はちみつ太郎 作
| １１６ バスルームに入った二人。扉を閉めると、湯を流す前にそれぞれの一日の匂いを手で感じさせている。舌を絡ませながら、それぞれの陰部を弄っている。笙子は亀頭の周りを入念に手のひらで擦り、松山は指先でクリトリスの皮を剥き、田山の施した薬液の作用の残る肉芽を転がしていた。 笙子は堪らず声をあげている。昇に聞こえまいとしてか、余っている腕を甘噛みしながら、そこから漏れる喘ぎを松山に聞かせていた。 それは、激しくはない。くりくりと剥きあげた肉芽を転がし、その周りに隠れている垢を指先で拭い取っている。笙子の指先が松山の亀頭から離れると、肉芽を弄くっていた指先を笙子の鼻先に嗅がせ、松山自らもその匂いを嗅いだ。 「香ばしいね、笙子ぉぉ。・・・臭くない、・・・ほらぁ。」 鼻先を通り抜けさせ、見えるように口に含んだ松山。その腕を引っぱる笙子の力は非力だった。もう一つの松山の手が、肉芽を揉み、流してもいない陰部に差し入れられていたから、腕をひっぱる仕草は形だけになっていた。 「あぁぁ、・・・だめぇ。」 レモンを絞るように松山の腕には笙子の汁が伝わって見える。まだ、シャワーからの湯は流されていない。肘まで雫が伝わると、ようやく膣肉から指先を抜いた。 つゆを手に取るようにし、そのつゆを笙子の手から離れた亀頭に擦り付ける。笙子に目配せすると、軽く頷き洗い場に両膝をつき、丁寧に亀頭をくわえ込んだ。 自分のつゆの味、それは感じない。ただ、小便の臭いと汗の香ばしい臭いがする松山の肉身は、いつも以上にスケベな感じがしていた。 ふぐふぐと咥えこみながら笙子は鏡に映る自分の姿を目の中に入れる。松山の引き締まった尻とその横で肉身に施しをする笙子の姿。何年前なんだろうか、昇とこうして風呂場でエッチをしたのは。 昇との営みを思い出し、腹の奥から熱いものを感じている笙子は、松山の肉身を咥えながら昇のそれを思い出そうとしていた。 「あぁ、きもちいっ。」 「くぽくぽぉぉ、はぁ・・・ぐちゅるぐちゅるぅぅぅぅぅ。はぁはぁ。」 息継ぎをしながら笙子は施しを続けていく。すぼめた頬と頭の動きに連動して松山は少し腰を使う。無意識にだった。笙子はそれに対し強張ることなく、舌先を交え松山を喜ばしていた。 松山はＵＢ内で寝室のほうを指差した。言いたいことはなんとなくだがわかっていた。松山は声に出さない。笙子の気持ちを揺さぶっている。 丁寧にする口での施しは、満足のいくものだった。発射すらしないが、前戯には十二分の悦を感じさせてくれていた。攻守を変えるよう今度は松山が目配せでなく言葉で指示をした。 「笙子、きれいにして上げるから、足広げなよ。」 「えっ、・・・ほんとに洗ってないよ。」 「いいからっ・・・旦那さんの出来ないこと・・・してやりたいんだ。イニシアチブ。」 「なにそれ？」 「主導権、・・・敵陣でそれをとりたい。」 腋を抱えられ、浴槽の縁に座らされる笙子。太ももを撫でながら徐々に開脚の幅を大きくさせていく。柔らかな繁茂は、梅雨時期と同じように湿り気を帯びたままで、整えられてはいない。かき分けるようにし、恥丘を引きつらせるように持ち上げると、肉芽は再び空気に触れ始める。 笙子はその先の松山の動きはわかっている。いつものようなクンニが始まると、笙子はもう一度かすかな喘ぎを漏らし始めている。 そのボリュームを大きくしたいと願う松山は、転がすように刺激を肉芽に加え、汁の分泌が過敏な膣前庭も一緒に指を這わす。舌でなんども右左に転がされていく肉芽は、発芽を促進させ、芽吹くように大きさを増している。 堪えきれない笙子は、松山の頭頂部をつかみ、押し下げるように力を加えるが離れる雰囲気はない。