はちみつ太郎 作
| １１ 「おつかれさまでしたぁぁ。」 踊りの総括が終わり、明後日に行われる打ち上げの居酒屋のチラシを手にした笙子は、川中に江藤の詳細を告げると、自宅に帰る振りをする。 携帯を握ると、昇からのメールが一通着信していた。 『よいさ踊り終わった？』 端的なメールに、少し多目の文面を送信する。『うん、終わったよ。これから、浜野先生たちと夕食食べてから家に帰るよ。法事、終わって何してるの？義兄さんたちとご飯？実家出る前に電話してね。』 送信し終えると、エンジンをかけ、自宅とは同じ向きだが少し手前の江藤のマンションにハンドルを切る。 交差点の信号を２、３待った時、２２時を過ぎたころ、昇からの電話がなった。ハッと忘れかけていた立川という苗字は、笙子に戸惑いを与えた。 「もしもし、あ、うん。今からいくところ。」 帳尻を合わすようなやり取りだが昇はいたっていつもと同じだった。 「明日、朝帰るの？・・・３時に出るんだぁ。・・・じゃ、６時半には着くね。ご飯はいいよね。うん、起きてたら３時前に電話するよ。でも、お母さん、起こしてくれるでしょ。」 「うん、じゃぁね、ありがと・・・おやすみ。」 やさしい昇の言葉を踏みにじるように笙子は、いつもは右に曲がる信号を左へとハンドルを切った。 コンビニで、少量の食料を買い込むと誰かの視線を感じるが、背後にもコンビニの中にも誰も知るものはいなかった。背徳感が、笙子の心を揺さぶり続けるが、燃え上がった牝の昂ぶりはそれさえも遠ざけてしまう。 「今日だけ・・・だから。」 まじないのようにその言葉を何度も口に出す。マンションの来客スペースに笙子は軽自動車を停める。三台のスペースは、残り一つだけ空いていた。端に停めてある車は国産高級車、エンジンを掛けたままで、男が二人乗っているが、スモークと深く腰掛けているため顔すら見えない。 笙子の姿をちらりとのぞいた様に見えたが、連れ待ちだろうと気にせず、オートロックの鍵を開けた。 エレベーターを先程の手順通り操作すると、１３階まではあっという間。角部屋までは、７軒ほど通り過ぎるがほとんどの部屋の明かりは消えている。 １３１０のルームナンバーの横１３０９には、表札もカーテンもなく空き家であることが判った。 鍵を持ちながらも笙子は、インターフォンを鳴らし江藤の出迎えを待つ。２０秒ほど待たされる。何度も振り返り、見えない影におびえる笙子。 足音が聞こえドアノブに手が触れるまで、どういう顔でいようかと少し顔が強張った。 「おかえり、・・・どうぞ。」 「おじゃまします・・・って、変ですね。」 「そうだね、どうぞ。」 ドアが閉まると、着替えを終えていた江藤のキツメのＴシャツに浮かぶ腹筋に笙子は目を奪われる。江藤は鍵を閉めると、チェーンロックを施し、笙子を間接照明だけが灯るリビングに案内する。カバンと、コンビニ袋をテーブルに預けると江藤は声をかける。 「笙子先生、・・・シャワー浴びます？」 「あ、はい、着替えもあるんで、借りてもいいですか。」 「どうぞ、・・・あ、一緒に・・・入りません。・・・僕もまだ浴びてないし。」 「え、・・・そ、そうですね。・・・うん、了解です。」 「冗談、冗談・・・さ、これ、バスタオル使ってください。」 黒のバスタオルを渡された笙子は、江藤の真意をあやふやにされ、自らの真意だけを露呈させられた笙子は顔が赤くなっていた。 脱衣の戸を閉め、数時間前と同じ格好になる笙子。ショーツを脱ぎ去ると、汗ではない淫液の付き具合がここに自分を引き寄せた原因だと自戒した。 シャワーヘッドをつかみお湯を頭から流し、よいさ踊りの汗を流しさる。