| ２２． 私は、ホテルのトイレの中で、Ｔの精液のついた生理用ナプキンを手にしていた。精液の独特の匂いが鼻をつく中、私の脳裏に、母に刺さったＴの性器が脈動する光景が生々しく蘇ってきた。私のペニスは、用を足したにもかかわらず、勃起してきた。 ナプキンの質感や重みからして、かなりの量の精液はすでに吸収されているようだったが、それでも、粘度の高い液体が布地の上に残っていた。 汚物入れを再び覗きこむと、そこには、さらに何枚かナプキンが入っていた。母は、Ｔの射精を受け止めた後、こぼれ出てくる精液で下着が汚れないように、生理用のナプキンを当てていたのであろう。しかし、その量があまりにも多く、何度か交換しなければならなかったため、新しいナプキンを買いに行ったようであった。 母とＴの昨晩のセックスが、どこか夢の中のことのような気がしていた私は、現実に引き戻された。Ｔは、確かに、この部屋で母を抱き、その膣内に大量の精液を放っていた。膣内で迸らされたものの、母の子宮と膣には収まりきらなかった精液が、今、私の掌の上と汚物入れの中にあった。私の脳裏に焼きついている、Ｔの陰嚢が収縮して母の膣に精液を送り込む光景は、間違いなく現実であった。 母の胎内には、今も、この何倍もの精液が残っており、何億匹もの精子が母を妊娠させようと蠢いているのだろう。今まさに、母の胎内で受精が行なわれているかもしれない。私は、そのようなことを考えながらトイレを出た。 私がトイレを出ると、母は、荷物をまとめて帰宅する準備をしていた。母は、濃紺のシャツと白いパンツを身につけており、髪は一つに束ねて右肩にかけていた。メイクも、昨晩から一転、落ち着いたものにしていた。薄着であったため胸の豊かさは目につくものの、昨晩、Ｔの前で醸し出していた色香は影を潜めていた。 まとっている空気があまりに違うため、昨晩、ノースリーブのワンピースを身につけ、近くをとおる男性が思わず振り向いてしまうほどの色気を振りまいていた母とは、別の女性であるかのような気さえした。実際、母のことを知らない人であれば、そう思ったかもしれなかった。 母がこれほど違って見えるのは、母の服装やメイクによるところが大きいのは確かだろう。しかし、男の子種を求めていた昨晩とは異なり、すでに胎内に大量の精子を抱えた母の肉体が、雄を発情させる必要をもはや感じていないというのが本当の理由であるように思えた。そのようなことを考えていると、「女」という生き物が、改めて恐ろしいものに感じられてきた。 私が母を見つめていると、母は、再び「ゆう君、朝ごはん、どうするの？」と尋ねてきた。私のほうを向いた母の表情は、とても穏やかで、息子を前にした母親のものだった。巨大な肉棒を咥えこみ、何度も絶頂を味わっていた、ベッドの上の表情を思い出すことは非常に困難だった。 しかし、母は、今も間違いなく、その胎内に、Ｔの大量の精液を抱えている。そして、パンツの下の下着には、膣口からこぼれ出す精液を抑えるためにナプキンを忍び込ませている。目の前にいる女性は、母親のような表情を浮かべながらも、その腹では男の子種を温めている雌に他ならなかった。 私が返事をしなかったため、母は、「どうかしたの？」と言いたそうな表情で、私の顔を覗き込んできた。私は、慌てて「・・いらないよ」と返事をした。母は、「食べないとだめよぉ・・一人暮らしでも、朝ごはん食べてないんじゃないの？３８階のレストランで食べれるから、行ってきたら」と言った。 私が再び邪険な対応をすると、母は、「もぅ・・じゃあ、帰り道に何か食べて帰りなさい」と言った。私は「分かった」とだけ答えた。 身支度を終えると、私と母は、ホテルをチェックアウトした。私たちはホテルの前に止まっていたタクシーに乗り込み、母は自宅まで、下宿へ帰る私は近くの駅まで、乗っていくことになった。 タクシーの中、私と母は、天気など差し障りのない会話をした。会話をしながら、私は、母の体や横顔を盗み見ていたが、昨晩、ホテルの中であれほど官能的に見えた母の白い肌は、爽やかに感じられ、最大のセックスアピールである胸の膨らみも、健康的な印象を与えた。 この清々しい女性が、巨大な肉棒が与えてくれる快感に柔肌を紅潮させる様子や、激しいピストンで大きな乳房を激しく揺らしている様子を想像することは難しかった。ましてや、数時間前に大量の精液を注ぎ込まれ、今もなお、生臭い雄液を膣に溢れかえらせているとは誰も考えないであろう。 私は、母の爽やかな外観の下に隠れている、雌としての一面を知っていることに密かな満足を感じている自分に気がついた。私は、頭の中では違うことを考えながら、内容の乏しい会話を15分ほど続けた後、1人タクシーを降りた。その際、私たちは、普通の親子と同じような挨拶をして別れた。 その日以降、私と母は、1か月以上、顔を合わせることがなかった。時おり母からメールが来たものの、特に用事らしきものはなかった。私も、下宿で、大学の夏休みを満喫する生活を送った。 ただ、私のオナニーの方法は以前とは変わってしまった。