| ２６ 歪められた愛の果て 「…あ、あ…あぁぁぁ…っ♪」 もう、ヒカリを押さえつける手は存在していなかった。ロープも解かれている。それなのに、体が言うことを聞かず、少年たちの言いなりになっている。 いや、恐怖で言いなりになっているのではない。愛撫によって快楽に染められた体が、男の体が欲しいといっているのだ。 だからこそ、彼女は先ほどの『タクミ』の問いに対して『もういいよ』と答えたのである。 そして、その直後、ヒカリは人生二回目の挿入を体験した。 「んく…あぁっ！」 散々愛撫されて興奮していたのか、ヒカリの体は案外素直に『タクミ』のものを受け入れた。 しかし挿入自体は上手く行っているものの、膣のほうはまだ異物混入を拒んでいるらしく、激しく収縮してモノを追い出そうと動いている。 『あぁ、おねえちゃん、おねえちゃん…』 『タクミ』もヒカリも愉悦に浸り、声を上げる。ヒカリを取り囲んでいる周りの少年たちも、羨ましそうに声を上げている。 最初、少年達は本当に紀子を待っていた。そして声をかけ、返事を得て、それだけで安心していた。 しかし、時を経るうち、声だけでは満足できなくなっていた。姿が見たい。その手に触れたい。笑顔を見たい。全てが欲しい。 …そう思うようになっていたのである。その想いは十五年の間に歪められ、当初よりもさらに強くなり今に至っている。 「んっ、『タクミ』、もう少しゆっくり…まだ、慣れてないんです」 『うん、分かった』 素直に、言われたとおりに腰を動かす早さを緩める『タクミ』。 『夢』の中で見た男との行為とは違い、この幽霊達とのセックスにはまったく違う点がひとつある。 それは、巴と交わったときのように、あの男にはなかった『愛情』がこもっている点であった。 長い年月の間に歪んだとはいえ、その起源が紀子を慕う想いであることには間違いなく、それが今のヒカリとの行為にも現れているのだろう。少年達はあくまでも、ヒカリ…いや、『紀子』が喜ぶことをしたい。そう思ってきたのだ。 だからこそ、『少年の姿では満足できないだろう』、と姿を変えるようにまでなり、山からは出られない（らしい）ものの離れを出て山荘の周りを飛びまわり、『予行演習』と称して聖に手を出し、どうすれば大好きな紀子が喜んでくれるかを実践しようとした。 （…形は間違っていても、わたしは…紀子という女性は、この子達に愛されていた…。 彼らは、その想いに答えて欲しかった。それが、この少年達が今も幽霊としてこの世に残っている理由…） だから、彼らの目的を果たさせるためには…。そう、ヒカリ自身が満足しなければならなかった。 ヒカリは、いつの間にか彼ら六人の幽霊、そして生方紀子という少女にある種の同情の念を抱いていた。 特に、中学生でありながら、少年達の命を守るために自ら体を捨てるしかなかった紀子には、深い哀悼の意を持たざるをえなかった。 だから、何故かは分からないが、紀子の代わりに『おねえちゃん』と呼ばれる自分が、子供達の望みを果たしてやりたい、と思った。 「ん…んあぁっ！」 どくん、と『タクミ』のものが内奥で脈打つのが、ヒカリにもよくわかった。それと同時に熱いものが体内を侵食していく。 『あ、おねえちゃん、出ちゃった…』 「ん…気持ちいいです…でも、今度は『もういいかい？』って聞いてくださいね？」 『うん、ごめんなさい』 最初は無理矢理連れてきたのに、ヒカリの言うことをよく聞いている。やはり心根は少年のものなのかもしれない。 引き抜かれると、大量の白い液体が溢れ出た。ヒカリはようやく一息つけてはいるものの、体が火照り、もう次のものを求めている状態である。 『つ、次僕！』 そう言うが早いか、飛び込んできていきなりヒカリと繋がったのは『ユキオ』である。 