はちみつ太郎 作
| ５０ 付けられたあだ名に嫌悪感を感じるほど若くない。名前で呼ばれるほうが屈辱的だと直感し、否定や拒否もせず受け流している。 絡まった指と指は、強がりで呼んでいるあだ名とは裏腹の感情だと笙子は感じ取った。そのためか、野村に対する感覚が男ではなく近所の年下の男の子といった風にまで落とされている。 きつくなった腹筋と背筋が、保持していいた開脚を止めさせ、笙子の体をＭ字で相対する。股関節の臭気を舐め取っていた笙子は、再び陰茎を握り締め赤く染まった亀頭に舌を乗せ、弾くように尿道らへんを突っついた。 深くくわえ込まずにするフェラは、亀頭だけを口に入れ込み笙子の唾液を絡めていく。３回右回りすると３回左回りに舐め、舌の回転は速度をその都度緩めていた。 野村は、頭を首で抱え笙子の口淫姿をその目で見つめている。人妻と交わるのは数度あった野村だが、出会い系で知り合った身体の細工の悪い人妻がほとんどだった。 ショートの髪を揺らしながら小刻みに首を動かし念入りにしゃぶる笙子をみている野村の口は、笙子と同じ様にして乾いた唇を舐めている。 Ｍ字の膝を笙子は伸ばすようにと、膝に手を当てる。トントンと叩くと呼応した野村は膝を伸ばし大の字になった。腹筋はきつくなり天井を見るように野村は上をむく。 笙子は、伸ばされた足を乗り越え、布団の敷かれていない畳に膝をつく。体を寄り添わせるようにしていくと、口元を陰茎に再び添える。正座の尻は野村のほうに向けた。 笙子の意図は理解していた。悪態を考え、整理すると口から軽口は放たれる。 「トロン、・・・跨げよ。・・・お○んこ、舐めて欲しいんだろ？」 「・・・。」 無言のまま笙子は、視線を移すことなく筋肉質の胸襟を跨ぎ、手で覆うことなく生殖器を野村の眼前にお披露目した。 「クチュクチュだな。・・・トロン、６９好きなんだ？」 「・・・。」 口に咥えたまま小刻みだった頭の動きを、問いに反応するように大きく縦に振る。野村は、尻肉を掴むと、口を近づけることなく、大きく広げようとしている。 パクリと開いた陰唇は、ピンク色の肉色のままだが、大陰唇回りに乾燥仕掛けの粘液が笙子の牝度合いを知らせている。 「フーフーフー。」 野村は、息を吹きかけ陰毛を揺らし、息がかかった粘液の冷色さを笙子に教えた。もじもじと尻を振る笙子。少し顔に近づけるように腰を動かすと、眼前に迫るお○んこにたまらず指を這わした。 親指でピンと張った陰唇は、シンメトリーに割り裂かれ、花びらより綺麗なピンク色の肉芽を野村に見せつける。指先でなぞるように肉芽を刺激すると、膣肉全体が収縮する。尻の穴も同時に収縮すると、笙子の声は含んだ陰茎に伝わっていた。 中指をおっ立て、穿るようにかき回すと、指先に絡んだ粘液と膣肉は摩擦のない音を奏でている。湧き出る泉は、生暖かさを感じさせ、壷の奥から伝わった振動は笙子の口から耐えられぬ喘ぎを放たせた。 「あぁ、あぁ、あぁんっ・・・ひ、ひぃぃ・・・はぁぁぁぁっ。」 耐えるように声を留めると、再び口に陰茎を含むが先程とは違い舌の動きは緩慢だった。満足な刺激を受けられないでいる野村は、笙子の肉芽に歯を立てる。勃起しているとはいえ、クリトリスは米粒より小さく甘噛みしたのは肉芽を覆う包皮だった。 が、それでも圧迫された肉芽は牝の性感を中枢に伝えるべく神経を伝達させる。反射的に崩れるように、野村の下腹部に頬をあて伸びてしまう。 甘噛みと舐め上げを交互にしていく野村の勝利は近い。笙子は合言葉を言いそうになり、野村の太股をきつく掴んだ。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁんっ・・・噛んだら、だめぇぇぇぇ・・・・いぃ、いぃぃぃぃ。」 