前夜の森内と夕子の交わりは、一度終わった後、今度は二時頃にもう一度始まり、三時過ぎまで続いた。最後には二人とも精根尽き果てたようだったが、それを全部聞いていた香菜子の方もかなり消耗した。
　森内は夕子をいたぶる行為の中で、香菜子のことを引き合いに出すと、それに夕子が過敏に反応してことさらに乱れる、ということに気づいてしまったようだった。それからは、森内は夕子にさまざまな淫らな要求をしながら、しきりに香菜子の名前を出し、夕子の嫉妬心を煽るようにした。
　例えば、自分の愛撫に対して、夕子の喘ぎ声が小さいと、
「ほらほら、そんな小さい声じゃ、隣の香菜子先生には聞こえないぞ」と森内は言った。すると、夕子はそれに刺激されて、次第に声の出し方をエスカレートさせていった。
「ああっ、先生、すごくいいです、私、先生に抱いてもらえて幸せです……、先生、最高にいいです」と、夕子はすごい声を出した。
　夕子は最後には、完全に隣の部屋の香菜子を意識して森内と交わっていた。
　そして、
「先生……、私は先生の女です、ああっ、先生。先生は私のものです」と言い続けながら、何度も森内に貫かれた。

　次の朝、香菜子はどんな顔をして夕子に会ったらいいのかわからなかったが、しかたなく、いつものように体育館に行ってみた。すると、入り口を入ったところに、夕子が待ちかまえているかのように立っていた。
　香菜子の顔を見ると、すぐに夕子は、
「立花先生、おはようございます」と言った。
　香菜子は戸惑いながら、
「あっ、高橋さん、おはよう。今日も早いのね」と答えると、夕子は香菜子の顔をのぞき込むようにしながら、
「先生、昨日は寝られなかったんじゃないですか？」と聞いた。
　香菜子は仕方なしに、
「ううん。昨日はよく寝られたわよ」と答えると、
「でも、なんだか眼の周りが、いつものきれいな立花先生じゃないみたい」と言った。
「そんなことないわ」
　香菜子はむきになって答えた。
　夕子はその様子を見ると、すぐに、
「じゃあ、私は朝ご飯の支度に行きます」と言って、体育館を出ていった。香菜子は今日も、夕子の部下であるかのように、機械的にその後に従った。

　食事室に入り、配膳を始めると、夕子は突然大きな声で香菜子に話しかけた。
「立花先生。先生には恋人とかいるんですか？」
　突然の質問に、香菜子は思わず、
「えっ？　別にいないけど……」と答えてしまった。
　すると夕子は、
「学校って、よく先生同士の職場結婚て、あるじゃないですか。立花先生は、あれ、どう思います？」と聞いてきた。香菜子はよく考えもせずに、
「えっ？　いいんじゃないの、職場結婚も……」と答えた。
　それを聞いて、夕子は、食器を配膳する手を止めて、香菜子に完全に向き直って言った。
「先生……、先生も隣の部屋で聞いててわかってると思いますけど、私、森内先生の女です。私、この学校に入って、森内先生に会って、すぐ好きになって、抱いてもらいました。私、森内先生に女にしてもらいました。先生にバージンをあげたんです。それから何度も何度も森内先生だけに抱かれてます」
　夕子はそこまで一気に言うと、少し首をかしげるようにして言葉を切った。
　香菜子は何も言えず、黙ったまま夕子の話を聞いていた。
「森内先生は、私のものです！」
　突然、夕子は大声で言った。
「立花先生は美人だし、おっぱい大きいし……、男子に人気があるし、たぶん、うちの学校のいろいろな先生が、立花先生のことねらってると思います。だけど、森内先生だけは渡しませんから」
　夕子はそう言うと、走って食事室を出て行った。
　そして、夕子はその日それから、体育館で顔を合わせても、香菜子には何も話しかけようとはしなかった。

