はちみつ太郎 作
| １２ 「笙子、俺のほうが・・・いいだろぅ？」 「・・・、あんっ・・・う、うん・・・いぃぃぃぃぃ・・・だ、だめっ・・・奥に、・・・あんっ。」 江藤は、再び笙子の名を呼び捨てた。勝負を確信した牡の勝利宣言のような勝ち名乗りを上げるように笙子の耳に聞かせていく。 「旦那くんより・・・いいんだなぁ？」 「うん、・・・・あぁぁぁぁ、いぃぃぃぃのぉぉぉ。・・・あ、はっはっはっ・・・あぁぁ。」 「そっか、じゃ・・・おれもぉぉぉ。」 江藤は、そんきょの姿勢で腰を振り始めていく。笙子は力気をなくした両足を江藤の肩に預けると、抜き挿しが安定するようにだけ腰を浮かす。 太股の裏の手を当てた江藤は、突き上げを早くする。ぶれの無い突き挿しは、笙子の小刻みな喘ぎを変化させる。 今まで、あげた事の無い絶頂声を笙子はたまらずあげてしまっていた。防音設備の無いマンションの一室で、ある程度の制御は頭の枕を口にやり、消音装置として使うことだけだった。 「あうぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・あ、あぁ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あっ。」 「あっ・・・いくっ、でるっ・・・・。」 「ドク、ドクン・・・・・ドクッドクッ。」 江藤の熱い射精液は、薄いゴム越しに母なる膣道で温められている。果てた江藤は、抜き去ることなく陰茎をびくつかせながらも、初めての膣道で回復を待っているようだった。 柔肉の締め付けが少しだけ緩むと、腰を少し動かしただけで江藤の分身は排斥された。笙子の立川の姓がそうさせたのか、現在の戸籍上の持ち主である昇の念が届いたのか、ヌルリと抜け去った。 「はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ。」 体力には自信のある笙子だったが、数ヶ月ぶりの性交は、昇のそれよりも何歩も前を走らされた感じがしていた。 荒い息の笙子は、江藤の胸板を呆然と見つめている。声の出し方を忘れた鳥のように、口と股間は半開きのままで呆け気味だった。 「はぁぁ、・・・。」 深いため息のあと、江藤はゴムを外す。射精液をこぼれぬように入り口を結ぶと、目を開けた笙子に遠心分離のようにして、見せつけた。 「濃いね・・・恥ずかしい。ガキみたいに、出ちゃったよ。」 ゴムの中身を目にした笙子は、体を起こすと、ひざ立ちの江藤に四つんばいで近づいていく。江藤は、笙子の意図はわかっている。 「うっ・・・汚いよ。笙子ちゃん・・・あっ。」 「べチュ・・・べチュ、チュッチュッ。」 １０％ほど残っている肉茎と亀頭まわりの精液を、笙子の舌は残らず口内に入れ込んでいく。残射精は、江藤の尿道から、笙子の口内に弱々しく射精され続けている。 そのつど、腰を軽く引くようにする江藤の先端を追いかける人妻保育士は、いたずらっぽく江藤へ上目使いで微笑んだ。 一通り拭い去った肉茎は、衰えを感じさせるより早く、硬直を増している。一度の射精から立ち直るまで３０分ほどかかる昇と比べてしまった笙子は、つい口に出してしまう。 「え、もう、・・・カチカチ？」 「また、旦那くんとくらべるぅぅ。」 「い、いや、そんな・・・でも、・・・溜まってた？」 「・・・一人暮らしの、独身、彼女なしですからね。・・・溜まらない筈、ないっしょ。」 「ＡＶとか・・・そういう、・・・風俗とかは？」 「風俗は、行かないね。・・・ＡＶは、・・・・あるけどね。」 「そうなんだぁ、・・・どういうジャンル？」 「ん、人妻物・・・寝取られ、とか。」 「ん？・・・もしかして、・・・願望？」 「ん？・・・そうかも、願ったり叶ったり。」 江藤は、そういうと笙子のショートの髪を撫でていく。