第一章．めぐり会い、開花

「それはね、オーバーナイトセンセーションというんだよ」
　後ろから声をかけられて、ビックリして美貴は後ろを振り向いた。
　そこには初めて見る中年の男が立っていた。
　ここは富山県の、かくれ里と言ってもいいようなひっそりとした町だ。
　その公園で美貴が友達と、咲いている薔薇をきれいだね、なんていう名前なんだろうと話をしていたところに、声がかかったのだ。
　ちょっと小ぶりで、ピンクの可愛い薔薇だった。
「その薔薇はね、この前向井○秋が宇宙に持って行って、宇宙空間で匂う香りは、地球とは違うのかと実験した薔薇だよ」
　くたっとした、白いジャケットを着た中年の男が説明をしてくれた。
　薔薇が大好きな美貴は、説明は嬉しかったが、見知らぬ人なので、恥ずかしくてもじもじしていた。
「済まないけど、この薔薇がとても綺麗に咲いてるし、あなたも素敵だから、ぜひ一緒に写真を撮りたい」
　そう男が切り出すと、美貴は嫌だなと思ったが、早くその場を立ち去りたいので、一枚だけならと云い、写真を撮ると礼を言って逃げるように違うコーナーの薔薇のところに向かった。
　男は、美貴の後姿をしばらく見ていた。
　落ち付いた洋服を清楚に着こなし、ほとんど化粧していない美貴の素顔が、はっと見とれるほど美しかったせいだ。それだけではなくて、男に見つめられることに耐えられないような初々しさと、どこかに見え隠れするおんならしさに惹かれたせいだ。
　胡桃沢美貴。いま二十三歳。この町の信用金庫に勤める実直な家庭に生まれて、金沢市の短大に通ったあと地元の銀行に勤めている。美貴は、ようやく女として開花しかかっていた。

　一週間前の日曜日のことである。
「こっちへおいで」
　孝志がじれったそうに美貴を呼んだ。
　美貴は孝志に引きずられるように部屋に入ったものの、入り口のところのソファに座ったまま、動けなくなってしまっていた。
　今日孝志の祖母の還暦の祝いがあり、そこで集まった親族の者に、美貴が婚約者として披露されたのである。
　大木孝志の家は、北陸の首都金沢から車で一時間ほど山間部に入った町で代々造り酒屋を営む旧家であり、孝志は跡取として家で働いている。孝志はいま３６歳。孝志はぱっとしない風貌のせいで大学時代ヨット部に在籍して、本来女性にモテる環境だったのにもかかわらず、彼女に恵まれなかった。
　美貴とは見合いで知り合った。美貴はこの町の銀行に勤めていて、美貴の両親は孝志の家ならと一も二も無く承諾して話はどんどんすすんだ。
　今日の祝いの席、美貴は訪問着で来ていて、いかにも楚々とした振る舞いで、みんなの賞賛を浴びていた。
　孝志は、訪問着姿の美貴の美しさに我慢できなくなり、一族で酒宴が始まったのを機に、ちょっとドライブに行ってくると、美貴を連れ出し、モーテルに連れ込んだのである。
　美貴は、おずおずとベッドに腰掛けている孝志のところに近寄った。
　孝志は横に来た美貴の肩を抱いた。美貴はかすかに震えていたが、おとなしく身体をあずけた。
　今日の美貴は髪をアップにしていて、その髪が甘い匂いを放っていた。
　孝志はいきなり美貴の、アップのため剥き出しになっている透き通っているような白いうなじに口づけをした。
「あっ・・・」
　美貴は身体をよじったが、おとなしく耐えていた。
　孝志の舌は、そのまま美貴の可愛い桜色の耳に移っていった。
　耳たぶを噛まれて、美貴は大きくため息をつきながら身体を振るわせた。
　孝志は、美貴のあごに手を掛けキスをした。
「ん・・・・」
　美貴の唇は、孝志の舌でこじ開けられ、孝志の舌が美貴の口に侵入してくる。
　美貴の舌がおずおずと迎える。
　孝志の空いていた左手が、着物の八ツ口から侵入する。
　美貴の身体が堅くなる。
　孝志の手が乳房を捉えた。
「ああっ」
　しばらく、乳首をいらっていた手が離れ、美貴がほっとする間もなく、こんどは裾を割って侵入してきた。
　薄紅の波が乱れて、真っ白い脚がこぼれた。美貴はあわてて緩んでいた脚を閉じようとしたが、かえって孝志の手を両脚ではさみこんだ形になっただけだった。孝志の指は、美貴の脚のすべすべした肌触りを楽しみながら、奥に潜り込んでいきショーツにあたって止まった。
「いやっ」
「恥ずかしいっ」
　ショーツの上から強く指でえぐられて、美貴はのけぞり、両手で顔をおおった。
　孝志は、美貴の着物の帯をほどきにかかった。美貴を薄紅の長襦袢姿にすると、着物のヒモで美貴の手首を前で縛ってしまった。
　美貴は眼を丸くして、孝志に眼で訴えたが、孝志はそれにかまわず、肩から襦袢をすべらしてかきわけた。
　上気した肩と、ふっくらとした可愛い乳房があらわれて出た。
　美貴は狼狽していた。もちろん手首だけとはいえ縛られるなんてのは生まれて初めての経験だし、それに驚いている間もなく今度は恥ずかしいことに、おっぱいをむき出しにされてしまったのだ。