　その日は合宿の最終日だった。そのせいか、練習はひときわ激しかった。
　夕方になるとＯＢ達も集まり、試合形式の練習になった。何セットも試合があり、全ての練習が終わったのは１２時近かった。
　部員達もさすがに疲れ果て、シャワーを浴びるのももどかしいように、次々と宿泊室に戻った。
　森内はＯＢ達と笑いながら話をしていたが、突然、香菜子に向かって、
「立花先生、俺、ちょっとＯＢ達と飲みに行きますから、あとよろしくお願いします」と言った。「えっ？」
急にそう言われて、香菜子は戸惑った。
「なに、大丈夫ですよ。部員達は死んだように寝てますから、先生も今日はゆっくり寝て下さい。もし万一、何かありましたら、マネージャーの高橋が俺の携帯の番号知ってますから、連絡させて下さい」と言って、近くに立っている夕子の方をちょっと見た。そして、
「あっ、それより、俺が直接、先生の携帯の番号や、メールアド教えてもらって、俺のを先生に教えとけばいいんだ。急な連絡とかに必要だよね」
　そう言って、森内は携帯を取りだした。
　香菜子も仕方なしに携帯を出し、森内に番号を教えた。
　森内は、
「よし、先生の名前、『香菜ちゃん』で登録しておこう。何か、恋人っぽいよね」と笑いながら言った。
　夕子は下を向きながら、そのやりとりを聞いていた。
　森内が出かけ、香菜子は自分の部屋に戻った。香菜子も疲れていたので、軽くシャワーを浴びると、パジャマ替わりに持ってきたＴシャツとハーフパンツに着替えて、すぐに寝てしまった。
　今夜は森内がいないので、隣の部屋を気にする必要もなく、ゆっくり寝られるはずだった。香菜子はベッドに入るとすぐに寝てしまった。

　それからどのくらい時間が経ったのだろうか。
「先生……、立花先生……」
　香菜子は、扉の外から自分の名を呼ぶ小さい声で目を覚ました。はっと我に返って、時計を見ると、２時を少し過ぎたところだった。
「立花先生……、立花先生……」
　香奈子の名を呼ぶ声は夢ではなかった。押し殺したような少女の声だ。
　ベッドから起きあがって、ドアの外の様子を窺うと、どうやらそこにいるのは夕子のようだった。
「えっ？　高橋さん？　そこにいるの、高橋さんなの？」
　香菜子も声を抑えてそう聞いてみた。
「はい」
　今度ははっきりと夕子だとわかる声だった。香菜子はドアのところまで行き、内カギを開けた。
「どうしたの？」
　夕子は下を向いて、少し困ったような様子で言った。
「はい。マネージャー室で寝ていたら、体育館で音がするんです」
「音？」
「はい。扉が開いたりしている音だと思います」
「誰かいるのね」
「はい。もしかしたらＯＢの人が残っているのかもしれません」
「ほうっておけばいいじゃない」
「でも、体育館にたばこの吸い殻とかちらかされても困るし、もし、火事になったら大変なので、中の人には出てもらって、入口のカギだけはかけてもらえませんか？」
　
　そう言われて、しかたなく香菜子は夕子と一緒に、カギを持って体育館に向かった。
　夜の体育館はひっそりと静まりかえっていた。ただ、入り口の扉は確かに開いたままになっている。香菜子と夕子は中に入った。
「人がいるのは、たぶん、こっちだと思います」
　夕子は先に立って、香菜子を体育館の地下に導いた。
　狭いコンクリートの階段を下りると、普段使わない椅子やマットが収納されている器材庫だった。
そこには、夏なのに少しひんやりするような、湿った空気がよどんでいた。
「先生、こっちです」
　夕子は、いくつも器材庫が並ぶ暗い細い通路をどんどん進んだ。香菜子は後についていくのがやっとだった。二人は細い通路を何度か曲がり、ついに体育館地下の一番深い所までたどり着いた。そこが行き止まりだった。
　その器材庫のドアが大きく開いたままになっている。二人はその中に入った。夕子は、
「先生、気をつけて下さい」と言い、香菜子を器材庫の奥まで導いた。

