| １６ 二人がかり 複雑な思いのまま、一行は使われていない客室に向けて（一応服を着て）移動を開始していた。 （…わ、わたしは一体何をしているんでしょうか…夫以外の、しかも高校生に、夫にもしたことがないことをした上、夢月ちゃんまで誘い込んでいるなんて…） 聖も聖で、自分が異常なまでに昂ってしまっていたことを、今になって反省しているのである。 が、ここまでやってしまった以上止めるのは気まずいし、何よりも自分の体が満足していない。 それは、おそらく相手も同じはずだ、と聖は思う。 （それならば、筆下ろしを最後まで終わらせてあげなきゃ、やっぱりかわいそうよねぇ…はぁ…） （なんで俺、護衛してるはずなのに聖さんに振り回されてるんだ…？ まぁ、おっぱいは気持ちよかったな、うん、おっぱいは…じゃない、そもそも聖さん、北見さんもいるし、俺相手にああいうことするってマズいよな。でもおっぱいは…） 順平は、『少々情けないな』と思いつつ、頭の中に嫌でも、聖の胸のことが浮かんでしまうのである。 （聖さん、何を思ってわたしが『順平のことを割と好き』なんて思ったんだろう？ まったく、いきなりあんなことを始めるなんてどうかしてる。なんだかわたしまで、変な気分になっちゃってるじゃないのよ…） さて、場所も変わって今度はベッドの上である。もちろん仰向けにされるのは聖…ではなく順平だった。 「あのー、だからなんで俺が下なんスか？…ていうかそれよりも、なんでこんなことになってるんでしたっけ？」 「知らないわよ、もう今更どうしようもないから覚悟しなさい。あたしはもう何故か覚悟させられちゃったわ…」 答えたのは聖ではなく夢月である。彼女も何故か、ベッドの傍らで順平を見ている。 「わたしもよく分かりませんが…まぁ、こうなってしまった以上、やっぱり終わらせるのが義務なんじゃないかなぁ、と…」 聖も頬に手を当てて苦笑いしている。『よく分からない』とは言ったものの、ほぼ全面的に彼女のせいである。 （…聖さんは正気を保ってるみたいだな。ということは、幽霊に操られているとかそういうのじゃないみたいだ。 しかしまぁ、向こうの連中は相当苦労しているだろうに、俺、こんな目にあっていていいんだろうか。でも俺のせいじゃないよな…？） 再び服を脱がせてくる聖を見ながら、順平はそんなことを考えていた。 「…わたしは『あるとき』を境目に、夫の体からは離れていました。しかし…まぁ、思い出してしまったんでしょうねぇ…。 それでまぁ、いずれはまた夫と、と思いますが、若い方、それも初めての方ならば『予行演習』に相応しいでしょうし、それに…」 （アレが予行演習って、普段どれだけスゴいエッチしてたんスかこの人！？） 「…それに？」 「それに、もう、体が火照るのを止められそうにありません。こんなものを見せられてしまっては」 話をしている間にズボンまで脱がされた順平の下半身は、先ほどを変わらずに元気を保っていた。 「さて、この子も、先ほど中途半端に終わってしまって嘆いているでしょうし…」 そう言って、聖は順平の横に寝そべり、顔を近づける。そして、モノを手で包み愛撫を開始する。 「あぁ、若いっていいわねぇ…こんなのを入れられたら、わたし、狂ってしまうかもしれないわ」 （顔に似合わず凄いこと言うなぁこの人…） 順平が、顔を染めつつも目を丸くする。明らかに興奮を煽られている、と分かるものの、順平の欲望は、彼女に操られるままに高まっていく。 「夢月ちゃん、見てみて。ほら、ピクピクしてる」 「…本当だ…順平、すごいことになってる…」 止めるどころか、夢月は、聖の言葉に誘い込まれるままに順平のモノに顔を寄せている。 それはもう血管を浮き立たせ、先から汁を出して、今にも『限界』を訴えているように震えてしまっている。 「ん…れろ…」 「んぅおっ！？」 何を思ったか、聖が扱いているモノの先端を夢月が舌で撫でた。まさか夢月に舐められるとは思わなかった順平が、少々間の抜けた声を上げた。 「お、おいなんだよ、お前まで一緒になって！？」 「…ん、なんだか、興奮しちゃって…順平のモノなんか、舐めたくないのに、んちゅ…」 「あらあら…」 聖は微笑しつつ、順平のモノを扱きながら二人を見守っている。 そのうちに、夢月のほうが興奮しきってしまったのか、モノの先端を口に含んでしまっていた。 まるで、『あの夜』のときのように。 「くぅっ！？」 甘い水音を立てて、口と舌を使っての愛撫を繰り返す夢月に、順平は逆らうことが出来ずにいた。 