はちみつ太郎 作
| ６０ 「笙子先生、・・・完治したって、言っておきましたよ東山さんに。」 「え、あ、・・・はい、ありがとうございます。なにか、言ってました？」 「うん、笙子先生によろしくって・・・なにをよろしくなのかわかんないけどね。」 「そうですね・・・。」 救護室を後にすると、佐々木が笙子に問いかけた。 「どうだったの？」 「あ、・・・承諾してくれたっていうか・・・終わりました。」 「そう・・・よかったぁ。・・・これで、安心・・・かな。」 「ですけど・・・気をつけます。」 「そうね、その方がいいみたいね。」 佐々木は東山の動向を知らないでいる。東山の事情は知らないが、動きを止めた時の反動を佐々木は知っている。 「薬が抜ける、２週間先ね・・・慰安保育所デビューは。」 小声で言うと、笙子が振り返る。何も言っていないことを装いながら、園児の待機ルームに足を向かわせた。 昨晩のことは忘れられないでいる。自宅に帰った笙子は、昇に抱きついた。夜勤出勤前に抱きつかれた昇。日曜も性交は時間的に出来ず、何日かぶりに笙子を抱くチャンスが３０分ほどある。 「どうした、笙子？」 「ん、なれないから・・・疲れちゃって。」 「人間関係？」 「うん・・・保護者とのね・・色々。」 「先輩保育士さんとかに、相談したら？」 「副園長が、良くしてくださるんだけど、色々迷惑掛けちゃってて・・。」 「そうか・・・大変だなぁ。」 「うん。・・・ねぇ・・・いい？」 「エッチ？」 「うん、時間、ない？」 「あ、ごめん・・・ちょっと、急ぎでな。・・・早めに帰るけど・・・ＡＭ５時だもんな。」 「起きてるようにする。」 「わかった。」 昇は少し不安そうな笙子の表情が気になった。明るく仕事好きで、これまではあまり愚痴をついたことのない口が、昇を困惑させた。 できない時間ではなかった。出来る自信がなかった。遅刻は問題ないが、昇にも夜勤のストレスがないわけではない。 昇は、笙子を置いて家を空ける。残った笙子は、リビングのソファーにもたれると足を組み、ローカルニュースを見ている。 「今日未明、暴力団関係者の殺害を自供した木村和夫容疑者は、その自供通り、殺害に使用したとされる拳銃を付近の河川敷で実弾が装てんされたまま発見されました。警察は、木村容疑者の犯行と睨んで、足取りなどの裏づけを調べていく方針です。」 警察署に連行される木村の目が撮影しているＴＶカメラを見ている。笙子は、目を逸らした。リモコンでチャンネルを変えても、他局のローカルニュースも同じ内容をＴＯＰで扱っている。 何度もその目を見せられると、木村の最後の言葉だけが笙子の耳に繰り返される。 「早く行かないと、あんたも手遅れで、輪姦されて・・・捌かれる・・・さぁ、早く。」 「輪姦・・・されて・・・捌かれ・・・る。」 顎の外れた木村は、何をか言おうと笙子ににじり寄る。東山は発狂したように木村に侘びを続け、笙子にも生贄になるよううわ言を床に発している。 玄関戸の向こう側にヘッドライトが当たり、そしてエンジンの音と共に明かりは消える。３人の声が笙子の耳には聞こえている。 「東山ぁ・・・木村、捕まえたんか？」 ドアを開け入ってきた男は、床に這いつくばる木村に目をやった。笙子は、テーブルの下に隠れている。 「おぉ、木村、東山から聞いてるな。・・・身代わり・・なぁ、１０年の辛抱だ、えぇ、弁護士つけてな・・・出てきたら、幹部に迎えたる。東山より上になぁ。」 「うぅぅぅ・・・うぅぅ。」 「顎はずれてるんか。東山が無理したんか。・・・まぁ、車乗れ、佐山をばらしたハジキ握ってもらわな・・・始まらんから。」 兄貴分が、木村に声をかけ、肩を抱き上げる。ラリった東山は、手下の男が抱き寄せた。 「水沼の兄貴ぃぃぃぃ・・・きむら、たのんますぅぅぅ。」 