　すると、突然、二人の背後で、器材庫の扉が大きな音を立てて閉まった。
「えっ、誰？　誰かいるの？」
　香菜子は振り返って、思わず大きな声を出した。扉のあたりには、確かに数名の人間が動く気配がした。
　少しの沈黙が流れ、続いて、押し殺したような笑い声が聞こえて、今度ははっきりと人が動く音がした。
「誰なの？　出てきなさい」香菜子は恐怖心を感じながらも、そう言った。
　扉の右の暗がりがごそごそと動き、黒い陰がいくつかに分かれたかと思うと、やがて誰かが体を起こした。　
「先生、久しぶりですね」
　暗がりから現れたのは、滝原和彦だった。
　そして、和彦の後から同じ３年の部員達が２人、これも器材庫の薄明かりの中に浮かび出てきた。
　確か、金山と吉村という名前だった。３人はみんな、Ｔシャツにジャージを身につけている。
　香菜子は突然、和彦の姿を見て、心の動揺を抑えきれなかった。

「あっ、あっ、た、滝原君達なの……。どうしてこんな時間に、こんなところにいるの？」
　香菜子は少しおどおどしながら言った。
　和彦はそれには答えず、夕子の方に向かって、
「おっ、高橋、サンキュー。さすが名マネージャー。うまく連れ出したな」と言った。
　夕子は、香菜子の背後からすっと扉の方に移動して、和彦に向かって、
「キャプテン、本当にやる気なの？」と小さい声で聞いた。
「おお、まあな。お前はもういいから、自分の部屋に戻りな」
　和彦はそう言って扉を少し開いた。
「じゃあ、戻る。どうせやるなら、めちゃくちゃにしちゃってね」
　夕子は、香菜子から目を背けるように、小走りに扉を抜けて出て行った。
　和彦はすぐにそれを再び閉じた。

　香菜子は、その場の状況がまだよく理解できず、動揺したまま、茫然と立ちつくしていた。
「滝原君、何をする気なの」
　やっとのことでそう言ったが、和彦はやはりそれには答えなかった。
　しばらく沈黙が続いた後、和彦は少しにやにやしながら、
「この先生、凄いんだぜ」と後ろの二人に言った。
「何が凄いんだ？」吉村も少し笑いながら言った。
「凄いっていえば、決まってるじゃないか。女として一番大切なところと、それを使って男とやる、ほら、あれのことだよ」和彦が言った。
「止めなさい、滝原君！」
　香菜子は我に返って、強い調子で言った。
　和彦の顔が少し引きつったようにゆがみ、そして、大きな笑い声を立てた。
「ははははっ、立花先生、俺たち二人だけの秘密だったっけ」
「滝原君！」
「でも、もういいんだろ？　先生には凄い恋人がいるんだよな。先生をひいひい言わせて悦ばしてくれるような」
「止めなさいったら、滝原君……、ねえ、そんな、いいかげんなこと言っちゃだめよ」
　しかし、もちろん和彦は止めなかった。
「あれ、わざと俺に見せたんだろ？　恋人とセックスするところ。あれ、めちゃめちゃ凄かったぜ。先生ったらオ××コから、だらだら本気汁出して『私のオ××コの奥に、達夫のチ×ポの汁を、じかにちょうだい！』って、恋人におねだりしていたじゃないか」
　和彦がからかうようにそう言うと、吉村は、
「えっ？　本当か？　滝原、お前それ見たのか？」と聞いた。
「見たよ。だって先生がわざと俺に見せるんだもの」和彦は言った。

「滝原君、でたらめ言わないで！」
「でたらめじゃないさ。それどころか、俺の最初の女は立花先生なんだぜ」
　和彦は勝ち誇ったように言った。
「なあ、そうだろ？　先生？」
　和彦は香菜子の顔をのぞき込んだ。
「うそよ！」
　香菜子は大声を出したが、逆に和彦はだんだんと声を落とすように言った。
「俺、先生を抱けなくなって、でもやっぱり女が欲しいもんだから、同級生の杉下良美っているじゃない、あの女を抱いたんだ」
　香菜子は良美の顔を思い浮かべた。学校ではよくない噂の絶えない女生徒だった。