それに、気持ちよくした笙子は、ベッドの上で正座すると、きつつきのように止まり木に吸い付いている。 「笙子ちゃん・・・正直言うと、４月から・・・こうなればいいなぁって、思ってたんだぁ。」 「ん？・・・。」 「いや、よいさ踊りのパートナーも、・・・他の先生に決まりかけてたんだけど、副園長にお願いして、笙子ちゃんに代わってもらうようお願いしたんだよね。」 「ＳＥＸだけが目当てって、訳じゃないんだよ。・・・なんだろう、色々・・・。」 「うん、・・・私も、・・・江藤先生と・・・。」 「ん？ＳＥＸ目当て？」 「違いますぅ。・・・私も上手くいえないんだけど、・・・一緒にいて・・・楽しいっていうか、なんていうか。」 「うん、おれも、なんていっていいかわからんのだけど、離れたくないっていうか、時間が過ぎてほしくないって、そんな感じなんだ。」 「すきって・・・いえないんだよね・・・。」 「そうだね、旦那くん・・・いるしね。・・・おれも、すきって言いたいけど、いえない。そんな、関係って・・・ありなんかなって、思ってて。」 「・・・そういう、関係でも、いいんなら・・・一緒に居させて・・・江藤先生の邪魔にならないところに置いておいて。」 「邪魔になんかならないよ。じゃぁ・・・旦那くんには、迷惑かからないように、しないとな。」 「・・・それが、一番。・・・それが、一番、大事。」 「そんな、歌、あったね。」 二人は、笑みを浮かべながら、飲み込んだ精液を唾液で押し流した笙子の唇に不適切な関係の誓いの口づけを交わした。 江藤と笙子が２度目の交わりを始めたその頃。来客用駐車場にある国産高級車のエンジンは、アイドリングから回転数をあげ、尿漏れのようなエアコンの水滴をこぼしたまま走り去った。 その車と入れ違うように通り抜けようとした車がある。乗っていたのは、今田だった。よいさ踊りのメンバーから外され、行き場を失ったように踊りを遠くから眺めているだけの男だった。 その眺めの中に、笙子は見当たらなかった。怪我、病気と考えたが、江藤の姿もなく笙子の行方が大きく気になっていたのだった。 だれに尋ねることもできなかった今田は、ある想像を働かせていた。その想像通りの結果が、マンションの駐車場に表されている。 「くそっ、こういうことかい。・・・男前のすることかぁ？・・・部屋に怒鳴り込んで・・・・やりたいけど・・・俺のほうが分が悪いなぁ・・・くそぉぉ。笙子先生、人妻だろぉぉ。」 午前０時を回り、１時になろうとするころ来客用に止められた笙子の軽自動車を眺めながら、勃起してしまった今田は、アクセルワークに苦しみながら、その場を離れ、何度もマンション周りを周回する。 「ぜ、ぜったい、やってるよなぁ・・・笙子先生も、あいつの餌食かぁぁ、昨年の春村先生も、一昨年の行田先生も・・・彼女らは、独身だったけど・・・笙子先生は、人妻だろぉぉ。」 「ウゥゥゥゥゥ。・・・前の、車、路肩に寄せてください。」 短めのサイレンを鳴らされ、今田の後ろには赤い赤色灯を回転させながら近づいてくる白黒のクラウンがあった。マンションを通り過ぎた付近で止められた今田は、股間を急減速させしぼませると、緊張気味に職質を受けている。 「パトカー？」 「そうだね、この辺、結構パトロールしてるからねぇ、夜の路駐とか。」 「来客用に止めて正解だね。」 「来月から、二台分契約するよ。・・・月、三千円プラスだからね。」 「え、そんなに安いんだぁ。」 安さと、江藤の気配りに驚きながら、パトカーの存在を忘れ、お互いの生殖器に舌を這わせあう。クリトリスを舌先で弾くと、笙子は声を押し殺しながら、亀頭の裏筋をチョロなめしている。 笙子が上になり、江藤は笙子の腰に手を廻すと陰門を顔に押し付ける。陰核包皮を剥き上げると、赤く染まった粒を転がしていく。