「心配すんな、おまえ、・・・ヤクか、・・・抜くまで事務所、出禁やぞ。」 「えぇ・・・じゃぁ・・・保育園の先生と・・・ここで、お○こ・・・して、抜きますわぁぁ。」 「何言ってるん・・・や？」 水沼は、木村が気にした方向を見つめる。照明からの影が笙子の丸い背中を黒く染めている。気づかれた、背後に回ったのは手下の二人。 「兄貴、・・・どうします？」 「ええ、女か？」 「えぇ、・・・もろタイプ！」 「車に乗せろ・・・東山と木村は俺の車のトランク。・・・女は、おまえら好きにして来い。」 「え、いいんすか？・・・東山さんの女でしょ。」 「話し聞かれたんや・・・わかってるよな、渡辺と春日。」 「え、聞いてません。・・・何も、聞いてませんから。」 「うん、うん・・・聞いてなくてもいいんだよ。これから一杯、お薬、効かせてあげるから。」 渡辺は、笙子を羽交い絞めにしている。春日は、水沼の車のトランクを開け、二人を入れ勢いよく閉めた。 水沼に鍵を渡された春日は、渡辺に近寄り、羽交い絞めの笙子に顔を近づける。吐く息は、酒臭い訳でなく、トルエンの香りが目に染みた。 渡辺が笙子を抱え上げると、渡された鍵の車に近づいた。東山組と書かれたハイエースの後ろに笙子と乗り込む。春日は、エンジンをかけると水沼の車にクラクション一つ、鳴らし、反対方向に進む。 笙子は渡辺の手を振り解こうと必死だが、腕は抜けない。ハイエースの中には、足場シートを締めるインシュロックが袋ごと置いてある。 渡辺はそれを開け、笙子の手を後ろ手に回せると、キリキリときつく手首を重ね合わせ締め上げた。足は自由なままだが、尻を着けにじるよう渡辺を避けている。 麻縄のロープは、足場材を縛るように束ねて乗せられている。それも、渡辺に解かれると首を掛けられ、吊るされるように尻を浮かせられた。 運転席の背もたれにある鉄のバーにその束ねた先をくくりつける。笙子の尻は浮き、苦し紛れのように足をばたつかせている。 「活きがいい・・・保育園の先生なんだって・・・東山の兄貴の女？なんで、あんな奴に？ち○こ太いからか？・・それとも、尻の穴を突かれるのが趣味か？」 「なべちゃん・・・ルグランデ・・・で、輪姦すん？」 「あ、あそこは・・・だめだ。・・・この前、浴槽を・・・溶かしちまった。」 「何で、また。」 「ん、・・・拉致った女子高生をな・・・輪姦したんだけどな、騒ぎやがったから、首絞めたのよ。」 「あぁぁ、あ。・・・で、硫酸？」 「おうよ・・・溶けたのは溶けたんだわ。・・・風呂も一緒にな・・・。」 「な、なんて、ひどいこと言ってるんですか。」 「あ？・・・保育園の先生も同じなんだよ。・・・最後は、硫酸のお風呂・・・いい湯加減だから。」 「・・・。」 「かすやん、星見の美装屋に寄ってくれ・・・濃硫酸・・・もらってから、廃旅館に行こう。」 「でも、そんな量ないんじゃない？」 「まぁいいじゃん・・・半身を溶かしてから・・・残りの半身で・・・なんなら、尻の周りだけ残してから、犯すか？」 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」 ローカルニュースは終わっていた。笙子の指先は、ジャージの股間を触り続けている。我にかえると、ジャージのゴムをショーツごと尻の下までずらし、指先は繁茂の上から恥丘をさすり始めている。 剥かれ、舐め回され、犯され、輪姦され、半身を溶かされることを想像しながら、指先は架空の男二人に成り代わり、笙子の蜜壷を順繰りに犯し続けている。 |
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| 2014.5.17掲載 |
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