はちみつ太郎 作
| ７ 車を駐車場に止めた笙子は、財布や携帯などを入れたバッグに、紫色をした巾着袋を押し込んだ。一番底に入れたそれは、通販デパートＳの商品だった。 「ただいまぁ・・・昇さん、・・・おーい、・・・寝たのかなぁ？」 リビングの扉を開けると、ビールの空き缶が数個置かれ、顔を真っ赤にした昇が視線を泳がせながら笙子を見つけた。 「あぁ、おか・・おかえりぃぃ。・・・おそか、った・・・なぁ。」 「う、ん、ごはんは？」 「あぁ、いらね・・・ビール飲んだから・・・。」 「５本も？・・・大丈夫？」 「大丈夫、でも、としかなぁ・・・だいぶ、・・・ほら、・・・ほら。」 酩酊一歩手前ぐらいのテンションの昇は、汗のにおいを落としきれていない笙子に被さった。ラグマットの上に笙子を押し倒すと、唇を重ね、妻の唾液をすする。 「ちょ、ちょ、ちょっと・・・汗流して・・・ないから・・・。」 「いいんだよ・・・な、笙子。」 「え、え、だめだって・・・シャ、シャワー・・・浴びさせてよぉ。」 「・・・いいんだって、汗の匂い、嗅がせてくれよぉ。」 「だめだって・・・くさいからぁぁ。」 「・・・もしかして、お前。」 少し目の据わった夫の次の言葉を瞬間的に想像する笙子。身構えるように首だけをもたげ昇の口の動きに注視し、何を言われても否定の構えだった。 「浮気・・・浮気か？・・・調べる。じっとしてろ。」 「えぇ、何いってるの。よいさ踊りの練習だって・・・いや、もおぉぉぉ。」 昇の指は緩めのジャージのゴムにかかり、前戯ではなく牡の感覚で一気にパープルのショーツまでずり下げた。 「や、やだって・・・。」 下半身を露出させると、ひざの裏側をつかみ笙子の股を割り開く。汗の匂いは感じるはずだが酩酊した昇は、鼻の感覚も衰えている。 「匂わないぞ、笙子。・・・どこかで、シャワー浴びてきたのか？」 少し開き気味の陰唇に鼻を当てると大きく吸い込んだ。鼻先の感覚は、昇には感じることが出来たのか笙子を問い詰める材料になる。 「濡れてるじゃねぇかよぉ。・・・どこの、誰だよ。」 「ちょちょっと、・・・そんなことされたら、・・・あんっ。」 鼻を押し当てる昇は、舌を蟻の戸渡りに沿わせ笙子の回答を封鎖した。押し当てた鼻を外すと、女露の沸きどころに舌を潜らせる。 「う、あぁぁんっ。・・・あ、あ、あっ。」 小刻みに腰をびくつかせる笙子は、舌の動きと連動した昇の頭を抑えるように髪を撫でる。その仕草は、拒絶ではなく励ましのように昇は感じ取れた。 舌先は数年来の妻の喜びどころ心得ていた。少し香ばしい汗の匂いがこびりついていそうな、大陰唇周りを舌腹で舐めると、尻の穴が窄まったのがわかる。 汗を舐め取るようにし終えたら、陰毛をへそのほうに押し上げるように皮膚を突っ張らせる。剥きあげられた陰核包皮から飛び出した肉芽は、昇の酩酊した視界にも写っている。 少し赤く向けた肉芽は、誰かの蹂躙にあったようだが、そこまでの洞察は失われていた。抉り取るように舌を尖らせた昇は、包皮と肉芽のすきまを吸い上げ、笙子の仰け反った腹の向こうの喘ぎを確かめる。 「うぅぅぅん・・・は、は、はっ・・・あぁぁぁんっ。」 息使いの荒さから、軽めの絶頂を与えたと感じた昇は、親指の腹で肉芽をこする。あまった中指と人差し指は、自分以外の侵入者を確かめるように大きく回し入れる。 「あんっ・・・あんっ・・・や、やんっ。」 すんなりと主人を迎え入れた膣肉は、答えを出すように締め付ける。 「濡れすぎ・・だろ笙子。」 「だ、だって、２ヶ月・・・してないんだよぉぉ。」 「ごめんな、浮気だなんて・・・。」 「・・・いいよ。・・・昇さん・・・フェラ・・・したげる。」 昇は、トランクスを脱ぎ去ると仰向けの笙子の胸元に腰を浮かせながら跨った。エレクトの具合は一目瞭然で、だらりと垂れ下がった物には血流の少なさが感じ取れる。 指先で根元を摩り、あまった手のひらの中で睾丸を転がすと、向けた先端をひと舐めだけして亀頭だけを口内に含んだ。 「グポッグポッグポッ。」 吸い上げ、舐め上げを繰り返す笙子は、上から見下ろす昇の視線が気になった。目を合わせながらするフェラに恥ずかしさを感じていた笙子は目を反らす。 「笙子、こっち見ながらしてくれよ。」 