はちみつ太郎 作
| ７５ 梅雨の蒸し暑さは地下機械室にも及んでいる。その汗ばみを舐め続けられている笙子は、綻んだ女の結界を東山に見透かされていた。 咥えこまされる筈の陰茎はトランクスに覆われたままで、四つんばいにした笙子の股間をきれいに舐め込んでいた。汗臭くかび臭い枕に口をあてがい、もれる喘ぎを押し殺していたが、限界はすぐの間に訪れる。 ショーツの股布を尻側にずらされ、尻穴から陰穴にかけて舌が這わされると、分泌に応じて声をあげさせられる。 堪える声と、漏れる声は一定で、反復を繰り返しているが割合が変わり始めた頃には尻穴への舐めが時間を割いてることを笙子は判っていた。 「あぁぁ、あぁぁ、あぁぁ、あぁぁ、ぁぁぁぁっ・・・だ、だめですぅぅ。いやぁぁぁぁんっ。」 笙子は尻の穴に舌先が少し埋まる感触を覚える。すぼめた東山の舌先が括約筋を押しのけようとしていた。その感触は初めてではない。 フリーにされている手で押しのけることは容易だが、笙子はその両手で敷布団を掴み、むせび泣かされることに耐えるしかなかった。 恐らく舌先を、爪の大きさほどは侵入していた。開くことはないが、排泄口から抜ける空気などを気に病んだ。 「に、においますっ・・・からぁ、やめてくださいぃぃ、・・・はずかしいぃぃですからぁぁ。」 「あぁ、少し臭うな・・・だが、嫌いじゃねぇぜ、・・・笙子先生の匂い。」 「や、めてっ・・・いわないでって。」 「あぁ・・もっと舐めて欲しいんだな・・・しゃべらずに、舐めてろってことだ・・・尻の穴を。」 「そんなんじゃぁぁぁぁぁ・・・・んっ・・・あぁんっ。」 曝け出されたままの淫穴と尻穴は、交互ではなく東山の狙う方、そして、未知なる開拓者を受け入れる準備の調いかけた笙子の望む方へと責めが続いている。 「笙子先生・・・排卵日・・・いつだ？」 「そ、そんなこと・・・答えられませんっ。」 「生理開始は・・・この前は？・・・８日前か。」 「・・・。」 「だったよな。・・・じゃぁ、今週土曜頃からかぁ・・・。」 「し、知りません・・・何を企んで・・・ま、まさか。」 「さぁな・・・よし、今日はここまでにしてやるよ。・・・次は、土曜日まで開けてやる。準備のためになぁ。」 笙子は東山の企む顔を四つんばいながらにのぞき込んだ。東山は丁寧に笙子のショーツを元に戻すと、尻を何度も撫でながら、念仏のように唱えている。 「いい子を・・・孕めよぉぉぉぉ。」 「し、しませんっ・・・土、土曜日は・・・。」 「何、？」 「だ、だから、・・・土曜日は・・・出来ません。」 「じゃ、残りの２千数百万・・・支払うか・・・あの動画、顔モザなしの住所公開で・・・神足組のしのぎにさせてもらっていいんだな？」 「・・・避妊をしていただけるなら・・・。」 「そんな楽しくねぇこと・・・するつもりか？」 「楽しいとか、楽しくないとか・・・の、・・。」 「問題じゃないわなぁ・・・まぁ・・・首、いや・・・お○ことア○ル洗って待ってろ。」 笙子は東山に声をかける。振り絞るように小声で東山の狙い通りの言葉を発してしまう。 「お、しり・・・お尻で・・・しますから。」 「何を？」 「お尻で・・・エッチを。」 「ほぉ・・・そうか、そうか、・・・決まりだな、排卵日限定のア○ルファック。」 「・・・。」 笙子はすぐに顔を敷布団に伏せる。東山は耳元でア○ルを使う心得を伝え続けている。四つんばいの尻を撫で回され、終いには、終わったはずの責めを繰り返すように中指でショーツ越しのア○ルを揉み解していた。 東山が出て行くと、笙子は圧迫され続けたショーツの食い込みを直すようにしてずらす。圧迫を受けていない生殖器は、それに連れられたように滑りを感じている。笙子は、水シャワーでその火照りと滑り両方を洗い冷ましていく。 が、一向に笙子の女の芯は冷めることがなかった。シャワーの流水は少し勢いがない。渇水なのか、チョロチョロとしか出ない流水に気を妬かす。 洗面器に溜まった水を手で掬い、浴びせるように股間にかけるが火照りを収めるほどの機能は有していない。 