はちみつ太郎 作
| １０２ 笙子はブラだけ着けたままの状態で介護者のように悟の汚物を拭っている。手錠は外されているが、代わりに施されている首輪の鎖は東山が握っている。 拭い終えるのを未図り手綱を引きながら笙子は悟から引き離されてしまう。視線は合わぬままだが、笙子の心は通じているようだった。それが癪に障る。東山はあてつけのように悟にガンをとばす。連れ去るように風呂場に引き入れると、扉を閉め悟の視界を遮断した。 悟は聴覚だけを頼りに笙子の気持ちを探る。数分の間笙子の声は聞こえていない。東山の声もそうだ。田山は悟に中の解説を押し付ける。 「東山さん・・・何してると思う？」 「知らん。・・・離せって。」 「おけけ・・・剃ってるの。・・・これからねぇ、クリトリスの皮むきなんだ。あんたも気になってないか？」 「何を？」 「ここで、笙子先生のお○こをクンニした大学生が言ってたんだ。・・・初対面では気にならんが、何度も繰り返すと・・・笙子先生のクリに垢が・・・。」 「・・・。」 「見覚え、いや、嗅ぎ覚えありだな。」 「そ、そんなことをしなくても、いいだろ・・・体はいじらんでも。」 「もう、いじられてるんだ。あんたに落とされて、エッチの魅力を再認識した。脳内をいじられてるんだよ、あんたになぁ。」 「あ、あれは・・・。」 「もっとも、クリを勃起させる薬剤は注入してるし、・・・剥いてやらんでも歩くだけで、中で擦れて大変なんだろうけどなぁ。」 「ど、どうしたら・・・止めてくれるんだ。」 「・・・。」 田山は答えのない回答を風呂場の扉越しに聞いた。東山は、綺麗に剃りあげた笙子の恥丘を見せ付けるように両足をかかげながら近づいてくる。 「な、弄りもしないのにこれだ。・・・綺麗に拭ったんだぜ、これでも。」 東山は、マットレスにＭ字開脚で尻をつけさせると、剃りあがった生殖器を二本の指でかくしてしまう。隠し切れない陰唇を摘み上げるのは田山だった。 「これも、削ぎたい。」 「やめてっ・・・もおぉ。」 田山は、陰唇を大きく引っ張り出すと東山は指を外すことなく二本の指を盛り上がった膣肉に埋め込んでいった。笙子は、息を大きく吸い込むと上げてしまう声を抑えている。 抑制の効いた体は、数秒も持たなかった。陰唇を拡げたまま田山の指は東山の指と重なるように潜り込む。東山の指は上側を引き上げ、田山の指は下側に押し下げる。 膣肉を大きく割られていくと田山は専門的に声を抑えていった。 「ハハハ、元彼さんがお好きなようで、ほら、見えるでしょ。・・・子宮の入り口が下がってる・・・簡単に手が届きそうだし・・・。」 「先生、ストローでエナジードリンク吸わせたらどうなる？」 「そ、そんなこと、しないで。」 「えぇ・・・吸収は早そうですね。・・・でも、今後の妊娠その他を考えると・・・。」 「しませんよ。」 「それよりはお尻の中のほうが吸収は早い。」 「薬物なんて使ってんのか。」 「あぁ、商売なんでねぇ。・・・あんたみたいな男前じゃない俺じゃ・・・こういうの使わんと、落とせねぇんだよ、女を。」 ぐいと持ち上げるように指先を押し上げる東山。笙子は腰を少し浮かし圧力をかわすが、尿道裏のＧスポットにはかわす力は存在しなかった。 「い、いぃぃきぃぃぃ・・・・くぅぅぅぅ。」 歯を食いしばり往き声を聞かせまいとする笙子をあざけりながら、二人の指はクスコのように赤身の膣肉を押し広げ盛りあがった膣前庭を曝け出していく。 「これだけくっきり見えるんならクスコはいらんねぇ。・・・クリトリスの具合もよさそうだし。」 「あぁ、施術前と施術後の味比べのために・・・いただくか。」 指先は笙子の膣肉を離れる。田山もそれに習いながら後ずさるようにスペースを空けた。笙子は鎖を引かれ悟のほうを向くように促されそのまま四つんばいにさせらた。 「先生、・・・二つで往こう。」 「え、・・・いいんですか？」 「術後の具合を自分でも知りたいだろ。」 「え、えぇ・・・感度の上がり具合、知りたいですね。・・・ブログに載せたいくらいです。」 「いいね、産婦人科医の闇ブログ。・・・この奥さんのお○こは臭いとか、やりすぎだとか。」 「実名を伏せて、してみても・・・。」 「安にさせてもいいな。」 「園長に？」 