龍 晃一 作
| 第５章 彩也香との旅行 三浦彩也香には、予知能力が備わっていることを体感した。 僕は、夏休みを利用して運転免許を取得する為に自動車学校に行った。自動車学校に通いながら週２回ペースで彩也香と会っていた。夏休み期間中は花火大会や夏祭りがあり、頻繁に会うことができた。 ３年になって経費節減と言う目的で彩也香が僕のマンションに引っ越してきた。２ＬＤＫの広さがあり２部屋あることが魅力だった。少し古いが汚いことはない。畳も僕が来た時に新調してくれていた。彩也香はベッドを好み、僕は畳の上が好きだった。と言っても彩也香と同棲するようになっていつも彩也香の部屋で抱き合って眠った。結婚を前提としているが未婚のカップルである。 美希が出産したことはメールで知っていたが彩也香といつも一緒なので中々行くことができなくなっていたが、経済学部と理学部で講義の時間的な差があった。休講になったとき、メールして美希に会いに行った。赤ちゃんはスヤスヤ眠っていた。 「パパになった感想は-----」 「実感が湧かない---------」 「そうかもね。----名前を小西 雅(みやび)としました」 「そんな華やかな雰囲気がある」 「笑顔の時は武志にそっくり----」 美希の手料理を食べて退散した。美希は女から母親の顔になっていた。子供を出産するとお腹を痛めた子供は可愛いと言われている。良太も妹ができたことを喜んでいた。 美希が子育てで舞々していたこともあって、美希との距離が遠くなっていった。その反面、彩也香を守りたいと言う思いが強くなっていた。彩也香が隣でいるようになり、いつでもできるという空気が信頼はしているが連日、彩也香を求めることが無くなっていた。２日に一度交わり２回の放出と言うペースになり、好きなことが学べるということで大学が楽しくなっていた。 僕も彩也香も４年になった。教育実習をしなければならない。僕は大学の付属高校で行うようにした。彩也香は、田舎の母校に帰って行うことになった。７月になり講義が終わると二人で九州のやまなみ、阿蘇に行くことにした。 夜行列車で門司まで行き、門司から急行で別府に向った。別府でレンターカーを借りた。車で高崎山に行った。高崎山で猿の餌を遣っているところを観て、高崎山の水族館に行った。地獄めぐりをして、ラクテンチに行った。ラクテンチの蛇のコーナーでは僕にしがみ付く彩也香がいた。 今夜の宿は「杉乃井ホテル」である。マンモスホテルである。プールがあり、演劇があり、ジャングル風呂もある。彩也香は僕と離れまいといつも手を繋ぎ寄り添っている。そんな彩也香を可愛いと思えた。セックスの経験が少なく彩也香から能動的にしてくれることはないが仕方ないと思えた。これまでの僕であった。 彩也香にして欲しいと求めることにした。フェラも睾丸までは舐めれるようになったが、アナルまで舐めてと中々言えなかった。彩也香のアナルを舐めて、同じようにして欲しいと求めると応じてくれた。最初はおどおどしているが、 「そこ気持ちいい---」 というと積極的に尽くしたくれた。 当然、彩也香は誰にも渡さないし、誰にも触れさせたくなかった。杉乃井ホテルでジャングル温泉に行った。 そこが混浴であったことを知らせていなかった。女性は大きなバイタオルを胸から巻いていたが彩也香には小さなタオルしか持たせていなかった。二人が入浴していた温泉に中年の男が肉棒を隠すことも無く、ブラブラさせて入ってきた。 「キャツッ----」 驚きの悲鳴をあげた。男も驚いて違う浴槽に逃げるように出て行った。 彩也香は風呂の中でガタガタと震えていた。僕に抱きついてきて泣き出した。彩也香を宥めてジャングル風呂を跡にした。彩也香は裸を僕以外の男に見せたことがショックだったようだ。そんな純なところが残されている彩也香なのだ。部屋に戻り抱きしめると緊張感が緩んできたのか眠ってしまった。これまでに知り得なかった彩也香の大胆なところと初なところを知った旅になった。 やまなみは木が１本もなく緑の草原になっている。 「素敵------」 城島高原では乗り物に乗って時間を費やした。水分峠を越えてやまなみ道路になる。少し走ると草原地帯に出る。紺碧の空と緑の草原の中をそよ風のように車で走ることは心地よかった。日本にこんな草原があることが不思議でならなかった。彩也香といるドライブは嬉しかった。学生同士であるが夫婦である。人を心から愛せることに歓びと満足感があった。 この日は阿蘇盆地にあり、阿蘇の噴煙を望むことのできる白雲山荘に宿泊した。夕食はバーベキューを申し込んだ。食べたいものを持ってきて焼いて食べるというバイキング方式になっていた。今夜も彩也香と交わることを念頭に置いてニンニクと骨付きステーキを何枚も食べた。芝生の上で焼肉をするのも阿蘇と言う大自然に囲まれて食べる焼肉は美味しかった。 一度部屋に戻って水着に着替えた。プールで燥いでいるカップルの声を聴いていると泳ぎたくなってきた。蒸し暑い夜は、プールの水温は心地よかった。水の中で何度も口付けをしながら水と戯れていた。都会の雑踏を忘れてこんな時間を過ごすことの有意義さを感じていた。 