はちみつ太郎 作
| ８２ 来るものがこない。未婚のものは悩み、既婚のものは喜びを隠すことなくパートナーに知らせるだろう。花梨のパートナーはまだ田山だった。 「田山先生。・・・生理が、・・・・こないんです。」 「おめでとう、春村先生。おそらく・・・８週目だね。」 「・・・、これで、終わりにしていただけるんですね。」 「あぁ、・・・その代わり、出産までは僕に付き合ってもらうよ。佐々木園長から聞いてるよね。」 「はい、承諾はしました。」 「もっと、悩んでくれるかと思ったが・・・いつ籍を入れるんだい？」 「決めてません。・・・あの人にもまだ。」 「卵子を採取した日の次の日だよね、蓮くんだっけ、その子のお父さんと性交したのは。」 「はい。そうです。」 「生でもしたんだよねぇ。淫乱な女だと思われただろう、こんな純な花梨を、そうみてるんだろうなぁ。」 「そ、そんなことありませんっ、そんなこと。」 田山は、診察室の椅子を軽く蹴飛ばすと、嫉妬の目を花梨に見せていた。花梨はその目を見続けることが出来ないでいる。 「おろしてもいいんだ。・・・なんなら、下ろした後に、すぐ体外受精してやろうか？・・・何度も、繰り返してもいいんだ。」 「ごめんなさいっ。・・そんなこと、しないでください。」 おびえた目を田山に見せると、花梨はうつむき、田山の次の行動を待った。椅子の向きを医者と患者の位置に戻し、距離間をそのようにする。 「すまない、嫉妬かな。・・・恥ずかしいね。」 「ご、ごめんなさい。」 服従の証のように花梨は、椅子から尻を離し、地べたに土下座して許しを請うていく。 「いいんだ、春村先生。」 肩を抱かれると、椅子に座らされハンカチとティッシュを渡された。鼻と目を拭い、手の中に汚れたティッシュを握り締めると田山の答えを待っていた。 「次の検診のときは、母子手帳をもらえる手続きの届けを渡す。・・・旦那の名前は要らないが、・・・どうするんだ？」 「・・・、今日、・・・伝えてみます。」 「蓮くんのお父さんに・・・だよね。」 「はい。・・・」 「蓮くんの父親からのＳＥＸ・・・どれ位の頻度で、求められてる？」 「・・・週一です。」 「正直に言うんだ。」 「本当です、休みの日に、・・・日曜日に、ご飯を作りに行って・・・その日だけです。」 「そうか、・・・１９週、・・・今が、８週目だ、・・・１０月終わりくらいまでは控えるんだ。得意の口か・・・もう一つの穴を使ってもいいが、あまり動くんじゃないよ。」 「慰安保育園にも・・・伝えていただけますか？」 「俺から伝えろと？」 「はい、じゃないと・・・他の保護者さんと・・・。」 「あぁ、口だけでするよう伝えてもいいが、・・・誰か、暴走しそうな父親もいるのか？」 「はい、・・・すみかちゃんのお父さんとか。」 「あぁ、わかった。・・・佐々木園長に伝えておく。シフトを、立川先生と行田先生に増やしていただくよ。」 「・・・。」 「あの二人に、悪いという顔だが。」 「い、いえ、お願いします。」 「君は、母親になるんだ・・・遠慮することはない。あの二人も母になるときがくるとわかってくれるさ。」 花梨は、うつむいて頷くだけで田山に情けない顔は見せないでいる。 「今日は、どうするんだ？蓮くんの父親の家に行くのか？」 「はい、・・・・。」 「求められたら、どう答える？」 「・・・口で、します。」 「その前に・・・俺のもしてくれないか・・・身も知らぬ男に花梨を供えると思っただけで・・・・こんななんだよ。」 田山は、白衣の前を外し、スラックスのファスナーを軽く下ろしただけで、後のことは花梨に任せた。半開きの花梨の口は、トランクス越しに早くも亀頭を見出し、口にほお張ると、唾液を分泌させ仰け反る田山に広田との許しを請うていく。 慰安保育園での笙子は、東山にア○ルセックスを施されてから一月半が経過している。回数にして７回。全て避妊具つきで行われていた。 ７回目をした二日前、初めて味わった生挿入でダメージを食らったのは東山だった。尿道に痛みを感じ、田山の診断は単なる尿道炎。２週間の禁欲を命じられている。 キツク当たられるのを覚悟していた笙子は、東山の態度に面食らう。与えられた試練は、尻の穴を簡易的に洗浄するＡクリーンと呼ばれるノズルのついた蛇腹式の洗浄キットだった。 尿道の腫れはいまだ引かない東山は、笙子に簡易ベッドの上で四つんばいにさせ、Ａクリーンのノズルを肛門にあてがわせている。洗浄液の入れた蛇腹を押すと、括約筋を窄ませ直腸に入る液に抵抗していた。 「笙子先生、やる前だけじゃなく、毎日しろよ。」 「・・・。」 笙子には強制されるいわれは無い。ましてや、施しをしなくていい環境を作れるのには持って来いだった。だが、それを許すほどの男ではない。 「おい、次、笙子先生の尻で尿道炎になったらよぉ、ただれたち○こで中出しして、孕み祭りだからなぁ、上手くいかんでも子宮内膜症あたりで孕まねぇ体にしてもいい。」 「し、します。だって、今回は、こんな物があるなんて知らなかったので、お許しください。」 「あぁ、いい、わかればいい。どうだ、洗浄液・・・入ってるだろ。」 「はい。・・・出すのは？」 「その洗面器にひりだせ・・・おしっこポーズでな。」 