| ４４. 自宅での会合から１か月半ほどが経ったある日、私は、母とＳの最後のセックスを見るために○○ホテルに向かった。○○ホテルに行くのは、Ｔが私の見つめる目の前で母の膣内に精を放ち、子供を身ごもらせた日以来であった。私は、その日の様子を思い出しながらホテルに入った。 ホテルの様子は昨年から変わっていないようであり、ロビーの喫茶店のほうへ歩いていくと、母が１人で席に座っているのが目に入った。私が席に近づくと、母も私に気がつき、「あっ、ゆう君」と言いながら、優しい笑みを浮かべた。私は、母に促されるまま母の隣の席に座った。 その日の母は、青色のカーディガンとベージュのスカートを身に着けていた。普通の主婦のような服装のせいか、昨年、同じ喫茶店で出会った時のような強烈な色香こそ感じられなかったものの、服の上からでも分かる豊かな胸の膨らみや白く艶やかな肌、そしてどこか女性的な仕草が、同年代の主婦よりも色っぽく見えた。 私がコーヒーを注文すると、母は世間話を始めた。私の予想に反して、母は非常に落ち着いており、そのはっきりとした口調からは、母が覚悟のようなものを持って、今日このホテルにやって来ていることが伝わってきた。 私は、これからホテルの部屋で行われるであろう母とＳのセックスのことが気になり、母の話の内容はほとんど頭に入ってこなかった。私が上の空のままウェイトレスの持ってきたコーヒーを何度も口に運んでいると、母が何かに気がついて立ち上がった。母の視線の先を見ると、ＳとＲらしき女子高生が喫茶店に向かって歩いてきていた。 母が軽く手を上げると、２人も母に気が付き、私たちの席のほうへとやってきた。２人が席の傍にまでくると、母は２人に挨拶をして、私をＲに紹介した。私も立ち上がって挨拶をすると、Ｓに続いてＲも緊張した声で挨拶をした。互いの挨拶が終わると、Ｓが母の向かいの席に、そしてＲが私の向かいの席に座った。 テーブルを隔てて私の前に座ったＲは、非常に清潔感のある女子高生であった。お嬢様風でありながらも、野暮っぽさを感じさせない薄いベージュのシャツを着ており、手入れの行き届いたセミロングの黒髪も上品であった。 顔立ちは、高校生の男子にもてる可愛らしいタイプとは違い、綺麗な二重の目が印象的な美形であった。それほど年齢の違わないはずの私にも、Ｒがあと数年すれば非常に魅惑的な美人になることが想像できた。高校生の時から、そうしたタイプの女性を選ぶＳのセンスが、男として末恐ろしいようにも感じられた。 Ｒは、見るからに緊張しており、うつむいたまま私たちのほうを見ることができずにいた。母がＲに話しかけても、Ｒは短い返事をするのが精一杯といった様子であった。彼氏と初体験を経験したばかりの女子高生が、これから目の前でその彼氏と他人がセックスをするという状況に置かれて、強い不安と狼狽を覚えていることが痛いほど伝わってきた。 私は、Ｒのことが気になって仕方がなかったが、どこか照れくさく、Ｒを直視することができなかった。時おりＲの顔を盗み見ると、透き通るように白い肌や涼しげな印象を与える目元などが、母と似ているような気もした。 私の隣の母は、穏やかな表情で、ＳとＲに学校の様子を尋ねるなどしていた。Ｓは、それなりに返事をしていたものの、Ｒは全く余裕がなく、ほとんど受け答えができないでいた。母は、２人の緊張を少しでもほぐそうと、優しく話しかけていた。 それから、しばらくの間、母が話題を振り、Ｓと私がそれに応えるという形の会話が続いた。私は、受け答えをしながら、ホテルの喫茶店で会話をしている私たち４人は傍から見れば親戚同士にでも見えるのだろうかと、想像をめぐらせていた。 ＳとＲが着席して１５分ほど経った頃、私たちの会話が途切れた。母は、残っていた紅茶を飲み干してカップを置くと、３人をゆっくりと見渡して「じゃあ、そろそろ・・」と言った。Ｓは、少し間をおいてから小さく頷いたものの、Ｒはじっとしたままであった。 伝票を手に取って立ち上がった母は、レジへと歩いて行った。Ｒも、Ｓに促されてゆっくりと立ち上がり、喫茶店の出口のほうへと向かった。母が会計を終えてエレベーターのほうへと歩いて行くと、ＳとＲ、そして私の順に母の後ろに続いた。 