龍 晃一 作
| 第２章 ２人の試練 私達の交際も順子の両親も認めてくれて順調に進むと思われた。ところが意外な人間に私達の結婚を反対された。順子の上司の頭取が銀行のエリートと結婚しなさいと勧められた。今、東京支店にいる元の九州帝大を卒業した将来の頭取候補との結婚を迫られていた。 順子とクリスマス イブの夜、別府にある「杉乃井ホテル」に私達の初めての夜を迎えるということで予約していた。その３日前になって「東京に公務で出張する」と言われ、泣く泣く電話で行けなくなったと言われた。 「ごめんなさい、私が休暇を取ると言っても聞き入れられなかったの、ごめんね」 と泣いて謝ってくれた。 順子の言葉に嘘はないと思えた。あきらめることにして一人で宿泊することにした。 満室だった部屋を無理を言って確保したのでキャンセルをできなかった。 愛を成就させることの難しさを噛みしめていた。順子とモーニング コーヒーを飲めるという夢が泡のように消え去った。期待感が大きかっただけに失望も大きかった。結ばれるときと決めていたことが不可能になった。２人で宿泊すれば、大枚も惜しくもなかったが一人寝となると虚しさが込み上げてきた。 大きな部屋に大きなバスルームと大きなベッドを一人で使うことの空虚さとイライラ感が増していった。仕事のノルマのストレスに、うつろ気分のストレスが重なった。 その4日後に順子は、大分に戻ってきた。順子の目には戸惑いがあることを感じた。 「お見合いをした相手は、東京支店の係長で８歳も年上なの」 「その人、ダンディだったの」 「分からないわ---誠実そうな人ということしか分からない。半分、頭取に怒っていたし、半分は、相手の人に失礼かと思い諦めていたの」 「それだけだろう-----」 「違うの----翌日は、私達がデートするために空けているのよ----」 「デートしてきたの」 「東京見物に連れて行って貰ったの」 「上野のアメ横、浅草や柴又の帝釈天に行ってきたの。東京の下町に行ったことは初めてなの」 このことがあって、順子がソワソワしていると残業要請があり、その日のデートがドタキャンされた。明らかには邪魔をされていた。イライラがピークに達した。 こんなイライラが重なり、所長と喧嘩することになった。 「所長、企業と言うものは架空の数字なんか求めていない。実績とは、真の売り上げなのです。1千万円もの架空送品をして、恥ずかしくないのですか」 「青二才が、分かったような口を聞くな」 「悪は、悪なのです。悪いことと良いことの仕分けが必要です」 「営業所の責任者は、俺なのだ。口出しするな」 私の若さゆえ、所長と主任がノルマ未達で架空送品することが理解できなかった。 一人大きな部屋で眠れない一夜を過ごした。その月曜日12月25日になっていた。仕事から帰社して倉庫に寄るといつもと異なる光景があった。 主任の未達分(昭和60年頃)約1500万円の架空送品をしていた。所長と主任の責任だと見過ごすことが出来なかった。 「所長、企業と言うものは、架空の売り上げをしても無駄なことです。あんな無駄なこと即刻、止めてください」 「良くないことは分かっている。しかし、時と場合で必要な時もあるのだ」 「無駄なことをして、必要も糞もない。馬鹿者がすることだ」 「解ったような口を効くな---青二才が」 「そんな言葉は、所長、失格ですよ。辞表を書くべきです。あなたにを所長して認めないですよ」 「青二才が、偉そうなことを言うな」 益々、声が大きくなり、喧嘩になってしまった。喧嘩になれば、引き下がることが出来ない。 大学で経済学部の自治会の委員長をしていたのだという意地がでた。 「所長、企業において無駄を省くことが基本原則です。如何に上司命令でも無駄をしていることは事実です。あんたはコスト意識をもっているのですか」 「経済学部がなんだ----偉そうなことを言うな」 結局、15分程度の怒鳴り合いで、 「あんたは、所長失格だ」 と怒鳴って、営業部の部屋を出ようとした。 