　孝志の手が乳房をつかむと、美貴の身体がピクンと震えた。
　美貴の乳房はまだ固く、美貴がまだ男を知らないことを物語っていた。
「ああっ、やめてっ………い、いやあっ………」
　孝志は両手に乳房を掴み締めた。美貴には長い間焦らされたのだ。
　いままでの思いを満たしてくれるに十分な大きさ柔らかさ、そして弾力だった。
　清らかな美しさを見せて張り詰め、透けるような白い乳房の上に淡い桜色の小さな乳首を頂点に飾っていた。
　それを気持ちが向くまま、揉み、こね回し、乳首を絞り出してつまみあげひねくり回した。
「ああ･･……･か、かんにんして･･……･」
　美貴が訴えるのを、痺れるような征服感を味わいながら、耳たぶを噛み、じっとり汗に濡れるうなじを吸う。
　やがて透けるように繊細な美貴の乳房は孝志の手の中で、ピンクにけぶるような色に息づき始めた。
　小さな乳首も否応なく絞り出されそそりたてられて固くとがった。
　吸い付くような柔らかい乳房を、左のを強く握って、右のに吸い付いていった。
「あふっ」
　乳房を強く吸われて、美貴は、頭がかっと熱くなり、腰が熱くなった。
　美貴が身体をよじると、孝志はそれを利用して身体を割り込ませ、いつしか美貴は、大きくはだけた薄紅の長襦袢の波のなかにおおきく脚をひろげて割られたかたちで孝志の身体をはさんでいた。
　美貴は、自分のおんなに孝志のこわばりが、身に着けているものを通してだがあたっているのを感じて、頭の中に薄紅の靄が濃くなっていった。
　孝志の指がショーツのなかに侵入してきた。
　ぐっしょりと濡れそぼったそこは、指を迎えて震えていた。
　指が真珠を捉えたとき、美貴の身体はガクッとのけぞった。
　やっと孝志は気持に余裕が出来て、美貴の全身を眺めた。
　・・・・・これが、俺のものなんだ・・・・・
　美貴は決してグラマラスな肉体ではない。
　どちらかと言えば、少女のように未成熟の部分を残したような華奢な体型である。
　とはいえ痩せたとか貧弱とかいう形容はあたらない。
　手も足もほっそりしているが乳房は形よく碗形に盛りあがっているからだ。
　身体は適度にふっくらとしていて、艶があってシミひとつないきれいな肌がいまは上気してピンクがかっている。
　スラッと伸びた長い足の合わさったところに、白いショーツに包まれた恥丘がこんもり突き出している、それなりに女らしさが充ち、若鮎のように生気が弾けている。

