はちみつ太郎 作
| ５８ 「まだ引いてないって・・・言ったけど・・・まずかった？」 「ううん、・・・そうじゃないんですけど。」 「毎日電話するって言ってたけど・・・しつこいの？」 「うん、まぁ・・・。」 「でも、嘘つけないしねぇ・・・見えるところだから。」 「あ、ほんとのこと言っておいてください。・・・その方が、うん、安心すると思うし。」 「わかった。」 「お邪魔しました。」 笙子は後ろ手で、救護室のドアを閉める。背後に立った佐々木は笙子に声をかける。 「どう？」 「あ、もう少しかかりそうです。・・・間島さんに電話して、確認をとる方法にしてるんで、終わりにするには、あと、２，３日かかると。」 「そうよね・・・見えるところだし。・・・いっそ、園長に・・・。」 「え、それは・・・もう、・・・してしまったことを、穿りかえすと思います。あの人は・・・。」 「・・・。でも、・・・耳に入れるだけでも。」 「副園長・・・やめましょう。あと、２，３回・・・です。私が、我慢すればいいんだし。」 「うん、そうしましょ・・・わかった、園長の耳にも入れない。」 笙子は、軽く頷いて、時計を見ると１６時が過ぎた頃だった。足はひとりでにＣ更衣室に向かい始め、佐々木は夢遊病者のような笙子を見ながら呟いた。 「もう少しよね・・・慰安保育士さん。」 誰もいない電気室の音は、電磁波の揺れが聞こえているようだった。ブーンという音に危険を感じないが、居心地がいいとはいえない音だった。 照明の灯りはなるべく落としたいが、蛍光灯を制御するスイッチはすべての照明を灯してしまう。ここにたどり着いた笙子の気持ちを制御するスイッチは全てを灯してはいないが、いくらか灯った明かりは、消すことができないようすだった。 「なんで。・・・。」 一人で待つ電気室。グラスールに背をあて、もたれかかると体の中心に熱い血流を感じてしまう。ジャージの下のショーツは、恐らく熱い股布を湿らせてしまっていた。 触ることはしないが、喰いこんだわけではないのに、ショーツの位置に違和感を感じてしまう。園児とじゃれていた時からではない。タラップを降りる前、救護室から足を踏み出した頃から、歩幅を制御するくらい、湿潤を気にしてしまっている。 「期待してる？・・・まさか。」 問いかけは、自問自答。だが、出題者と回答者が同じなのに、口から出た答えは正解ではなかった。 腕時計をしていない保育士は、時間を気にするが術がない。１７時に来ると聞いている東山の訪問がその時間を知る術だった。 「ガチャ・・・ガチャン。」 奥のスチールドアが音を立て、そして閉まった。期待しているはずのない男の訪問は時間と自問自答の答えを引き出させる。 「よお、待ってたなぁ。・・・看護士から聞いたか？」 「はい、・・・あと、２、３日って。」 「そうか、・・・そりゃぁ、残念だ。実は、明日から３日間・・・講習会があってなぁ・・・免許の講習がよ・・・１７時には終わるが少し遠いんだ。」 「・・・はい。・・・じゃ、今日で。」 「今日で終わり？」 「はい・・・。」 「そうしたいのか？」 「あ、当たり前です。・・・早く、終わらせて欲しいに決まってます。」 「ふーん・・・じゃぁ、竜神の顔・・・どこかで、ぶつけなきゃならんのかなぁ？」 「そ、そんなこと・・・止めてください。ほんとにおっしゃってます？・・・そんな惨いこと。」 「どうかなぁ・・・笙子先生のお口がねぇ・・・おれのもう一人の息子がたいそうお喜びでね。」 「・・・。」 「そう・・・名前は・・・東山ロッテ・・・ロッテちゃん。」 半笑いで笙子に近づいていく東山。ロッテと名づけた陰茎を作業ズボン越しにさすりながらにじり寄る。笙子は、膝立ちでグラスウールを背後に押し込められていく。 「笙子先生・・・じゃぁ、今日もロッテを慰めてやって、お口の恋人をさぁ。」 「・・・その前に、竜神くんに・・手をあげないって約束してください！。」 「じゃぁ・・・先生も約束してくれよ・・・明日から３日間は、・・・俺の事務所に２０時に来てくれるって。」 「・・・それは・・・、私にも家庭が・・・あります。」 「じゃ、しかたがねぇ、竜神には少し痛い目を・・・。」 「やめてください・・・１９時から・・・１時間だけなら・・・伺います・・それで。」 「あぁ、いいよ。・・・さっさと慰めろ。」 笙子は差し出されるように腰をつきたてた東山のファスナーを下ろす。ベルトを外しボタンも外すと、トランクスをひき下ろし、陰茎が弾けるように笙子の眼前に飛び出した。 「ぺロッ・・・クチュクチュクチュクチュチュチュチュチュ。」 いつもと同じように先端を舐め、真珠の回りを舌で舐め上げる。