　和彦は言葉を続けた。
「別に無理にやったわけじゃないよ。向こうから抱いて欲しいような素振りを見せたんだ。それに、良美は処女じゃなかったしな。それどころか、けっこう男を知ってる感じだった。腰なんか凄く使っちゃってさ」
　和彦は女を抱くポーズを取り、淫靡に腰を動かして見せた。
「ははっ、良美、すごく感じてたみたいだぜ。でも、俺にしてみれば、先生とやった時と比べたら、良美はそれほどでもないって感じだったんだよな。だから、その時、俺、はっきりわかったよ。先生」
　和彦は香菜子の方をじっと見つめて言った。
「先生の体、凄いよ。俺、その後、良美のほかにも何人か抱いたけど、ほかの女を抱いて、初めてわかった。やっぱ、先生、凄いよ」
　それを聞いて、今まで黙っていた金山が言葉を挟んだ。
「凄いって、どんななんだ？」
　和彦はにやにや笑い出して、
「金山、お前、女抱いたことあるか？」と聞いた。
　金山は、
「ああ、俺、亮介の妹と何度かやったことあるぜ。それに、ほら、東高のバレー部の、智美だっけ、あれ、今年の正月に吉村と二人で回したよな」と言った。
　吉村もすぐに、
「ああ、あれ凄かったよな。あの女、最初嫌がってたのに、２度目の時なんか俺にしがみついてきたぜ」と言った。
　和彦は、
「そうか。じゃあ、金山。お前、亮介の妹と、東高の智美と両方抱いてみて、どっちがよかった？」
　と聞いた。
「そりゃあ智美だよ。なぁ、吉村」
　金山はすぐに答えた。

　すると和彦は、
「じゃあ、二人とも、女は誰でも同じじゃないってわかるだろ？　だったら、今まで抱いた女と先生を比べてみろよ。先生の方がいいに決まってるじゃないか」と言って、一歩前に進み、
「まず、先生には女の体そのものの魅力があるじゃん」香菜子の胸に軽く触れた。
　香菜子は、
「何するの！」と言いながら、壁際に逃げた。
「ほら、立花先生はおっぱいもでかいし、引っ込むところは引っ込んでいるし、高校生なんかとは比べものにならない、大人の魅力がいっぱいだよな」
　そう言いながら、和彦はさらに香菜子に近づいた。
「やめて、滝原君、それ以上近づかないで！」
　しかし、和彦は、香菜子の声など聞こえないように、
「でも、立花先生の魅力はそれだけじゃないんだぜ」
　和彦は香菜子を壁の隅に追いやり、また、素早く手を伸ばして、香菜子の陰部のあたりに触れた。
　香菜子は、
「触らないで！」と叫んだ。
　和彦は、
「先生のこの、女の一番大事なとこの味はたまんないぞ。今日は金山と吉村にも、このオ××コの味を十分に味わわせてやる」と言った。

「えっ、みんなで先生をやっちやっていいのか？　大丈夫か？」
　金山が少し不安そうに言った。和彦は、
「なあに、大丈夫に決まってるよ。何しろ、立花先生は一日に五回だって六回だって平気なんだろ？
　俺たち高校生三人くらい一度に相手にしたって、余裕だよな」と笑った。
　すると今度は、吉村が、
「そうじゃなくて、金山が言うのは、先生を回しちゃったらやばいんじゃないかってことだろ？」と聞いた。
　和彦は、
「何言ってるだ、大丈夫に決まってるよ」と言って、香菜子の方をじっと見た。