転がされると、たまらず笙子は肉茎から顔を離すと、苦悶と反対の声を上げた。 「いやぁぁん、ひっっっっっ。」 舌先では粒を転がされ、指先は肉門の入り口を開かれる。入り口の陰唇を指先で押さえられると、サーモンピンクの臓物は、男根と勘違いしているように分泌を促進させている。 クスコのように江藤の指は、臓物を割り裂く。ピンクの肉壁が纏わり付くように指に絡まるが、キャビアのように粒々したピンク色の膣肉は、それだけで牡の興奮をＭＡＸにさせている。 「まっピンクっ。・・・いやらしいぃ。」 「あん、あぁんっ・・・は、はぁぁぁっ。」 笙子が膣道を塞ごうと、力を入れたのが江藤にはわかった。右左共に指を二本にして割り裂く力を増すと、牡の力には抗えなかった。 背後から当たる照明の明かりが、笙子の臓物の奥にある座布団を照らす。ドーナツ型座布団のような臓器は、穴の付近を充血させていた。 「子宮口、・・・神秘的・・・笙子ちゃん、・・・下がってるよね？」 「う、うん。・・・気持ちいいと、・・・奥に当たる感じが、するからぁぁぁぁ。・・・下がってるんだと思う。・・・そういう時って・・・あぁぁ、あぁぁ、・・・往きやすいぃぃぃのぉぉ。」 「周りから、白いのが、湧いてくる。・・・す、すげぇ・・・指、届きそうだけど・・・止めとく。ばい菌はいったら悪いしね。」 「うん、・・・でも、もぉぉぉ・・・いれて、ほしぃぃぃ・・・かもぉぉぉぉ。」 「すぐ、当たりそう。・・・後ろからって・・・好き？」 笙子は答えを口では言わなかった。跨っていた江藤の顔から離れると、四つんばいの形を変えずに、顔を枕に宛がう。 すぐさま江藤は、二つ目のゴムを自らサックした。笙子は、袋を破る音に安心する。ゴムをスルスルと伸ばすと先程より緩めの先端を、笙子の割れて濡れる牝の裂け目にめりこませる。 簡単な挿入は、奥深く刺さるまで雑作もない。笙子の自覚したとおり、下がり気味の子壷は先程より余し気味の江藤の肉茎の行く手を塞ぐ。 「あんっっっっっっ・・・あ、たってるぅぅぅぅ・・・。」 コリコリとした先端の感覚は、江藤にしかわからない。押し付けるわけではないが子宮口の付近に纏わりつかれ、子壷のドアをノックしているのは、自分の意思ではない感じがした。 江藤は、押し付けるのを止めた。浅めに膣道をいたぶると、腰の動きは笙子のほうが活動的だった。女体を江藤に押し当てるように前後させていると、それを制御するように江藤は、笙子の尻肉をつかみ動きを抑えている。 「もぉぉ・・・っと、・・・い、いぃぃぃ。」 枕に消えるように笙子の懇願は、江藤に伝わる。抜き差しの深く浅くを、繰り返しから浅くを多くする江藤。そのタイミングを合わせた笙子は、深くに合わせて、江藤に子壷を押し当てた。そのたびに、枕のサプレッサーに、人妻から牝に変貌した快楽の言葉がうずくまる。 「奥、奥っがぁぁ・・・あ、あ、あ、あ、あ、あ、・・いぃぃ、また、またっ・・うぅぅぅぅんっ。」 「い、い、いくっ・・・ま、またいくっ・・・いくっ。・・・ビュッビュッ・・・ビュュュュュュュッ。」 小便のように潮を吹き上げた笙子は、その自覚が無い。江藤の内股の間には、無臭の液体が迸る。女性経験の多さから、潮吹きには驚かない江藤だったが、量よりも笙子の快楽のつぼを３時間あまりでつかめたことが意外だった。 「やべっ、・・・でそうっ。」 江藤の精管を白いたんぱく質が駆け上がるのがいつもより早いのは、肉茎にまとわりつく笙子の粒々よりも、立川笙子という人妻保育士を完全に掌握したことの方が大きいと自覚していた。 |
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| 2014.1.6掲載 |
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