「そろそろ、美貴のあそこを見せてもらおうかな」
　孝志は美貴の引き伸ばされた太股の間に座り込んだ。
「ああ、み、みないでっ………」
　美貴は身を揉むが、孝志が身体を割り込ませているので、ただ、腰が左右に捻じれるばかりだ。
　孝志がショーツを一気にずり下げて、足から抜き去った。
　ついに剥き出しにされてしまった美貴のそこは、痛々しいまでにおびえすくみ上がっているかのようだ。
　柔らかな肉が、そっと閉じ合わされて一筋の切れ目となっている。その切れ目は、わずかに薄紅色にいろづき、男が熱望してやまない、処女の香り、たたずまいを呈していた。
　ただ縁ににじむピンクの色だけがその部分が熟しかけている危うさを見せていた。
　そのピンクの縁がはじけて奥に秘めたものが今にも溢れ出そうなもろさが、見るものの胸を妖しく昂ぶらせた。
「綺麗だ………」
　孝志は感に耐えたように口走った。頬をシーツに擦りつけていた美貴が声を引きつらせつつ、ひときわ激しく腰をゆすりたてた。
　孝志はそこはかとなく花の匂いを放つ股間に顔を寄せて、近々と眺めいった。
　それから唇をさしのべて、いたいたしいまでにひ弱げな肉の閉じ目にそっと触れさせる。
「ああッ……」
　美貴は電気にでも触れたように下肢を突っ張り腰をはねさせた。
　跳ねた腰はしばらく宙に浮いたままブルブル痙攣を続ける。
（すいぶん敏感だな………）
　孝志はひとすじの肉の閉じ目にそって優しく掃くような唇のタッチをずらしていく。
　そのわずかな動きにさえ、美貴は腰を痙攣させ喉を絞るのだ。
　生まれて始めて異性にそこを触れられる………それも思いもかけぬ唇で………
　処女にとっては当然の反応かも知れない。
　ほっかり温もりを含み、しっとりとした湿り気さえ帯びた縦の筋目をひとわたり唇でなぞり終わった孝志は、今度は同じ部分を舌で舐め始めた。
「い、いやあっ……か、かんにんっ………」
　美貴の悲鳴が更に甲高く引きつった。と思うと切羽詰ったような歔き声を噴きこぼす。
　腰がくなくなゆさぶりたてられ始めた。
「いやっ……いやっ……ああ……や、やめてぇ……」
　腰を揺さぶるだけでは間に合わず、顔を右に捩じり左に伏せ、あごを突上げ、胸をそらす。
　孝志は縦割れの両側に優しく盛り上がった柔肉に指を置いて、ゆっくり閉じ目をくつろげていった。
　しっとり濡ればんだ淡いピンクの秘肉がわずかにめくれて、内側に隠しているものを露にしていく。
　まず細長い莢をかむった小さな肉芽がゆっくり頭をもたげ、それに連なるやや濃いめの色をした肉襞が貝の舌さながらに姿をあらわし左右にはじける。
　そのはじけたはざまの深いくぼみの奥が初々しいピンクに光って、狭い孔の入り口を覗かせた。
　喘ぐような肉口のうごめきに張り渡された処女膜がはっきり見てとれる。
　孝志は大きくくつろげて肉芽も花びらも剥き出しにしたピンクのはざまを、長々と差しのべた舌でしゃぶりはじめた。
「あふっ………」
　美貴は総身を震わせた。

　美貴は、はじめて経験する恥かしさに、我慢しようとしても熱いおののきが湧き上がりあごが反りかえり声が出てしまう。
　からだの中から得体の知れない感覚に責め立てられ、熱いものがドッと溢れ出し、頭がうつろになる。
　紅く燃えた頭のなかを、経験したことのない恍惚の思いが駆けめぐる。
　美貴の股間は、わななきながら絞り出す蜜で、はや目も当てられぬばかりに濡れそぼり、それが燃えあがる肉の炎に熱せられてたぎらんばかりになっている。
　孝志の舌の動きにつれて、美貴は喘ぎすすり泣き、腰を突上げ、大の字なりの下肢をもどかしげによじる。
　愛らしいクリトリスはすでに極限までふくれあがってツンと頭をもたげ、莢の先からルビー色の尖りを剥き出しにしているし、二枚の花びらは赤く充血しきってボッテリと変形し、左右にめくれてその奥をハッキリ覗かせている。
　そしてその奥にのぞく処女膜は突き破られ、はちきれんばかりに満たされるのをムズつきながら待ち構えているかのようだ。
　絞り出される透明な蜜は蟻の門渡りをツツーと流れて、その奥にひそむ可憐な蕾までも濡らしきっている。
　孝志はクッキリと屹立したクリトリスの莢の根元に左右の親指をきつく押し当てて、ゆっくり莢を剥いていった。
「あ………な、なにしてらっしゃるの………気がおかしくなっちゃう………」
　美貴がうつつなく愛らしい声を張り上げた。
　孝志が指にさらに力を込めると、固くかぶっていた莢がクルリと根元まで剥けきって、あざやかなルビー色の尖りが根まであらわにそそり立った。
　孝志はためらいなくそれを口にくわえ、舌で舐めまわした。
「あ………いや………いや………」
　美貴は浮かした腰を小刻みにゆすりながらうわずった声を洩らす。
　そして私の舌と唇が離れると、ひとつの山を越えたように大きく息をついて沈みこんだ。
　その股間の割れ目の頂点にはポッチリ赤く磨き上げられたルビー色の真珠が光り輝いていた。