少ない流水をかけ続けた笙子は、いつもの倍くらいの時間をかけようやくシャワーのコックを閉じる。エプロンを外し、再びショーツとブラを装着すると、後ろからの声に反応を大きくした。 「決まったのねぇ・・・笙子先生。・・・ここ、使うこと。」 「・・・し、したくてするわけじゃ。」 「そうよねぇ・・・排卵日を目掛けられたら・・・たちまち・・・産休保育士が増えてしまうもの、ありがたいわぁ。他の子もお尻をメインにすれば・・・ねぇ。」 「・・・。」 「東山さん、土曜まで・・・来ないんですってね。」 「そ、そうらしいです。」 「４日間・・・解しておいたほうがいいわ。・・・ア○ルプラグとか、ア○ルビーズ・・・持ってる？」 「そ、そんなもの・・・あるわけ・・・。」 「ないよねぇ・・・でも、受け入れを承諾するんだもの・・・何かしらの準備がなかったわけでもないのでしょ。」 「し、しりません、そんなことは。」 「だってぇ・・・色男に、数パーセントの望みを告げてたじゃない・・・ア○ルエッチの可能性を。」 「あ、あれは・・・。」 「これ、使いなさいよ。・・・プラグだけど・・・未使用だから・・・小さめだし、笙子先生に合うサイズよ。」 「こ、こんなもの・・・いりませんっ。」 「いいの？・・・お尻・・・裂けてからじゃ遅いわよ。慢性化するし、お尻の手術・・・肛門科なんて男の先生しかいないのよ。・・・それでも・・・いいのねぇ。」 「・・・。」 笙子は、床に穴が開くほど視線を浴びせている。否定していることを否定しなければいけない境遇をどう誤魔化すかに脳を回転させているからだった。 「さっきも言ったように肛門科は、たいてい男よ。しかも、すけべぇな爺っ。・・・穿り返されて、お○んこの穴も弄られるんだからぁ。・・・それでもいいのね。」 「お、お借りします。」 「使い方？・・・判るわよね？」 「な、なんとなくっ。」 「ま、他に想像つかないけど・・・使ってると、驚くほど便通が良くなるの、気をつけなさいね。あなた用の紙パンツは上の園でも用意してないからね・・・ハハハハッ。」 軽口を叩いた佐々木は、笙子のバッグに隠すことなくア○ルプラグを押し込んだ。露出しそうな感じで入れられたので笙子は、一番奥まで入れ、蓋をするようにハンドタオルなどを上にした。 笙子は、着替えを終え保育園を後にすると晩御飯の買い物にスーパーを訪れた。バッグの中身を家に預ける前にスーパーを訪れたことを意識してしまう。今日必要なものを、バッグの中のア○ルプラグが忘れるように仕向けているようだ。 誰かに覗かれている、バッグの中身を覗かれている錯覚は、尋常じゃない腋汗が物語っている。黄緑色のスポーツブランドのロゴ入りＴシャツの腋の染みは、惣菜売り場に群がった半額待ちの大学生や、独身肉体労働者の視線を釘付けにしている。 一人一人別の狙いを持った男達には会話はないが、暗黙の了解のように笙子への視線を各々が浴びせている。 半額札を貼られる瞬間よりも釘付けられた結果は、それに気を奪われない主婦だけが狙いの半額商品を奪い去っていった。 笙子はその視線すら、カバンの中身への蔑みのように感じている。呼吸が苦しいわけではないが、視線に押し込まれるように買い物途中で、女性トイレに駆け込み洋便器にしゃがみこんだ。 「みんな、見てる。・・・しまわなきゃ。・・・これ、・・・しまわなきゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 レジで精算を終えた笙子は、レジ袋ではなくエコバッグに商品を入れると周りを少しだけ気にし、自動ドアをすり抜けた。 「すみません・・・奥さまっ。」 呼びかけられ肩に手を当てられた笙子は、後ろを振り返らざるをえなかった。振り向いた先にはネクタイをしていない４０代の男性だった。 顔に覚えのない男は、笙子にあることを告げる。 「レジ通ってない商品・・・ありますよね。」 「え・・・な、なんの事ですか？」 「人目もありますから・・・事務所まで来ていただけますか？」 「どういう件で・・・？」 「ですから・・・事務所で・・・お話を。」 