禁断

秋水 作
52.


　小林 麻矢は32歳、結婚５年になるが子どもは居なかった。

「貴方、わたしファーストフード店のパートしてもいい？」
　夫の章、35歳が遅い帰宅をし入浴の準備をしていた。

「パート！？生活は困らないと思うけど・・・・」
　年齢の割りに収入の良かった章は麻矢の真意が分からなかった。

「そうじゃなくて、裏の調理場でも構わないから手伝ってと、同級生の木村さんから頼まれて・・・・日中なら貴方に迷惑掛けないし、裏方なら近所にも分からないし、わたしも家の中に籠ってるより動いたほうがいいかなって・・・・」
　夫の章も仕事が忙しいので一緒に過ごす時間もほとんど無く、麻矢も何となく鬱積していた。

「そうだな、籠ってるとロクなことがないから、いいよ！木村さんなら僕も何回か話したことがあるから」
　章は気にしないって感じで浴室に向かった。


　紹介した同級生の木村とは違う店舗が麻矢のパート先だった。

（わたしに務まるのかしら？知らない人ばかりで・・・・でも、自宅からも離れてるから、気を楽にしてやろう。気分転換だと思って楽しまないと意味が無いわ！）

　マニュアルがキチンと整っていて、仕事は思ったほど難しくなく、半月ほどですっかり慣れた。

「麻矢さん、悪いけど向こうの部屋で夜の支度を手伝ってくれる？」
　店長の高嶺が麻矢に手伝いを頼んだ。

「はい」
　麻矢は感じの良い高嶺に明るく応えた。

（やっぱり仕事を引き受けて良かったわ！こういう仕事って高校生の時のバイト以来だから・・・・）
　高校時代を思い出しながら自分の年齢のことを思った。

（いつの間にか、すっかりオバサンになっちゃって・・・・）
　麻矢が気にするほど年齢を感じさせない．麻矢の外観だった。

「今日はこれを夕方のパートが終わる時刻までお願いします」
　高嶺はサッサと作業の段取りをして店先に戻っていった。

（店長、35歳って、うちの旦那と同じなんて思えないわ！独身のせいか、仕事柄か、とにかく精力的って感じ・・・・）
　麻矢はすぐに作業を始めた。


　しばらくすると高嶺が戻って来た。

「麻矢さんが人妻だなんて見えませんネ！木村さんと同級生っていうから、驚きましたよ」
　高嶺が棚の品をチェックしながら麻矢に話しかけた。

「エッ！それって、わたしが子どもっぽいってことですか？まぁ、高校生の時から発育が止まって、身体は未熟ですが・・・・」
　麻矢は細身の身体のせいで若く見られることが多かった。

「いえいえ、充分に魅力的な女性に見えますよ！ユニフォーム姿で店頭に出てもらっても充分に通用しますし」
　高嶺は作業する麻矢の全身を見ながら言った。

「やっぱり、高校生と同じってことじゃないですか？」
　麻矢は高嶺の視線に恥ずかしさを覚えた。

（イヤだわ〜わたしったら自意識過剰かな？店長に全身を見られて、何か独身みたいにドキドキしちゃって）
　麻矢は人妻なのに不謹慎だと思った。

「違いますよ！人妻には見えなくても女性として魅力的ですよ。少しユニフォームのスカートがミニ過ぎて刺激的ですが・・・・エプロンにミニスカート、スラリと長い脚、前屈みになって作業してる姿、後ろからだと凄く刺激が・・・・」
　高嶺が麻矢の背後から応えた。

「エッ！・・・・アッ、ウソ！見えてます？」
　麻矢はお尻が見えてると思い慌てて姿勢を直した。

「大丈夫ですよ！見えてませんから・・・・」
　本当はチラチラとパンティと柔肉が見え、高嶺は欲情していたのだ。

（最初から好みのタイプだけど、人妻だからと意識しないようにしてたけど、刺激が強くて・・・・）
　高嶺の股間が熱くなっていた。

「本当ですか？わたし胸もお尻も未熟で小さくて・・・・もっと自慢の出来るスタイルなら見られても」
　麻矢は大丈夫そうなので作業を再開した。

「僕は胸やお尻が大きい女性は苦手で・・・・どちらかと言うと麻矢さんのように細身の女性が好きなんです」
　高嶺は麻矢の横に居た。

「変わってますネ、店長さん。店長さんが独身なのも不思議な感じがしますよ。優しくて逞しい店長さんだから、彼女が多くて決められないのかしら？」
　麻矢は高嶺の『好き』という言葉にドキッとしていた。