首を動かし、やわらかいままの茎まで咥える笙子は、昇の下あご付近に視線をやりながら舌を裏筋に添え続ける。 ビクリしない昇は、少しいらだち始めた。笙子の両耳付近を押さえると、激しく腰を打ち付ける。エレクトしてないためか、喉奥にはえづく気配もなく押し当てられる陰毛が気にかかるだけだった。 「くそ、くそぉぉ。」 前回の記憶がよみがえった笙子は、なすがままにされ続ける。昇のゆさぶりが収まるのを舌先を止めずに待ち続ける。 「やっぱ、だめだぁ。」 口内から陰茎を抜くと、ソファーにへたり込み、横たわる昇。笙子には、一分も目をくれずうつ伏せたまま飲酒の影響なのか、またたくまに眠りについてしまっていた。 笙子は、かける声を失ったが、下半身の失うどころか抑えの利かないところまで昇っていた。 汗を流すだけのシャワーであるのに、バッグごと脱衣室に向かう笙子。脱がされたショーツとジャージは脱衣かごに放り込むと、ブラとＴシャツも同じくかごに入れる。 紫の巾着から取り出したのは、河川敷の駐車場で開封した『通販デパートＳ』のそれだった。防水と書かれたステッカーを外すと、背後を気にしながら扉を開ける。 化粧を落とすと、体を一通り流し終える。洗い場に尻を着けるとスイッチを入れないままのベージュのバイブの先端を昇の舌先がした様に押し当てていく。 壁に背をもたれさせるとＭ字開脚で女壷を床と水平にする。バイブの先端は、前戯運動をする間すら与えられず、昇だけの膣肉に喰らいついた。 河川敷での予行演習とは違いダイレクトな膣肉への刺激は、二ヶ月以上もご無沙汰な牡の尖りを十分に再現できている。 車内の予行演習でしてしまったジャージの上からの振動だけでも、刺激が強すぎ使用をためらったいたが、思いもよらぬ昇から受けた牡の揺さぶりに笙子は負けていた。 先端を押し当て、スイッチ部分だけを露出させるだけでベージュの部分は完全に笙子の膣肉に埋没した。夫のエレクトより固く無機質な張り型は、自らの意思とはいえ、名も無き男に犯されているそうした錯覚を覚えるほどだった。 「あんっ。」 笙子の女壷の一番奥に張り型が訪問する。それと同時に、握った手の中で触れてはいけないスイッチをさわる。 「ブゥゥゥゥン・・・・ブゥゥゥゥン」 「はうぅぅぅぅぅっ。」 「カチッ」 数秒もたたない内に微振動は収まった。おそるおそる、ＵＢの戸を開ける笙子。無機質なバイブは抜き去り、扉の向こうの昇のいびきが確認できると戸を閉め、後ろ手に隠した張り型を再び、ポカリと口を開けた笙子の女壷に飲み込ませる。 スイッチを入れる勇気の無くなった笙子は、見知らぬ男ではなく夫でもない江藤の肉茎を思い浮かべ、出し入れを繰り返す。 「あぁぁぁぁぁぁっ・・・あっ、あっあっ。」 激しく突きあげることなく、ゆっくりと膣肉を張り型に覚えさせるように抜きさしていく。押さえ気味の笙子の喘ぎのなかにも、目をつぶると出てくる男の名前が呼ばれている。 「あん、あんっ・・・あぁぁん。・・・え、えとうせんせ・・いっ・・・あ、あ、あっ。」 背をつけていたはずの笙子はいつの間にか洗い場に横たわると、バスタブに片足を揚げ江藤の名を呟きながら昂ぶっていく。 背中の冷たさが気になると体を入れ替え、四つんばいの牝になりきり、江藤の肉茎に後ろから激しく犯されることを脳裏に描きながら張り型を操った。 「はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ、あん、後ろ、後ろぉぉぉ・・・からが、いいよぉぉ。」 夫との正常位では、満足を感じなくなっていた笙子は、想像の中で犯される江藤に牝の欲求を投げかけた。 「あっ、・・・いぃ・・・・・・いっ。」 無機質な張り型を脳内変換した笙子は、思っていたより早くある程度の昂ぶりを感じられた。背が仰け反った笙子の尻肉はビク、ビクと３、４度痙攣と収縮をすると、握力が弱まった左手からベージュ色がＵＢの床に転がった。 「ガゴンッ・・・・ブゥゥゥゥン。」 予想以上に息の上がった笙子には、すぐさまイレギュラーで入ったスイッチを止めることも出来ないくらい、火照った女体は緩慢だった。 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2013.12.23掲載 |
はちみつ太郎さんの作品群→ |
無断転載禁止！