はちみつ太郎 作
| ９２ 口元から陰茎を吐きださせ、嗚咽で咽ぶ笙子の背後に回った。上に着ていた薄い色のチュニックは、脱ぎ去るよう言われるまま、畳の上においた。 上下薄紫の下着だけになった笙子は、脱がされることもなく背後に回った東山に女の声を上げさせられていく。カップの下からきつくもまれた乳房は、形をいびつにさせ、両方の乳首を露呈させてしまう。 玄関口に人の気配がするが笙子は、目を閉じたままで、確認することを拒んでいる。こわばらせた首筋を上に向けたり、左右に振ったりして東山の蹂躙に背こうとしている姿は、ギャラリーにもわかっている。 「・・・、旦那さんなんか？」 ギャラリーの一人がつぶやいた。ここに来て交わったうちの一人の声であることと、連れてきた悟の顔を知らぬ物だと言うことが推測できてしまった。 「佑介・・・くん。」 「ほぉ・・・笙子、間男の名前・・・覚える位の仲か・・・妬けるねぇ。」 笙子は薄目を開ける。玄関口で四つんばいでこっちを見ているのは、野村佑介だった。東山に遠慮してか、風体を気にしてか、指図されるまで、動きを止めている。 「にいちゃん、・・・そこで見ててくれ・・・お預け・・・出来るよなぁ。」 「あ、はい・・・動かないっす。」 笙子の背後に纏わりつき、命令形の口調の男にすっかり閉口気味の野村は、以前と風体は同じだがどこか緊張感を感じさせる物言いだった。 首筋に舌を這わせていく東山は、いつもと違い笙子に対する愛撫が柔らかい。物を扱うような仕草でなく、大事な女を扱うように繊細に指先を這わせていた。 ショーツの中にもぐらせる指先も、陰唇をすかさず割るでなく、粘液をすくうように膣前提をなじませながら、陰核包皮を剥き上げる。 剥きあげた陰核もこするように指先を往復させていくと、笙子の喘ぎに対し、耳元で声を掛けていた。 「見てるぞ、若いのが・・・あいつと、何回した・・・少し前のことだ・・・言ってみろよ。」 「・・・あぁあぁ・・・・お、おぼえてぇぇません。」 「じゃぁいい・・・良かったかどうかだ。」 「・・・あぃぃぃぃ・・・あぁ、あぁぁんっ。」 笙子の答えは頷きで表現するだけだった。その表現を端的に、野村に伝えた。 「おい、にいちゃん・・・お前とのエッチがたいそう気に入ってたそうだ。・・・ありがとうなぁ。」 「いえ、あ、・・・はい、すいません。」 「謝ることはねぇじゃねぇか・・・女を込ましたんだ・・・若いのに見込みがあるぜぇ。」 「・・・。」 照れ笑いだけで次の言葉を出し損ねるほど野村には余裕がなかった。風体から見るなりは極道者そのもので、自分の女に手を出したのはお前かと食って掛かられるのを恐れている。 「取って食おうってじゃねぇよ。・・・心配するな・・・笙子は、俺の女房じゃねぇ。・・・借りたレンタル穴だよ。」 「え、・・・あ、そうなんですか。・・・あ、はい。・・・えぇぇ。」 「そう驚くなって、借りた穴は・・・お前の使った穴じゃねぇから、心配するな。」 「え、・・・。」 「笙子、言ってやれよ。・・・おつむの弱そうなアンちゃんにもわかるように。」 「・・・いぃぃぃ、ぃぃぃっぃ・・・いぇ、ませんっ。」 「あ？・・・ここじゃないことくらい・・・アンちゃんにはお見通しだよ。」 「ま、まさかですか？」 「おぉ・・・そのまさか。」 笙子のショーツを腰のゴムからひきおろすと、東山の揉んでいたその穴を見せ付けるように、腰を少しだけ浮かさせた。膣液を纏った指先は、腸液のあふれる前の菊門をもみこみ準備の段階を踏んでいる。 「さぁ・・言えよ、笙子、・・・俺との交わりは・・・ここ・・・だよなあ。」 ぶすりと指先を完全に埋め込むと、喘ぎ声とともに肯定的なうなづきを何度も繰り返している。野村は、突き刺さる指先ははっきりとは見えていない。が、そこが生殖の穴でないことは、疑うことをしない。はやし立てたいが、少し違和感を感じる笙子の雰囲気に、少し制御を与えている。 