蛇腹をつまみ内容物を直腸内に押し入れたのを確認すると、ノズルを抜き取り東山にあてがわれた洗面器に跨るようにする。背後を向きたかったが、許されるわけ無く、東山の目の前にしゃがみ生殖器を露出させると、あてがわれた洗面器に内溶液を噴出させた。 少し茶色がかるかと思った笙子は、液体を見つめると洗浄液そのままの色で安堵する。納得のいかない東山は、余興を続けろといわんばかりに笙子をはやし立て、しゃがんだままで内溶液を含ませたＡクリーンを手渡された。 何度となくＡクリーンを肛門に差し入れと吐出しを繰り返すと、跳ね返りの洗浄液ではないものが笙子の生殖器にきらめいていく。笙子はそれに気がついている。東山も同じだった。 その湿りを、はやし立てるわけでなく、東山が笙子を見つめると目は泳ぎ、視線は宙に浮く。 「いつものようにしてみろよ。・・・旦那にしてもらえねぇんだろ？」 「・・・。」 出来ないと首を横に振り続けるが、東山は声を荒げるでもなく、笙子に催眠を施すように目を見つめ、手を握る。手首は抵抗なく東山に操られ、指先は開き気味の陰唇に触れさせられる。 操られたのはそこまでだった。手首を解放すると指先に女の神経が行き届き、陰唇の根にある包皮の中の豆粒をこする。指の腹でこする。中指は摩る以上に摩擦の具合を早めている。 下を向き喘ぎをこらえるさまに東山は、見とれてしまう。落としたのは江藤、自分はまだ落としているわけではない。恐怖で支配しているだけに過ぎなかった。それは自覚している。 尿道炎を気にして、血流を別の血管に流そうとするが笙子の指先を見つめるとそうは上手くいかない。笙子が目を閉じた時だった。指先は２本に揃えられ、マグロの赤身をつかむように潜り込んでしまった。 「あぁ、あぁ、あぁぁぁ、み、みないでくださいぃぃ。」 「見ていてやるよ。奥の奥まで、・・・お○この中身じゃない。笙子先生の心の奥だ、さぁ、曝け出せよ。」 Ａクリーンは股の下の洗面器のなかで少し泡立った洗浄液にまみれている。東山の声に先導されるように笙子の陰唇から伝わっていく陰水は、その中に落ちていく。 出くわすはずのない腸液と膣液は、性門として扱われるようになってそれぞれの存在に気がつき、争うようにして分泌を促され続けるのだった。 向山と河は、結論付けを急いでいた。 「奥さんと、そのぉ、企業舎弟の男は・・・不倫ではなく従属的な関係に落とされている。」 「もう、そう結論つけてもいい時期だと思います。」 「江藤が女衒で、保育士たちをその企業舎弟から神足組に供されているのは確実なのね。」 「はい、・・・江藤が撮った、動画をネタに園内で売春行為をさせているんでしょう。」 「河さん・・・どうする？」 「・・・、こればっかりは・・・踏み込んでも、・・・何も出来ませんねぇ。」 「これ？」 向山は手を上げてみせる。 「そうですね・・・お手上げ。・・・警察に知り合いがいないわけでもないが4課でもないし、神足組じゃ、正式な被害届でもないと手を出さないんじゃ。」 「警察に知り合いがいれば・・・なんとかってこと。」 「所轄程度では、踏み込めもしない。内定やらなんかに時間とられて・・・奥さんも、・・・廃人か、一歩手前か。」 「動画をさらされている女性もいるのよね。・・・その人の協力は？」 「無理でしょ、その程度の事件なら、下っ端を脅迫程度で立件するくらいだし、その女性は間違いなく消されます。そうすれば、今、かごの中にいる鳥も・・・焼き鳥かブロイラー。」 向山は引き出しの名刺入れを探り、一枚抜き取ると河に見るように差し出す。 「これじゃ・・・だめかしら？とっておきの人物。」 「先生、・・・・こんな駒、持ってるんですか。現状の・・・飛車と角じゃないですか。」 向山は河にその名刺を渡すと、アプローチの電話を名刺に記されている番号に掛けた。何コール目かに男の野太い声がした。 「はい松山です、あぁ・・・向山先生ですか。・・・お久しぶりで、えぇ、万事順調で・・・１２月には、はい、男の子ですよ。」 「それはよかった。・・・ところで、相談があるの。・・・松山さんって・・・今どこの所属？」 「え、あぁ、今は、４月から県警本部です・・・本部捜査４課の課長補佐です。」 「あら、昇進ね。でも、怖い人の取締りね。」 「えぇ・・・あいつら、何かご迷惑を？」 「まぁ・・・ある人の相談にのってくださらないかと。」 「先生の頼みは断れませんよ。・・・子供も授かれたし・・・あっちのほうも、元通りに・・・あ、これは失礼、セクハラまがいですね。」 「大丈夫・・・じゃ、・・・・後ほどこの電話に、河という者から電話をさせます。相談に乗ってくださいね。」 「えぇ、・・・では。」 河は、名刺の番号をメモし向山の研究所を後にする。ある程度の構想は、描いていたが本部となると自分の出る幕はないのではと考察していた。その恩恵の報酬も桁が一つ下がるのは致し方ないと河はため息をつく。 だが、笙子の笑顔、それが取り戻せるなら安い物だと考えを改めながら、松山の番号にダイヤルし始めていた。 |
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| 2014.7.7掲載 |
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