はちみつ太郎 作
| １５ 打ち上げは、２時間飲み放題の時間がもう過ぎている。江藤は皆に２次会に誘われるが、熱中症の抜けきらぬ体だと言い訳をしながら、皆の誘いをかわしている。 笙子も、何人かに誘われたが、既婚者を理由に断りを入れていた。別かれ別かれに帰宅を始めると、笙子は別れを告げタクシー乗り場に急いだ。 そのタクシー乗り場には、黒のハイブリッドカーで手招きをする運転手が待っていた。後部座席ではない助手席のドアを自分で開けると、 「紺屋町のマンションまで・・・。」 「はい、了解しました。」 運転手は、裏道を縫うように急いでいる。 「運転手さん・・・飛ばしてません？」 「えぇ、お客さん、お急ぎですよねぇ。」 「ん、そうでもないのですけど・・・。」 「いえいえ、私が急いでるんですよ。」 「そうなんですか？・・・なにか、用事でも？」 「これです・・・これ。」 運転手の江藤は、笙子の右手首をつかみ、コンソールを越えさせると、デニムのハーフパンツの股間に手を当てた。 「いやぁ、・・・すごい用事ですね。・・・それは、急いだほうがいいかも。」 「でしょ・・・お客さんは、大丈夫ですか？」 「あ、・・・大丈夫ですよ。一緒にしないでください。」 「そうですか、運転中なんで触れませんけど、・・・私と同じかなぁと思ったので。」 触れられなかったが、笙子の閉じた太股の内側は江藤の想像通りだった。ドアのほうに体を寄せた笙子は、警戒するようなそぶりでいる。 「江藤タクシーは、いつもこんな営業しているんですか？」 「え、・・・どうでしょうねぇ、きれいな奥さまを乗せている時だけでしょうか。」 「ん？・・・あやしいですね。」 「それより、お客さまはどうなんですか？・・・他のタクシーに色々乗り降りされるんですか？」 「いいえ・・・たまたまですよ、江藤タクシーが・・・たまたま。」 「安心いたしました。・・・今後ともご利用お願いいたします。」 「サービスいかんによりけりですよぉ。」 「もちろん、ご安心ください。・・・こちらで、よろしいですか、・・・今日は、運賃サービスとさせていただきます。」 「ありがとうございます・・・じゃ、また利用させていただきますので。」 １３番の駐車場に止めると、周りを気にすることなくエントランスに進む二人。夜９時を過ぎたこの時間は、帰宅する人もまばらだったし、若い男女が帰宅しても詮索するほどの人間はいなかった。 二日前と同じようにエレベーターを使い、１３階まで上がる。二日前との違いは、江藤の体力と、笙子の目的。 江藤の目的は、大きく変わりが無いが、笙子には大きな差があった。今日は、自分から望んだという昇への引け目と牡の懐に飛び込んだ牝の弱さが笙子には芽生えている。 ドアを開けた江藤は、鍵を閉めると無造作に笙子の唇に吸い付いた。９時を過ぎた笙子には時間が限られている。 シャワーを使い一日の汗を流している間と、化粧を落とし再び化粧をする余裕は笙子にはない。 二回目の不貞にして、二人は阿吽の間を形成させている。ベッドルームになだれ込むと、笙子の唇と舌を吸い上げながら、シャツの裾から手を這わせ、ブラの下から乳房の形を確かめる。 熱い吐息にはまだ早い笙子は、なすがままに江藤の愛撫を受け入れる。少し背を浮かせる笙子の合図は、江藤の指先に伝わり、たやすくホックを外しさる。 緑色のＴシャツをたくられると、ホックを外されたブラは乳房を押さえきれずに流動している。シャツとブラは簡単に脱がしさられ、赤子が吸い付きそうなほどの突起を江藤に見せた。 手のひらで転がされている乳首は、右へ左へと急がしそうにしている。乳首の粒々が凝縮され、吸い付きのタイミングを逃さない江藤は、手のひらでの転がしを舌腹での転がしに変えた。 汗ばんでいる笙子の内股は、しっかりと閉じられている。ジュンとした物を感じているからだ。湧き水のように湧き出ている分泌物は、触らずともわかる。 