はちみつ太郎 作
| ９０ 送迎バスは園児を親元に戻すため経由地を回っている。その夕方の担当で乗っていたのは笙子で、運転手は樋口だった。真知子の身請けを知った笙子は、いつもなら補助席に座るはずが、一つ斜め後ろの普通座席に座っていた。 樋口はいつもと比べよそよそしさを感じながら、笙子に問いかける。 「立川先生、どうしました、・・・今日は後ろで。」 「あ、はい、ちょっと、風邪気味でうつすといけないし。」 嘘か真か、中身は筒抜けだった。隠し事、と言うレベルではない笙子らの真実を樋口は、言ってのける。 「私はね、真知子先生より立川先生、あなたのほうが好みだったんだけどねぇ。」 「え、・・・。」 保育園バスは、いつもの送迎ルートを外れ、県立公園の奥にある人目を避けた駐車スペースに止まる。予期してないのかしていたのか、笙子は行き場を失った状況で樋口の行動を制することは出来ないと悟っている。 抗う様子もない笙子に樋口は後部座席に移動するよう言った。笙子は、身じろぎすることなく一番後ろの座席にまで移動し、樋口が横に座るのを視線を外して待った。 後部座席から見える風景には、木枯らしが吹いているだけで、他の駐車車両は見当たらない。肩を抱き寄せた樋口は、笙子の耳元で愛ではなく、蔑みの言葉を並べた。 「竜神くんのお父さんのは、太いんだってねぇ。・・・それを、この、小さい穴ぼこに受け入れるなんてなぁぁ。」 「や、やめてくださいっ。」 抱き寄せた肩口から下に手を下ろし始め行き着いた先は、肌触りのいいジャージにくるまれたヒップラインだった。直にアナルを触られたわけではないが、樋口が知っている東山の行為の数々を知ると、触られている感覚から弄繰り回されている感覚を覚えてしまう。 「立川先生、あなたのヒップラインが私のコレクションでは一番でねぇ。」 樋口は、簡易的なシニア向けのスマホを見せ付けると、笙子にあるサイトを見せ付けた。笙子は、神足組のサイトではと、たじろぐが見せ付けられたサイトはそうではなかった。 掲示板的なサイトをスクロールする。見たことのある車内や、園の周りの風景のなかにある保育士たちの後ろ姿にコレクションと言われた自分たちの存在を目にした。 「これ、こんなものを、投稿するなんて。」 「人気でね・・・見てくれ、こういうコメントがうれしいんだよ投稿者としては。」 笙子は視線を外したため、耳元で樋口の言葉を受け入れさせられる。 「この保育士エロ尻ですね。あぁ、俺、保育士になりてぇぇ。」 「や、やめてください、馬鹿にしてるんですか。」 「閲覧したやつらの声だよ。・・・運ちゃんさん、毎日、投稿してくださりありがとう。保育士たちのエロ尻見れて、毎日仕事がはかどります。・・・だって。」 「ば、馬鹿にしないでください。」 「日本人の活力になってるんだ、誇りを持ちなさいよ。」 樋口は、再び尻を撫でていく。笙子は、その手を振り切れず、手の甲を抑えるだけしか出来ていない。 「極端な抵抗は見せないねぇ・・・さすが竜神くんのパパさんの隷女。」 「・・・、何が、目的なんですかっ。」 「さすが物分りのいい。・・・これだよ、・・・これ。」 笙子は見せられた画面のなかに仕事中の女性たちのお尻のアップ画像を見せられる。性交や、性的なしぐさではない構図に安堵してしまうが、投稿される事実は防ぎようがないだろうとも感じていた。 「こんなのを・・・。」 「これでいいんだよ。・・・暗くなるのが早いんだ、さっさと言われたとおりに。」 笙子は、承諾をこめて頷くと、樋口のほうに尻を向ける。樋口は、構図をいろいろと指示し、バスの座席に膝たたせたうえに尻を撫で上げるようにすると、ジャージを太ももまでずらした。 「や、やめてくださいっ。」 「食い込みを直してるんだよ、、こう、これ・・・笙子先生、たまにＴショーツ穿いてるだろ。あれはやめろ・・・興奮が半減する。」 ショーツにくるまれた中身に興味を示さないのか、食い込みを直すとジャージは元の通りにし、浮き出たショーツのラインを愛おしそうに指でなぞっていく。 構図を決めると、持ち出したカメラで盗撮風にシャッターを押す。