（わたし、また意識過剰！何をドキドキしてるの！）
　結婚して５年、夫婦関係は倦怠期に来ていた。


「見られても平気？僕には自慢できるスタイルだから、自信持って見せても」
　高嶺は再び麻矢から離れて麻矢の全身を見始めた。

「店長、言葉のアヤですよ！そんな風に見られてると仕事になりませんよ」
　麻矢は高嶺の方に視線を遣りながら作業を続けた。

「僕は夕方まで休憩です。麻矢さんは僕のことは気にしないで作業してください」
　高嶺は麻矢の後ろに回った。

　知的な顔でショートヘア、身長は157cm、自信のない３サイズは、82・56・81と細身だった。

「やっぱり魅力的だな〜ユニフォームにエプロンが麻矢さんにピッタリのイメージで・・・・」
　高嶺は麻矢の背後に屈みこんでいた。

「アッ！て、店長！ダメですよ、見ちゃダメです」
　麻矢は身体を起こして後ろ手でスカートを抑えた。

「僕には自慢できるからイイじゃないですか！それに僕は休憩中、麻矢さんは仕事を続けなきゃダメですよ」
　高嶺は麻矢の手を取って前に戻し、そのまま作業をするように言った。

「ズルイですよ〜わたしは従うしかないのですか？」
　麻矢には独身時代から久しくなっていたシチュエーションだった。

「そうですよ！店長命令です。少しパワハラって感じですが・・・・この部屋には僕と麻矢さんしか居ませんし・・・・」
　高嶺は思い切って麻矢のミニのスカートを捲った。

「て、店長！」
　麻矢は慌てて高嶺の手を抑えたが逆に手を取られ、身動きを封じられたまま高嶺の昂った肉棒を掴まされた。

「ぅわっ！こんなところを誰かに見られたらどうするんです？」
　麻矢は高嶺の逞しい肉棒の感触に驚いた。

「本部に報告されてクビになるでしょうね！だけど、麻矢さんの魅力と店長の立場は比べ物になりませんよ。麻矢さんの素敵なお尻を触れるのなら、クビでも本望です」
　高嶺の言葉にウソや誇張は感じられなかった。

（わたしのような細い身体に逞しく反応してるなんて・・・・本当に店長の好みなんだ・・・・滅多にないこと・・・・）
　麻矢は自分が犯そうとしてる淫行は許されないことだと分かっていたが、何故だか拒絶できない気持ちだった。

（クビを掛けるって気持ちは大変なこと・・・・わたしにそんな価値があるなんて・・・・）
　夫より逞しい肉棒も気になったが、好感を抱いていた高嶺の強い気持ちに応えたいと思った。

「そのまま作業しててください。お願いです！麻矢さんは何もしなくて構わないので・・・・」
　高嶺は目の前の麻矢の太腿とお尻を擦り始めた。

「アアッ！・・・・て、店長さん」
　麻矢はキュッとお尻を引き締めた。

「長く締まった太腿と素敵なお尻・・・・堪らなく魅力的ですよ」
　高嶺は麻矢のタイトスカートのホックを外し、ストンと麻矢の足首までスカートが落ちた。

「まるで裸にエプロンですネ！艶っぽいですよ」
　麻矢は高嶺の目に映ってる自分の姿を想像した。

（こんな格好、したことないわ！夫はセックスには淡白だからスタイルにも拘らず、そんな淫猥な格好は求められなかったし・・・・）
　麻矢は想像した自分の格好に興奮を覚えた。

（見るだけ？触るだけ？あんなに逞しくなったオチ●チ●はどうするの！？）
　麻矢の頭の中で様々なことが交錯している間に、高嶺は小さなパンティもゆっくり引き下ろし始めた。

「アッ！恥ずかしいわ！店長、もう、誰かが来ますよ！」
　身動きを制されてる麻矢は微妙に身体を捩らせた。

「そんな風に動くと、ますます艶っぽくて・・・・これで本当に裸にエプロンになりましたよ」
　麻矢は高嶺の言葉で異常に興奮した。

「わたし、こういうこと、本当に苦手なの！店長の気持ちは嬉しいけど、わたし人妻だし許されないわ！」
　高嶺は麻矢の言葉に構わず引き締まった太腿からプルンとしたお尻の柔肉に舌を這わせ顔を埋めるように押し付け、谷間の奥の小さな菊蕾、アヌスを舌先で小刻みに舐めた。

「ふぅぁああああっ・・・・あふっ、て、店長・・・・」
　その瞬間、麻矢はツツツゥ〜ッと淫らな液が太腿に滴るのを感じた。

「麻矢さん、感度が抜群ですネ！細くて引き締まった麻矢さんのようなスタイルの女性は、一般的に感じやすいって聞いたことがあります。麻矢さんが気づかない麻矢さん自身の良さが眠ってるかも？」
　高嶺は淫液を滴らせた淫唇を指でなぞり、クリトリスを優しく擦りながらお尻の柔肉に舌を這わせた。

「ハァア〜〜ッ・・・・イッ・・・・」
　快感を覚えて以来、麻矢の経験の中でこんなに興奮し感じたのは初めてだった。

「麻矢さん、出入り口の方を見ててくれないと・・・・出入り口からは麻矢さんの後姿も下半身も見えませんから、こうして僕が麻矢さんの下半身を弄っていても、近くまで来ない限り分かりませんので・・・・」
　麻矢はハッとして顔を出入り口の方に向けた。