「駄目な風に聞こえないよ、トロン。・・・さぁ、言えよっ。」 「あぁぁぁ、あ、あぁ、あぁぁぁっ。・・・し、して、・・・。」 「してって、・・・指で往かせろってか？」 「ち、ちがうぅぅぅ・・・。」 「１００人目にしてってか？」 「うぐぐぐぐぐっ・・・いえなぁぁぁぃぃぃ、そんなことぉぉぉ。」 「じゃぁ、朝まで、指マンだよ。トロンには、なぁ。ずっと、トロンとした目でいろよ。」 「おち、ん、○・・ん。」 「はっきり言えよ、トロン。・・・・キーワードは１００だよ。」 「ひゃ、ひゃくにん・・・目で・・・いぃぃぃ、からぁぁ。指、・・ぬいてぇぇ。」 「指のほうが、細いぞ。・・・いいのか？」 「う、うんっ・・・・も、もぉぉ、してぇ・・・１００人目に・・・してぇぇ。」 「生でか？」 「そ、れは・・・無理っ。・・・ご、ごむ、あるからぁ・・・枕元に。」 「用意周到なこと・・・ちん○欲しくて堪らない症候群だな。１００人目の人妻トロン、自分で被せろ、俺の赤ちゃん欲しくなきゃ、・・・被せて、自分で跨れよなぁ。」 笙子は野村の指先と舌先と犬歯から逃れるように枕元に這った。指先の臭いを嗅がせる野村の頬を軽く叩くと、半笑いの野村は開封したコンドームを手渡した。 正座し、扱きながら根元まで被せると、自らの陰唇を一撫でし、潤滑の具合を確かめ剣先をあてがった。 「くぅぅぅぅっ、うぅぅぅ・・・・お、おっきっいぃぃ・・・あんっ、動かないっ！。」 「ヌルヌルだぜ、ゴム越しにもわかるわ。・・・突いてやろうか？」 「いい、自分で・・・あんっ・・・するから、じっと、しててぇぇ。」 剣先から根元まで膣道に被せると、背筋を保持できなくなり大胸筋に倒れこんだ。動きを少し止めると、野村は笙子の髪の毛を摩るようにして、顔をのぞきこんだ。 「トロンの顔、かわいいよなぁ、・・・旦那の気が知れんよ。」 「あぁ、あぁ、あぁ、君よりぃ、ずっと、男前だよっ。」 「そぉかぁ、でも、おれは、結婚したら嫁さん大事にするぜぇ。」 「１００人も・・・相手にしてて、そんなことぉ、言えないんじゃぁぁ。」 「遊んだから、こそ、そう言える、結婚したら遊べない・・・だろ？」 「・・・。あぁぁ、あぁん。」 「そうだった、トロンは・・・これだもんなぁ。」 潤滑が行き通った笙子の隧道は、湧き出る山の雫を隧道工に染みつけていく。山は動き出し、足の裏を布団につけ、蹲踞すると上下運動は山が主導する。 短めの髪の毛は、少し揺らめく程度に耳元を見え隠れさせている。山の動きと共に木々がさざめき、鳥が鳴くように笙子の留めている喘ぎが聴こえていた。 「あぁ、ぁあぁぁぁぁんっ・・・はぁ、いぃ、いぃ。」 「いい、トロン・・・気もちぃぃよ。」 笙子は膝を曲げ太股に手を当て、体の上下の動きをコントロールしている。 笙子が下を向き喘ぐ声を抑制するべく動きを止めた。口に近づけた手は唇に挟まれ、白い歯を見せた。唇を噛み、声は抑制できたが、主導する者はその隙を見逃さない。 抑制が効いてしまった笙子の上下運動から、隧道工である野村に主導権は移る。蹲踞の足は膝を折り、尻餅をつくように野村の下半身にへたり込んでいる。 腹筋を使い上半身を持ち上げると、前髪を払いおでこを露出させると、頬に手をあてがい力強く唇を吸った。 上下で繋がった二人は、肌寒いはずの部屋の温度は数度上がっていると感じさせられる。舌を伸ばし、抱きつくように野村の胸板に重ねる笙子。野村の手は肩を抱き寄せ密着させると、残していたブラのホックに手を伸ばす。 ストラップを肩から抜き去ると堅く尖った乳首を両方摘まれる。が、反論や拒むそぶりなく肩をすぼませるだけで舌を絡めることもやめることはない。 