夜子を逝かせるまで続けた。 最後は絶叫するとキスを求めてきて唾液を飲み干してくれる。最後はいつも小夜子のお掃除フェラをさせてペニスを綺麗にして貰った。更に、睾丸を口の中に含ませて転がせてくる。明らかに再戦を予告してくる挑戦のフェラであり、勃起すると武志に跨りペニスを膣に入れる小夜子がいる。お互いのセックスの好みと習性を知ってのいつものセックスパターンになってくる。仕事で疲れているのに朝までに４回～５回も求めてくることもあった。 小夜子が懸命に欲しがった翌日にはラッキーなことが続いていた。この日も連休にセールを組んでいたので休日出勤をしていた。昨夜の激しい小夜子の悶え方----朝になるといつもよりも清々しい小夜子がいた。その小夜子を伊万里のお店で降ろすとお店のない有田に行った。 「こんな連休でも仕事をしているのか」 「伊万里でセールをしているので美容部員一人に任せたという訳にはいかなくて出勤しています」 「化粧品はしたいと思っていた。ＫもМも女房が嫌いと言っている。カトレアにするかと言っていたので、カトレアに決める」 と言って初めての訪問で契約書に契約をしてくれた。初回納品２００万円。この２００万円は初回納品時に集金をする。バックケースと陳列ケースは業者に持ってこさせます。 初回納品日を決めて退散した。今日一日ハッピーな日となった。 |
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| 2015.4.1掲載 |
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