だが、制御の利かない下腹部にスポットを当てるように東山は、問いかける。 「おい、アンちゃん、・・・笙子のここ、・・・どうだった？改良の余地があればいってくれないか。」 「え・・・あ、そんな・・・言うことないっす。」 「遠慮するなよなぁ・・・参考にしてぇんだ。」 「ああっぁあぁぁぁ、さ、さんこうってぇぇ・・・ま、まさかぁぁ。」 笙子の肛門に刺さる指先はずぶずぶと何度も出入りをし、膣液を纏っていた指先には、別の分泌液を纏わせていた。抜くことなく何度も繰り返しながら、肛虐を見せ付けていると、野村はそれを制するためか、笙子の生殖器について答えを出した。 「クリっすかね・・・皮が被り過ぎてるっていうか・・・奥さん、中派だと思うんですけど・・・クリでも往かせて見たいっていうか、前戯でも・・もっと、往って欲しい感じがします。率直に。」 「おぉ、・・・・そうかぁ、俺と同意見だぁぁ。」 「いぃぃ、いぃぃ・・・あっ、くぅぅぅぅぅぅぅぅっ。」 指をねじり、腸壁を膣側に押し込むようにいじり続けていると耐え難い声を笙子は上げている。そこに混じった女の声は野村にも届き、肛門をなじられ喘ぐ笙子の姿にいいし得ぬ興奮を覚えていた。 野村は東山からの許しを得ないでいる為、自制して玄関の小上がりの上から営みを覗いていた。許しを請いたいが、東山の風体がそれを邪魔していた。 見つめる向こうの笙子と東山は、関係性をあらわすように服従的な笙子が、言われるまま小上がりに尻を向けた。しごきながら立ち上がった東山は笙子の前に仁王立ちすると、物も言わず笙子にフェラチオをするよう促した。 視線は見えないが、催眠に掛けられたように咥え込むと、丁寧な捌きで東山の怒張を濡らしていった。血流はそれまでに行き着くだけ行き着いているためか、数秒でくわえ込みをやめさせる。 野村はわかっていた。潤滑をさせるだけのために咥えさせたことを。数秒しゃぶらせただけで、すぐさま位置を変えた東山の狙いを定めたその先も間違いがなかった。 ２月に何度も交わりを重ねた生殖の穴ではなく、タブーとされているその穴に、唾液で潤滑された先端をあてがっていた。腰を押し付け、陰唇を野村に見せ付けるように東山はすると、横からではなく斜め上から挿入を開始する。 亀頭を埋め込んだとき、抑えていた笙子の声は苦痛の声に変わっている。 「ぎぃぃぃぃぃ・・・・・ぃぃぃつぅぅぅぅ・・・・・あひぃぃ。」 叫びでなく喘ぎに近いその声に野村は、数回の経験ではないことを悟る。突きつけはまだ激しさはないが、ストロークの短さに肛交の奥深さを感じた。 尻に纏わりつくように東山は抱きついている。それは、人間の交わりではなく、昆虫の類と同じように見えた。じっくりなじませるように尻の中を味わう東山は、笙子に張り付いて離さない。 傍目には、肛門内にそのまま白濁な液体を注入し続ける昆虫のように見えている。野村は、陰茎のこわばりをいつも以上に感じている。放り出してしごきたい衝動を抑えるのに必死だった。 笙子のいきさつを野村なりに考えている。この男の素性は知れないが、旦那ではなく貸し出されたということを納得していた。どうしても、この極道風の東山との接点を思いつくことはなかった。 が、一つの悪巧みは野村に芽生えている。エスケープ。笙子は、おそらくこの状況を良とはしていない。状況を打破できれば、笙子という人妻保育士を手中にいれることを容易にするのではと思っていた。 「見えてるかぁ・・・アンちゃんよぉ・・・おいっ、返事は。」 「あ、はい・・・近くに行っても・・・。いいっすか？」 「おぉ・・・こい、・・・見るだけだぞ。・・・まだなぁ。」 野村は昆虫の交わりを見つめに近づいていく。肛門にしっかりと食い込んだ陰茎は、睾丸を少しだけ揺さぶりながら笙子の腸液を吸い取り、そのこぼれを畳に吸わせていた。 出したい手を引っ込め、野村はいきり立ちを見せるように浴衣姿の前を肌蹴、胡坐をかいて陰茎を暗がりに差し出した。