はちみつ太郎 作
| ４９ 玄関の灯りは鍵がかかったと同時に消灯していた。なすすべなく玄関戸にもたれかかったままの田沢は、野村の行動が気がかりだった。 笙子への蔑み、軽い態度、逸脱した行動。アメフト部でも行われ手を焼いている野村の行動を案じて目を瞑る。 中に篭られて２０分が立っている。中の間取りを知っている田沢は、笙子の声も野村の声も聞こえてこないのは理解できていた。 中の戸も締められ、露天風呂側に布団を敷かれているのなら聞こえないのも納得がいく。野村の行動が少しでも律されていることの現われだと感じ取っていた。 安堵のため息は白く、手にもかじかんだ感触を気にし、防寒を取りに部屋へ戻ることにした田沢。再度振り返るとかすかに聞こえた野村の乾いた笑いが気になった。 「みてよぉ、これ、・・・中出ししたわけじゃないよぉ。」 「・・・。」 「奥さんの、マン汁っ・・・濃ゆすっ。」 指先を眼前にさらされるが目を閉じてだんまりを決め込んだ笙子。鼻の周りに指先をさらされると自分の牝の臭いを感じさせられる。 羽交い絞めのまま体が熱くなり始めた笙子は、絞めを解くために行動に出た。さらされた指先を握りその滑りを拭う。自分の指先に感じた滑りは布団のシーツに拭い取る。 野村は眉一つ動かさず笙子への締めを続けている。締めを解く合言葉を吐かすため再び指先は、笙子の割れ目に近づいた。 二本の指を沸き立つ泉に放り込むと、泉の女神は声をあげる。 「だぁぁ、めぇぇぇ・・・あぁぁっぁぁ、もぉぉぉ、だめぇなのぉぉ。」 合言葉にはまだたらないとＱＢの指先は折り曲がり、スナップを効かせた出し入れに笙子は卒倒するように体をくねらせた。 「あぅぅぅ、も、もれ、ちゃぅぅぅぅぅぅ。・・・ジョジョッ。」 ショーツの中で失禁ではなく潮を撒き散らすが、少量のためか全てをショーツが吸い込んだ。吸収力は股布の部分には余裕なく、手で押された尻の部分を湿らせている。 「潮吹くの？・・・溜まってるんだぁ。」 「あんっ・・・あんっあんんんんっ。」 顎が上がり笙子の頭皮の臭いを野村は吸い込んだ。シャンプーの香りの奥にうっすら汗ばんだ匂いを感じる。わき腹から乳房を揉みこんだ右手を抜き去ると、体をひねり笙子の左手首を掴む。伸ばされた左手の付け根には、きれいに処理された脇が暗闇にさらされる。 脇の匂いを確かめるように鼻を近づけると、核心に触れるように舌を這わせ何度も上下させている。少し汗ばんだ臭いに野村は新たな興奮を覚える。股間の反応は笙子にも感じ取れた。 「あん、汚いしぃぃぃ、だめってぇぇ。」 「いい出汁でてるって、脇汗と腋毛は男のロマンっすよ。ましてや人妻なんてぇ。ジュルジュッルルルッ。」 少し舌先には、芽を出しかけている毛の先端を感じる。女の素を感じることの出来る部分に野村は異常な興奮を覚えている。 舌を這わせながら初めてのぞき込めるくらいまで近づいた笙子の横顔は、生殺しを越え、飲み込まれることを望んでいる顔だった。 野村は締め込みを緩める気配を見せないまま、笙子の顔を向かせようと声を掛ける。 「もぉ、トロンちゃんじゃないか。・・・がんばるねぇ、トロンちゃんの癖にぃ。」 「ト、トロンって・・。」 「目がトロンとしてるってこと。して欲しいのを我慢してる女の略称だよ、俺らの隠語。歴代のトロンちゃんのなかでも・・・奥さん、俺、めちゃめちゃタイプですわぁ。」 「・・・。」 「まんざらでもない顔したぁぁ。」 「してないぃぃ。」 反論するが顔をシーツに隠した笙子の答えは野村の答えと同じように見えた。合言葉の半分を見出したところでも野村の締めは続いている。持久力を感じさせられた笙子。