　麻矢の精神状態は混沌としていた。
　思いもかけない展開で自分がしていることさえ信じられなかったが、下半身が快感に満たされつつあることも現実だった。


「アッ、っ・・・・ぁはっ、はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ・・・・」
　高嶺は麻矢の淫部を丁寧に舐め淫壷の内壁を擦り始めていた。

「アッ、アッ、アッ、イッ・・・・イッくぅぅぅ〜〜〜〜」
　麻矢は下半身裸にエプロン姿のまま、高嶺の巧妙な愛撫で昇りつめていった。

「あっ、誰かが来ます」
　麻矢がまだ快感に震えている時、高嶺がドアの音に反応して言った。

　麻矢は不自然に見えないように顔を上げた。

「小林さん、店長、見ませんでした？」
　ドアを開けた店員が麻矢に高嶺の所在を尋ねた。

「さっき、来ましたが、夕方まで休憩だと言って・・・・」
　麻矢はそれ以上近づかないでと願った。

「そうなんですが・・・・じゃぁ、夕方戻ったら確認します」
　店員はすぐにドアを閉め去っていった。

「ふぅぅぅ、もぅ、冷や汗ですよ」
　店員が麻矢に話している間も高嶺の愛撫は続いていた。

「いえいえ、冷や汗じゃなく快感の熱い汗ですよ！また邪魔が入らないうちに・・・・」
　高嶺は立ち上がり麻矢のお尻を引き寄せ、昂った肉棒を深く挿入していった。

「アアアッ・・・・アッ、て、店長・・・・」
　麻矢は背徳の淫交だと思いながらも、太い高嶺の肉棒が淫壷深く挿入されると、それだけで昇りつめそうになり夫のことなど消えうせていった。

「麻矢さん、お尻と同じ、いえ、それ以上に締まったオマ●コですね」
　高嶺はすぐに腰を動かさず麻矢の淫壷の具合を堪能していた。

「ぁぁぁ、店長のオチ●チ●の方が凄いから・・・・」
　麻矢はお尻を突き出し内壁を圧迫される快感を感じていた。

　高嶺は麻矢の小振りな乳房も掴んで揉みながら腰を繰り出した。

「僕が揉むには丁度良い大きさ、乳首が感じやすいですネ！」
　乳首と乳房に快感を感じながら麻矢は昇りつめ、さらに激しく突く高嶺に麻矢は淫らに悦んだ。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
　麻矢を悦ばせ続けた高嶺も射精感が込み上げて来た。

「店長、ゴメンなさい。今日は危ないので・・・・」
　麻矢は中出ししようとした高嶺に詫び、高嶺の足元に屈んで肉棒を咥えた。

「うぅっ・・・・麻矢さんの素敵な口に咥えられ嬉しいですよ」
　麻矢は高嶺の淫猥な行為に応えようと舐め回した。

　ガチャッ！
「店長！？・・・・あれ？小林さんは？」
　高嶺が麻矢の口の中に射精しようとした時だった。

　麻矢は店員の声に高嶺の肉棒を咥えたまま固まった。

「トイレに行ったよ！何か用だった？」
　高嶺は射精を邪魔され少し憤慨していた。

「いえ、急用では・・・・失礼しました」
　店員も高嶺の機嫌が悪そうだと感じてすぐにドアを閉めた。

　麻矢はその間、ドキドキしながら高嶺の肉棒を咥えていた。

「店長、わたし、何かまた欲しくなって・・・・」
　麻矢は妙な興奮を覚え立ち上がり、再び高嶺の肉棒を欲しがった。

「いいですよ！僕も中断されて・・・・」
　高嶺は込み上げていた射精感が薄れ、麻矢の突き出されたお尻を再び掴み肉棒を挿入していった。

「アァアアアッ、イ、イィ〜〜ッ！」
　麻矢は再び味わう高嶺の肉棒に狂喜した。

「あぁ〜あぁ〜あぁ〜〜イイイイイッ、イッくぅぅぅ〜〜〜〜〜」
　麻矢が淫らに悦ぶのを見た高嶺はしばらくして肉棒を抜き麻矢の口に咥えさせた。


（わたしが・・・・あんなことをするなんて・・・・）

　高嶺の精液を飲み込んだ麻矢は帰途に着いていた。
　身体に自信の無かった麻矢だったが、高嶺との淫交で自分の意外な一面が見えた。

「麻矢さん、良ければまた・・・・」
　淫交を終えた高嶺が麻矢との禁断の行為を誘った。

「店長・・・・今日のわたし、普通じゃなかった」
　麻矢は大きな快感と大きな過ちとの狭間にいた。


　帰り道、麻矢の心境は複雑だった・・・・。
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2012.11.10掲載
52話（11/10時点）
　【51】
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