はちみつ太郎 作
| ２４ 三組の男女が織り成す営みの進捗は、一組だけが折り返し地点を越えている。ランジェリー姿の女は、紐状のショーツをずらすとソファーに深々と腰掛ける男の肉茎を膣道に迎え入れた。 声色の変化で、残りの二組のカップルも先頭との差に気がついた。女の喘ぎは、細やかながら演技の範囲ではないことが同姓には判った。 笙子の視線が江藤からずれたその時、頃合とそれに乗じた江藤の指先は、笙子のパンツのファスナーを下げる。同時に外したボタンに気がついた笙子は慌てている。 慌てた笙子は江藤の手首を掴み押さえるが、江藤の視線は隣のカップルを見ろと視線を投げた。笙子は、首を曲げ隣を見ると、自分達が三番手を走っていることが判った。 ２回目の男は、女のスカートをまくり上げ奥さんのくぐもった声で指先の当たる場所が想像できた。首筋を舐め上げながら指先は女の防壁をずり下げる。 片足に絡まった白であろうショーツは、女の意思を明確にしている。自分達より未熟な者に教えを教授するように率先して先頭を追っていく。 押さえていた笙子の手の力は、次第に弱まるのが江藤に伝わった。腰を浮かした笙子は、パンツを押し下げる江藤の頭を抱え込む。膝までずらした後、両方の足を抜き履き替えなかった一日の汗を吸い込んだショーツを露出する。 下半身ショーツ姿の笙子を隣の女が見つめている。男の手の動きも笙子のショーツ姿に動きが止まる。ショーツの中に江藤の指が入り込むのを見ているカップルは、少し手を止めその姿を見入ってしまう。 笙子のショーツはこんもりと江藤の手を覆っている。動きは、ゆっくりだが笙子の顔の表情で指先の巧みさが夫婦にも判っている。 肩を抱くようにし慰めあいを休止すると、夫婦は笙子の嗚咽を楽しんでいく。自分達の快楽は少し置いて、他人妻の慰められる姿を自分の妻とシンクロさせているようだった。 笙子は江藤の指先の動き以上に、夫婦の視線を感じている。背を伸ばし仰け反った笙子は、恥ずかしさを吹き飛ばすように、声をあげた。 「あぁぁぁ。」 いつもより抑制の効いた喘ぎは、押し殺すように低い。が、昂ぶりの度合いは視線を浴びているほうがより多いことは確かだった。 江藤は、笙子の上半身もジャズの空気に触れさせる。ショーツと同色同柄のブラの肩紐は、両方横にたれ、ホックを外す前にお腹の部分までずれてしまう。 笙子に恥ずかしさが少し残っているのは、尖りかけた乳首を腕で隠そうとしていることで、他のカップルは興奮を覚える。 対面で営みを続けていたベテラン夫婦は、体位を変え、背面座位でパートナーを笙子の方へ向かせている。テーブルに手をつき、後ろからゆっくり突き上げながら、声を掛けられている。 「あの奥さん。おっぱい小さめだけど・・・いい女体してるよ・・・ゆり子と、取り替えてもらおうかぁ。」 「パパぁぁ・・・だ、だめぇぇ。・・・ゆり子だけ、ゆり子だけにぃぃぃ。」 ジャズの音をさえぎるように笙子へのいやらしい煽り言葉が聞こえてきた。場の雰囲気はいつもここで起きている日常だった。 その日常は、非日常の初心者には段違いに感覚を狂わせる。常日頃を狂わされ始めているカップル二組は、ベテランの柔らしい煽りに押され、非日常を感じ始めていく。 「ほら、ゆり子、もう一組の奥さんも・・・かわいい、乳首しているよ。おまえの黒ずみと大違いだなぁ。・・・あぁ、吸ってやりたい。そして、ゆり子の黒ずみと同じになるまで吸ってやりたいなぁ。」 「あ、あ、あ、・・・ゆり子のだけ、ね、ゆり子のだけ吸っててぇ。」 バックで犯されながら黒ずんだ乳首を摘まれている。ゆり子と呼ばれる女は、男への依存度を知らせるように二組に聞こえるような声を出す。 笙子は、江藤の指先の動きが弱まると部屋中の雰囲気を確かめた。横で笙子を見つめている男は、パートナーの妻の乳首を吸っている。ベテランの煽りを本気にしたのか奪われないように乳首に貪りついた。 