「愛している」 と言葉でいうことは簡単であるが就職して会社で実績が確保できるのか否かと心配になる。彩也香と結婚することは、彩也香と生まれてくる子供達を大学まで卒業させる義務が生じてくる。先のことを思案しても仕方ない。 我々はこの世に生かされている。 「人事を尽くして天命を待つ」 しかできないのだ。生きるということは努力することに価値があるのだと思えた。 彩也香の方が生きている瞬間を謳歌したいという思いが伝わってくる。一緒にいる時は手を繋ぎ、口付けを求めてくる。そんな彩也香を愛しいと思える。僕が他界するのか、彩也香が他界するのかは神しか分かりえない。人生とは、生きているときが華なのだ。今を精一杯満喫させようと心に誓った。 翌日は、草千里で馬に乗り、阿蘇の草原でヘリコプターに乗った。怖いと言っていた彩也香かが空に舞い上がったヘリコプターからの下界の景色に満喫していた。 「良かった。ヘリコプターに乗れたのは一生の思い出になる」 と何度も話してくれた。 阿蘇の噴煙が立ち昇る火口を空から見て、地上からも観た。余りのスケールの大きさに強く手を握りしめて火口を覗き込んでいた。今夜は黒川温泉に宿泊する。３泊４日の思いで作りの旅もあっという間に終わってしまう。黒川では、 「恥ずかしい」 という彩也香を励まして混浴風呂に入った。７名くらいの老若男女が入浴していたがすぐに仲良しになっていた。 部屋に戻ると彩也香の乳房を吸った。乳房にキスマークを刻んだ。彩也香と今ここにいるという思い出を残したかった。彩也香のクリストスを吸い、尿道口を舌で舐めて吸い上げた。太腿にキスマークを残した。 「彩也香は、武志さんのものなの----好きなようにして欲しい」 こんな言葉を可愛いという思いで聞いた。 黒川温泉〜瀬の本に行き、大観峰に行った。阿蘇の山並みが一望でき、振り返っても草原が続いている。こんな景色は四国にはない。見渡す限り緑の草原が続き、空は紺碧の青い空が続いている。緑と青のコントラストがとっても美しいと思える。彩也香は、 「素敵、こんな景色があるなんて----来てよかった。ありがとう」 「これから草千里に行く、阿蘇に行こう」 「お願いします」 車は草原の中を走り、城山展望台からもう一度阿蘇を一望して、阿蘇のカルデラの底に降りて行き、阿蘇登山道から草千里に着いた。教科書に載っている日本の有名なところであり、緑の草原と湖のコントラストが美しい。彩也香と馬に乗って、草原を３分間の散歩を楽しんだ。阿蘇の手前にヘリコプターが駐機していた。 「乗れますよ。１名５分間５０００円です」 これも体験になると思い乗り込んだ。阿蘇の火口と草原を一望でき、空から眺める美しさは地上で観る角度が異なり地球が丸いということを実感した。 彩也香との３泊４日の旅も過ぎ去ればあっという間で終わった。 彩也香と高松の実家に行き、両親に挨拶をした。両親も二人が許嫁になっていることは承知している。彩也香の祖母は、二人が結婚できないことは感じていた。彩也香が事故死する予感を感じていた。 「彩也香の思い通りにさせる」 ということが家族の一致した思いであった。 祖母の運命学でも孫の彩也香がいつ、どこで、どんな事故に遭遇するのかということまでは解明できないのだ。身内のことを予測することは難しいと語ってくれた。彩也香も、母も、祖母も運命学の大家であるが身内のことを知り得る事には限界があった。 僕も彩也香の実家から電車で３０分くらい離れた町に実家があった。彩也香との楽しい旅のことを反芻しながら彩也香のことを思い出していた。３日後には僕の住んでいる近くの海水浴場に来ることになっている。僕の両親は彩也香に会えることを楽しみにしていてくれた。海から帰ると家族で焼肉をするので早めに帰る様に言われた。両親には結婚を前提として交際していることを理解してくれているが、結婚は卒業してからという思いが強いが彩也香を娘の様に思ってくれていることが嬉しかった。僕には弟しかいなかった。母は娘を待ち望んでいた思いがある。 彩也香は、購入したばかりのセパレートのピンクの水着になった。彩也香の眩しすぎるセパーレート姿を何枚も撮影した。今は二人でいることが楽しく充実している時間であった。僕はこんな彩也香に出会い、愛することができたことを幸せに思っていた。先のことは解らない。今を大事にすることが彩也香を大事にすることになると思っていた。 海から自宅に戻ると彩也香の両親と高校１年の弟と祖母が来ていた。今日は僕の家の庭で海鮮焼きと焼肉をすることにしていた。海老やサザエや魚を焼き、焼肉も美味しかった。僕の妹と彩也香の弟が仲良く話している。焼肉は家族団欒で楽しい時間を与えてくれる。芝生の庭で陽が落ちてからも弾んだ。途中で僕と彩也香は僕の勉強部屋で写真を見せていた。 彩也香と抱き合ってキスしていると弟が呼びに来た。 彩也香は２１時過ぎに両親と弟と一緒に帰った。 |
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| 2014.9.6掲載 |
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