笙子は野村の顎に手をやり、すこし持ち上げるようにすると、舌を喉もとに這わせ、大きく飛び出した喉仏に歯を当てた。 「暗殺者かよ？・・・喉笛を噛み切るって、くのいちじゃねぇんだし。」 「ふふ・・・しくじったわ。」 「じゃ、・・・くのいちをいたぶろうかね。」 笙子をのどわで仰け反らせると、赤黒く硬直し、色素を充満させている乳首に同じように噛み付く。笙子は、少し反応し、仰け反らせた背筋に従い、手を床につけ体位を保持させる。 座位で腰を振る野村。突き上げはさほどではない。緩慢にせざるをえない体位は、野村にある忘れ物を思い出させた。 挿入したまま笙子のわき腹に腕を廻し、体を密着させると、膝を曲げ布団に片手をつく。いともたやすく膝を伸ばし笙子を抱えあげた。挿入は自由落下で、奥行きをなくすくらい埋め込まれる。 歩き始めると、自然とピストン運動は始まり、落ちまいと首にすがる笙子。膝裏に腕を廻されたまま、突上げる意思もない野村にではなく引力に犯されているようだった。 野村の意図は微かにわかった。ここにいない男を呼ぶためか、玄関に近づき、たたきに降りたつと玄関戸に聞き耳を立てる。 「貫一さん？・・・さむくねぇっすか？」 「さみぃぃよ。・・・ここ、開けろって。」 「俺、すげぇ暖かいですわぁ。・・・なぁ、トロン。」 外に格子を入れたスリガラスに体を押し当てられた笙子は背の冷たさと陰茎による熱いノックに声をあげてしまう。 「いぃぃぃぃ・・・あぁぁ、つ、つめたいぃぃ。」 田沢は笙子の声を聞いた。透視能力はないが、玄関奥でされている行動は、大差なく脳裏を駆け巡る。 「野村。おまえ・・・笙子さんを・・・。」 「笙子じゃないですよ。・・・俺のトロンです。・・・人妻トロン。」 「失礼だろ・・・お前が・・・やってきた、カスみたいな女と一緒にするな！。」 「俺の何を知ってるんですか？まぁ、俺がしてきた女がカスなら、このトロンも、カスの仲間入りって事ですよね。」 「な、なに、言ってる。・・・いいから、開けろって。」 「カストロン、・・・先輩こういってるけどどうする？開ける？」 「さ、寒そうだし・・・あ、あけて、あ・・。」 「そうだよねぁ、開けたら３Ｐできるもんなぁ・・・それが願いなんだなぁ。」 「あ、いや、開けないで・・・ごめん・・・貫一くん・・・ごめん。」 「らしいですよ・・・トロンの意見を反映させますよ・・・寝取られ先輩。」 「く、くそ、・・・いいから、開けろよ。」 「部屋で、ＡＶでも見ててくださいよ。・・・それか、露天風呂、山から覗けそうですよ。」 野村は玄関戸を布団に見立て、そこに背をつけた笙子に突き上げを喰らわせている。スリガラス越しに笙子と野村の交わりを見せつけられている田沢は、玄関内の明かりが消えると、笑い声と喘ぎ声の混じるほうに背を向け、敗北を宣言した。 玄関戸の向こうには、月明かりに照らされ背を曲げた主将が部屋向かっている。その姿を勲は、支配人の男と物見している。 「競争社会・・・だな。就職も、出世も、女の奪い合いも。」 「えぇ、私も敗れた一人です。・・・彼は、主将を降ろされるのでしょうか？」 「だろうな、・・・末森監督から、どちらを来期の主将にするか問われてね。試してみたんだが、後輩の野村くんのほうが、人を垂らしこむのにも、戦術を組み立てるのも上手いようだな。」 「奥さんは、そのネタですか。」 「あぁ、ＯＢとして頼まれたが、これくらいのことしか思い浮かばんでね。前回、笙子、あ、奥さんに田沢くんをあてがったのもこのためなんだよ。」 「そんな伏線で・・・奥さんとやれたら・・・うらやましいですなぁ。」 「支配人も・・・楽しんだように・・・聞いてるが？」 「え・・・えぇ、少しの楽しみで。」 