私たち４人は、黙ってエレベーターの到着を待った。その間、私の脳裏には、昨年、同じ場所で母とＴがエレベーターを待っていた時の様子がよみがえってきた。その時の母は、Ｔに連れられるようにしていたのに対して、今年は、母が自ら主導権をとって、Ｔの息子であるＳとその彼女であるＲを連れて部屋へ向かおうとしていた。 エレベーターに入ると、母は、４０階のボタンを押した。私は、母がＳの父親であるＴに抱かれ、その子供を宿したのも同じ４０階であったことを思い出した。扉が閉まり、上昇を始めたエレベーターの中で、私は、あの日と同じような光景がこれから繰り広げられるのだろうかと、改めて強い緊張と興奮を感じた。 エレベーターの中では、私たち４人の間に会話はなかった。私の前に立っていたＲは、私よりもさらに緊張しているようであり、隣のＳが心配そうにその様子をうかがっていた。 エレベーターが４０階に着くと、母は、扉を開けるボタンを押しながら「はい、どうぞ」と言って、私たちに先に降りるように促した。エレベーターから降りた私たちは、母に誘導されて部屋へと向かった。 私たちが案内された部屋は、Ｔが母を妊娠させた時とは別の部屋であった。しかし、このフロアにいくつかある部屋は基本的に全て同じ作りのようであり、部屋の中に入ってしまえば、別の部屋だとは分からなかった。 部屋の中には２つのソファがＬ字型に置かれており、母に促されるまま、私と母が一つのソファに座り、もう一つのソファにＳとＲが座った。母は、電話でルームサービスを頼むと、「景色が綺麗わねぇ」などと取り留めのない話を始めた。喫茶店にいた時と同じように、母の言ったことに対して、私とＳが母に答えるという状況が続いた。 数分も経たないうちに、母が注文したルームサービスが運ばれてきた。私は、ホテルの従業員が部屋をノックする音に驚いてしまい、自分が心の底では非常に緊張していることに気づかされた。係りの人が部屋を出てしばらくすると、母が話を止めたため、部屋の中に沈黙が流れた。 母は、コーヒーに口をつけると、私たち３人をゆっくりと見渡した。その雰囲気から、母が、今日の本題を切り出そうとしていることが伝わってきたため、部屋の中に軽い緊張が走った。 私たち、とりわけＲの緊張をほぐそうとするかのように、母は優しい声で話を始めた。母が、「Ｒちゃん、今日は、変なお願いをしてごめんなさいね・・・。びっくりしたわよね。ほんとに、ごめんなさい・・」とＲに声をかけると、Ｒは、消え入りそうな声で「いえ・・」と返事をした。 母は、ゆっくりとした口調のまま「Ｒちゃんにはね、嫌な思いをさせたかもしれないけど、私がＳ君と会うのは最後になるわ。・・安心してね」と言った。Ｒが小さく頷くと、母は「それで最後にね、Ｓ君と私がどんな風に愛し合ったのか・・・Ｓ君が女の人に、どうしてもらうと嬉しいのか、Ｒちゃんには、ちゃんと知っておいて欲しいと思ったの」と言葉を続けた。 母の言葉を聞いた私は、Ｓとの最後のセックスをＲに見て欲しいと母が言い出した理由が、ようやく少し理解できるような気がした。Ｓに女性を抱く喜びを教えてやった母は、自分とＳが体を交える様子を見せ、Ｓがどのようにされると喜び、満足を覚えるのかといったことを、これから何度もＳと関係を持つであろうＲに伝えたいと考えているようであった。 少し間を置いた後、母は、「だからね・・Ｒちゃんには辛いかもしれないけど、しっかりと最後まで私たちのことを見てくれるかな・・？」と言った。その口調は落ち着いていたが、私には母も緊張を押し殺しているように見えた。Ｒは、小さい声ではあったものの、はっきりと「はい」と答えて頷いた。 Ｒの返事を聞いた母は、笑みを浮かべて「よかった・・」と言った。そして、今度はＳのほうを向いて、「Ｓ君も、ちゃんと、いつもどおりにしてね。そうじゃないと意味がないんだから・・」と言った。Ｓは、Ｒがしっかりと返事をしたことに少し驚た様子であったが、自らも「はい・・」と返事をした。 最後に、母は、私に向けて、優しい口調で「ゆう君も、私たちの最後の様子を、ちゃんと見ててね」と言った。話しかけられることを予想していなかった私は、慌てて、「あっ、え？うん・・」と要領を得ない返事をした。 