龍 晃一 作
| 第１２章 社長賞を獲得する 山﨑武志は、新年の全社会議に東京に呼ばれた。平社員が全社会議に参加することは前代未聞と言われた。 全社会議は、社長賞は授与される。管理職ばかりの会議に平社員でしかも入社３年目の２５歳の武志も参加した。社長賞受賞のスピーチがあると聞いていた。 社長の年頭の挨拶、専務の今年の目標設定と設定理由が話された。全国販社の支社長の年頭の抱負があり午後の会議の最初に山崎武志が紹介された。獲得新店数１３社、前年比２９８％。社長賞を平社員が獲得するのは、会社の２５年の歴史の中で初めてと聞かされた。 社長賞は通常３階級の特進を与えられるが５階級の特進を与えられた。シニア職１級から正主任職２級に昇格した。副賞として金１０万円と純金のメダルを３個頂いた。重さで換算すると１個２０万円という。勝負には勝たなければ意味がないことを知った。当に勝てば官軍なのだ。 『当社の歴史の中で入社３年目で社長賞を獲得したことは、カトレアの歴史始まって以来の大記録である。 山﨑主任は、上野東照宮で当社の田岡常務と出会ったことが機縁で入社しているな。常務の言葉に「カトレアの営業マンにない積極性と情熱を感じた」と聞いています。田岡常務にも人を診る目があったと思います。 山﨑主任は普通３階級特進ですが、対前年実績２９８％達成、１３店と新記録を更新したこともあって５階級の特進と営業成績、ＡＡＡになりました。ただ、山崎主任は前年評価がＥＥＥということもあり、役員会でも審議されました。大分の所長が架空送品をしたことで所長と喧嘩になったこともあり、両角所長の評価が客観性をモットーに評価を行うという意識が欠如していたということで「課長から係長に降格」させることになりました。両角係長宜しいですね』 会議の末席で頷く所長がいた。最低の評価をした者が１年後には全社で５００数十名いる営業の頂点に立ったことで、山崎武志の主張が正義と認められた瞬間でもあった。 山崎新主任にスピーチをお願いします。 『山崎武仁です。赴任先は札幌支社に行きました。小樽地区を担当して多くのことを学ばせてもらいました。 私は中村天風先生が「呼吸を制する者が人生を制する」ということを聞き、天風先生の合宿に参加しました。 積極人生で日々過ごすことが天に思いが通ずることを教わりました。身体と呼吸と心を三位一体させることで思いが適うことを教えられ、佐賀県の市場を貰った１月から土曜日も日曜日、祭日も出社して仕事をしてきました。お蔭で８月には息ができなくなって入院までしましたが意外性を示すことで新規契約をして頂く機縁になったことは事実です。営業とは、心を売り込むことだと知りました。今年から博多中洲の中心部の担当になりましたが不可能と言われる博多中洲で社長賞の二連覇を達成したいと思っています」 「田岡常務、感想は----」 「山崎主任、おめでとう。私は上野東照宮で会った時、山崎主任の意外性を感じました。営業の仕事は誰にでもできるが誰にでもできない仕事である。それはその人の持っている感性が問われるからである。この一回で終わらずに今期で真価を発揮してもらいたい」 東京から博多に戻ってきた。担当が替わることは小夜子とのコンビが解消されることになる。博多に担当が代わったことを知った小夜子は、目を真っ赤にして２１時頃に佐賀からマンションに来てくれた。 「愛している。私の大好きな武志さんが-----」 「俺も小夜子が好きだから頑張れた」 と言いながら抱きしめて口付けを交わした。 「小夜子は、俺の心の妻だからずっと愛しているから----」 「私もよ----心の夫なの---辛くなったら泊りにくるね」 「いつでも帰っておいで-----次の担当は和歌山からくる田辺主任だよ。巨根の田辺有名らしい」 「背の低い人でしょ----私が１６０もあるから---あなたのように１７０を越えている人がいい---あなたがいいの-----。博多ブロックのチーフは郁子なの、私の同期なの---郁子は１６４センチもある」 「東京に行く前に会っている」 「私より素敵かもね-----彼女を好きになるね---仕方ないか---------」 「明日の夜、会うことにしている。小夜子もくるかい----明日は支社で研修なので行っていいの---」 「いいよ----夜は---ここにくるの---」 「多分-----」 「私もいてもいいの-----３人でする----」 「郁子ならいいよ」 担当が代わると美容部員を管理しているチーフと仲良くしなければならない。