ガサゴソという音で東山は野村の行動に気がつくと笑いをこらえ、賞賛した。 「度胸あるなぁ・・・いいもの持ってるな・・・暗いからじゃねぇ・・・黒光りしかけてる。」 「はい、実は、・・・奥さんで・・・１００人切り・・して・・・。」 「ほぉ。・・１００人目が笙子先生かぁ。・・・で、記録はいくつまで伸ばした？」 「１２３っす。」 「素人か？」 「はい、・・・あ、中には・・・風俗っぽいのもいますけど。」 「そうか、そりゃぁいい・・・保育士なんぞ・・・いねぇのか？」 「あ、実は・・・奥さん、あ、笙子さんと嵌めてから・・・嵌ってて。」 「保育士にかぁ。」 「はい・・・２３人のうち・・・・８人は、保育士でぇ。」 「頼もしいなぁ・・・・アンちゃん、名前は？」 「野、野村です。」 「下の名前は？」 「佑介で・・・はい。」 「佑介・・・あとで、番号教えろ・・・いい小遣い稼ぎを教えてやる。・・・いいな。」 「あ、はい・・・是非。」 「や、やめて・・・・こんな子に・・・何をさせる気ですかぁぁぁぁ。」 笙子は肛門につきたて続けるピストンに耐え切れず、畳に胸をつけ、幾分腰を高く持ち上げる。そのさまは、野村に何も施されていない生殖の穴を見せ付けるようになってしまっていた。 東山は腰を打ちながら野村に先ほどの質問の答えを再び聞いた。 「そこから見て・・・どうだ、まだ被ってるか？」 野村は、笙子の陰唇を凝視する。下側に隠れているクリトリスは皮に埋もれるようにして顔をみせていない。 「はい、・・・剥きますか？」 「触るなよ・・・ここは、見るだけの部屋だろ。」 「す、すいません。」 「被ってるの・・・どうしたい？」 「あ、出来るんなら・・・露出してたほうが・・・被ってる女って・・・少し臭いますから。」 「そうか・・・どうだった・・・こいつのは。」 「あ、・・・覚えて・・・ないっかもしれないんでぇ。」 「そうか・・・これでどうだ・・・俺のがぶら下がって邪魔なら抜いてやるけど。」 「笙子さんが・・・嫌がるんじゃないっすか。・・・抜いちゃうと。少し茶色いお汁が垂れてるのは気になりますけど。」 「言うなぁ・・・気に入ったぜ佑介。」 顔は見えないが、東山の言動に近づきを感じた野村は、笙子の陰唇を指で割る。冷たい指先を感じた笙子は、敏感に喘ぎ、拒絶の声を上げるまもなく、二つ責めを感じさせられた。 「あぁぁぁぁあぁぁぁ・・・・だ、だめぇぇってえぇぇぇ・・・いや、いぃぃ。」 ストロークは早まり、野村の指は包皮を剥きクリトリスに触れる。ピンク色で染まった膣色したその豆を指先で転がすと、届かぬ舌の代用で何度もその周りの臭気をこびりつけていた。 「ああぁぁぁっぁあぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ。」 背すじの仰け反りは、Ｕ字になるくらいで、肩甲骨は羽のように羽ばたいた。 「やっぱ・・・ごめんなさい。・・・臭うっす。・・・嫌じゃないけど・・・んーって感じで。」 「小便か？」 「いや・・・チーズ臭・・っすかね、たとえるなら。・・・笙子さんが初対面の女なんだったら許せるけど・・・何回か続けてエッチしてたら・・・ちょっと、げんなりですね。」 「だよなぁ・・・決まりだな。笙子。」 ストロークを止めると、髪の毛をつかみ、後ろを振り向かせる。 「明日・・・田山の病院に行け。・・・再来週には・・・剥きクリにしてやるからな。・・・これで、クンニで飽きられる事もなかろ。」 笙子は首を横に振りたいが、つかんでいる東山の握力と腕力にその拒絶の意を遮られていた。上げる声は、ストロークを早めた肛虐とクリトリスを嬲る野村の指先で押さえ込まれてしまっていた。 |
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| 2014.7.30掲載 |
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