もう一つ流してしまうのは、立川という苗字か、旧姓の山野笙子に今日だけは戻ると言い聞かせる。 数分、湯を浴び続けると、男物のトニックシャンプーしかないことに気が付いた。女物のシャンプーがないことに幾分ほっとするが、トニックシャンプーでは、少しためらう。 「ガチャッ・・・シャンプー、これ使う？旅行用だけど。」 「え・・えっ・・・あ、ありがとう。」 数時間前まで、ベッドで前戯を繰り返していた笙子とは思えないくらい動揺を見せる。乳首と陰毛を腕と手で隠す形で江藤から恥じらいを隠す。 が、笙子の視線は全裸で狭いスペースへ入り込む江藤の下半身に向いている。 「ご一緒させていてだきまぁぁす。」 江藤はおどけて笙子に軽くキスをする。受け流すように軽くキスをすると、最終一斉踊りから解散までを端的に告げていく。 同じタイミングで二人は、動いている。笙子がシャンプーを泡立てると、同じくトニックを江藤は泡立てる。 笙子が先に洗い流すと、シャワーヘッドは握られたまま江藤の髪の毛を洗い流してやる。ボディーソープはお互いの手であわ立たせると、上半身、下半身共に交互に泡をこすり付けて行く。 冗談交じりな、風呂場での洗いっこは新婚時代に数ヶ月だけ続いた名残のようだった。 お互いを流し終えると、会話が数秒途切れる。目と目が合うが数秒で視界を反らすのは笙子だった。江藤の指は、視線をそらした罰だという感じで、笙子の尖った乳首を転がす。 少し甘い声を上げ、なんｃｍか腰を引くと、反撃のように江藤の強張った亀頭をはじく。 「いっ、やるなぁ。」 「・・・あんっ。」 「笙子先生・・・口で・・・してよ。すごいよかったんだぁぁ、ね、さっきみたいに。」 「うん、先生はいや、笙子でいいよ。」 「笙子・・・こう呼びたかったぁぁぁ。」 「・・・パクッ。」 江藤の顎を下から覗き込むようにしゃがんだ笙子は、先程変わりないエレクトした肉茎の先端を咥えこみ、奉仕するように口内を前後させる。 江藤は、壁にもたれ笙子の頭頂部と口内を出入りする自らの分身を見つめたり、射精感を紛らわすように天を仰いだりして見せる。 グポグポと音を立てながら人妻の口淫は、思っていたより巧みで、たまに行く風俗嬢よりは上手だと確信した。 背徳感が＋されていることを考慮しての感触は、これ以上の施しを受けるわけにいかないまでになっていた。 「ス、ストップ・・・あぁ、あぶねぇ。」 「出しても、・・・いいよ。」 江藤は顔を振ると、本音を吐露する。 「いや、先には往かないよぉぉぉ。」 冗談めかした江藤は、ベッドルームへ笙子を追い立てる。水しぶきは、バスタオルで拭い去ると、全裸のままの二人は、抱き合い崩れるように３時間前と同じ体勢で、交わり始めた。 「なぁ、笙子・・・いや、笙子ちゃん。」 「ん、・・・そのほうがいいね。なんですか？」 「旦那さんって・・・何時にかえって来るの？」 「ん、・・・朝の６時くらいって電話してたから・・・それくらいには。」 「７時間・・・かぁ。」 「え、・・・。」 「あ、今、そんなにするの・・・って顔した。」 「ん？・・・したぁ？」 「したした・・・前戯は十分だよね・・・挿れても・・いい？」 「うん、いいよ・・・ゴム、あるよね。」 「着けてくれる？」 「どれどれ？」 渡されたコンドームのギザギザをちぎると、薄いピンク色したラテックスがあった。夫とのセックスでは、使うことがない。昇の気分で中に出したり、腹上に出したりとその日その時で射精方法は違っていた。 図っているように、排卵日付近では外へ出し、それ以外は中に出されることが多い。意図してまだ、子供を持ちたくないと、そういう気持ちは笙子は感じ取れていた。 