はちみつ太郎 作
| ３１ 狭い後部座席で密着した二人は、夜明け前の暗さに囲まれながら、短めの前戯を終えようとする。６９の形で下半身だけ下着姿の笙子と悟は、布地の間にのぞく生殖器を舐めあいながらも外の鳥のさえずる音を気にしていた。 笙子のショーツの隙間から舌を差し入れている悟は、洗い流したとはいえ隙間を埋めていた勲の肉棒を思い浮かべている。 悟の太股までずらしたトランクスを、笙子は片方だけ抜きさると睾丸をコリコリもみ込みながら肉茎をしごく。 見慣れた肉茎は、先端から前立腺の液体を漏出させ、笙子は臭いを嗅ぎ、再度口の中にくわえ込んだ。 合わせる様に悟は、笙子の割れ目を指で押し広げる。車内の暗さで笙子の潤滑液の濃いさはわからないが、指に纏わりつく液体の湿潤具合は勲のそれを思い出しているのかと勘繰った。 中指は笙子の膣肉を襲う。尿道裏のスポットのお肉を掻き出すように動かすと、膣道が締まり、尻穴のすぼみも増している。 何度も掻き出すように指を動かす悟は、指先に年上の男への嫉妬を練りこませていく。笙子は、尿道裏への刺激が勲のそれと比べ違いがわかっていたが、悟へのカモフラージュに声を合わせて喘いでいる。 車内だから？と思うくらい抑制の効いた笙子の喘ぎはそれだけで悟の嫉妬を和らげている。ここにはいない勲へ付き合いの差を誇示するように、尻を２度叩くと笙子は肉茎を一度離し、腰を上げた。狭いながらも体を変え、腹の上に跨ると笙子はショーツの隙間を大きくずらせ、開いた隙間に悟の肉茎を誘った。 亀頭を当てた膣前庭の潤滑具合は、頃合でじわじわではなくズボッっと嵌められていった。奥に沈み込む最中、笙子はフロントガラスの外に視線を当てた。昇の部屋の様子に変わりはないが、明るさは、車を止めた時よりも格段に変わりつつある。 「生でもいいよな？」 「・・・うん。大丈夫な日だよ。」 沈み込みながら、喘ぐ声を押し殺し、勲のそれを忘れるよう悟のそれを味わっていく。勲より硬く尖った悟のそれは、膣肉を押し広げるように潜り込んでいった。 子宮口付近まで到達すると、笙子は大きく息を吐き、ごまかすように悟の唇に覆い被せている。悟は、小突き上げながらも笙子の舌先をすすり、喘ぐ表情を満喫している。 粘性を増している笙子の膣肉の絡み具合に満足な悟は、狭い車中のためかグラインドは少なめであった。 笙子自ら、悟の陰茎に上下運動をし、昂ぶる寸前まで押し当てるが、何度かぶつける天井に、体を折り曲げ悟に密着をせがむ。 きつく抱き寄せた悟は、笙子の奥を楽しむように腰を振り続けた。後部座席のシートを揺らしながらの交わりに笙子は少し不安を抱く。 何度か、フロントガラスの向こうを気にしながら悟の舌を舐る笙子。それに気がついた悟は、再び体を入れ替えようと耳元で囁く。 笙子は、四つんばいにさせられると、ハイブリッドカーの横にある昇の車を見つめさせられた。車に動きはないが、いつも見ていた車におびえを感じて仕方がない。 車への視線を嫌うように首を下に向ける。四つんばいにさせられたためか、ショーツのずらしに余裕がなくなり、悟はゴムに手をかけ、膝裏までずり下げた。 笙子の穴はポカリと口を空け悟の分身を待ち焦がれているようだった。笙子の尻に覆いかぶさるようにしないと、後部座席に余裕はなかった。 蹲踞のように膝をまげた悟は、分身の砲身を穴奥に定めると、覆いかぶさるようにして穴を埋めていく。 奥まで到達すると、下を向いている笙子は、大きく女の吐息を漏らす。ドアの肘掛に片手を着き、貫きを耐え忍んでいる。 すると、抜き差しが２０回が越えた頃に悟の動きが止まった。笙子の背に圧し掛かり隠れるようにつぶれていった。 「旦那くんだっ。」 「え、え、・・・まずくない？」 「まずいかもっ・・・ドア、開いた。」 「え、え、・・・ちょちょっと・・・あぁ。」 「コンビニか？早出？」 悟は笙子の穴から抜くことなく昇の動きに固唾を呑む。笙子も同じだった。体を極力後部座席と同化させ、昇から見えてもいい悟の体でカムフラージュさせたい。 ドアの開閉の音が聞こえると、エンジンをかける音がする。 「すぐに、出ないよ。」 「え、・・・暖機運転？」 「うん、いつも２、３分は止まってる。」 「まじかぁ・・・こっちには気がついてないよ笙子。」 「ちょちょっとぉぉ・・・ばれちゃうよぉぉ。」 「ヌルヌルが増えてるんだけど？・・・笙子？」 