| ３３．. 母とＳがホテルの部屋に入ってから、私は、ロビーの喫茶店で２人の帰りを待っていた。喫茶店は、待ち合わせなどに利用する人がほとんどで、人の出入りが多かった。その隅の席に座り、私は、このホテルの一室で繰り広げられているであろう、母とＳのセックスの様子を想像していた。 私としては、この２週間の２人の関係も非常に気になった。母とＳの間に流れる親密な空気からして、自宅での初めてのセックス以降も、２人がデートをし、体を重ねてきたことは間違いなかった。 ２週間前のセックスは、Ｓが人生で初めて経験するセックスであった。母の手ほどきを受けながら、初めて女性と体を交える間に、Ｓは、女性とのセックスに慣れ、互いの快楽を高め合っていく素晴らしさを覚えていっているように見えた。それから２週間が経ち、母とＳがどのようなセックスをするようになっているのか、私は、強い興味と不安を感じた。 私が、家に閉じこもって、２人のセックスの映像を何度も再生している間に、Ｓは母と逢瀬を重ねていた。私が、自分の手でペニスを刺激し、ティッシュに放出を繰り返していたのに対して、Ｓは、おそらくコンドームをつけることもなく、母の温かい膣肉の中で心置きなく射精をしていた。こうしたことを考えると、私は、自分が情けなくて仕方がなかった。 私は、エレベーターが見える席に座り、人が降りてくる度に、母とＳではないか確認し続けていた。２人がいつ戻ってくるかわからないため、その間、トイレに立つこともできずにいた。 ３時間近くが経つと、私の注意力は散漫になってきた。日も陰り始め、もしかすると、２人はホテルに宿泊するのではないかと考え始めていたとき、エレベーターから母とＳが出てきた。私の中に再び緊張が走った。 エレベーターから降りてきた２人は、フロントでチェックアウトをすると、ロビーを横切り、ホテルの玄関へと歩いていった。Ｓが母の腰に優しく手を回す様子など、２人の間の距離は、さらに近づいたように見えた。互いの全てをさらけ出し、快楽のために性器を交えたことによる信頼感が、２人の体を自然に密着させているように感じられた。 ２人が、玄関から出て、駅の方向へと歩いていくまで、私は喫茶店の席で身を潜めていた。喫茶店が道路に面していたため、ホテルの前の道路を歩いていく母の横顔が、ガラス越しに見えた。 その時、私は、母のメイクが少し変わっていることに気がついた。部屋に入っていくまでの母は、若いＳに合わせるためか、赤みの強いチークを入れており、健康的で、若々しい印象を与えるメイクをしていた。 これに対して、ホテルから出てきた母は、落ち着いた色合いの紅をしていた。全体として、大人びた、シックな印象を与えるメイクになっており、日の陰り始めた街の雰囲気に合っていた。 私には、母のメイク直しが、部屋の中で、母とＳがセックスをしていたことの証拠のように感じられた。もちろん、これまでの状況からして、２人がセックスをしていたことは誰の目にも明らかであった。 それでも、私は、心のどこかで、２人が本当はセックスをしなかった可能性もあるのではないかと期待していたようであった。私は、大人の女性らしいメイクをした母の横顔を見ながら、はかない望みが打ち砕かれていくのを感じていた。 部屋の中で、母がどのような顔をしていたか、それを知っているのはＳだけであった。母が、Ｓの前で見せていた顔をメイクで隠してロビーに現れたのだと思うと、私は、改めて強い孤独を感じた。 ２人が駅へ入っていくと、私は、慌てて喫茶店の会計をすました。私が駅に着くと、２人は、改札を入ろうとしているところであった。改札に入った２人は、しばらく立ち話をしていたが、名残惜しそうに手を振って、別々のホームへと向かった。母は、自宅の最寄り駅へ向かう電車に乗ろうとしているようであった。 改札を入った私は、Ｓの後をつけることにした。エスカレーターでホームに上がり、電車を待つＳを見つけると、数時間前に母を尾行していた時と同じように、斜め後ろからＳの様子をうかがった。 私は、Ｓの視線の先に、反対のホームで電車を待つ母が立っていることに気がついた。私は、慌てて、母から見えない場所へと移動した。柱の陰から反対のホームを見ると、母は、時おり、Ｓのほうへ視線を向けながら、照れくさそうな笑みを浮かべていた。別れを惜しむ若い恋人のような母の仕草は、私が初めて見るものであった。 Ｓが待つホームに電車が入ってくると、Ｓは母に手を振って電車に乗った。私も、別の扉から同じ電車に乗った。母の後をつけていたときとは違った緊張の中、私はＳと同じ電車に揺られていた。 約15分後、Ｓが電車から降りたので、私もＳの後を追った。そこは、住宅街にある駅であり、Ｓは帰宅しようとしているようであった。駅を出たＳは、10メートルほど線路に沿って歩いた後、ガード下をとおり、駐輪場の方へと向かっていた。 このままだと、Ｓを追うことができなくなると考えた私は、思い切ってＳに声をかけた。私は、なるべく大きな声で、「あのぉ、ちょっと・・」と言った。私は、自分の声が震えそうなのを、懸命に抑え込もうとした。 振り返ったＳは、不審そうな表情を浮かべた。Ｓは、私を無視するべきか悩んでいるようであった。しばらくすると、Ｓは、少し強張った表情で、「何っすか？」と言った。その口調からは、私を警戒していることが伝わってきた 私は、「あのぉ・・・」と言った後、しばらくの間、言葉を続けることができなかった。