笙子もあきらめながら、髪の毛を撫で、登りつめるように声を大きくさせていく。 「あぁぁ、だめぇぇ・・・気持ちよくなっちゃうからぁぁぁあ。」 「聞かせてあげようか・・・旦那さんに・・・なぁ。」 「あひぃあひぃひぃぃぃぃ。・・・・は、恥ずかしいよぉぉぉぉぉ。」 潜り込んだ指先は、汁を伝わせながら笙子の肉門を押し広げている。ぱっくりと開いた肉門に舌を捻じ込むと、声は風呂場で反響した。 「いやんっっっっ・・・あひっっっっっっ・・・・も、もぉぉぉぉぉ。」 背を仰け反らせ、声は上向きに伝わり寝室へ向け喘ぎを続けている。松山は舌の捻じ込みを深くし、鼻先に触れる肉芽の皮の汚れた臭いを吸い込んでいく。 「笙子、いい匂いしてる。」 鼻を押し当てぐりぐりと包皮ごと押し、刺激を加え、身悶えする笙子を見上げ笑みを浮かべている。 「あぁぁぁんっ。・・・シャ、シャワァァア・・・浴びようよぉぉ、ね、ね、お願いだしっ。」 「お○んこの味が、すっごいするんだ。・・・見てよ、・・・ビンビン、この感じだよね、・・・旦那さんに必要？なの。」 「あ、あぁ、・・・そ、そうだけどぉぉぉ。」 「汚れたお○んこ好きじゃないいんだ。」 「そ、そうじゃない。・・・私が恥ずかしいだけだし。」 「じゃぁ、・・・それも試さないと、・・・一日、いや、二日、洗わないで・・・クンニしてもらいなよ。」 「え、えぇ・・・男の人ってそれ、平気？」 「好きな女の子なら・・・平気だと思うよ。・・・毎日それじゃ、不潔なだけだけど、清潔な女子なのに・・・たまに汚れてるのが・・・最高かもっ。」 松山は再び舌を捻じ込みながら膣肉を味わっている。舌が切れそうなぐらい膣の圧力を感じ、付け根に覚えた引きつりでクンニをいったん休止させた。 「はぁ・・どう？汚れたお○んこ・・・ぺろぺろされた気持ち？」 「啓輔さんこそ・・・おしっこ臭かったけど？」 「それで興奮しているの誰だ？」 「同じ、興奮してたの誰だ？」 お互いの顔を見合わせ、笑みを浮かべている。立ち上がった松山は、笙子の手を引き同じように立ち上がらせた。胸を密着させ舌を絡ませると再び、汚れたままの生殖器同士を弄り始めた。 本来、浴室にいるはずの男は、悶々と寝室に横たわっている。玄関のチャイムが鳴り、他人棒である松山を迎え入れるのに、自らの位置づけを押し下げるように闇に引きこもっている。 部屋の明かりは気分と同じように暗くし、視線が集中しているのはスマホの無料ゲームだった。さまざまな色を見続け、移動させゲームを進めている。楽しんでいる余裕はなく、今日始めての登録で、数百円の課金までしてしまっている。 チャイムから５０分以上。音沙汰はない。あるはずもないことは認識している。休憩程度に目を瞑るが、向山の言う「疲れマラ」を意識し、再びスマホのゲームに興じていった。 「風呂でも入ってるんか・・・一緒に・・・。」 視線は１階のバスルームに注ぐが、透視能力を持ち合わせぬ昇には、二人の姿は想像の範囲を超えることはなかった。 昇の注いだ視線の先の浴室。そこには、もう二人の姿はなかった。 石鹸を使わず、汗だけを湯で流した二人は髪の毛を濡らすことなく浴室を後にしている。暗がりのリビングには、ソファーに座る松山。その姿は、全裸だった。肉身には血流を促進させ、先端は上を向いている。 笙子は、テレビの明かりだけを頼りに、飲み物の提供をすべく台所にいる。上半身は露出させられ、下半身は松山の好みのショーツを穿かされているだけだった。 ソファーで手招く松山に目配せをし、今行きますよという感じで恥らうことなく乳房を揺らせながら近寄っていく。