「先生、俺、夕子から聞いたよ。先生、夕子と森内がセックスしているところ、毎日隣で聞いていたんだろ？　それなら、もう我慢できなくなってるんじゃないか？　何しろ、先生は凄い淫乱だもんな。だから、俺たちが慰めてやるんだから、これは強姦じゃないよな」
「止めなさい、滝原君。大声を出すわよ！」
「大声出したって、どうしようもないことは、先生が一番よく知ってるじゃないか」
　和彦はそう言うと、両手を腰に当て、素早くジャージを膝まで下げた。下着も一緒に下げたので、和彦のいきり立った肉棒が露出した。
「ほらほら、こんなになってるぜ」
　和彦が自分の肉棒を誇示するように突き出し、香菜子に迫った。
　そして、後ろの二人に、
「おい、お前達もジャージなんか脱いじゃえよ」と、声をかけた。
　しかし二人は、
「えっ？　やっぱ、やばくないか？　なぁ、吉村」
「うん、どうかな？」と顔を見合わせているだけで、動く気配がなかった。
　二人は、自分の学校の女教師を強姦することへのためらいを、まだ捨てきれないようだった。

「何言ってるんだよ。そんなら、俺一人でもやるぜ。何しろ、俺はもう先生を抱きたくてしかたなくなっているからな」
　和彦は、そう言うといきなり香菜子に体をぶつけるように襲いかかってきた。
「あっ！」
　香菜子は体をかわそうとしたが、逃げ切れずに両手を掴まれ、和彦に背中を向けたまま、床に積まれたマットに体を押し付けられた。若くて体も大きい和彦の力は強く、香菜子はすでに身動きが出来なかった。
「おい、金山、いいこと教えてやろうか」
　和彦は香菜子を押さえつけながら、まだためらって動けないでいる友人に言った。
「この先生、右のおっぱいの裏側に、小さなほくろが二つあるんだぜ。俺、最初に先生を抱いた時に気がついたんだ」
　和彦は香菜子のＴシャツをめくり上げようとした。
「いやっ！」
　香菜子は大声を出して、体をくねらせ、激しく抵抗した。
　しかし、和彦は香菜子に馬乗りになって、少しずつＴシャツをめくっていった。
　香菜子は、マットの布地のざらざらした感触をじかに腹に感じ、自分の体が次第にめくられ、肌が露出していくのを実感した。それはとても長い時間のように感じられた。

　ついにＴシャツは首までめくられた。そのため、香菜子の手は自分のＴシャツで縛られたようになり、自由に動かせなくなっていた。しかし、香菜子はまだ体をよじって、和彦がＴシャツを脱がそうとするのを必死で防いだ。
「はははっ、先生。最初に俺に抱かれた時はこんなに本気では抵抗しなかったじゃないか」
　和彦がそう言うと、吉村が、
「おい、滝原。お前、本当に先生を抱いたことがあるのか？　その時も強姦したのか？」と後ろから聞いた。
「そうだなぁ、あれは形の上では強姦だけど、先生もその気十分だったから、本当は強姦じゃないよな。ねえ、先生？」
　和彦はそう言って、少し体の位置を変えた。そして、完全に脱がすのをあきらめたのか、Ｔシャツを香菜子の肩のあたりに巻き付かせたまま、その上を一方の手で強く押さえ、香菜子をマットに強く押し付けておいて、もう一方の手でブラジャーのホックを外した。
「うっ！」
　胸の締め付けが弱まったことで香菜子にも、ブラジャーが外されそうになっていることは、すぐにわかった。香菜子は声にならない呻きを口にして、もう一度体を捻って、和彦の手から逃れようとした。

　その時、香菜子の肩のあたりを押さえていた手が外れ、香菜子は一瞬前のめりになるように這って、重ねてあるマットの上を少し進んだ。しかし、今度は和彦にタックルされるようにマットに押しつけられた。
　和彦はものも言わず、香菜子を仰向けにして、もう一度Ｔシャツをめくり上げた。ホックの取れたブラジャーがずれて、乳房が露出するのが香菜子にもわかった。和彦は完全にブラジャーを上に外し、乱暴に乳房を掴んだ。
「ほら、二人とも見てみな。ここにほくろが二つあるだろ」
　和彦は二人に見えるように体の位置をずらした。