　孝志はズボンとパンツを勢い良く脱ぎ捨て、美貴の両手首でくくられた白い細い手に自分の猛り立ったものを押し当てた。
　うつつの夢の中にたゆたっていた美貴は、自分の手になにか熱いものがあたり、それがなにかわかると、ハッと手を引っ込めようとした。
　孝志は、美貴の手を掴んでいて、それを許さず、
「男のモノをちゃんと見たことはあるか」と美貴に話し掛けた。
「そんな・・・・恥ずかしいこと・・・・ありません」
　美貴は、顔を赤くして答えた。
「これが・・・・これからずっとお前をいい気持ちにしてくれる大切なものだ」
「感謝のくちづけをしてごらん」
「ゆるして・・・・」
　美貴は、ただ上気した顔を横に振るばかりだ。
「手でさすってごらん」
　美貴の手が、おずおずと握ってきた。
　細い、白魚のような指が孝志の赤黒くふくれあがった幹に触れている。
　指先から、ドクンドクンと熱い脈動が伝わってきて、美貴は、頭がぼうとなった。

　孝志は美貴の肉の割れ目に、いきり立つ先端をあてがった。
　ヒクヒクと鼠蹊部を攣らせて美貴がうめいた。
　孝志は硬直しきったその尻を両手に掴んで腰に力を込めた。
　熱く柔らかな肉の感触が、くるめきを呼ぶ。
　恐怖に喘ぎつつ押し広げられていく反応が血をたぎらせる。
「いたいっ………やめて………」
　美貴が細い首を反りかえり、口を噛みしばった顔を激しく左右に振りたてた。
「いたいっ………いたいわっ………やめてっ」
　固く閉ざされた肉が強圧に耐えかねてうめきながら広がり受け入れた。
　鮮血がじわりとにじみ出した。
　美貴は激痛に失神したようになってうめいている。
　ゆっくり狭い肉を裂いて沈めていった。ピリピリした反応が新鮮だった。
　窮屈さは痛いくらいだ。
　美貴の力なく投げ出された下肢はヒクリヒクリと痙攣を見せた。その中心が血をあふれさせている。
　孝志も耐えきれなくなった。
　苦痛に喘ぐように自分を咥えた肉がヒクリヒクリとうごめいているのがたまらない。
　孝志は美貴の首を抱いて口を重ねた。
　美貴はそれにすがるかのように、喘ぎながら、口づけにこたえた。
　孝志の舌に美貴の舌がからみついた。
　孝志は、そして動きはじめた。
　ふさがれた美貴の口から苦悶のうめきが湧いた。
　そして、美貴のなかを満たしていたものがググッと膨れ上がったかと思うと猛々しく躍動した。
「ああっ………」
　それが何を意味するかを本能的に覚って美貴は反りあがり総身をおびえに硬直させた。
　衝撃が二度三度、間をおいてさらに四度五度、美貴を突上げ、美貴の身体をどろどろに焼いた。
　美貴の頭の中を閃光が走った。
　赤い閃光が頭の中ではじけて、真っ赤なバラの花になった。
　その花びらが散っていく。何百もの花びらがひらひらと舞っている。
　美貴の両手は、孝志の背中を掻き抱こうとしたが、それはかなわず、そのかわりに、美貴のヴァギナは、彼のペニスを食いちぎらんばかりに締めつけた。

（続く）