体が触れられてから３０分はゆうに過ぎている。 締めは緩むことなく保持されたままだったが、笙子の合言葉を待っていることは感じ取っている。服従の言葉は、女として理解しているつもりだが、自分より７、８歳も若い男への言葉は出しづらい。 それすらも知り尽くす野村は、年上の女を狩り、群れに入れるために浴衣の皮と防壁のショーツを剥ぎ取った。ホックを外されなかったブラは、カップを所定の位置に戻され、露出した乳首は人目を免れている。 締めを緩めることなく剥かれた笙子の半裸体。狩る側の野村も合わせて浴衣を脱ぎ、黒のボクサートランクスだけの体になる。際立った筋肉質の体は、９９人の女が纏わりついてもおかしくない様だった。 笙子は意図してそれを見ないで顔を背けている。が、背後から覆いかぶさらずに、仰向けにされ繁茂を撫で上げられるように体を寄せられると、それを見ずにはいられない。 再びニシキヘビは笙子の皮を剥がれためん鳥を締めかかる。顔を背けたままの笙子だが、力なく仰向けのまま、力強く引き寄せられると密着するように吸い寄せられ、唇を重ねられる。 ボクサーショーツからは先端の亀が顔をのぞかせている。腰に廻した笙子の手は、ボクサーショーツのゴムにかかるが、野村にその手を掴まれると、睾丸付近に手を添えさせられた。 合言葉を待っているのか、主導権を取らせないのは２回生ＱＢのリード面そのものだった。笙子に渡りかけた主導権は、再び野村に渡る。 睾丸を撫でさせ自らの高ぶりを見せしめていく。服従の言葉は近く聞けるだろうと、舌を絡めとりながら野村は笙子を見つめる。 初めて牡と牝を意識して目が合った。４０分、体を交わらせながら初めて見た笙子の牝の目。トロンちゃんと蔑んだ時は、視線は合っていない。一方的に見つめた目とは明らかに違っていた。 敏感な同士の触れ合いはしばし間を置いて、舌先だけの会話が始まった。鼻息、吐息は二人の顔をめぐっている。 頭に手をあてがうと顔を横にし舌先を喉奥深くまで差し込んだり、頬の内肉を舐めあげたり奥歯の親知らずの縫いあとを舐められていく。 その瞬間瞬間に、笙子の時間を吸い取られていくようで、野村への体の強張りは消えていった。舌の裏、歯茎、虫歯の治療痕、触手のように張り巡らされていくと、従属する言葉が自ずと零れ落ちる。 「はぁぁぁ、・・・もぉぉ、だめかもぉぉ。まけちゃうぅぅっ。」 笙子は、野村の頬を挟み、顔の距離を視線が合う距離に保った。視線は、従属を宣言するかのような目使いで、半開きの口は舌を出し、野村の唾液を欲して止まないようだった。 「何が駄目なん？誰に負けるん？・・・なぁ、人妻トロンちゃん？」 笙子は野村と目が合うと、恥ずかしそうに首を振り従属の宣言を取り消したかった。が、舌を吸い取られた笙子は、男の群れに足を踏み入れてしまった。 「・・・俺の１００人目になるんだな、おめでとう。」 その言葉には、不服を示すように頬を膨らませる。が、体への締め付けを解かれると促されもせずに大の字に寝そべった野村の股間に寄り添った。 たじろぐ時間もないまま、ボクサーショーツのゴムからはみ出た亀頭を指先で触れる。野村は首だけを折り曲げ、六つに割れた腹筋に力をこめ、笙子の指先を見つめている。 「トロンちゃん・・・やって見せてよ。人妻のフェラテク、旦那直伝のさっ。」 笙子は、所詮大学生のたわごとと高をくくっている。射精させてしまえば、減らず口も閉じざるをえないとむくれ顔だ。 ボクサーショーツは膝から抜かれ、足首を通り抜けると、たたまれることなく投げ捨てられる。口に含むことなく、力の限りに扱き始めると、野村の笑い声が聞こえた。 「悪いけどさぁ、手コキで往ったことないよ、俺。