恵里のマンションから帰ってしばらくの間、香菜子には夢の続きを見ているような日が続いた。あの日以来、香菜子の性感は高ぶり、ちよっとした刺激にも体が反応するようになってしまっていた。
　それに、達夫の目の前で、達夫以外の男に抱かれたという体験が、香菜子の意識の中で新しい感覚をもたらしたようだった。香菜子にとって、達夫とのセックスは、今までよりも悦びの多いものになった。
　もちろん達夫とは毎日交わっていたが、今では夜だけでは我慢できなくなり、朝目を覚ますと達夫の部屋に行って、セックスをせがむことも何度かあった。特に、生理の前になると無性に達夫に抱いて欲しくなった。それは、しばらくセックスができなくなることに対する恐れのようなものかもしれなかった。

　そして、８月になった。
　この月には香菜子が顧問をしているバレー部の合宿が予定されてい多。香菜子は普段はバレー部の練習に参加することはあまりなかったが、合宿の時は学校に何日か泊まりこむことになっていた。そうなれば、しばらくは達夫に抱かれることもできない。
　そう思った香菜子は、合宿が近づいたある日、達夫に言った。
「ねえ、来週からバレー部の合宿で学校に泊まらなくちゃならないんだけど……」
　すると、達夫はこんなことを言った。
「ああ、そうなんだ。で、バレー部の合宿ってことは、前に香菜子が抱かれてやった、あの子……、確か、滝原和彦っていったっけ……、あの子も来るの？」
　香菜子も当然それは気したのだが、和彦は３年生なので、今年の合宿には参加しないはずだった。
「ううん、あの子は来ないわよ」
　香菜子が答えると、
「じゃあ、香菜子先生の夜のお相手がいないわけか」
　達夫はからかうようにいった。
「何いってるの。私、そんな……」
　香菜子は、合宿中に男に抱かれたくなるかもしれないという本心を、達夫に覚られたので、少し動揺した。
「あれ？　香菜子先生があの教え子と、一日５回も６回もバコバコやりまくったのって、ほんの何ヶ月か前のことじゃなかったっけ？」
「ばか。もう、やめて。それって、達夫に出会う前のことじゃない」
「前だって、後だって、関係ないよ。香菜子先生は教え子と淫行して、しかも、すごい声出して悦んでいたんだからな。合宿でも、あの子を呼び出して、お楽しみの続きをするのかと思ったのさ」
　達夫は半ば笑いながらそう言った。

「もう、達夫、ばか、ばか」
　香菜子が達夫を殴る振りをすると、達夫はそのまま香菜子の腕を掴んで押し倒した。そして、香菜子が着ていたスカートをまくり上げて、パンティをむしり取るように下げると、あっという間に挿入の体勢に入った。
「あっ、達夫、何するの」
「何って、香菜子だってしたいんだろ？」
　ほとんど服を着たまま、二人は絡み合うように抱き合った。達夫はそのまま、前戯もなしに香菜子に挿入しようとした。
「ぅうっ、あっ、や、やめて」
　言葉とは裏腹に、香菜子は達夫に体を押し付けるようにして、達夫の肉棒を受け入れた。達夫はすぐに激しく突いた。
「あああっ、うっ……、あっ！」
　香菜子はそんな声を出しながら、自分からブラウスのボタンを外した。
　ブラジャーを着けた胸がむき出しになると、こんどは、ブラジャーをずらして、乳房を露出させた。
　それは、乳房を愛撫するところから本格的にやって欲しいという催促なのだが、それでも達夫はお構いなしに抽送を続ける。香菜子は仕方なしに自分で乳房を下から持ち上げながら、腰を使って達夫の肉棒をより激しく受け入れた。

「あぁぁっ、達夫、ねっ……、胸、胸、さわって！」
　香菜子は達夫に乳房を吸われたくて仕方がなくなり、そう口に出して求めた。
　達夫はついに、乳房に食らいつくように歯を立てて、さらに激しく肉棒を動かした。
「あああっ、い、痛い！」
「じゃあ、やめようか？」
「や、やめないで！　もっと噛んで！」　
「香菜子は、合宿でセックスがしばらくできなくなるから、その分をやっておきたいんだろ？　それなら、今日は香菜子が眠くなったって、絶対に寝せないからな」
　達夫は笑いながら、なおも激しく突いた。
「ぁあっ、達夫！　達夫！　いい！　もっと、もっとして！」
　香菜子の体の奥から、絶頂の予感と期待がこみ上げてきた。
「達夫、ね、私を……、めちゃくちゃにして！」
「よし、香菜子！　ほら、きみももっと腰を使って！」
　その日二人は、それから何度も体をかわした。そして、そんな日が合宿の前まで続いた。