心臓の鼓動が強くなっていく中、このままでは、さらに不審がられると思い、私は懸命に言葉を探した。私の口から出てきたのは、「いや・・○○百合子とは、どういう関係なのかと思って・・」という、いきなり核心に迫る言葉であった。 Ｓは、少し攻撃的な口調で、「あんたは、何なんっすか？？」と言った。私は、しばらくの間、黙っていたが、嘘をついても仕方がないと思い、正直に「いや、その・・・○○百合子の息子・・・」と言った。私の返事を聞いたＳは、狼狽したような表情を浮かべた。 話す内容を全く決めずに声をかけた私は、続けて何を言えばよいのか分からなかった。暗いガードの下で、私は的をえない事を言い、Ｓがそれに戸惑いながら応じるという状況が、２分ほど続いた。私は、極度に緊張しており、会話の内容の詳細は覚えていないが、時おり２人の会話を遮るような電車の音が強く印象に残っている。 私は、自分の携帯の番号と、メールアドレスをＳに伝え、そこに連絡が欲しいと伝えた。Ｓが承諾したのか定かではなかったが、私は何度も連絡をくれと伝えた上で、Ｓと別れた。 電車に乗り、下宿へと帰る間、私は、初めて会話をしたＳのことを思い出していた。Ｓは、近くで見ても、爽やかな印象を与える高校生であった。整った顔立ちだけでなく、きちんと受け答えする様子が、育ちの良さを感じさせた。 Ｓが母とセックスをする映像を、私は数え切れないほどの回数見ていたはずであった。それでも、先ほど会話をしたＳが、ホテルで私の母を抱き、その中に欲望をぶちまけていたとはとても信じられなかった。私は、電車に揺られながら、自分が男女の関係を全く理解できていないような寂しさに襲われた。 連絡先を伝えたものの、果たしてＳが連絡をくれるのか、私には自信がなかった。しかし、私の心配は無駄であり、あっさりと次の日に、私のパソコンにＳからのメールが届いた。本文には、ほとんど何も書いてなく、Ｓの連絡先を伝えるだけのメールであった。 その後、私とＳは、1日おきくらいの間隔で、メールで連絡を取り合うようになった。Ｓは、私の存在について、父親Ｔから耳にしたことがあったらしく、私が拍子抜けするぐらいにあっさりと、母との関係について教えてくれた。Ｓは、初体験の日以降、２日に一回ほどのペースで会っており、私が目撃したのは、６、７回目の逢瀬だったようである。 連絡を取り合うようになり、数週間が経つと、私は、Ｓと母のセックスを見たいという欲望を率直に伝えた。自分よりも年下の高校生に、母親を抱いているところを見せて欲しいと頼むのは、屈辱的なことであるに違いなかった。しかし、メールであったためか、私は、あまり抵抗なく、自分の要望を伝えることができた。 Ｓからの返事は、私が予想していないものであった。Ｓは、自分と母が関係を持っているところを自分の手で録画し、それを私に見せるならよいと言ってきた。母がＳと２人の時にどのような様子なのか興味があった私は、Ｓからの申し出を直ぐに承諾した。 Ｓと会ってから２か月弱が経ったある日の夕方、私は、ファミリーレストランでＳを待っていた。その数日前に、私は、撮影に適した、軽量で、高画質のハンディカメラを購入しており、それをテーブルの上に出していた。 Ｓは、高校の制服姿のまま、ファミリーレストランにやって来た。私を見つけたＳは、礼儀正しく「こんにちは」と挨拶をして、向かいの席に座った。私は、Ｓと視線を合わせることができないまま、「コーヒーでいい？」と尋ねた。Ｓは、「あっ・・はい」と答えた。 私は、他に話題が見つからなかったため、ドリンクが来る前から、カメラの撮影方法などについて説明を始めた。黙って聞いていたＳは、カメラを受け取ると、自分でボタンの操作を確認していた。 しばらくすると、Ｓは、「大丈夫だと思います」と言って、腕時計を見た。そして、「百合子さんとは、５時の待ち合わせなんで・・じゃあ・・」と言って、立ち上がった。私は、弱々しく、「よろしく・・」と呟いて、立ち去るＳを見つめていた。 私は、ファミリーレストランの席で、携帯をいじったりしながら、Ｓの帰りを待っていた。２か月前と同じように、今頃、母とＳがどのようなセックスをしているのか気になり、様々な光景が頭を駆けめぐった。しかし、あの時のような強い孤独を感じることはなく、むじろ、Ｓが撮影している映像を早く見たいという期待でいっぱいであった。 ３時間ほど経つと、Ｓがファミリーレストランへ戻って来た。私の席へとやってきたＳは、少し悪戯っぽい表情で、「上手く撮れたと思いますよ・・ハメ撮りってやつですよ」と言いながら、カメラを手渡した。カメラを受け取った私は、「ありがとう」と礼を述べたが、初めて見るＳの表情に少し怖さを感じた。 Ｓは、すぐに、「じゃあ、僕は」と言って立ち上がった。Ｓの様子は、３時間ほど前と全く変わったところがなく、つい先ほどまで、母を抱いていたとは思えなかった。私は、母とセックスをしておきながら、顔色一つ変えないＳに嫉妬を覚えたが、早く映像を見たいという気持ちを抑えることができず、少し邪険に「ああ、どうも」とだけ言った。 Ｓが、ファミリーレストランを出ていくと、私も後を追うようにしてファミリーレストランを出た。急いで下宿に戻った私は、カメラをモニターにつなぎ、Ｓが撮影してきたばかりの映像を再生し始めた。５秒間ほどホテルの部屋の壁が映った後、母の姿が映し出された。 |
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| 2012.2.4掲載 |