胡坐をかき、そのまま寝そべると江藤の亀頭は天井を向いている。先端に空気をふっといれ、ひんやりとしたラテックスの感覚を赤黒い亀頭にかぶせて行く。 スルスルと、根元まで覆いかぶせると４ｃｍくらい肉茎には被せがない状態だった。 ゴムの上から笙子は咥え込み、唾液を満遍なくまぶれつかせると、仰向けの江藤に跨り牡の切先を牝の果実に突き刺した。 江藤は、突っ張る感覚もなく笙子の女の中身をゴム越しに味わっていく。ゆっくり腰を落としていく笙子は、何度か江藤の顔を見ると、笙子の果実を味わっていく表情は、初物の果実を味わうそんな感覚と同じようだった。 「あったかいね。・・・きもちぃぃ。」 「お、きくない・・・です？」 「いや、人並み。・・・ん？誰とくらべてるん？」 「ん・・・内緒・・・あんっ・・・動いちゃっ・・・あんっ。」 返事に納得しない江藤は、悪戯気味に笙子の奥を突いている。２，３度突き上げると、次は自ら貪れといわんばかりに大の字に横たわる。 「あ、・・・あんっ・・・クチュ・・・・あ、あんっ・・・クチュクチュ。」 上下運動を始めた笙子は、昂ぶりを求めるあまり、自分なりに知り尽くした体勢になっていく。前かがみになり、ベッドに両手を着かせると上下から前後の腰つきに変わった。 江藤は、笙子の動きを見ている。自ら献身的に腰を振り膣肉に性刺激を求める人妻保育士の姿は、陰茎に伝わる柔肉のそれより３倍増しで射精感を高めている。 江藤は、笙子の動きに合わせず、じっと笙子の目をつぶった背徳な快楽の表情を楽しんでいる。一度たりと目を開けないその瞳の奥には何が映っているのか想像する。答えは闇の中だが、今の状況からおのずと答えは出ると確信している。 笙子の淫門の周りの潤滑液が粘性を増すと、クチュクチュという交わりの音が次第に濁音のあるグチュグチュに変わった。 「あんっ・・・。」 「今度は、俺が責めていい？」 江藤は、締まったウエストに手をあてがい、切先を鞘から抜いた。抜きさるとブチュッとした音で、膣道に溜まった膣液が、排出される。 内股に少し垂れたまま持ち場を変えるように、笙子は仰向けになった。牡を受け入れる体勢は、すぐに整い軽く曲げたＭ字の腿の間に牡は収まった。 「笙子ちゃん、・・・ヌルヌル、やばいよ。・・・３分持つかなぁ。」 「あんっ・・・はぁぁぁぁぁぁぁっ・・・いいっ、いいっ。」 亀頭をめり込ませると、難なく先端は、核心部分まで到達する。笙子の浅めの最奥は、拒むことなく陥落してしまう。 「え、え、・・・・あぁ、あぁ、あぁ、あぁ、あぁ・・・だ、だめっ・・・いっ、・・・だ、だめっ。」 ものの数十秒、ピストンを繰り返した江藤は、笙子の怯えたような絶頂に、いたずら心を増した。絶頂手前で、ピストンを止める。深呼吸をし、脱力した瞬間を狙っては、下がり気味の子宮口をノックするように突き上げる。 「い、い、いぃぃぃぃ・・・や、や、やんっっっっっ・・・・あ、あ、あ、ま、またっ。」 仰け反りと脱力を何度か繰り返す笙子。突きを緩めて、笙子の両足首を持ち、大きく股を割り開く江藤。 その中心に体をのしかけると、先端は牝の中枢に行き届く。 「あんっっっっっ・・・。」 夫婦の大事な子壷の入り口をノックされ、大きく喘いだ笙子の声は、抱き寄せた江藤の耳元に吸い込まれ、江藤の口から変換された言葉に変わる。 |
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| 2014.1.4掲載 |
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