画面の中で繰り広げられるショーとしてのセックスでは、私は満足できなくなっていた。友達たちが、お勧めだといって貸してくれるAVを見ながらペニスをしごけば、確かに射精することはできた。しかし、母とＴのセックスを見た直後にトイレでペニスをしごいた時と同じように、その快感はどこか物足りないものだった。 私は、射精欲を感じると、ベッドの上で仰向けになり、目を閉じて、Ｔの肉棒がポンプのように動いて母の膣に精液を送り込む様子をなるべく鮮明に思い出すようにした。大切な母が、凶暴なペニスで孕まされる様子を思い描くと、下半身の勃起は天を仰ぐようになり、体全体が、興奮と嫉妬で熱く感じられるようになっていった。 その火照りの中で、左手でペニスを優しくしごき、右手で乳首を優しく刺激すると、性的な興奮を通り越した、高揚感、浮遊感の中で、放出を迎えることができた。私は、毎晩のように、こうした方法で自らを慰めた。 ホテルで母とＴと出会ってから、2か月弱経った頃に、母から電話がかかってきた。久しぶりの電話であったため、私は少し緊張しつつ電話に出た。電話の向こうの母の声も、緊張しているようだった。 母は、私の様子を尋ねる質問をいくつかしたあと、本題を切り出してきた。「あのぉ・・・母さんね・・・」母の言葉が途切れたが、私は、何も言わずに母の言葉を待った。母の緊張が電話越しに伝わってきた。 母は、平静さを装いながら、「母さんね・・お医者さんが、赤ちゃんが・・できたって・・」と、少したどたどしく言った。それは、ホテルで母とＴに出会ってから、私が覚悟し、どこかで期待していた言葉に他ならなかった。 2か月近くに渡って待ち望んでいたにもかかわらず、母の妊娠がいざ現実のこととなると、私は、何と返事をすればよいのか分からなかった。母も言葉を続けることができず、沈黙が続いた。携帯に当てた耳に、心臓の鼓動が大きく響いた。母が、何とか、「・・でも、大丈夫よ。心配しないで」と言った。 もちろん、私は、母の体調も心配であった。しかし、何よりも気になっていたことを聞かずにはいられなかった。私は、「あのぉ・・・やっぱり・・Ｔさんと・・そのぉ・・あの時・・・」と要を得ない言葉を口にした。 私が、あの時のセックスで妊娠したのかを知りたがっていることは、母もすぐに分かった。母は、自分を落ち着かせようとする口調で、「そうよ」とはっきりと答えた。さらに、母は、「あの時から、Ｔさんとはお会いしてないもの・・・・お忙しいみたい・・。赤ちゃんができたって言ったら、明日、様子を見に来て下さるって」と言った。 母の言葉を聞きながら、私の心臓の鼓動はさらに早くなっていった。顔は、自分でも赤くなっているのが分かるほど熱くなり、頭が痛く感じられるほどであった。どれほど覚悟し、さらには期待していたこととはいっても、私が見つめる目の前で母が妊娠させられたという事実は、やはり、私を激しく動揺させ、興奮させるものであった。 私は、母とＴのセックス、より正確には、Ｔの二度にわたる射精の様子を思い出した。女を孕ませようとするＴの呻き声や、迸りを受け止める母のか細い声まで、鮮明に脳裡に蘇ってきた。 その時、生き物のように脈動していたＴの肉棒が、母の子宮口を目がけて生臭い白濁液を迸らせ、そこへ侵入したＴの子種が母と結びつき、母の腹の中に新たな命を誕生させるに至ったのである。強烈な感情が私の中でうごめいていた。 私が、正気を保つのに必死でいる間、母は、電話の向こうで、体調も問題がなく、生活面でも心配する必要がないことを説明した。Ｔは、医者や看護婦だけでなく、家事をしてくれる家政婦まで母のために手配しているようだった。母は、孕まされた子供をはぐくみ、出産することに専念すればよいようになっていた。 一とおりの説明を終えると、母は、独り言のようにつぶやいた。「Ｔさん、ほんとにすごいわね・・・お母さん、Ｔさんの言われたとおり、赤ちゃん出来ちゃった・・1回で出来ちゃうなんて・・」。私は、何と答えればよいのか分からなかった。 考えてみれば、母の年齢の女性を、一晩のセックスで妊娠させる可能性というのは、それほど高くないのかもしれなかった。母と私は、しばらくの間、Ｔの雄としての優秀さを噛みしめるかのように押し黙っていた。 電話が終わると、私は、直ちに、ペニスを引っ張り出して、しごき始めた。怒りのような興奮の中で、すぐに精液が放たれた。放出を終えても、父との離婚以来、2人で肩を寄せ合って生きてきた母が、いとも簡単にＴに妊娠させられてしまったことを考えると、私のペニスの堅さが失われることはなかった。 私は、宙に精を放つ自分のペニスを見つめながら、暖かい膣肉と愛液に包まれながら子種を迸らせていたＴのペニスとの境遇の違いを悔しく思った。その晩、私のペニスは、屈辱と憤怒に駆り立てられて、全ても精液が出尽くした後も、空しく脈動を続けた。 |
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| 2011.6.11掲載 |