はちみつ太郎 作
| １７ 夏の照りつけは増している。保育園でも水遊びや、プールの時間は直射日光を気にしながらも園児らはおおはしゃぎだ。 ナイロン地のハーフパンツの下には、フィットネス水着を着込んでいる女性保育士。上下色気のない紺色の水着の上には半そでパーカーなどで紫外線を防止している。 子供たちから浴びる水は、程度をしらない。濡れきった笙子らは、副担任に園児を任せ、更衣室に着替えをしに行った。３才下の浦山という保育士と更衣室で着替え始めると、笙子は浦山の視線を感じられずにはいられなかった。 「立川先生、・・・ちょっと、エロくないです？そのショーツ。」 「え、そ、そう？・・・そうかなぁ・・・だめ？」 「だめ、じゃないけどぉ。」 「アウト？」 「んー、セーフだけどぉ。・・・エロい。パープルって旦那さんの趣味？」 「え、・・・うん、通販で買ったんだわ。・・・選んでもらったやつよ。」 「細身の立川先生が着てるからかなぁ、すごく、エロい。・・・園長見たら怒りそう。」 「そうかも、・・・浦さん、こんなの着たら、似合うけどなぁ。」 「えぇ、買ってくれる人いませんもん。」 「この前、合コンで、いい人見つかったって、言ってなかった？」 「あぁ、だめ。・・・ケチ過ぎて。」 「ハハハ、まぁ、まだ、選り好みできる年だしね。焦らないほうが、いいよ。」 「あ、なんか、旦那さん批判的な言い回しですよぉぉ。」 「そう聞こえた？」 「うん、もうちょっと、遊んで選べばよかったてきな・・・感じ。」 「そうかもね、・・・そうかも。」 ショーツの食い込みを気にしながら、会話を終わらせる笙子。若い、浦山は笙子の尻の張りを絶賛する。 「立川先生、くいっと締まってますよね、お尻。」 「そう？、だいぶ垂れてきてるって言われるのよぉ。」 「いえいえ、旦那さんの目は節穴です。十分、上がってますよ。・・・ホラッ。」 「もう、触らない。」 「いいなぁ、こんな、ショーツ買ってくれる旦那さん。」 笙子は、浦山の言葉に少し笑みを浮かべた。昇が買うはずもないパープルのショーツは、江藤と通販サイトで買った物だった。 着替えが終わった二人は、園児の待つ部屋へと急ぐ。入れ替わりで始まったプール遊びは、江藤らの担任する園児たちだった。 「よーし、みんな、大きいプールへいそげぇ。」 江藤を先頭に２０人ほどの園児は一斉に後をついていった。江藤は、笙子と合図にならない程度の視線を交わす。 すれ違いざまに江藤は笙子の尻まわりに視線をあてる。昨日、手渡したショーツとブラは、二人の間でのお気に入りの一つ。今日、履いて来ている事は二人だけの秘め事だった。 毎週迎える土曜の昼間。笙子と江藤の時間はそこに合わされている。 土曜保育、午前担当だけの笙子だが、昇に伝えているのは午後５時までのフルタイム。勤務時間まで気にすることのない昇をごまかすのには絶好のタイミングだった。 江藤は、たまにある代休を使わず、土曜休みを完全に取得していた。そのため、笙子との交わりを深める時間は、土曜午後、夕方５時までの５時間もあった。 ７月は４回。その全てを二人の密会に当てている。外出をすることもなく、二人は互いに生殖活動にいたる寸前を楽しんでいた。 計４回の交わりで、発射した回数は、笙子のアクメと同じ８回。月経を向かえた笙子は、なぜかしら安堵のため息をついたこともあった。 徹底した避妊を求めた結果が表れていることは、江藤には少し不満が残っているようにも見えた。生理開けに交わった際、避妊具の残数を気にして、生性交を求めてきたが、笙子には越えられぬ一線だとやわらかく断っている。 ８月は６回。盆休みも開園している保育園は、数人の保育士が交代で園児を預かっている。昇には、丸２日出勤日があることを伝えたが、実際の勤務時間は、１３日の半日だけだった。 土曜の午後以外にも時間を作り、笙子と江藤は、二人の相性を感じあい、結ばれ続けている。 計６回、発射の回数は、一日一回と回数こそ減っているが、飽きてきたわけではなかった。江藤の持続力が増し、笙子のアクメの回数は、７月より増えている。時間が長く、射精をせぬまま笙子の体力を回復させながらの交わりは、時間こそかかるが、昂ぶりの濃さは感じられていた。 ９月に入ると、運動会の準備や防災訓練の準備などで、土曜休みがない江藤は、笙子との交わりを持てずにいた。 いらだつ風でもない江藤には、理由があった。笙子の夫、昇の単身赴任が決まったからだ。 「笙子、会社から言われたんだけど、残りたいなら単身で第三工場に行くよう言われた。」 「そうかぁ、・・・昇さん、決めていいよ。私は、昇さんの決めたことに従うしかないし。」 「あぁ、給料は、単身赴任手当ては出せないって言ってる。だから二重生活になるけど、派遣で暮らすよりはましな程度だから。」 「だから？・・・行く。」 「うん、・・・向こうの家賃は、いくらか会社が見てくれる。ここのローンと残りの家賃は、俺見るし、でも、生活費・・・笙子の分見てやれないかも。」 「いいよ、平気。・・・第三工場って・・・村野から５００ｋｍくらい？」 「うん、高速飛ばして、５,６時間。」 「毎週は、無理かぁ。・・・帰ってくるの。」 「そうだね、高速代も馬鹿にならんしね。・・・月、一がいいところかな。」 「そっか、・・・昇さんの決めたことだもん、しょうがないよ。」 「ごめん、・・・ほんと、ごめんな。」 笙子を抱きしめた昇は、情けなさからか嗚咽、啜り泣きを笙子の胸元で始めた。少しの罪悪感は、笙子の中に芽生えている。昇との行為をよそに、江藤との交わりを優先している自分にうしろめたさがないわけではなかった。 昇の引越しは、簡単に済ませている。単身パックの運送会社に依頼すると、数万円のコストで全てがはかどった。 ９月の末、昇は、笙子と一度だけの交わりを後に単身赴任へと旅立った。笙子は、エレクトの薄い昇の陰茎を何度も咥え、しゃぶり、摩りながらようやく、夫婦が繋がることが出来た、が、江藤とは出来ない生挿入を試みても、射精までは到達しなかった。 |
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| 2014.1.18掲載 |
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