「な、なにかの、間違いでは？」 「ま、目立ちますので・・・中で、確認を。」 笙子は、連れられるように外トイレの脇から事務所の入り口に引き入れられた。座った会議椅子の前にテーブルがありそこにエコバッグとハンドバッグを置くように命じられる。 たじろぐ笙子は、エコバッグの中を曝け出し、レシートと中身の商品を調べるよう男に言った。 「えぇ・・・恐らく、この中の商品は、間違いなく精算済みです。」 「じゃ・・・帰らせてもらいますよ。」 「そうじゃなくて・・・ハンドバッグ・・・そちらなんですよ・・・ね・・・奥さん。」 「・・・こ、これは、お見せできませんっ・・・だめです。」 「警察を呼ぶしかないのですが・・・よろしいですか・・・そうなると・・・旦那さん、職場にも連絡が行くと思いますが。」 「・・・。」 観念したようにバッグから手を離した笙子。取り上げるようにした男は、中から、財布、化粧ポーチ、携帯電話などを取り出した。中から見せつけるように、レジの通っていないリップクリームが取り出される。 見覚えはないと、顔を横に振るが、糾弾を強める顔になった万引きＧメンの男は、笙子の余罪を探すようにカバンの奥を穿り出していく。 男は、店内の商品ではない、シリコン素材のア○ルプラグを取り出した。手に取りながら、笙子に問いただす。 「これ？・・・どこに入れるんですか・・・どういう風に・・・で、どうなるのですか？」 「・・・。偶然入ったんです・・カメラに写ってないですか？リップクリームなんて手にしてないし、・・わかりません。」 「リップでなくて・・・質問は、これの使い方と、使い道。」 「わ、わかりませんっ・・・そ、そんなもの。」 「奥さんのバッグにあったんだ、知らないというなら、他のお店でパクッたものでしょ、常習性がうかがい知れるね・・・尚更、警察のご厄介に。」 「し、しりませんって、言ってるじゃないですか。」 「事実は事実・・・まぁ・・・事実を知っているのは私だけですけどね。」 「・・・。」 「奥さんも・・・大人の女・・・男の欲すること・・・ご存知だよねぇ。」 催眠にかけられたように笙子は男の持っているプラグを隠すように奪い、手の中に収めると、踏ん切りのつかない仕草で、握り締めている。業を煮やした男は、携帯を取り出し、登録された警察署の番号を笙子に見せつけ、促すように視線を送る。 軽く頷いた笙子は握り締めたプラグをテーブルの上に置くと、意を決し、ブルーのジャージのゴムに手をかける。ショーツごと太股の中ほどまでずらすと、男は指示するように体を乗り出し、椅子の上に膝立つように言う。 頷くことなく笙子は、膝を椅子に乗せショーツにも隠されていない双尻の白さを男に見せてしまう。顔をうつむかせ、テーブルの上のア○ルプラグを手に取ると、きつめに閉じたままの尻肉にプラグの先を食い込ませた。 「そうか、もしかしたら、その穴にも何か隠してるかもしれないなぁ・・・どれ、見せてみろ。」 男は、笙子の椅子に近づくと下から覗き込むようにし腰をかがめている。笙子の手からプラグをつまみ取り、先端の部分を口に含み唾液をまぶせつけると、尻肉を裂くようにしてア○ルに突き当てた。 ぬるっと入り込む感覚は、想像と違うものだった。入り込み蓋をされた感覚の笙子は声をあげ忘れるほど力が抜けてしまった。 「コンコン・・・。まり、誰か入ってるから・・・違うところまで、おしっこ我慢できる？」 「うん、まり、お姉ちゃんだからできるよ・・・中の人・・・うん○？」 「しー・・・そういうこと言わないの・・・行こっ。」 手をつながれた親子は、別の店のトイレに向かう。その声は我に戻すのに十分な声だった。 笙子は、手に持ってしまっていたシリコンプラグが太股の間にあるのを見つめ、再び我を忘れる思いをしていた。 |
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| 2014.6.21掲載 |
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