「あぁ、あいつはそういう趣味だ。・・・自分では出来ないもんだから、そういうネタでシコシコと。」 「じゃぁたのみましょ。」 四つんばいの笙子は、腰に手をつけられると息を抜き、力を緩めていく。東山の先端は、括約筋を簡単に押し込み、排泄後拭われた菊の花に飲み込まれていった。 食虫植物のようにじわじわと食い込んでいくと、甘い声ではなく、かすんだ声をあげ悟と目を合わされるように鎖を引かれていた。 田山も下半身を露出させると短めの陰茎をしごきながら笙子の顔に近づける。余した皮を剥き露出させた亀頭を笙子に咥えるように言い含めると悟に一度目を合わせ、目をつぶりながら先端をくわえ込んだ。 串刺しにされた笙子は、上の口と下の口両方で慰めを施されていく。文字通り空気が繋がる上と下は、別々の生殖器で封じ込まれていく。 腸液は滲み始めると、東山のストロークを加速させていた。唾液は枯れるほど零れている。尻肉は鷲つかみされ、後頭部は押さえつけられている。捉えた視線の先の男は、目を閉じているように見える。何も出来ないジレンマとこの境遇に落とした自分に憤っているのか定かではないが。 東山はワインレッドのブラホックを外す。助手のように田山は脇から抜き去ると、悟のほうに投げつけた。よけることなく体に被さるが、反応は薄い。過剰な反応は、笙子に及ぼす過激さが増すことに気がついている。 だが、煽りを忘れたわけではない二人の言動は、ストロークの増し方でわかる。笙子は、その答えを体のそこから表した。吐き出すように田山の陰茎を口から外すと、懇願のような言葉を吐いた。 「もぉぉだめぇ、・・・お、おねがいぃぃ・・・・あぁ。」 「どうだ、悟さん。尻の穴で往っちまうよ。・・・未練あるのか？」 「・・・。」 「たらたらの顔だな。・・・未練があるといえよ。・・・そしたら、・・・残ってる・・・精液の中の精子で・・・最後の分身、授けることも出来るぜぇぇ。」 「あぁ、ぁぁ・・・・あ、あぁ、さ、・・・とるさんにぃ、なにを。」 田山は、口に再度押し込むと、答えを端的に述べる。 「両側精管結紮切除術・・・難しいかい？・・・パイプカット・・・人間の去勢さ。」 「・・・。」 「うらやましいなぁ、悟さん。・・・中で出してもしかられないんだなんてなぁ。」 「そ、そんな、・・・。」 「笙子先生も、自分をこんな目に合わせた男だ・・・それくらいの仕返しをのぞんでたろ。」 「そんなことを、望んでなんか・・・ありません。」 「ほぉ・・・じゃぁ・・・いいだろ。・・・最後の精を受け入れてくれるそうだ。」 「えぇ・・・今日は、完全に・・・出来ますよ。」 「産婦人科医の保障付きかぁ。」 笙子の菊座から抜き去る陰茎には、腸液だけが滲んでいる。抜き去った陰茎は、いつものごとく笙子に舐めさせている。それは、教え込まれたように繰り返させられている。 二人は離れていた。笙子に目配せをする。笙子はいやいやとかぶりを振っている。けしかけるように、田山はメスをかざしている。 「したら・・・それを。」 「何をだよ？」 「クリトリス・・・手術なんてしないって・・・。」 「あぁ・・・いいだろう。悟のこと愛してやれ・・・少し腫れがあるが・・・残った最後の遺伝子を搾り取ってやれよ。」 「上手く・・・受精しそうなら・・・クリトリスの皮むき・・・延期してやるよ。」 「延期？」 「失礼、・・・孕めたらな・・・中止だ。約束する。」 笙子は東山の言葉を鵜呑みにした。はなから信じきっているわけではないが、そうするしか時間の取り繕いが効かないでいた。悟のズボンをずらすのは、手間がかからない。いつも良く見たジャージだった。 「笙子・・・唾液で消毒だ。」 「そうだよ、・・・睾丸の傷口・・・見えるだろ・・・舐めてあげて。」 「ふぐぅぅ、ふぐぅぅぅ。」 言われるままにはしない。笙子は少しだけトランクスを下げるとガーゼもしていない赤い消毒液だけ塗られた痛々しい睾丸を目にする。 傷口に舌は這わせられない。亀頭をいつものように頬張ると、むくむくと皮を張っていき、睾丸の皮もひきづられるように緊張する。 悟は何も言わず、目を閉じている。血流が増しているのは確かだった。 東山は、見てられないといった表情で冷蔵庫の中のエナジードリンクを手にした。 