　ついに合宿の日が来た。香菜子は着替えなどの荷物を持って学校にやってきた。
香菜子は教員宿泊室に泊まることになった。そこは校舎の２階のはずれだったが、個室にトイレとシャワーがついた部屋が二つ並んでいた。その一つに香菜子が泊まり、隣には体育の教師でバレー部の正規の顧問の、森内秀之という教師が泊まることになった。
　この森内という男は、まだ２０代なのだろうが、体育の教師には見えないような、陰気な感じの男で、生徒達にもそれほど慕われてはいなかった。
　合宿の初日、午前中から体育館では激しい練習が行われた。香菜子もけが人の手当や食事の世話に追われ、一日中休むヒマもない状態だった。
　やっと夕食が終わったが、今度はマネージャーの高橋夕子が、汗で汚れた部員達の練習着を洗濯しているのを手伝うことになった。その間も、体育館では夜の練習が続いていた。
　洗濯が全て終わったのは１１時頃で、そのころには練習も終わって、部員達も風呂に入り終わり、宿泊棟で就寝しているようだった。
　香菜子は合宿がこんなにきついものだとは思っていなかった。別に激しい運動をしたわけではないのに香菜子も疲れ果て、部屋に戻りシャワーだけ浴びると、ぐったりと寝てしまった。

　それからどのくらいたっただろうか。香菜子は、ふと、何かの音に気がついて目を覚ました。時計を見ると、２時ちょっと前だ。
　音は隣の部屋から聞こえてくるようだった。それはギシギシとベッドが軋むような音だった。ただ、それだけではなく、かすかに女のうめくような声も聞こえてくる。
　香菜子は少しためらったが、結局は隣の部屋との境の壁に耳を押し当てて、中の様子を窺ってみた。
「あぁっ、先生……、だ、だめっです」
　いきなり香菜子の耳に飛び込んできたのは、若い女の声だった。それは、押し殺してはいるが、はっきりと聞き取れる程度の大きさだった。
「せ、先生……、そ、そんな……」
　その声に続き、ぺちゃぺちゃと何かを舐める音が続いた。
「あっ、あっ、せ、先生……、うっ、ぅううっ、もう、ゆ、許して下さい」
「よし、じゃあ、今度は、夕子が俺のを舐めるんだ」
　そう言ったのは明らかに森内の声だった。そして、森内が「夕子」と呼びかけたところをみると、今、森内の相手になっているのは、マネージャーの高橋夕子に間違いなかった。　
　またベッドの軋む音がした。それと同時にかさかさと布が擦れ合う音もした。どうやら夕子がベッドの上で、体位を入れ替えているらしかった。
　しばらくすると夕子の「うぐ、うぐ」という声がして、その後から森内の、
「ほらっ、もっと喉の奥まで入れるんだ」という声がした。
　森内は自分の肉棒を夕子にくわえさせ、夕子に口の奉仕をさせているらしかった。
　ということは、たった今、隣の部屋では、森内と夕子が裸でもつれ合っているのだ。それを思うと、香菜子は自分の股間も熱くなる思いがした。

「よし、じゃあ、俺のにコンドームをかぶせろ」
　森内が命令口調で言った。
「えっ？　私が？」
　夕子が答えると、
「そうさ。それとも生で出して、俺の子を産みたいか？　そうなったら、学校にいられなくなるぞ。それが嫌なら、ぐずぐずしないで早くしろ」
　森内がそう言うとベッドがきしみ、夕子がベッドを下りる気配がしたが、すぐにまた戻ってきたらしく、コンドームの包装を破るような音がした。　
　言われるままにそんなことまでするところをみると、夕子が森内に抱かれるのは今日が初めてというわけではなさそうだった。
　そして、どうやら夕子は森内の肉棒にコンドームをかぶせ終わったらしかった。
　またベッドが軋み、
「ほら、今日はまずは後からだ」という森内の声がした。
　夕子が動く気配がしたが、森内は、
「何やってるんだ、もっと尻を突き出せ」と、また強い口調で言った。
　夕子は無言のままだった。
またベッドが音を立てた。
　そして、次の瞬間、
「ぅうっ、あっ」という夕子の声が漏れた。
　どうやら挿入されたらしい。
　そして、しばらくはベッドの軋む音だけがしていたが、少したつと、夕子の息づかいが荒くなってきた。そして、
「はっ、はぁっ、はぁぁっ、うっ」という声になっていった。

