龍 晃一 作
| 第二部「愛の遍歴」 第３章 魔性の女・悦子 四国の大都市松山市に赴任してきた。あのぼっちゃんが赴任した街でもある。松山に来て驚いたことは、会社全体で覇気がない。所長以下全員が暗く沈んでいた。 「今、ここで必要なことは全員が元気で明るいことだ。左遷されてきたと思っていたら生涯ここから抜け出すことができない。明るくなれ」 と叫んでいた。三田先輩も頭は白髪の方が多くなっていた。黒木課長は４８歳で課長補であった。私も課長補なのだ。当社は課長補、課長、正課長と職能給で３段階あり、そこに１級、２級、３級と区分されている。僕は課長補の３級であった。所長は課長補の２級であるが僕は年収１０００万円、所長は９００万円であった。年齢給と言うよりも能力給が高く評価される会社であった。 僕は四越を担当していた。四越は強いノルマがあり、協力会社に仕事の売上とは別に販売目標が設定されていた。春はイージオーダーのスーツを２着作った。約３０万円であった。夏は５０万円の目標が提示された。四国支社の森支社長にお願いした。支社長はゴルフクラブを５０万円で購入してくれた。秋にも５０万円を提示された。黒木所長がカラーテレビを買ってくれた。 冬には、１００万円の提示があった。若い担当者に怒った。 「四越は、担当者を食い物にするのか」 「嫌なら化粧品コーナーが無くなると思え」 と顎で言われた。 「ふざけるなぁ----」 と殴ってしまった。この情報は松山の業者に知れ渡った。森支社長が高松から飛んで 来て、支配人に土下座して謝ってくれた。私はそれだけでは収まらなかった。 「四越の実態というタイトルで新聞社と週刊誌に本当の商売ではないと訴えた」 そのとき、四越を取り巻く環境が反目していた。社長のワンマンぶり、会社の資金の乱用が明確化して社長が取締役会で解任された。 私が殴った担当者は、他の業者から賄賂を受け取ったことが判明して懲戒解雇になった。 担当が懲戒解雇されたことで私が殴ったということが消滅してしまった。逆に我々の犠牲になってくれたと感謝された。多くの業者は四越に納品したいという思いで耐えていたのだ。 我々の正義を守ってくれたと感謝された。 松山には「魔性の女がいる」と噂されていた。男ならば魔性の女なんてどんな女だろうか見たくなる。なんと同じ会社の生田悦子が魔性の女だと知った。あんなに細い体でどこが魔性なのかと無性に知りたくなってきた。 私はさりげなく生田に話しかけた。 「松山のことが良く判らないで困っている」 「課長、私が素敵なお店紹介します」 と言って、携帯番号を書いたメモを渡してくれた。 生田は携帯番号と、 「２０時頃にラウンジラスベガスで待っています」 と書いた紙きれを渡された。生田の「魔性の女」の正体突き止めるためにラスベガスに行くことにした。 ２０時１０分頃に着いた。生田は待っていた。 「遅かったですね」 「道を間違ってね」 水割りで乾杯した。小柄で細い体に白い肌、何が魔性の女なのかと見詰めてしまった。 「私の顔に何か書いてありますか」 「見惚れていたね----あまりに綺麗なので---」 「嘘、おっしゃい----私はか弱い乙女です」 「乙女とは、男を知らない女を言うのだよ。君も知っているだろうが---」 「私は、やはり乙女ですわ」 生田のかまととぶりに驚かされる。その夜、生田の本性を知ることになった。ラウンジで１時間ばかり飲んで街に出た。そのままネオンに誘われるようにホテルに入った。 薄めの陰毛、余り黒くなっていない花弁、小ぶりの乳房に魔性の女らしきものは、何も発見できなかった。 キスを交わしながら生で生田の膣にペニスを突きたててた。愛液も普通である。膣が 短いのか、子宮の奥まで亀頭が届いている。約４０分ほど格闘して悦子の膣の中に精液 を吐き出した。 生田悦子は絶叫して逝ったと思っていた。逝ったのだった。失神から覚めると私のペニスを口に含んでいた。 