はちみつ太郎 作
| ８５ 次の一日が始まっている。 須山に交わりを許した笙子は、帰宅するなり再びシャワーを浴びた。膣洞を洗浄し、流水で流し終えると、涙顔も同じく流しきる。 受精行為は免れたものの、昇の知りえる人物に体を許したことは、耐え難く精神にダメージを与えていた。部署はちがうものの、顔を合わせれば挨拶以上の会話をする人物である須山は、東山以上に怖さを感じてしまう。 その気持ちからか、２回におよんだ交わりでは時間すら記憶が薄い。０時に来た東山は、笙子をそのままにし須山だけを帰宅させると、タクシー代を放り投げ、自ら帰宅するように促されただけだった。 ラブホからどうタクシーを呼んだのか呼ばれたのかわからないまま、入り口から少し離れたところに迎車のタクシーに乗り込んだ。 運転手からは、話し掛けられることはないが、ミラー越しに顔をチラ見され続けた頃から、笙子の普段の感性は戻ったのかも知れない。自宅前まで、横付けすることをしなかった笙子は、降り際に言われたタクシー運転手の言葉が耳に痛い。 「商売女、・・・釣りくらい恵んでくれよ。」 あそこで拾われる女の素性は彼らの小腹を満たすほどの恵みになっているんだろう。それをしなかった笙子は、さげすまれると同時に、自宅を見られることなくすんだのが幸いだと感じた。 商売女という言葉が耳の中を行き来し続け、布団に潜り込んでもなお運転手の声色まで鮮明だった。慰める気持ちと、粗末な性行為をわ忘れるために行き着いた先は、日課にすべしといい聞かされ続けているアナニーだった。 つめ先をきれいにしている保育士は、指サックをすることなくショーツとズボンを膝までずらすと素爪先をしわに這わせ、陰唇付近の濡れを纏わせ、立ち入り禁止の札を取り去った。 中指は、緊張感を無くている括約筋を通り過ぎると、腸液で充満してそうな直腸壁を傷つけないように出し入れを始めた。それだけでは笙子のむさぼられる女の変化に対応できていない。 あまった親指は、腸液より湧き出しの多い膣洞を再整備するように赤い粒粒の膣肉のメンテナンスを施している。親指はいつも以上に力強く腸壁を押す中指と意思をあわせている。 仰け反りと折れ曲げを何度も繰り返す背筋は、布団を跳ね除けると、大きく開脚をし、むさぼるように二つの穴を慰め続けてしまう。 括約筋をくぐったままの中指は動きを止めている。もう一つの中指が連動してＧスポットを責め立てるそのときは、笙子は寝転がるのをやめ、背を壁にあて、達磨のように座っている。 Ｇスポットと括約筋の関係を知ることになった笙子。吹き出しそうな潮を我慢すると、括約筋は盛り上がり中指を排泄しようとするその動きに、笙子は自らでやり切れる絶頂をもたらすことを知ってしまった。 我を忘れるように何度もそれを繰り返していると、保育園の昼寝のおねしょを思い出すくらいの染みがショーツを滲ませていた。 敷布団にまで滲みてしまうことを考えないくらい、むさぼるようにしたＧスポット責めは、未だ誰にもされたことがない自分だけの窪みをつかんでしまった。だが、二本責めの良さを誰にも伝えることは出来ないが、知ってしまった笙子の女は、広がりを覚えてしまったことを後悔しているようだった。 代休だったその朝。帰宅した昇は、笙子の体をまさぐり始める。帰るなりシャワーを浴びると、Ｔシャツを着ることも無く、トランクスだけで笙子のねどこに潜り込んだ。 会話をすることなく昇は笙子の体を摩るだけ摩る。Ｔシャツ、ジャージを脱がせると下着だけの形でまさぐりを再開した。拒絶の意思は無いわけではないが、須山との交わりを帳消しにしたい笙子は、昇の衝動を受け入れた。 「笙子、触ってよ。・・・な、・・・。」 「うん、どうしたん？」 後ろ手で先端から根元まで触ると笙子は、昇に聞いた。いつもとは違うその滾りは、疲れている笙子に対してはあまり気持ちのいいものじゃない。 「すぐでも、いい？・・・入れても。」 「う、うん。・・・上になろうか？」 「いや、このままでいい。」 「あんっ・・・。」 昇はいきなりの突き刺しの前に夫婦とはいえ礼儀の範疇で指先で濡れ具合を確かめた。陰唇の周りは湿気を感じ、貝殻の中身は、熱量を感じさせるほど湧き出していた。 「どうしたん、これ、笙子？」 「ん、うん、・・・したい気持ちかもしれん。」 「そうかぁ、・・・生でもいいよな。」 「うん、昇さんに任せる。」 「出来ない日だよな。」 「うん、そう思うけど・・・・あんんっ。」 笙子は先端が分け入るのを感じる。いつも以上の硬直振りは笙子にもわかった。背後から交わることはあまりない二人。屹立の先端がすぐ抜けてしまい、それを繰り返すのが面倒臭かったからだ。 尻肉を大きく割る昇の手は、笙子のショーツを横にわけさせている。昨日の出来事を笙子は思い出しそうになるが、昇の先端をくわえ込んだ膣肉はそれを忘れさせてくれた。 