妻は、笙子と同じように夫の頭を抱き、恥らう姿を見せないようにしている。が、愛らしい姿はベテランカップルの触手を伸ばさせる。 後ろ突きしながら、立ち上がり移動するベテランは、二組の前戯中のカップルの足元で行為を見せつけている。 正上位に移行した二人は、自らの肉茎を誇示するように、二人の女に見やすいようゆり子を犯している。じっくりと腰を使うその捌きは、笙子も目を奪われた。 笙子は、江藤の膝の上に乗せられる。乳首とショーツの中を弄られながら、ベテランの交わりを見つめる。 江藤の指の動きは、あっさりとしている。笙子は、そのためか５０代の男の陰茎の動きを逃さず見れていた。 中指だけを挿入すると、不意の膣道への訪問者に声を少しあげた。 「あんっ・・・。」 その声にゆり子を突いている男は、笙子に声を掛けた。 「はじめまして、・・・奥さん？・・・かな、彼女さん？」 「あんっ、・・・は、はじめましてぇぇ・・・。」 笙子は、返答に困っていた。江藤が、指の動きで反論させないように喘がせる。 「あ、妻です。・・・こちらは？」 「ゆり子、・・・５年になるかな、付き合いは・・・会社の事務員です。・・・他人妻。」 「あぁぁぁ・・・あぁぁぁ。」 ゆり子と呼ばれた女は、喘ぎながら笙子のほうに目をやった。 「お、奥さまぁ・・・ゆり子ですぅ。旦那さま・・・いぃからだぁぁ・・・理想的だわぁぁぁ、お二人。」 ゆり子の声掛けに何も反応できない笙子。江藤の指先は、笙子の奥を捉えると喘ぎながら返事をしてしまう。 「あぁぁんっ・・・は、はずかしぃぃ。あ、ありがとうぅぅ・・・・ござい、ますぅぅ。」 「ショーツ、染みがついてるよ、奥さん。・・・旦那さん、脱がせても・・・いいよね。」 「あ、・・・お願いします。」 笙子の承諾なく、５０代の男に笙子の防波堤を破壊することを依頼した。笙子は、もう一組の方を見つめ、男と目を逸らしながら、受け入れるように腰を浮かしていく。 「いい、奥さんですね。」 ショーツを足から抜いた男は、笙子の繁茂を見ることなくショーツを丸める。ショーツの汚れは明らかだったが、男はそこを見ることなく笙子に手渡した。 隠すように脱ぎ去った衣類の奥に隠すと、太股を閉じ繁茂の上部だけが男の視界に写る。 「きれいな毛並み。ゆり子、・・・お前さんと大違いだ。」 「あ、あ、あんっ。・・・そんな、こというならぁぁ・・・旦那さん・・・筋肉質でぇ、あ、あ、抱かれたいぃぃ。」 「ハハハ、心配するなゆり子。お若くて男前、お前なんか抱いてもらえやしなしよ、ねぇ。」 「いえ、きれいなお方ですよ。ゆり子さん、・・・なぁ、笙子。」 「え、・・・うん。」 「あぁ、笙子さんというんですね。・・・いいお名前です。最近、子のつくお名前のかたにでくわさないんで、なぁ、ゆり子。」 「絶滅危惧種みたいに、言わないでください。・・・ねぇ、笙子さん。」 「あ、はい、・・・あまり、名前で呼ばれると・・・。」 「そうか、・・・じゃ、・・・ＲＹＯさん、Ｗルームって？」 ＲＹＯは、カウンターから鍵を男に手渡そうとしている。ゆり子から陰茎を抜き去ると、白濁した泡をまとったサック付きが腹を叩く。 仰け反りが江藤以上なのは、二人ともが認めた。笙子と悟は、ベテラン男の言うがまま誘われるようにＷルームと呼ばれた個室に足を進めている。 最初いたプレイルームに一組の夫婦を残し、江藤と笙子、ゆり子とベテラン男は、Ｗルームの鍵を開け、中に誘われる。 ダブルのベッドが１５畳ほどの部屋に二つ備え付けられている。冷蔵庫とベッド、間にあるキャビネットには、箱から外されたコンドームが４つ置かれている。 何をする部屋かは、笙子にも判っている。パートナー同士が肩を抱き合うように、それぞれのベッドに腰掛ける。 下の名前だけを４人はそれぞれに告げる。ベテランの男は、古めかしい名前の勲だった。名前の由来は父が好きだったプロ野球チームの安打製造機の名前からつけた。