「あ、あぁぁ・・・ゆらしちゃぁぁぁ・・・だめだってぇぇ。」 「いつかは・・・見られながら、してみたいな。旦那くんに・・・。」 「そんなことしたらぁぁぁ。」 「離婚確定・・・そしたら・・・江藤笙子になればいいじゃん。」 「か、かぁぁんたんに、いわないでぇぇぇ。」 後部座席に埋めた顔を揺する笙子の否定のポーズは、悟の砲身を少し熱くさせていた。 昇は、エンジンを温め、さして気にならないような感じで駐車場を後にした。出かける先は、隣にいる笙子と悟の考えの通りだった。 「左ハンドルじゃなくて、よかったな笙子。」 「あん、・・・あぁぁぁ・・・だ、めぇ。すぐ帰ってくるってぇぇぇぇぇ。」 「四つんばいになれよ、笙子。・・・尻にだすからさぁ。」 「あ・・・も、もう、終わろうっ・・・ね、ね・・・。」 「あぁ、コンビニだったら、五分かからないだろぉ・・・。」 笙子が尻をもたげ、膝を着くと刺さったままの悟の砲身は、再び膣肉を玩んだ。五分と言う想像の範囲での考えがおのずと緊張感を増す。 帰ってきた昇は、バックで止めるかどうかもわからない。前止めをされると、ちょうどのぞかれる格好になることは二人とも理解のうえだった。 「あぁぁ・・もぉ、出していいよ・・・ね、ね・・はやくぅぅ・・・おねがいっ・・・あんっ。」 「まぁまぁ、・・・笙子緊張の割に締め付けが緩んでるよ。」 「だ、だって・・・・もう、出る？・・・出るよね？」 「・・・おれは、ばれてもいいよ。旦那くんに。」 「だめだって・・・ちょちょっとぉぉ・・・ね、ね、お願いだしぃぃ。」 「わかったよ・・・ほら、ほら、・・・・。」 「あぁぁ・・・。」 「でるっ・・・あっ。」 完全なる絶頂ではない二人が、放出の直後に気にしたのは、放たれた精の行方ではなく、昇の車の行方だった。 駐車場の入り口のグレーチングが踏まれ、ガタゴトと音を立てる。車のオートライトも、スモールライトを灯すくらいに日の光を感じさせるが、低気圧の影響か、薄曇が笙子を安堵させていた。 悟は、「時間がないから、早く立ち去って。」と、いう笙子の願いを聞き入れず後部座席のドアにもたれかかったまま、笙子に精の放出口を舌で掃除させていた。 「もう、きれいだよぉぉ・・・。」 「笙子の、お○んこも・・・きれいにしようか？」 「いやだってぇぇ・・・もう、帰ってくるってぇ。・・・あっ・・・。」 「あれだ、グレーチングの音が聞こえた。コンビニだったねぇ。」 「か、隠れてよぉ。」 「大丈夫だって・・・見えやしないよ。」 舐め取り終えた笙子は、汚れの消えた悟の砲身から口と手を離し、ずらされていたショーツを腰まで上げる。 「笙子、気づかれるって・・・そのほうが。」 「しーーーーー。」 昇の車は、バック駐車で悟の横に止めてきた。車の揺れをも気にした笙子は、ショーツを履き終えると身を伏せ息すらしていないかのように隠れている。 ドアの開閉音が駐車場に響くと、笙子はフロントガラスの向こうを極力見られない程度に覗き込む。エントランスに向かう昇は、笙子の視線が熱かったのか、遠目ながら振り向いた。 「見られた？」 「大丈夫・・・この車が気になっただけだよ。」 悟も下着を穿き、ズボンに足を通すと運転席に移動する。笙子がパンツを穿き終えるのを見て助手席に移動を促すが、首を横に振って後部座席に隠れている。 半笑いで悟は、エンジンをかけると駐車場の出口までノロノロと移動し、エントランスにいる昇の姿を目で追った。 「笙子は・・・ここにいますよぉ。・・・ごちそうさまでしたぁぁ。」 その声に反応するように昇はふと、振り返っていた。視線の先には、赤い軽自動車が入れ違いで駐車場に入ろうとしている。昇はその車を来客用スペースに案内すると、パワーウィンドーを下げた運転手に声をかける。 「さっきまで、そこに止まってたんだハイブリッドカーが。・・・今、空いた所。」 「よかった・・・タイミングよくて。」 「金のないカップルが・・・車の中でイチャイチャしてたっぽいね。・・・顔は拝まなかったけど。」 昇は運転席のドアを開け、降りてきた年増の女の軽めの荷物を手に取った。 |
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| 2014.2.19掲載 |
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