仲良くすることがセックスをすることに繋がっている。女の園である。郁子は２４人の美容部員を管理している。主任は、美容部員の毎月の派遣店を決める権限がある。チーフと意思疎通を充分していなければチームがバラバラになってしまう。女性を管理することは、簡単なようであるが難しい。生理の問題があり、生理休暇を取得する者もいる。それは男には言わない。チーフの管理の基で休暇届がくる。 翌日、居酒屋で待っていると小夜子と郁子がきた。 「思っていたよりも早かったね」 「遅れてはいけないと思いタクシーを飛ばしてきたのよ」 「小夜子はね、じゃがいもみたいな男は嫌だといって付いてきたの----今夜は３人で泊るのよ。覚悟してよ。 ２０代後半の女はねばいのだから----私達よりも先にダウンしたら今後絶交だから----」 「怖いね----」 「武志は---強いから----大丈夫よ----」 「郁子は、フェラが巧いから楽しみにして----」 独身の女達の会話とは思えなかった。 営業もストレスの解放をチーフに求め、チーフもストレスの解放を担当に求めていた。こんなことを書くとすべての美容部員がこんなことをしているかと言えばしていない。チーフでも結婚すると操が硬くなる。若い美容部員には、怖くて手がだせない。何人もの先輩たちが、 「モーテルに連れ込んで退職している」 結婚を前提とするか、遊びなのかを明確にして付き合う必要があった。男と女のトラブルは出世が１０年は遅れると聞かされていた。 安全牌がチーフであると思っているがチーフだって人の娘である。チーフにだって好みがある。小夜子が田辺をいつまで拒否するか解らないが、田辺のペニスで貫かれると虜にされると思っていた。女は逝かされてしまうと身も心も馴染んでしまうものである。やがては田辺に凌駕されると覚悟しているができれば拒否し続けて欲しかった。 名取郁子はマンションで一人住まいをしている。明日が休みと言う日に誘われた。築後３年のマンションである。オートロックがあり外部のことは勝手に出入りすることができない。ドアのサイドに電話があり、聞いていた部屋番号で内線する。 「武志さん、今開けます。エレベータで１２階まで来てくださいね」 最新の設備に驚きながら１２階に着くと郁子が待っていてくれた。 室内も広い。博多湾が一望できる景観にあった。窓際で郁子が抱きついてくる。口付けを交わしつつワンピースのファスナーを降ろした。そのままワンピースはフロアーに落ちた。 郁子はブラをしていない。温かい体温が伝わってくる。弾力のある乳房、すでに何回も抱いているが郁子の部屋で抱くことは初めてのことである。 「私も武志が欲しいの-----」 武志はスーツを脱ぐとベルトを緩めてくれる。カッターシャツを脱ぎ、郁子の寝室に入る。女の娘の部屋である。 可愛らしい刺繍の入ったベッドカバーを除けて郁子を抱き上げてベッドに降ろした。降ろしながらショーツを奪った。 両脚を開脚すると愛液が溢れている。クリストスと源泉を交互に愛撫しつつ、右手で乳首を刺激する。 「欲しいの-------」 口付けをしながら勃起しているペニスを郁子の膣に鎮めていった。愛液が溢れている分だけすんなりと奥まで突き刺さり亀頭と子宮口がキスしている。コリコリと子宮口にあたる感触を確かめながら郁子を追い上げていった。 「いいわ---いいの----逝きそう----逝く---逝くいくいくいく-----」 武志は中に出しそうになるが必死で引き抜き、爆発直を郁子の口の中でした。３日分の精液が勢いよく郁子の咽喉に注いでいる。郁子はその精液を零すまいと懸命に嚥下している。最後の一滴まで吸い取ってくれた。 「気持ち良かったわ----一杯出したね」 小夜子も週に一回は博多に来て１泊してくれている。武志も社長賞を獲得できた功績は小夜子に寄ることも大きかった。小夜子が欲しがっていたブルガリの時計をペアウォッチで８０万で購入していた。小夜子にプレゼントした。大喜びする小夜子は可愛いいと思える。小夜子は田辺には渡したくないと思えた。 言葉では田辺のことは言わないが、小夜子を心から満足させるように逝かせた。小夜子が博多に通ってくれることが武志の心の支えにもなっていた。郁子も毎週一回は泊りにきていた。 |
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| 2015.4.18掲載 |
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