「プシュッ。・・・エナジーなしじゃみてらんねぇぇ。」 その声を聞いた松山は、河と反応し時計を目にするだけで固唾を呑んでいた。咥えを気にする悟は、意識を遠ざけたいが、痛みと快楽の狭間に掻き毟られていた。 松山は河のせかすような顔を見ている。言いたげなことはわかる。だが、あんたは元で、現役に指図をするなと言わん顔だ。この男も、東山と大差のない男だと実感するが、少し膨らんだ自分の股間のポジションチェンジに、自分も同類であることを自覚する。 戒めを解かれた悟は、拘束の具合を変えられていた。和室の和テーブルに載せられ、手足の首をテーブルの足と同化させられ、血の滲んだ陰茎を上向かせていた。 睾丸の傷口からは少量の血が滲んでいた。ガーゼなどを笙子は欲するが、手にしているガーゼにはエナジードリンクを染み込ませていた。 「そんな物を・・・染みこませないで。ガ、ガーゼを。」 「これで拭っておけよ。」 ワインレッドのブラを切り刻み、ワイヤーの部分を抜いた乳房の部分を手渡される。反論をするまもなく、押えるようにし血を拭う。が、元の生地と同化してしまうと、途方にくれるように田山を見つめる。それしかないだろと、舌先を突き出すと笙子は、しかたなしに睾丸の傷口を舐め上げていく。 「はぁ・・・笙子先生も物好きだ。・・・他人の血液を舐めてしまう。しかも、不特定の女と性交渉をし続ける男と・・・。」 「・・・。」 我に返るが田山はもう遅いと講釈を続けていた。あらゆる病名を並べ、死に至る病気まで告げている。恐怖で支配した笙子は、泣き崩れるように太ももに頬を当てた。 「どうすれば、いいの。・・・も、もうこんなこと・・・。」 「昔のように、・・・だろ。笙子の考えも・・・悟さんの考えも。」 東山の催眠のように笙子はテーブルの上に足を上げる跨るようにテーブルの上の屹立に生殖器を近づけると、割れ目に沿うように陰茎に近づいた。左手は悟の胸板を支えにし、右手は添えるように陰茎を立ち上がらせる。最後の悟との性交渉はもう忘れかけている。 その時の怒張とは忘れかけていても違いだけはわかった。 笙子の陰唇に宛がわれた悟の陰茎は、我を忘れたかのように血管を隆起させ、男としての最後を感じているように立派になった。 重力を感じさせるように左手の支えを失わせると次第に飲み込んでいく陰茎は、睾丸の皮を元に戻していった。笙子は少し浮かせ気味に上への運動を始める。 東山には判った。悟の睾丸への圧迫を和らげるようにする腰の浮かせ方。口に出したかったが、囃す声を止めた。エナジードリンクは２本目になっている。 おでこから吹き出るような汗。冷や汗に似た症状を田山は見逃さなかった。二本目を止めるよう進言すると、東山は田山からメスを取り上げた。 東山は正気を失ったようになるが、言動はなく、首筋に当てたままでじっと悟との交わりをのぞきこんでいる。笙子はいたわるように優しく腰をつかっていた。 陰唇の間際には悟の陰茎からはみ出すように白濁が滲んでいる。東山は、肛門の具合も気になっていた。パクパクと力の入れ具合で笙子の菊座は息をしている。上から吸う空気を補うように尻の中に取り込んでいるように錯覚した。 滲んだ血は睾丸を伝い、何度か当たる笙子の尻を染めている。その感覚を感じたのか笙子は何度となく見られるのを気にするように尻の肉をさする。東山の視線への言葉は発していない。何度か目は合うが、ぎらつく東山の目にエナジードリンクのコカの成分の由来する兆候が見えていたのだった。 握られているメスもかすかに震えながら田山の頚動脈を押えていた。震えはピークに達しかけているのか、田山は怯えを隠し切れないでいる。 「あぁ・・・さ、さとるさんっ。」 「うぅぅ・・・笙子っ・・・・ご、ごめんっ・・・出てしまうっ。」 「うんっ・・・あぁぁ、・・・・あついぃぃぃ。」 崩れるように笙子は、悟の胸板に抱きついた。射精された感覚は、膣奥に感じている。その中の成分まで気にしている感じはなく、下がり続ける子宮口は笙子の意図のように悟のかすかな精を取り込もうとしていた。 陰唇と陰茎の隙間には戻されていく精液が見受けられた。じわじわと零れ落ちる、白い液には、どれだけの精子が流れだし、行き場を失ったのだろう。田山は、ある程度の予測はしている。