「少しだけにしておきなさいよ。・・・競争社会に終わりはありませんからね。」 冷たい視線を支配人に送る勲。支配人のポケットの中で握られた穿き古しな笙子のショーツを見透かされるような視線だった。 敷布団の上に重なり合う笙子と野村。部屋へ消えた田沢に聞かせるように、笙子を喘がせていく。正上位で奥を突く野村は、女性上位の笙子の蹲踞姿と同じように膝を曲げ、かかとを浮かせている。 敷布団を掴み、喘ぎを懸命に堪える笙子は、野村に促され膝裏を抱えるように指示された。抱えた膝裏を押し広げるように野村は膝に手をあてがい笙子の手を広げさせる。 すると、腰が浮き、結合部である笙子の生殖器は天井を向き、挿入しやすくなった野村に勢いを付けさせた。 「ああぁぁっぁぁあぁぁっぁ・・・いや、いや、いやぁぁ、あぁぁ。」 陰茎の出入りを見下ろしながら笙子に「こうだろ、これがいいんだろ」と口パクで伝えると、笙子はうなづきながら何度も、 「そ、そうぅぅ。・・・そこぉぉぉ・・・あぁぁぁ、だめぇぇ、いぃぃぃぃぃぃ・・・いやぁぁっ。」 笙子は目を見開き、垂れ目にした目尻で野村に訴えかける。懸命に突上げピストンを繰り返す野村は、声を出す間も惜しみ、笙子に喘ぎをもたらし続けている。 「あんんん・・・うぐぅぅ、うぐぅぅいぃぃぃぃぃぃぃ・・・だめっ。・・・あうっ。」 笙子は後頭部を起点に体を仰け反らす、弓なりに添った背筋は乳首を頂点に稜線を構築している。その稜線を見下ろす野村は、女を手玉に取った男神の視線を笙子に投げかける。 ビクビクと体を３、４度硬直と緩みを繰り返すと、背筋を緩め膝裏をフリーにし布団に寝そべった。だらりと腕を横にし、膝裏だけをかろうじて保持した笙子は、野村の視線を見つめると、目に描いてある答えを読み取った。 「ゴ、ゴムの中も・・・だ、駄目だよ。・・・ね、駄目だよ！」 「そこは、わかった・・・でも、わかるだろ、トロンなら。」 「う、うん・・・そこなら・・・まだ、いい、仕方ないし。」 重なり合うように体を密着させ折り重なるように、皮膚と上下の粘膜を重ねていく二人。浮かせた腰は、そのままで野村の腰の動きは、笙子の膣肉を割り裂き、子宮内の卵たちを呼び起こすように激しくなった。 「あぁぁ、あぁぁ、あぁぁ、・・・だ、だめぇぇぇ・・・い、い、い、いくぅぅぅぅ、いっちゃういっやうぅぅぅ。」 「あ、あ、あ、あぁぁぁぁあぁぁ・・・あっ。」 「パチン」 「・・・ドブッゥゥゥゥ・・・ドクッ・・・ドグンッ。」 隧道から抜かれた泥まみれの隧道工は掘り進んだ分の泥土を吐き出そうとしている。被せのゴムは勢い良く外され、射精のタイミングはしくじる事なく狙い定めた笙子の鼻筋に着床した。 ７日たまった射精液は、すこし黄色がかったアイボリー色で、射精管を通り抜ける感覚は、少し痛みを感じるほどだった。 顔にかかった精液から胸元を通り、だらりと零れる精液の導火線は笙子のブラ跡のアンダーのバストで切れている。 「掃除・・・掃除。・・・中に出さなかった、お礼しろよ。」 濡れティッシュを手渡した野村は、鼻筋付近の精液を笙子が拭うと赤黒い亀頭を口元に突き出す。鈴口はまだ、後発の精液が押し出されている。それを舌に乗せると、笙子は目を閉じ匂いを味わうように口に含み残液を唾液に絡め飲み込んでいった。 「トロン・・・いい女だな。・・・惚れそうだわ。」 「１０１人目を探しなさいって。」 上目使いで半笑いの笙子に言われると、よりいっそういい女に見えてしまっていた。 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2014.4.23掲載 |
はちみつ太郎さんの作品群→ |
無断転載禁止！