シャッター音は聞こえない。普段から聞こえていないのは、そのときに理解できた。 いろいろな構図をさせる樋口が一番興奮していたのは、運転席から取った絵だった。前側の降車口に手を伸ばし、尻を樋口に向け突き出したポーズだった。 笙子の動きを何度も制し、撮影会を終了させる。園に戻ることを促すが、携帯に転送させた画像を吟味し、笙子に投稿のボタンをクリックさせる。拒否した一度目は、顔入りを投稿すると脅され、しぶしぶ、促されたように投稿を続けた。 補助席に座らされた笙子は、エンジンがかかったバスの行き先を確認する。 「樋口さん・・・もう、帰りますよね。」 「帰りたくないんか？」 「帰ります・・・おかしいと思われますから。」 「思われないんだよ、車の修理をお願いしてる。」 「なら、なおさら、早く帰らなきゃ。」 「修理工場には、連絡を入れてあってね、・・・自分で直したと・・・だから、まだ、２時間は大丈夫さ。」 樋口は、笙子の尻の画像を見ながら股間を触っていた。何を言い出すかは、９０パーセント当たっているようだった。ファスナーをおろした樋口は、ズボンとトランクスを膝まで下ろすと笙子に語りかけた。 「わかるよなぁ、慰安保育士さんなら。」 「そういう呼び方はやめてください。」 「気分を出せってことか・・・笙子先生、いや、笙子。」 「やめてください、そんなこと、・・・しませんから。」 「顔入りの投稿をしてもいい、・・・真知子はそれを承諾してるんだ。・・・ま、わからん程度の横顔だけどな。」 「・・・。」 顔を縦に振らない笙子に、助け舟、ではなく譲歩案を打ち出した。 「どうだ、この投稿のコメント返しが来るまで咥えるってのは・・・ま、それまでに出てしまえば、・・・そこで終わりだ。」 笙子は、どうしようもない選択肢しかない樋口の言動に乗せられるように、補助席から体を運転席に預けるようにした。運転席から横を向いた樋口のだらしなかった陰茎は、笙子の膝立ち姿に再び興奮をたぎらせている。 舌を這わせはじめるや、笙子には陰茎の臭気にむせるように顔を背けることがあった。 「臭うか？朝、真知子にさせたんだけどな・・・送りに来た婆さんに見つかりかけて、ザーメン掃除させる前にパンツをあげたんだ。・・・悪いなぁ。」 臭う亀頭を口に含んだまま、汚れを拭うように舌を動かしていく。樋口は掲示板の更新ボタンを押す前に、咥えこんだ笙子の後頭部を撮影すると、映し出された全体の構図に満足げな声を上げている。 笙子はそれに気がつくこともないまま、白濁を口内に受け入れるべく、陰茎全体への摩擦を加速させている。 「フングフングッ・・・グクグチュゥゥ。」 「あぁ、・・・いい、どうも真知子より上だなぁ、さすが人の物だ。・・・おぉぉ、・・・コメント・・・着たぞっ。」 笙子は口内に含んだ亀頭を吐き出そうとするが、後頭部を押さえつけられたうえ、覆いかぶさられたため口内に亀頭をとどめたままになる。 「いい尻ですねぇ、ぴっちりラインが浮き出てて、この前のピンクジャージの先生ですよね。お尻の形でわかります。明日は、違う先生かな同乗するのは。」 「もしかして、これって、盗撮風？・・・気がつかれてるかも知れんな。」 「コメントが来たなら・・・これで・・・うぐぅぅぅぅぅぅぐぅぅぅ。」 抑え込まれるように後頭部を押し込まれると、喉奥まで行き切らない亀頭の先端は、暴発してしまう。舌の根元に吹き出された噴射液は、笙子の口内を汚していく。 「明日のジャージは・・・透けやすいピンクにしてくれ、グレーのラインのやつだ。そうすればコメントの返しが早く済む。」 咳き込む笙子に手を差し伸べることなく、運転席に背を向け車内に正座し、むせ返っているところも容赦なく画像フォルダー行きの尻画像を撮影し続けていた。 |
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| 2014.7.26掲載 |
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