「お前、そこから一歩でも出ると職場放棄にする」 「阿呆が-------」 主任もその場にいながら一言も発することがなかった。この大分営業所は「腐っている」と思った。 夕方のクリスマスに湧いている街中で虚しさを噛みしめていた。 いつものスナックに行っても、騒いでる客に絡みたくなる。急いで店を出た。 寒風の府内公園のベンチで不貞腐れて項垂れていた。 「そんなところで、何しているの----」 知り合いのアカンサス化粧品の天海真澄が言葉をかけてくれた。 所長と喧嘩した顛末記を話した。 「淳ちゃんが正しいわ-----今夜、私の部屋で泊めてあげるから来ればいいよ」 他社の美容部員であるがこの業界の先輩になる。仕方なくというよりも窮地を救ってくれた天海真澄に付いてマンションに行った。 途中のスーパーで鍋物の材料とワインを買い込んだ。重たくなったスーパーのビニール袋を持って真澄先輩のマンションに上がり込んだ。これまで竹田市の帰りに、臼杵市の帰りに車で大分まで乗せて帰ったことが幾度かあった。そのお礼がしたいと言われた。 冷たい寒風の中、公園のベンチで座っていたので身も心も凍り付いていた。室内は暖房がなくても温かく感じられ、鍋のお湯が湯気を立ち上らせたときには、心身が暖かくなっていた。小さなテーブルを挟んでチャンコ鍋をつついた。一口食べるごとに人の優しさと先輩の心配りに感謝していた。 食事が終わり、お風呂を沸かせてくれた。 「お風呂にどうぞ----」 と言われたので、スーツを脱いで風呂場に入った。 湯船に浸かると暖かさが全身を和ませてくれる。そんなとき、カッチャと音がした。 振り返ると裸になった真澄が入ってきた。 「狭いけどあなたと一緒に入りたくて-----」 「アッ----どうぞどうぞ---」 黒々としたヘア、量感のある乳房が目の前で揺れる。それだけで股間のものが驚いたように大きくなった。 「淳一さんのこんなに大きくなって------」 「だって----真澄先輩に挑発されると誰でも------」 と言った時には、肉棒を握りしめられていた。 「おっきいね-----大きいの大好きなの-----立ってみて」 淳一は言われるままに湯舟の縁に腰かけた。両脚を開くと真澄の目の前で天を向く勢いで肉棒が更に硬くなったように思えた。 「凄い-----」 肉棒の根元を左手で握り、亀頭を口に咥えてくれる。頭を前後にピストンさせながら亀頭を扱いてくれる。 「先輩----きもちいい-----」 湯が上半身を前後に揺らせることで波立ってきた。 「ああああ-----いいい------」 「出していいよ」 「いいの-----本当に出すよ」 真澄に強く吸われ、右手で睾丸を刺激され、僅か１５分程度の先輩の口の中に放出した。順子とエッチしたことで、ここ１ケ月溜まりに溜まっていた精液を真澄の口の中に大量に吐き出していた。 真澄が何度もゴクン、ゴクンと咽喉を鳴らしているのが聞こえる。それでも亀頭から口を離さないで尿道に残っている精液を懸命に吸い出してくれる。 「淳一のミルク美味しかったよ----」 「サンキュー-----」 精液を飲んだ口であったか抱き合ったキスを交わし、舌を絡ませていた。 お互いの身体を洗い合い、バスタオルで身体を巻いて部屋に戻った。戻ったと言ってもワンルーム マンションである。トイレとバスとキッチンは部屋になっているが寝室しかなかった。 真澄が髪を乾かせて戻ってくると抱きついてきた。そのまま真澄を抱え上げてベッドの上に運んだ。ベッドに乗せると両脚を開脚してくれる。 「真澄の観音を見せて----」 「恥ずかしい-----」 と言いながら脚を大きく開いて行った。 |
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| 2013.7.20掲載 |
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