提供する飲み物は、仕事を気にしているようなのか、これからの交わりのことを考えてなのか、ノンアルコールビールを手渡した。 プルタブを開け、一口飲みこむ。喉越しにキレを感じると、次の一口は口に含み、笙子を抱き寄せると、意思を通わせ口移しで笙子の食道に注ぎ込んでいく。 「初めて飲んだよ、ノンアルコール。」 「じゃぁ、口移しは？」 「初めてじゃない、・・・よ。」 「なんか、ショック。」 「え、そういうの、しない？若い時とか？」 「ショック。」 「そう？そうなんだぁ・・・男子ってそうなの？」 松山の答えは、再び口に含んだノンアルコールビールを笙子に口移しだけして終える。さっきより量の多い口移しは、すこし頬を伝い曝け出している乳房の麓にまで垂れ下がる。 「冷たっ。」 零れた炭酸の液体を追い求めるように松山は笙子の肌に吸い付いていく。鎖骨から徐々に下がり、乳房の周り舐めまわしてる。笙子はくすぐったいのを通り越し、松山の頭を抱き寄せると、暗黙の間で松山の舌先を誘導する。 松山をわが子のように抱きしめると、本能のように乳児のように乳房の先の突起に喰らいついた。乳飲み子のように吸い付かず、先端よりも周りを責め、母である笙子は責めに喘いでいた。 「だめだよぉぉぉ。・・・あぁ、あんっ。」 「ママぁ・・・気持ちいいのぉぉぉ？」 「う、うんっ・・・・あぁ、いいよぉぉ・・ど、どこで、覚えたのかなぁぁ？」 「ペロペロォォ、チュチュチュバァァ。」 「もぉぉぉ・・・気持ちいんですけどぉぉぉぉ。」 「パパにも舐められてるんでチュかぁぁ？」 「うん、・・・舐められてたよぉ。」 「過去形だねぇぇぇ。」 「まぁ、この子は難しい言葉・・・知ってるんだねぇぇ。」 下から揉みあげ、舌の捌きは離れることなく乳首、乳房をひとまとめにして笙子の喘ぎを引き出していく。体が縮こまり、松山の顔を圧迫すると、右側を押し当てていたものを少し変え反対のほうも吸って欲しいと視線で知らせる。 「左が感じるんだね。」 「うん・・・どっちかって言うと・・・ひだりぃぃがぁぁぁ・・・あんっ。」 笙子の太ももの上に寝転がるように背をつき、上から押しかぶるような笙子の左乳首を舌で触る。笙子は、松山の肉身を右手でしごくと剥けた皮の部分を指で擦り、落としきれなかった汚れの臭いを嗅いだ。 「啓輔くん。・・・おち○ちんの汚れ・・・くさいくさいねぇ。」 「うん、・・・後で、ママのおまたで綺麗にしてもらうよ。」 笙子の右手は、大きく肉身を引き下げカリ首の周りを執拗に擦り続けている。親指と人差し指の周りの臭いを何度か嗅ぎ、松山の男を感じていた。 笙子は吸い続けられながら喘ぎを堪え、座っているソファーをベット状にするため乳首への吸いつきをやめさせる。背もたれの部分はゆっくりと倒れ、シングルサイズのベットくらいの大きさに変化する。 「笙子ママ・・・お○んちんのばっちいの・・・きれいきれいにして・・・ここでっ。」 「え、・・・あんっ。・・・ど、どうするん？」 松山はお気に入りで穿かせたピンクのＴバックショーツを脱がすことなく、布地を脇にずらさせ、陰茎に跨るよう言った。笙子は、危険日であることを告げると、挿入せずになんども擦りつけるよう松山は求めている。 一つだけ忘れていたことを笙子はこのとき、気がついているが声に出さず、その時まで時間を稼ぐのに松山の望みは好都合だった。 |
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| 2014.9.27掲載 |
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