「大きくなったわ、して欲しいの----」 生田悦子の誘いに乗ってしまった。脚を開脚させて私の精液が流れ出している膣に勃起した肉棒を差し込んだ。 「課長のは、大きくて気持ちいいの----私の中に沢山出して---」 乳首を吸い、キスを行いながら２発目を放出した。 「きもちいい----」 さっきとは異なる反応で痙攣しながら逝ってしまった。 逝かさせたと思って安堵してシャワーを浴びて戻ってきた。悦子は私が戻ってベッドに腰かけるとペニスを持ち上げて口に含んだ。亀頭を舐め、睾丸を口の中で転がせてくる。 肉棒が完全に勃起すると、 「ほしいの-----」 そのときは、生田悦子の「魔性の女」のことを忘れていた。３回目は悦子を私の裸体を跨がせて女上位の体勢にした。勃起した肉棒の上に腰を落とさせて膣に挿入する。 「いいわ---いいの----」 と言って腰を旋回させている。しばらくは悦子に任せていた。 「疲れたわ、代わってください---」 「もっと、頑張れ---魔性の女の正体を魅せろ------」 「言ったわね----」 悦子は、お尻を激しくグラインドさせながら膣を締め付けてくる。 「もっと、頑張れ-------」 このことがいけなかったのかも知れなかった。悦子は私が精液を放出するまで歯を食い縛って頑張った。そして、私に３回目の精液を放出させた。 放出させて休むような悦子ではなかった。湯気の立ち上っているペニスを咥えにきた。睾丸を口の中で転がせると肉棒が大きくなってくるが最初のときのような硬度が無くなっていた。 「元気ないですよ。これからが本当の勝負です。今度は、課長の番です」 「内心、ムカッと来ていた。負けないと思っていたが-----」 「男の精力は回数を重ねると低下してくる」 それでも４回目、５回目までは負けないと思っていた。悦子は悶絶するが不死鳥の様に蘇がえってきて、私を挑発した。これまで５回戦くらいまでしかした経験がなかった。これから先は未知の領域になってくる。２８歳になっていた。大学時代のようなパワーもなくなっている。 「まだ、ギブアップはしないですよね。キブアップすると私の奴隷になるのですから---」 「そんな約束していないよ」 「私に挑んできたときからこのルールは決まっているの。文句言わないの」 覚悟を決めるしかなかった。 悦子は休憩なしで、６回戦、７回戦と挑んできた。時計は深夜の２時を廻っていた。 「負けるわけにはいかなかった」 ８回戦、９回戦になってくると空が白く明けてきた。体力が限界に来ていた。悦子も疲れている。それでも肉棒を勃起させる為にアナルに舌を入れてくる。お尻まで舐められることは心地よかった。心地よいと思うとペニスかムクッと大きくなってくる。 私は遂に１０回戦に突入していた。眠いのと体力の限界まで腰を振っていた。１０発目を膣の中に放出するとそのまま二人とも眠ってしまった。 私の方が早く意識が回復した。シャワーを浴びて戻ってきても悦子が眠っていた。テーブルの上に１万円を置くと部屋を飛び出していた。アパートから外に出ると真っ赤な太陽が黄色に見えた。タクシーでマンションに戻ると死んだように眠っていた。 目が覚めると１２時を廻っていた。会社には風邪に熱があると言って休暇を取った。１５時すぎに悦子のいるデパートに行き、離れた位置から悦子を確認した。それを確認するとそのまま帰宅して眠ってしまった。生田悦子に付けられた「魔性の女」の意味がやっと理解できた。 それから何度も悦子から携帯メールで誘われたが返信しなかった。その年の年末に四国支社に異動が決まった。悦子とはその後、会話を交わすことも無く転勤した。松山での約１年間これまでになかった試練と直面した。 |
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| 2015.5.16掲載 |
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