ていうか、さぁ、俺チン、オナ禁７日目だから、早く抜いちゃってよ、トロンちゃん。」 「・・・。」 笙子は口を真一文字にすると、舌を突き出し、悪態を顔に出した。根元をキツク扱き始めると、先端の裏筋に舌を這わせ始める。 男の臭いを放つその物は、大きさはさほどでもないが、色艶が異常に日焼けしているように感じる。行灯のみの明るさでも、浮き出た血管と同じような色合いの茎は笙子の目に入ったことのないものだった。 這わせていく舌は、睾丸から裏筋にかけて何度も往来させ、血流を止めるように握り締めると赤黒く亀頭は色気づく。 パンパンになった亀頭を裏筋に這わせた舌を通り過ぎさせ、カリ首付近を視線を気にしながら舐リ続けていく。 「いいねぇ・・・そ、そ、そこっ。」 笙子は視線が野村と合うと目を閉じ視界を消した。むくれたような顔ではないが、若い男に馬鹿にされたようで腹の虫が騒いでいた。だが、声に出すことを腹の虫に言い聞かせる。ここに来た自分は、こういう男とこうなることを少しでも予測していただろうと。そのために目を閉じたのだった。 「金玉、パンパンっしょ。・・・あぁ、いぃねぇ。」 リクエストのように野村が笙子に声を掛けると、白い蟲を蓄えた睾丸をコリコリするように軽くころがした。指先と手のひらで持ち上げるように押し上げると、陰茎は臍を向き、切先を野村の方に向ける。 大の字の野村は、裏太股を抱え、笙子に向けて肛門を露出させる。玉裏から肛門に掛けては陰毛一つ生えておらず、筋肉質な尻は笙子の理想に近かった。 「尻の穴は舐めなくて良いよ。ベロチュー出来なくなるし、玉の裏筋も舐めてよ。ザー汁溜まりすぎで攣ってるんだよねぇ、早く出せばって、感じだけどねぇ。」 笙子は、あきれ返るように笑みを浮かべる。どことなく憎めない調子がこの男の長所なのか、笙子は野村が抱えあげた尻の前に正座をし、抱えている太股に手を介添えする。 笙子の負担を少なくするためか、筋肉を披露するためか野村の手もそのままだ。笙子は、Ｙ字に開かれた股関節の付け根に舌を這わせる。男の臭いの中で笙子が一番好きなスポットだった。 「そこぉぉぉぉ、やっぱ・・・心得てるぅぅぅぅ。」 右から舌を這わせると、左手で睾丸を転がし続ける。右手は太股の裏を撫でさすりながら、保持している野村の指先を重ね合わせた。 何度も舐めあげていくと鼻に漂う男の臭いを笙子は感づいている。香ばしさとアンモニア臭の間くらいの臭気は笙子の女中枢を大きく揺るがした。 「はぁ、ね、ねぇ。・・・なんて呼んだらいい？」 「あ、俺？・・・そうだなぁ・・・名前は野村佑介。・・・鬼ち○ぽ様は？」 「佑介くんでいいね。」 「トロンちゃんは？」 「いいよっ！、そのままで！。」 「怒んなって、じゃ、トロンにする。呼び捨てで。」 そういわれると睾丸を少しきつめに締め上げた。笙子の指先には睾丸の袋内にある管のような触感が新鮮だった。野村を痛めつけるのはここしかないと感じていもする。 「痛いっ・・・トロン、止めろよ。いててっ。」 「生意気言ってても、筋肉鍛えてても、ここは鍛えらんなかったでしょ。」 「これからだよ、さぁ、続けて。」 笙子は、あきれ顔で左側の股関節を甘舐めしていく。左手は先程と同じく太股裏を押さえつけるが、野村の指先は笙子の手のひらを撫で、指の間をすべて絡ませ誓いのように重なっていた。 |
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| 2014.4.21掲載 |
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