いちご牛乳　禁断のポロネーズ 『愛と官能の美学』Ｓｈｙｒｏｃｋ 作
第８話 「先生に苺牛乳のピアノを聴かせてくれないか？」 （なぁ〜んだ。そういうことか。ほっ・・・） 「大して上手くはないんですけどぉ。でも、いいですよ。で、どこでですか？」 「私の家で。」 「え？でも奥さんがいらっしゃるから気が引けます・・・」 「いや、家内は今週末旅行に出かけて家にいないんだ。だから遊びにおいでよ。」 　私は快く二つ返事で承諾しました。 　だって大好きな先生とふたりっきりで過ごせるんだもの。 　嬉しくて嬉しくて胸がキュンとなりました。 「ただ・・・」 「はい？」 「その日は男性をひとり呼ぼうと思ってるんだ。」 「え・・・？男性って・・・？」 「梅岡和太だよ。」 「え〜〜〜！？梅岡クンですか？」 「いやか？」 「いいえ、そんなことないですけど・・・」 　梅岡和太君は私と同じクラスの男の子で、成績はそこそこなんだけど、無口でちょっと暗いイメージの子でした。クラブは確か写真部だったように思います。 　でもどうして、わざわざそんな日に梅岡君を・・・ （なぜ？せっかく先生とふたりきりになれるチャンスなのに・・・） 「いや、実はね・・・」 「はい・・・」 「梅岡君はまだ童貞らしくって、一度でいいから女性のアソコを見てみたいって言うんだよ。」 「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！？それで私のアソコを見せるのですか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！？いやです！！そんなの絶対にいやっ！！」 「苺牛乳、頼むよ。お願いだから。」 「どうして？どうして先生が梅岡君の頼みを聞かなきゃならないんですか？そんなのひどいです！私より梅岡君の方が大事だなんて・・・」 「そんなことないよ！私は苺牛乳のことが大好きだし、一番大事だと思ってるよ！信じてくれ。」 　私は悲しくて涙がこぼれました。 「じゃあ、どうして・・・」 「うん・・・梅岡は知ってるんだよ。私達のことを・・・」 「ほ、ほんとうですかあ〜！？でもどうして・・・？」 「彼は以前から苺牛乳のことが好きだったみたい。で、放課後はいつも君の行動を監視していたみたいなんだ。」 「そ、そんなぁ〜、そんな気味悪いことを！？それじゃまるでストーカーじゃないですか！！」 「私もつい最近分かって・・・」 　先生は沈痛な表情に変わっていました。 「つい最近、話がしたいといって彼が突然職員室を訪ねてきたので、彼を相談コーナーまで連れて行ったんだ。話を聞いてみると、私達ふたりが別々に音楽室へ入って行くのを見たと言い出し・・・」 「ええ、それで？」 「『心配しなくても僕はしゃべりませんよ。でもひとつだけ僕のお願いを聞いてくれませんか？』と言い出し、聞いてみると、苺牛乳と私がエッチしているところを一度だけでいいから見せて欲しいと言ったんだ。」 「そ、そ、そんなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！じょ、冗談でしょう！？」 「いや、本当だ・・・」 「で、先生はＯＫしたんですか？」 「うん、仕方なく。だって、見せてくれないと私達のことを他の先生や生徒に言いふらすって言うんだもの・・・」 「そ、それじゃまるで揺すりじゃないですかぁ！？」 「そうだけど、仕方なかったんだ。すまない。謝るよ。私がもっと注意すべきだった・・・」 「ひどいわ・・・」 「すまない。」 　私はまるで後頭部をハンマーで殴られたような思いがしました。 　でも梅岡君がそんな人を揺するような悪い子とはどうしても思えなくて・・・。 　納得の行かないまま土曜日がやってきました。
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2016年9月3日掲載
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