私たち３人から承諾を得た母は、再び「よかった・・」と言った。母は、晴れやかな表情を浮かべながら、「じゃあ、Ｓ君・・・先にシャワーに入る？」と言った。Ｓは、急な展開に少し戸惑ったようであったが、「あっ・・はい」と返事をし、ゆっくりと立ち上がった。 Ｓは、この部屋に残されるＲのことが気にかかっている様子であったが、母がＳに「大丈夫よ」と言いたげな表情で頷くと、バスルームにつながっているベッドルームへと向かった。 Ｓが部屋から出て行ってしばらくすると、母は、少しおどけた様子で「Ｓ君も、緊張してたわよね？」とＲに話しかけた。母が、「Ｓ君、ああ見えて、結構、緊張するものねぇ」と言うと、Ｒは、微かに笑みを浮かべて「そうです・・」と答えた。整った顔立ちをしたＲであったが、今日、初めて見せた笑顔は高校生らしい可愛らしさも感じさせるものだった。 その後、Ｒは、少し緊張が解けたようであり、母がＳのことを色々と尋ねると、時おり笑みを浮かべながら母の質問に答えた。私は、部屋の空気が和んだことに安堵しながら、２人の会話を聞いていた。 壁越しに聞こえていたシャワーの音が止み、しばらくすると、バスローブを着たＳが部屋に戻ってきた。母とＲが話をしているのを見たＳは、部屋の空気が予想に反して和やかで驚いた様子であった。 母は、「じゃあ、私もシャワー浴びてくるわね」と言うと、Ｒに目配せをしてから立ち上がり、Ｓと入れ替わりに部屋を出て行った。Ｓは、Ｒの隣に座ると、「大丈夫？」などとＲに声をかけていた。私は、しばらくの間、携帯電話をいじるなどしていたが、やはりその場にいづらくなったためトイレに入った。 便意をもよおしていたわけではなかった私は、トイレの中でズボンを下ろすこともなく便座に座り、母がシャワーから出てくるのを待った。幸い、すぐにシャワーの音は止んだため、私はカモフラージュのために水を流してから部屋へと戻った。 私が部屋に戻ってからしばらくすると、母がドアを開けて、ベッドルームの中から「お待たせしたわね」と私たちに声をかけた。Ｓに促されたＲは、小さく頷きながら立ち上がり、ベッドルームへと向かった。私は、ＲとＳの後について最後に部屋に入った。 私たちを出迎えた母は、Ｓと同じホテルのバスローブを着ており、髪をまとめたままであった。カーディガンを着ていた時とは打って変わって、シャワーを浴びたばかりの母の全身から強烈な色香が溢れ出していた。母のほうをチラッと見たＲは、母の雰囲気が大きく変わり、大人の色香を溢れさせている姿を目の当たりにし、少し怖気づいているようにさえ見えた。 私には、先ほどまでの母が、高校生のＳとＲに合わせるために、その魅惑的な肉体と豊富な性経験から醸し出される色香をわざと押し隠していたように思えた。母は、まとっていた衣をシャワーの中で洗い流し、男性に抱かれて喜びを感じ、また同時に男性に喜びを与える「女」として本来の姿に戻り、私たちの前に現れたように見えた。 ベッドルームにはクイーンサイズのベッドが一つ置いてあった。窓は薄めのカーテンが閉められており、窓の近くに小さなテーブルがあった。私とＲは、母に促されるまま、テーブルの横にあった２脚の椅子をベッドのそばに移動させて、そこに腰を下ろした。 母は、ベッドの端に私とＲのほうを向いて腰をかけると、部屋の入口付近に立ったままであったたＳのほうを振り返り、「Ｓ君・・・」と声をかけた。Ｓは、ベッドの上にあがり、母の斜め後ろに膝を崩した状態で座った。椅子に座った私とＲが、ともにバスローブを着たベッドの上の母とＳと、１メートルほど離れて向かい合う状態になった。 それまで何度も、母とＳのセックスの様子を映像で見ていたはずであたが、実際に、母とＳがこれからまさに体を交えようとする一組の男女として体を寄せ合う様子を目の当たりにすると、想像していたのとは全く異なった強い感情が私の中にこみ上げてきた。 私が興奮という言葉ではとても表現できない強烈な感情に戸惑っている眼の前で、母と高校生Ｓは最後になるはずのセックスを始めようとしていた。 |
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| 2013.9.14掲載 |