実例から言うと、残精液のなかの精子の数を理解はしていた。 「たやまぁぁ。」 叫んだ東山は、とち狂ったようにメスを押し当てる。田山は恐怖で顔がゆがむ。 「中出し・・・して、白いの出てるじゃねぇかかぁぁぁ。」 「あ、あれは・・・中身のない・・・精液ですよぉ。」 東山は、讒言と切り捨てるようにメスを引いた。頚動脈の血しぶきは、畳を汚し染めていく。笙子は、東山のほうを向いていない。悟に抱きつき、耳元で繰り返し言葉を発していた。 「どこに帰ればいいの・・・ねぇ、・・・どこに？」 笙子の迷い言葉の数分後、メスを振りかざすそぶりの消えた東山は松山らに取り押さえられていた。その場に乗り込んだ河は、交わったままの笙子に持参した毛布をかける。 松山ら４課の刑事らは、笙子の姿を覆い隠した河に舌打ちし、一瞥すると、東山の罪状を読み上げ時間を発した。 「０時１１分・・・殺人未遂の現行犯で逮捕する。」 その時間は、笙子と悟の終わりか始まりの時間か二人にもわかるはずはなかった。 ０時１１分から二日たった大晦日の午前中。人気のない研究所には、向山がぼかしを入れた供述調書を読み上げていた。松山から受け取った書類を噛み砕きながら読み上げていて、昇の驚きを打ち消すように考察を述べる。 「どう？」 「どうって・・・こんなことが、起きてたんで・・・ちょっと・・・なんていっていいか。」 「でも、事実なんです。・・・これが。」 一息つくようにコーヒーを口に含んだ昇は、すべてを知りえない向山に問いただす。 「笙子から・・・その、保育士の男に言い寄ったんですか？」 「供述調書にはそこまで書かれていない。けど・・・最初の半年は・・・不倫の関係にあった。でもそれは、仕組まれていた可能性が高い。」 「で、そのあと・・・。」 「えぇ・・・新しい今の保育園で・・・、でも、ここは奥さん、笙子さんも・・・脅されていて。」 「・・・。脅されて・・・ても。なんで、・・・。」 「言えないわよ。・・・女だもの。」 「夫婦ですよ。」 「だからよ、・・・元は自分の不始末からって・・・塞いじゃったの。」 「・・・、で、・・・笙子、・・・妊娠とかって。」 「うん、・・・一応、緊急避妊ピルは服用してる。・・・副作用もあるから、うちの病院で入院してもらってます。」 「面会って・・・。」 「体は、大丈夫だけど・・・今は。」 「そっと・・・しておいたほうがいいんですか。」 「えぇ・・・聞いてみるけど。」 看護師に直接電話すると、受け口に笙子の声がする。スピーカーフォンにしているためか、笙子の声と聞き取れた。 「はい、・・・先生ですか。」 「えぇ、どう、吐き気とか？」 「あ、もぉ無くなりました。・・・退院って・・・いつごろ。」 「そうね、あなた次第。」 「あ、そうなんですか。・・・じゃ、・・・明日とかって。」 「正月よねぇ・・ゆっくりしたら？」 「だって、昇、旦那が一人じゃ何も出来ないひとなんで。」 「そう・・・どうする？」 「え、誰かいるんですか？」 スピーカーフォンを昇に仕向けるとどうしていいかどぎまぎした昇にあきれている。向山は、笙子に残り一週間の入院を告げようとした時昇は気持ちを声に出した。 「笙子、俺。・・・・何もしてやれなくて・・・ごめん。」 「昇さん？」 夫婦の会話は延々と始まった。この一年半に起きていたことの半分を昇は詫びている。笙子のした不貞にも、悪いのは自分であることを告げていく。 体のことを心配する昇の優しさに触れると、笙子はスピーカフォンの向こうで鼻をすすり、涙声で自分の不貞を詫び続けている。向山は、吐き出すように詫びる笙子に安堵をもった。 「なぁ、笙子、・・・やり直せるか、俺たち。」 「・・・うん、・・・やり直したい。・・・許してくれるん？」 「許すも許さないも・・・帰ろうか笙子、・・・家に。」 笙子はスピーカ越しに声にならない泣き声だけで、昇の声を聞いていた。返事はしなくとも昇には笙子の言葉は胸に届いている。 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2014.8.25掲載 |
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