聖の腕に顔を少し抱き上げられ、ブラジャー越しに胸をあてがわれているからである。 （くっ、これは長くもたない…っ） 夢中でしゃぶりついてくる夢月の口の動きと、聖の指の動きにあわせ、順平に快楽の波が襲い掛かってきている。 ときおり射精しそうになるのに、何故かそれをさせてもらえない。射精したいのに、理性とは別の何かがそれを防いでいる。 その原因は、聖の指使いにあった。夢月の顔の動きに合わせて動きに変化をつけたり、あるいは緩急をつけたり、茎の根元を締め付けたり袋を握ったりして、絶頂、射精しないように巧みにモノを操っているのである。 （…な、舐めてかかっていた、お、俺は人妻というものを侮っていた…！） 「うふふ…」 何故射精させてもらえないのかが分かった順平には、目の前で清楚な微笑を見せている聖が、魔女のように思えてきてならないのだった。 「まだ射精しては駄目ですよ？うちの夫などは、それはもう、わたしを何度も何度も責めて責めて責め抜いて、わたしがヘロヘロになって動けなくなっていてもまだ元気に責めてきて、気絶するまで逃がしてくれない方なんですから」 （あのガタイだからかなぁ） …と夢月も順平も、大柄かつ筋肉質らしい北見の風貌を思い浮かべていた。 （しかし、あの北見さんがそんなにすごい性豪にも見えないんだけど、そっちも人は見かけによらない、ってことなのか） 「さて、このくらいでいいかしら？」 夢月がちょうど顔を引っ込めたところで、聖が体を起こした。そしてベッドの上で膝立ちになると、上着、ブラウス、ブラジャー、そしてスカート、ショーツ、と順番に脱いでいってしまった。 「うわぁ、聖さん、綺麗…」 見とれるように、夢月が言った。 「うふふ、普段あまり日に当たらないものね」 普段どおりの表情に見えるものの、聖のほうも愛撫を繰り返していたせいで大分興奮していた。 「…ほら、貴方のを触っていたら、わたしも興奮してしまったわ、順平君」 順平の顔の前にわざと下腹部をもっていき、濡れ潤ったその場所を見せ付ける。 「…すごい…太腿のほうまで、垂れてる…」 いつの間にやらあふれ出ていた湧き水は、内股、太腿を垂れ落ちて膝のほうに向かっているのが分かる。それも大量に。 「…さあ、わたしに、頂戴？」 一旦身を引き、順平のモノの上へ体を動かす。 「夢月ちゃんは？」 「あはは…なんだかよく分からないけど、わたしももう止められそうにないです。ごめん順平」 いつの間にか裸になっていた夢月も、やはり下腹部を濡らしている。 「おい中嶋、お前何をするつもり…んぶっ」 慌てふためいている順平の顔の上に、聖と向かい合うようにして座り込む夢月。嫌でも秘所が口に当たる。 「あ…っ、はぁ…んっ」 未知の感触に、夢月が喘いだ。 「あら大胆…」 「聖さんに言われたくないですよぉ…」 ぐいぐい、と腰を前後に揺さぶって、順平の顔にさらに局所を押し付ける夢月。 「じゃあ、わたしも…そろそろ、頂いちゃうわね…んっ…♪」 「んぐっ！？」 いきり立ったモノの上に、今度は聖が座り込む。整えられた茂みの中に先端が埋まり、そのまま茎が一気に根元まで食い込んだ。 「んあぁ…、は、入って…きた…。凄い…」 倒錯に満ちた聖の喘ぎが、順平の耳に入ってくる。 しかし、その順平はそれどころではない。下腹部のモノが聖の中に食い込んだ快感と、そして何より、口元をふさいでいる夢月の秘所の重みが、彼を追い詰めていた。 「夢月ちゃん、窒息させてはいけませんよ？」 「あ、はい」 そうしてようやく、夢月が少しだけ腰を持ち上げた。 「…あ、なんだかすごく恥ずかしい…。順平、じっと見ないでね」 「む、無理いうな…げほっ」 今まで押し付けられていたせいで息が苦しかったのか、順平は咽ている。 「ん、んはぅ…っ、はぁ、はぁっ…」 そのスキに、聖が腰を細かく動かし始める。決して早くも激しくもないものの、順平を追い詰めるには十分な律動。 そして聖からしてみれば、自分の『感じるところ』だけをもっとも効果的に刺激することができる体位。 「あ…あぁ…っ、こ、この前のがそんなに…んぅっ、大きくなかったから、あんっ、順平くんの、すご…んっ♪」 くっちゅ、くっちゅ、と妙にリズミカルな音を立て、聖は快感に喘いでいる。 『この前の』というのは、あの幽霊のことなのだろう。 「ひ、聖さん、そんなに動かないで欲しいッス！んぐっ」 順平が体を起こそうとするのを、夢月が再び下腹部を押し付けて阻む。 （ぐ、ぐぅ…っ、これは『災難』と見ればいいのか、それとも『滅多にない幸運』だと見るべきなのか…。 てか、何してるんだ俺…） 考えてみれば、今自分に起こっていることはある意味とんでもない幸運なのかもしれない。 しかし、幽霊騒ぎの中危険を冒している別働隊がいるのに、自分は『命をかけて護衛する』つもりでいた護衛対象に、二人がかりで犯されているのである。 「あらあら？出そう？出そうなのね？こんなにぴくぴくさせて、我慢しちゃってるのね？」 聖の腰の律動がどんどん早く、そして大きく、激しくなっていく。気がつけば、引き抜ける直前まで腰を引き、そして一番奥に先端を叩きつけるように、腰を強く落とす、の繰り返しになっていた。 もともと限界近かった順平のモノは、聖の中でブルブルと奮え、もう破裂しそうになっていた。 「…じゃあ、頑張ったご褒美を上げる。…ほら、射精しなさい」 聖がそう言って腰を沈ませた途端、『キュッ』、と膣が凄まじい勢いで締まり、順平のモノを絞り上げた。 「！！」 夢月が上にいるため声を立てることも許されない順平は、腰を大きく反らせ、さらに聖の奥へモノを突きこんだ状態で膣奥へと発射していく。 「ん、んあぁ、い、いいっ、いいの、出てるの、イッちゃうの…っ♪」 聖が前に倒れこみ、正面にいる夢月に抱きつく。夢月は倒れこんできた聖を受け止め、抱き締める。 「あぁんっ、あぁ、すごい、たっぷり出てる、わたし、孕まされちゃうっ♪」 （げっ、わ、忘れてたっ！？） しかしこれは完全に不可抗力である。決して順平のせいではない。…あとで夢月に殴られるかもしれないが。 「…こ、こっちも駄目ぇっ！」 続いて、順平の上で夢月がびくん、と震えた。直後、その秘所から大量の愛液が噴出した。 「駄目、順平、見ないでっ、イッてるところ見ないでぇっ！」 さすがに、嫌でも顔を背けている。 「…うふふ、さすがに若いですねぇ、こんなに出しちゃって…」 やっと順平の体から離れた聖は、ベッドの上に座ると、わざと見せ付けるように脚を広げた。 その脚の間の亀裂からは、大量の粘液質の液体が吐き出されていく。 「…あー、すんません、でもこれ、さすがに俺のせいにされたらキツいです」 「それは大丈夫よ。今日は…数えてみたら多分大丈夫な日だったもの」 「…たぶん、ですか、はぁ…まぁ、一応安心しときます」 そう言って、順平は後ろ頭を掻いた。 「それに、今回のことでわたしも色々な意味で自分を見直すことが出来たわ。 あの人との間にまた子供が欲しいもの。これから頑張らなくちゃ、というときに他の人との間に子供は作れないわ」 （女って、色々な意味で凄いな…） 半ばげっそりしている順平が、夢月と聖の顔を見回した。 「…で、順平、どうだった？」 「…どうだった？って、すげぇ気持ちよかったけど」 ようやく落ち着いてベッドに座ることが出来た順平に、とりあえず下着だけ着けた夢月が真顔で尋ねた。 答えようのない順平はとりあえず当たり障りがないように答え…たかったのだが、実にストレートに答えざるをえない。 （あれだけ射精しといて『気持ちよくなかった』なんて口が裂けても言えないし、嘘だってすぐバレるからな） 「…そうじゃないわよ、わたしのアソコ、どうだった？」 「…なんだそりゃ？」 『えっ？』という顔で、順平が夢月を見つめ返した。が、すぐに意図を察すると、目の前で手を合わせて謝り始めた。 「正直、下半身に気をとられて、息が苦しいくらいにしか思えなかった。悪い、すまん、許してくれ！」 「ヘンな意味で素直なヤツね…」 特に怒ることもなく、夢月は呆れた顔をした。 「…だが、俺も男だ、責任は取るぞ！」 「へっ？」 突然、順平が夢月の手を強く握った。 「ちょ、待って、何のこと！？」 夢月の言葉が終わらないうちに、その体がベッドに押し倒された。あれだけのことをされたのだ、順平だって頭に血が上ってもおかしくはない。 「あらあら、さすが若いのね、まだイケそうだなんて」 「ひ、聖さーん！」 早々と服を着てしまった聖への助けを求める声は、届かなかったようである。 このときもう、外はもう激しい雨が降り出しているのだが、三人はそれにまだ気づいていない…。 |
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| 2013.8.17掲載 |
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