口内の唾液を確認するように頬をすぼめると、目を閉じて亀頭を口いっぱいに頬張った。 唇をすぼめ、搾り出すように亀頭を刺激していく、いつもより早めに東山は笙子の髪の毛をなで始め、我慢の度合いのバロメーターのようにきつく鷲掴む。 頭皮が引っ張られる感触が加わると、目を開け、視線で東山に訴えかける。効果は、両方に影響していた。 視線をあわせたはずの笙子は、天井を向いた東山に外された視線を閉じ、しゃがんで喰いこんだショーツを気にしている。 東山は、あわせられた視線に気がつくことなく、笙子の吸いつきを離そうと後頭部に束ねられた髪の毛を引っ張った。 仰け反るように口を離された笙子は、口腔内の唾液を顎に垂らしながら、開いた口を閉じた。 「ツボ、心得てるじゃねぇか。・・・土日、旦那の咥えて練習か？」 「・・・はやく、出してください。・・・我慢しなくても・・・いいでしょ。」 「あぁ、望みどおり出してやるよ・・・おらおらぁぁぁ。」 笙子は喉奥を犯され始めた。突上げられるたびに、後頭部は反り返り、背後のグラスウールに沈められる。 「グアッポ・・・グアッポ・・・グアァァッポ。」 「そうそうその目、辛い時のその目。」 「うぐぇぇぇぇぇっ。」 「お、おぉぉ・・・出ちまいそうぉぉぉぉ・・・・おりゃ・・おりゃっ。」 笙子の口内というより食道の手前には、東山の放った射精液がおびただしく撒き散らされている。飽和した唾液と共に流し込むようにして胃に送り込むと、東山は陰茎を抜き取ったその後に、前回同様、口腔内で洗浄させられる。 纏わりついた唾液は、息子の竜神のあそこを昼前に拭いた同じエプロンで根元を拭い去る。満足気に東山は笙子を見下し、言葉を吐きかける。 「兄弟のち○こを拭いたエプロンかぁ・・・間違っても、女の子のあそこを拭くなよ。」 あきれ返る顔も見せず拭い去ったエプロンを肩から外した。 東山は、笙子に明日の時間を念押しすると、目を合わせることなく頷いた。承諾の意図を確かめることなくスチールドアを開け、その場から消えた。 エプロンの汚れた部分を裏にしてくるりと丸めると、少ししゃがみこむ。涙を見せているわけではない。仮設事務所を訪れることを承諾した自分を振り返っている。 「１９時・・・１時間もかからないよね・・・今日みたいに、１０分で。」 笙子は喰いこんだショーツを直そうと、ジャージの上から尻肉に挟まれたショーツを引っ張り出す。腰骨の位置も気なると、ジャージを少しずらした。 腰のゴムを引き上げるだけでいいのだが、股布の熱量を確かめるように人差し指を潜らせると、いつも以上の湿り具合は、笙子の心を惑わせる。 「なんでなん？」 指先は陰唇を割るようにもぐりこむ。自分でもわかるくらい指先の粘性は、犯される準備をしてしまっていた。 「あっ・・・。」 ぬるりと割れた陰唇の間に、園児向けにきれいに研削された爪の指先が吸い込まれてしまう。 「あぁぁっ・・・こ、こんなにってぇ。」 笙子はショーツのゴムをずらせ、太股にジャージのゴムと同じ高さで食い止める。指先は二つになる。中指も交ぜ、膣道にあわせ縦に挿入すると、関節を深くで折り、下腹部に熱い熱量を湧き出させていく。 「ガタンッ。」 スチールドアが、開き、すぐさま閉じられた。笙子は、ビクつくと瞬時に指先を抜き、ショーツとジャージを腰まで上げると、置いたエプロンで指先を拭った。 「だ、だれか？」 笙子は声を上げながら電気室の扉に近づいた。ノブを握っても、開く気配はない。鍵が掛けられているようだ。 笙子はもう一度、扉の外に声を掛けようとするが、自分のしていた行為を確かめられても困るので、深追いをせず、Ｃ更衣室のタラップに体を向けた。 「して欲しかったのね、笙子先生。・・・東山さん・・・明日は・・・しちゃうの？」 「いやいや、・・・俺が狙ってるの・・・知ってるっしょ、副園長・・・そこじゃないってこと。」 「あーら・・・欲張りねぇ・・・孕ましてしまえばいいのよ。」 東山が佐々木から遠のくと、スマホの画面を佐々木は笑いながら見ている。笙子の腰を引いた立ち姿、ショーツをずり下げ指先が陰唇を割っている自慰の横姿が映し出されている。 「いやらしい女に相応のお部屋よ。早くおいで・・・慰安保育所に。」 佐々木は、掛けられた笙子の名を貼った看板に画面を擦りつけていた。看板に記された日数は、「５日目」に直されていた。 |
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| 2014.5.12掲載 |
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