ぬめりと柔肉の感触はスムーズに挿入を完了させ、昇には興奮を作用させている。腰をつかむとすぐにひきつける様に何度もたたき付けている。１０から２０突くと、休むように陰茎を笙子の格納庫に収めたまま笙子の性のスイッチを転がしている。 ブラを外さず、乳首だけをカップからはみ出させるのは昨日の須山と同じだった。教え込まれたように同じような動きは、気がつくことを恐れさせる。須山との一夜を知りえない昇に見透かされているようだった。 声を上げてしまうタイミングも、昨晩と同じで、休み中に転がされ続ける乳首から発信される性電波は、子宮の収縮を促していた。 乳首の責めを止められると再び揺さぶられるように腰を振らされ、ぎこちない腰振りでも笙子の女は反応し続けていた。はぁはぁと息を荒げていた昇は笙子の耳元でささやく。 「あぁ、すげぇぇいい。」 「あん、んっんっんっ・・・ひぃ、ひぃ、ひぃぃぃ、あぁぁ、うん、・・・いいぃぃよぉぉぉ。」 「ああ、しょうこぉぉぉぉ、・・・。」 背後から抱きしめると反転させるように笙子を仰向けにする。顔と顔を見つめあった夫婦は、同じ思いを口にする。 「うん、いいぃぃ、すごぃぃ、いいよぉぉぉぉ。」 「あぁ、・・・あぁ・・・顔、・・・に出してぇぇ。」 「うん、うん・・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ。んんんんっっっ。」 突き上げを食らう笙子は、昇に頭を抑えられると、固定された女の体で本来のご主人様の仕打ちを受け入れていく。告ぎあげた挙句、抜き去られた陰茎は昇に握られ消火活動のようにホースを火口に突き立てる。 しごく回数度で、ほとばしりは笙子のあご、はな、眉間を汚すと押し込むようにホースを火口に飲み込ませていった。 「あげぇぇ、ぐぅぅぅ。」 口内に放り込まれた昇の陰茎は、口内を蹂躙するように今だドクドク、子種を放出し続けている。笙子の火口を消し去ることを念頭に入れているように、絶え間ない放出は再び昨晩の須山の放尿を思い出させた。 息の苦しさを覚えた笙子は、昇の太ももを何度か叩き、ホースを外すように求めた。ホースを抜き去った昇は、見せ付けるように屹立したままの陰茎を笙子に見せている。 「はぁ、どう、笙子。・・・これ。」 「はぁ、はぁ、どうって・・・どうしたん？」 「会社の人間に、エナジードリンクを分けてもらったんだ。・・・それ飲んだら、帰るまでにこれ。」 「市販品？」 「あぁ、市販品の・・・少し高いやつらしい。・・・もらい物らしくてさぁ、その人も。」 「そうなんだ、・・・犯罪性のあるのじゃないよね。」 「だと、思うけど・・・もう一回いけそうだけど・・・。」 「え、・・・ちょ、っと、私がきついかも。」 「そうか・・・寝起きだもんなぁ・・・でもさ、笙子・・・・すごいヌルヌルだった。・・・夜、した？」 「あ、うん・・・ちょっと・・・うん。寝れなくて。」 「指？・・・ローターちゃん？」 「指・・・はずかしぃぃから。」 昇の指の動きをはじくように笙子は手で押しのけた。その隙に再び火口にホースを近づけると、笙子は望みどおり昇の亀頭を口に含んでいく。 舌をからめながら亀頭を掃除していくが、それも須山へした口淫を思い出させた。舌の裏にはまだ恥垢が残っているように感じる。笙子は昇の顔を見上げると尋常じゃない汗の量に不安を覚えていた。 「すごい汗。」 「エナジー効果かなぁ。」 「なんか、すごいね。」 「バイアグラ的な感じなんかなぁ。」 「お医者さんに行かなくても良さそ？」 「このままならなぁ、今度、聞いてみる。このエナジードリンクについても。」 笙子は舌先だけで亀頭を喜ばせていくと、こぼれるようにドクドクと薄めのカウパー氏腺液があごの上に垂れ下がっていった。 「だらしないくらい、でてるなぁ、・・・歯止めがきかねぇぇ。笙子、尻、向けてくれよ。・・・な、なぁ。」 笙子は、大きくため息をつくと体を持ち上げ、昇に尻を向ける。昇は、ショーツを下げることなく須山と同じようにまた、尻を覆う部分を横わけにし、覗いた陰唇に指を触れさせると、狙いを定めるや否や、簡単に挿入を深くさせた。 突き上げるたびに自らの怒張具合を問いかける昇に、少しうんざりしながらも、久方ぶりの夫婦の交わりに、一方通行の交わりを忘れさせてくれることを願った。元気の源であるその微量コカイン入りエナジードリンクの差し入れ人が、須山を介した東山であることを知らずに笙子は昇を受け入れ続けていた。 |
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| 2014.7.14掲載 |
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