最近の名前ではないところで、笙子との年齢差を感じさせられるが、肉茎の張り具合だけは江藤との差を開けているようにも見える。 笙子との交尾を持ち出さない勲は、ゆり子の抱かれる様を見て欲しいとだけ告げる。笙子と悟との交わりも押し付けることはないとだけ告げ、交尾の続きを始める。 先程までの貫き具合を維持しつつ、見せつけるような突き上げは笙子と悟の視線を釘付けている。 クッションを硬めにしたベッドでは、腰を打ちつけるたびの反動は少なく抑制されている。男の腰付きだけがダイレクトに女の最奥を侵し、喜びに替えている。 笙子は、ブラだけを外さずにしていたが、自らホックを外し悟に意思を告げるように見つめた。トロンとした目つきに変わっている笙子は、悟の服を脱がせていく。 ブリーフだけの悟は、笙子の指先を布越しに感じながらゆり子の犯されるさまを見続けている。笙子は、先端に染みを見つけると、染みを広げるように手のひらで擦りあげている。 悟は、それに気が付くと自らブリーフを脱いだ。笙子は人妻らしくそれをたたむと、ゆり子らを見つめる悟の勃起した亀頭を口に含む。 悟の腰が少し引いたのがわかった笙子は、根元まで咥えこむと、悟は顔だけをゆり子に向け寝転んだ。 屹立度合いは、勲の方が上だったろうと悟も理解している。笙子も口に含みながら横目で勲の腰使いを見ていた。 悟の屹立は、いつもより２割増しぐらいに感じている笙子。咥えながら悟を見つめると、笙子と目があった。 「興奮してる。・・・いつもより。」 「うん、・・・わかる。・・・硬いもん・・・いつもより。」 「６９・・・する？」 「いいよ。」 ゆり子の嗚咽を気にしながら、笙子は勲らに自らの陰門を見られないように悟の顔に跨った。勲は笙子が跨り、悟の指先が笙子の陰門に触れるのを見つめている。 若い夫婦の６９をパートナーである他人妻を解しながら見つめている。いつしか、悟の指先が笙子の膣道を拡げると、喘ぎ声は抑えられながらも勲にまで届く。 勲は交尾の向きを変える。笙子と悟の６９を見やすいようにだ。突き上げが弱まったゆり子は、勲の顔を自らに向ける。 「パパ、・・・笙子さんばっかり、・・・ゆり子も、ゆり子もっ。」 一回だけ舌を絡ませると、再び視線は悟の眼前の笙子の尻肉に奪われる。あきらめ気味のゆり子は、勲の猛々しさを待つだけにした。 笙子の口捌きは、素人のそれが如実にでている。ゆり子の捌きと違いゆっくり舌先を使い丁寧に舐めあげているのに好感を持つ。職業人のようなゆり子の口捌きは、勲が教えた物だったが、いつしかそれをこえてしまっているゆり子の捌きが、勲を萎えさせているのも判っていた。 おちょぼ口のようにし、丁寧に吸い上げる笙子の捌きを見た勲は、ゆり子の膣肉以上に脳幹を刺激される。 陰核包皮を指で拡げ、いつものように露わになった肉芽を悟は舌先で転がすと、勲らの存在を忘れ喘ぎを漏らす。 「あぁぁぁあ。・・・あんっ、あんっ・・・あぁぁっ。く、くりぃぃ・・・わぁぁ。」 「クリがいいんだろ・・・笙子。・・・パクパク、してるぞぉ・・笙子のお○んこぉぉ。」 「は、ずかしぃぃ・・・言ったらだめぇぇ。・・・あ、あ、あ、あ、」 「勲さん、・・・笙子、連れてきて良かったですよ。・・・見られるの、嫌じゃないらしい。」 「い、いやぁぁ、言わないでっ。・・・さ、悟さんっ・・・はず、かしぃぃからぁぁ。」 悟は６９のまま笙子の開いた膣道を勲が見やすいように体を動かした。指先は笙子の陰唇を割り開き、間接照明ながらも、勲には笙子の濡れ具合、淫らさ具合がインプットされる。 |
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| 2014.2.3掲載 |
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