笙子の生殖器は、江藤の指先を待ち焦がれている。その待ち焦がれているものは、じらすように突起物を転がし続けている。 笙子の口は、甘い声をあげている。江藤に腕を絡めとられ、万歳をさせられると汗ばんだ脇の周りに舌が這い出し舐めあげられる。 処理を仕切れないむだ毛は、汗の臭いとともに恥ずかしさを生むが、昨晩、普段より入念に処理されている笙子の脇には、恥ずかしさは半分だった。 脇を舐める江藤のあまった右手は、待ち焦がれている湧き水のくぼみに向かった。黒のクロップドパンツのボタンを外し、すばやくファスナーを降ろす。 ファスナーを降ろしきると、指先はショーツの上から笙子の熱い源泉の調査に向かう。指先に感じた、源泉の温度を江藤は、笙子の目を見つめ公表した。 「３７℃・・・源泉掛け流し？」 「んー、・・・浸かります？」 「うん、泉質を確かめます。」 江藤は、笙子の腰を折りクロップドパンツを脱がせる。ショーツだけの下半身は、エアコンの風を受け、放熱が進む。 太股の内側に手を廻した江藤は、ショーツに覆われた淫泉の源を調査する。鼻だけを近づけ、周囲の匂いを嗅いでいる。 「単純泉じゃないね。・・・塩化物泉だよ。・・・源泉の温度は、・・・低温泉より上だね。」 「すごく、専門的。」 「うん、療養泉としては、申し分ないよ。・・・湯量も豊富、ほらほら、パンツ染みてるし。」 「え、・・・ほんと。」 笙子は、股布の厚い部分を指で確かめると、触れる前の熱量から湿り具合、湧き出し具合を感じていた。 「笙子ちゃん、ちょっと、指先でクチュクチュしてみなよ。・・・源泉、掛け流しかどうか見てあげる。」 「え、・・・恥ずかしいよ。」 「だって、俺が手を加えたら掛け流しじゃないじゃん。循環風呂になっちゃうじゃない。」 「すこし、意味わからないけど・・・。」 笙子は、指先をショーツの上から割れ目を浮き出させるように擦っていく。ショーツは、源泉を染み込ませながらその波紋を広げていく。 「濡れてる・・・いや、沸いてるよ。間違いなく掛け流し。」 「クチュ・・・クチュッ」 笙子の指先の動きは、スピードを上げなくても湧き出る淫泉の量は増えている。増水時の温泉場のように湯量は増え、温度は下がるのではなく、笙子の源泉は熱を帯びている。 ショーツの脇から指を潜らせた笙子。何度か指先を泉のくぼみに差し込むと、湯気立つような指先は江藤の眼前でボーリング調査を終える。 泉質の判定をするように笙子の指先をつかむと、江藤は口に迷わず運んだ。 「ん、弱アルカリ性？・・・笙子ちゃん、酸味がないね。汗の匂いは感じるんだけど。」 「え、舐めてるの？・・・い、いやっ・・・。」 笙子は首をまげ、江藤のほうを覗き込むと指先を嘗め回している手首をつかんだ。制することかまわず、笙子の源泉を飲み込んだ江藤は、満面の笑みで笙子に尋ねる。 「今日、やばい日？」 「え、うん、そうかも・・・なんで？」 「なんとなく、そんな味がする。」 「経験上？」 「未経験ですよ。・・・子供いないし。」 「えー、・・・多分、今日は危険？・・・子供ほしい人には、絶好の日だと思うけど。」 「あー・・・夫婦ならなぁぁ。」 「駄目ですよ、・・・ゴムしてください。」 「あぁぁぁ、・・・子供ほしいなぁぁ。」 「だぁめ。・・・あんっ。」 ショーツの隙間に舌を這わせた江藤は、源泉をポンプのように吸い込んだ。ジュルジュルと吸い上げるポンプは、真空になりそうな具合で笙子の膣内を舐め吸い取る。 ショーツの隙間を責めるのはまどろっこしく、ゴムに手をかけすばやく笙子の尻を剥き身にする。二本の折り曲げられた指先は、陰唇周りの濡れを潤滑にするだけで、するりと膣道に受け入れる。 曲げた指先は、笙子の膣道裏にある源泉口、Ｇスポット辺りを刺激する。湧水量は申し分なく、弱アルカリ性の膣内は笙子の言うように受精に適した環境を作り上げていく。 環境は整うが、それ以上の倫理的な部分は制御が利いている。