いつの間にかヒカリは、彼らの見た目で誰が誰だか分かるようになっている。 どのくらい時間が経過したのか、ヒカリにも少年達にも分からなかったであろう。 ヒカリは『トシ』の上になり、胸を押し付けるような恰好で腰を動かしていた。口にはモノが含まれ、左手にも握らされている。いや、むしろ自分からそれを行っている。 （気持ちいい、犯されるの気持ちいい…もっと、もっとしてほしい、まだ満足できない…！） 『おねえちゃん、俺も入れたいよ…』 『カズキ』が言った。六人いるので、どうしてもあぶれる者が出てくる。 そんなとき、『ユキオ』が『いいことを思いついた』とばかりにこう言った。 『…『ここ』、入らないの？『カズキ』』 そう言って指差されたのは、ヒカリの『もうひとつの穴』だった。 （え？そ、そっちは…） 「んはっ！」 必死に口の中からモノを追い出すも、ヒカリのお尻に硬い先端が食い込んだ。 「…だ、だめぇ、そっちはお尻ぃ…っ！んひぃっ！」 ろくに開発されてもいない場所に、いきり立ったモノが捻りこまれ、ヒカリは目を見開いて絶叫した。 「い、いやぁ…二つ、ふたつも入ってるの…お腹壊れる…壊れます…っ！」 ヒカリが悶絶している間も、下になっている『トシ』は無我夢中で腰を動かして突き上げてくる。 対する『カズキ』のほうも、ヒカリの腸内の感触が堪らないらしく、もっと奥へ、奥へと突き入れてくる。 痛い。痛いのにお尻が気持ちいい。ヒカリの脳内で快楽がはじけた。もう、理性を保つのは不可能だった。 ヒカリの体が抱き上げられ、前後に『トシ』と『カズキ』が挟み込んでいる。 『トシ』が彼女の脚を持ち上げて支えているものの、その脚はもう『トシ』の腰のあたりを巻き締めていた。 胸には『カズキ』の手が伸び、絶えず揉み解されている。 「あぁ、あんっ、はぁ…♪」 息をつく暇もなく前後から来る快感に、ヒカリは愉悦の声を上げる。先に出された精液が、ぼたぼたと零れ落ち、畳に新しい染みの原因を作っていく。 「あぁ、お尻、お尻もっと…、『カズキ』、頑張って…」 『うん、おねえちゃん、もっと気持ちよくなって』 少年達はヒカリの言葉にきちんと従ってくれていた。 「あぁ、イく、わたしお尻でイっちゃうの！『カズキ』、すごいです…っ、あぁっ！」 前後のモノが脈打ち、一度に大量の液体が体内に打ち込まれてくる快感に、ヒカリは『トシ』に抱きついて必死に耐えようとしていた。 『…おねえちゃん、気持ちよかった？』 「…はい、お尻も前も、とても気持ちよかったです…」 ふぅ、とヒカリは溜息をついた。体を離してもらったところで、再びテーブルの上に寝転がる。少し疲労していた。 この状況はもはや、幽霊達に襲われたヒカリが犯されているのではない状態である。 むしろ、ヒカリが少年の幽霊達の上に君臨し、昏い性欲の宴の主と化していた。 「はーっ、はーっ、はーっ…」 激しく呼吸をすると、体の火照りがいくぶんか落ち着いてくる。ヒカリの全身はもう、誰が出したかも分からない精液で汚れつくしている。 一体何度絶頂したことだろう、何度射精されたことだろう。それでもヒカリはまだ満足していなかった。もちろん、少年の幽霊達も。 それはおそらく、過去に紀子を犯した『あの男』とは違い、やはり少年達が紀子に…そしてヒカリに対して強い『敬愛』と『愛情』を持っていたから、であった。 「はぁぁん、駄目ぇ、ちょっとだけ休ませて…♪」 また体の中に太いモノを受け入れ、ヒカリのどこか嬉しそうな悲鳴が響いた。 |
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| 2013.9.14掲載 |
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