「おっ、本当だ。それにしても、先生、おっぱいでかいな」
　金山は身を乗り出して香菜子の乳房を見た。
　吉村も、
「ほくろがあるってことは、滝原が先生とやったっていうのは本当なんだ」と驚いたように言った。
「だから、言ったろ？　俺にセックスを教えてくれたのは立花先生だって」
　和彦がそう言った時、また香菜子を押さえつけていた手が緩み、香菜子は和彦を振りきってマットの上を必死に這って逃げた。
　しかし、めくり上げられたＴシャツに視界を遮られてよく前が見えない。
　突然、壁にぶつかり、香菜子はもうそれ以上前進できなくなった。
　そこは壁際に積み上げられたマットの隅だった。
「先生、もう逃げられないぜ。そこで先生は俺たち三人に回されるんだ」
　和彦は勝ち誇ったように言った。そして、後ろの二人に向かって、
「ほら、お前達もジャージなんか早く脱いで、先生にいいことを教えてもらえよ」と言った。
「へへへっ、そんならやるか」
　金山がジャージを脱ぐと、吉村も、
「順番どうする？」と言いながら、ジャージを下ろした。
「俺は何度もやったことあるから、まず、お前達二人でやってみろよ」
　和彦が思い切り下卑た笑い方をしながら言った。
「えっ？　いいのかキャプテン。俺たちが先やって」
　金山が言った。
「いいよ。この先生は、何度かやった後の方が感度が上がって、調子よくなってくるから、そうなってから俺ので気を失わせてやるよ」
　和彦はそう言って、腰に手を当てて肉棒を突きだした。

「じゃあ、まず俺が先生に個人授業をしてもらうから、もし先生が暴れたら金山とキャプテンで足を押さえてくれよ」
　吉村は早くもマットの上に上り、香菜子の方に近づいてきた。
「なんだよ。吉村、ずるいぜ」
　金山も勃起した肉棒を振りながら、マットの上を進んできた。
「ああっ、やめて！　やめて！」
　香菜子は壁を背にして必死で叫んだ。
　しかし二人は両方から香菜子の足を持ち、香菜子の体をマットの中央に引きづり出した。
「あああっ！！」
　香菜子の背中がマットで擦れ、必死で下におろしたＴシャツの裾はまためくれ上がった。二人はそのまま香菜子の腰を押さえ、ハーフパンツを脱がそうとした。
「だめ、だめっ！　やめなさい！！」
　香菜子は足をばたばたさせたが、若い男二人の力にはかなわなかった。
　少しずつではあるが、確実にハーフパンツを脱がされ、それと同時にパンティも下げられていった。

「おっ、先生のパンティ、ピンクだぜ」
　金山が笑いながら脱がしたパンティを手に持った。
「おお、いい匂いがしますね」
　そう言って金山が笑い転げているうちに、吉村は香菜子にのしかかってきた。
「それじゃぁ、先生、いただきます」
　吉村はそう言って香菜子の乳房に食らいついた。
「あぅ！」
　香菜子は必死で体をよじった。
　すかさず、金山は香菜子の足首を両方の手で持ち、体の向きを固定させるとともに、股を広げさせた。
　吉村は両手で香菜子の肩を押さえ、腰を香菜子の体の中心に持ってきた。そして、
「まず、入れてみるぜ」と言って挿入しようとした。
「だめっ、だめっ！！」
　香菜子は体をくねらせてそれを逃れようとした。しかし、吉村の体が重しのようになって、それから逃げることは出来なかった。
「ああああっ、あっ！」
　吉村の肉棒が香菜子を貫いた。
「おおっ、先生、凄い！　凄い！」
　吉村が声を出した。
「確かに、たまんないぜ」
　吉村はゆっくりと何度か肉棒を出し入れしてそう言った。
「何だよ、どう凄いんだよ。俺にも早くやらせろよ」
　金山が足を押さえながら言った。
「焦るな、焦るな。時間は十分あるんだから」
　和彦がマットの外から声をかけた。　

　香菜子は本当に気が遠くなりそうになりながらも、心のどこかでこんな日が来るのを待ち望んでいたような、そんな気もかすかにするのだった。

（以下、次回に続く）