指先の制御は、江藤によってコントロールされている。コントロールは、笙子の喘ぎもコントロールし昂ぶりを深めると、指先を緩めていた。 「グッチュ、グチュ。・・・危ない日って感じだよね笙子ちゃん。」 「あ、あ、あ、あっ・・・・あぁぁぁぁぁぁっ。」 「でも、危ない日に誘いを断らんって・・・どういう意味？」 「あぁぁぁ、・・・だ、だって・・・あぁぁぁんっ。」 「そう意味かぁぁ、したくて、してくて・・・たまらない。」 「う、うん。」 「旦那くんにしてもらえば、・・・赤ちゃん出来る日なんだしさぁ。」 「・・・あんっ。」 「今日、Ｈしたら、ゴムつきより、生のほうが・・・旦那くんも喜ぶんじゃ？」 「あ、あ、あ、あ・・・ま、まだ、子供・・・欲しくないんじゃ・・・あんっ。」 「そっか、・・・じゃ、旦那くんとの・・・エッチって、多くないんだ。」 「うん、ちょっと、自信なくしてるから。」 「ＥＤ？」 「そ、そんな感じ・・・かなぁぁっ・・・あんっ。」 「え、じゃ、それがなかったら・・・俺となんて・・・ないの？」 「わ、わからぁぁ・・・ないっ・・・あぁ、あぁ、あぁ、あぁ、あぁぁぁ、ひぃぃぃっ。そんなんじゃないっ・・・え、江藤先生っ・・・のこと・・・気になって・・・たからっっっっ。」 「ありがと、気にしないよ。・・・旦那くんにしてもらえない分・・・俺がしてあげるから・・・いいよね。」 「うん、・・・あ、あぁ、あぁ、あぁんっ・・・いぃ、いくっっっ。・・・ジョッジョッジョォォォ。」 指先に力を入れ、柔らかな膣肉をもみ込む。曲げた指先が笙子の管を刺激し、圧迫された潮袋は内容物を吹き出した。 江藤のグレーのＴシャツは、笙子の潮で未来地図が描かれる。そこに描かれたのは、笙子の未来を案ずるように嘆きの顔のような陰影を浮かべていた。 尻肉の痙攣が止み、陰門まわりが少し落ち着きをみせた。笙子の潮で濡れたＴシャツを脱ぎ去った江藤は、トランクス姿で笙子の胸元に跨った。 「攻守交替。」 「うん、あ、先っぽ。」 「あ、・・・我慢できない汁。」 「フフッ。」 ベッドの上でひざ立ちになる笙子。トランクスのゴムを引き下げると、先端から牡の匂いを発する汁を指先で拾い、口の中に含んだ。 「ちょっと・・・生臭いね。」 「我慢できないからね・・・先走ってるよ。」 江藤を上目で見つめながら、笙子は先端を口に含む。口内から漂った男の香りは、シャワーを浴びてないだけにむせ返る感じはあった。 上目使いの中でも、すこし目を細める笙子。何度か瞬きをしながら江藤の汚れ自体を胃の中に唾液と共に押し流す。 陰茎の付け根からも、男の臭いは漂っている。それに引き寄せられるように笙子は、喉の奥までくわえ込み。鼻先を陰毛にうずめながら口淫は、よだれを零すほどに激しかった。 笙子の髪の毛を撫で摩り、たまに両手で頭を押さえ込む江藤。押し付けられた喉奥は嗚咽をあげ、口からのよだれは量を増し、曲げた膝の上に垂れた。 口をすぼめたり、舌先を沿わせるようにしたりと人妻のそれは、旦那の性経験を教えているようだった。 「旦那くんが・・・うらやま・・・毎日、こんなことっ・・・うらやま。」 笙子の頬に手をやり、笙子の目を見つめこう言った。褒め言葉か、蔑みか江藤の真意を測るには、笙子の眼力が必要だった。 次の言葉で真意は、確かめられたのかもしれない。 「笙子ちゃん、もっと前に・・・出会えてたらっ。あ、ごめんっ・・・・ドクンッ、ドビュッビュッ。」 腰を引いた江藤は、笙子の口内にたまらず射精してしまう。目を閉じながら、笙子は江藤の迸りをためらうことなく食道から胃へ飲み込んだ。 |
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| 2014.1.13掲載 |
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