　ベッドの音はさらに激しくなった。ついに、
「ああっ、せ、先生、先生、だ、だめっ……、先生、わたし、もう、だめです」
　という夕子の声がした。
　それまで森内は無言だったが、そこで初めて、
「よし、じゃあ、今度はおまえが上だ」と言った。
　夕子は、「はぁ、はぁ」と息をして、
「上？　上ですか？」と聞いた。
「そうだ。この間、教えたじゃないか」
「はっ、はい」
　夕子はまた体位を変えたようだった。そして、しばらくはベッドの軋みだけが聞こえていたが、少したつと森内の声がした。
「おまえのおっぱいは小さいな。これ、立花先生くらいの大きさだといいんだが」
　香菜子は突然自分の名前が出てきたまでびっくりした。しかし、夕子が、
「先生、立花先生が好きなんじゃないですか？」と言い出したので、もっと驚いた。
　しかし、森内は、
「馬鹿、なに生意気なこと言ってるんだ。そりゃ、俺だって男だから、たまにはあんなおっぱいの大きな女を抱いてみたい気持ちにもなるさ」
「先生、だめです！　わたしを、わたしだけを抱いて下さい！」
「ああ、そうさ。今はお前だけだ。お前も俺に嫌われたくないなら、もっと俺を気持ちよくさせなくちゃいけないぞ」
「はいっ」
　夕子はそう答えた。そして、ベッドの軋みが激しくなり、夕子の、
「ああっ、先生、あっ、先生！」という声も高ぶってきた。
　どうやら夕子は、森内の上に跨って、腰を動かしているらしかった。

　だが、しばらくすると森内の声がした。
「だめだ、だめだ、そんなんじゃいつまでたってもいけやしない」
　夕子は泣きそうな声で、
「すみません、先生」と答えた。
「じゃあ、仕方がないから、俺が上になって最後まで行くからな」
　森内が言った。またベッドが軋む音がした。
　香菜子は、今度は二人は正常位で交わるのだろうと考えた。

「ほら、足を広げろ」森内が言った。
「そうしたら、お前は俺のを手に持って、自分のオ××コの穴に差し込んでみろ」
　森内が言うと、
「はい」と夕子が答えた。
　森内は肉棒を夕子自身に挿入させるつもりらしかった。
「よし、じゃあ、動かして欲しいのか？」
　挿入が終わったのか、森内がそう言った。
「はい」
　夕子は素直な声で答えた。
「どう動かして欲しいんだ？　正直に言ってみろ」
「いつもみたく動かして欲しいです」
「いつもみたくって、どんなだ？」
「早く、すごく早くです」
「そうすると、お前はどんな気持ちになるんだ？」
「すごくいい気持ちになります」
「お前はオ××コが好きなんだろ？」
「えっ？　わたしですか？」
「そうだ。お前だ。お前は処女でなくなる時だって、最初っから俺のチ×ポを入れられて、すごくよがっていたじゃないか」
「わ、わたしは、ただ、先生に喜んでもらいたくて……」
「嘘つけ！」
　ビシッという音がした。夕子が「ひっ」と声を立てたところをみると、森内が夕子の体をたたいたようだった。
「お前は性欲の固まりじゃないか。正直に言え」
「はい」
「お前はオ××コ好きだろ？」
「はい、好きです」
「ちゃんと、何が好きかはっきり言え」
「はい、わたしはオ××コが好きです」
「お前の中に入れた俺のチ×ポを、早く動かして欲しいんだろ？」
「はいっ。先生のを早く動かして欲しいです」
「ちゃんと言え！」
　またビシッという音がした。夕子はそれでも素直な声で、
「はいっ。わたしは先生のチ×ポを、わたしの中で早く動かして欲しいです」と言った。

「よし、それじゃあ行くぞ」
　森内はようやく抽送を始めたようだった。
「ああっ、あっ、先生、いいです、すごくいいです」
　夕子が言った。それは、そう言うことで森内を喜ばすつもりだと香菜子は思った。
「せ、先生、すごいです。あっ、ああ！」
　夕子の切なげな声が響いた。
　森内は無言だったが、息が激しくなってきていた。
「あっ、ううっ、あっ、あっ、先生、先生」
　夕子の幼いよがり声が続いた。
「先生、もう、うっ……、ぁあっ、もう、だめです」
　夕子の声は切なげだった。
「よしっ。じゃあいくぞ」
　ようやく森内の声がした。
「あっ、あああっ、あああああっ」
　夕子の声がひときわ高くなり、すぐに静かになった。どうやら森内は射精まで到達したようだった。
　香菜子は自然と、右手を自分の股間にあてがっていた。そこが熱く、そして潤んでいることを自覚していた。

　そのあと、また森内の声がした。
「よし、じゃあ、コンドームをはずせ」
　またベッドが音を立てた。夕子はたぶん、ベッドに起きあがり、体の位置を変えたのだろう。しばらく声がしなかったが、少したつとまた森内の声がした。
「ずいぶん液が出てるだろ。チ×ポが俺の出した汁で濡れているから、お前が舐めてきれいにするんだ」
「あっ……、はい」
　夕子は言われるままに、森内の肉棒を舐めているらしかった。
「うん、少しは上手くなった。じゃあ、今日はもういいから、部屋に戻って寝ろ。明日の夜は、もう少し早く来い。今日は少し遅かったぞ」
「はいっ、すいませんでした」　
　夕子はそう答えながら服を着ている気配がした。そして、
「失礼しました」と言って、森内の部屋を出ていった。
　
　香菜子は体が火照って、なかなか寝られなかった。

（以下、次回に続く）