村口淳一の体験談

龍 晃一 作
第７章　雅子との惜別

　村口淳一は、博多に戻ると支社長と常務との約束「社長賞獲得」を目標にして奮闘していた。新店開拓は、ベテランがしても中々困難な問題がある。そのお店とのタイミングもあるし、クリスタル化粧品の斬新さを如何に訴求でき、お店の奥様や社長の心を捉えるかが大きなポイントになる。

　化粧品店は、資生堂とかカネボウを取り扱っている。その上にメーカーを追加してくれと言う話になる。当然在庫も増える。それに見合う売上げが確保できることを納得させることが決定する要因となる。

　淳一は一つの可能性を見出していた。それはアルファードという新商品の全商品が「医薬部外品」で発売されたことが短い期間であったが顧客から好評に受け入れられていた。大分で入社２年目の淳一が目標を達成して、ベテランの主任が目標額の９０％しか達成しなかった。新しい商品に化粧品は綺麗になる夢を売ることではなく、確かに綺麗になれるという効用効果を訴求したことが時代の流れにマッチしていた。

　金曜日には、雅子が料理を作りに来てくれていた。一緒に食事をしてお風呂に入って、洗濯まで済ませてくれた。こんな雅子が嫁ぐことに無力さを感じていた。給与が８万しかない。１億のお金を工面できるはずもなかった。雅子は運命を感じていた。
「逢える時が愛しい時なの------。両親と弟と妹が幸せになれば、犠牲になる覚悟は決まっています。愛する淳一さんに会えたことが私の最高の幸せです。限られた時間しかないですが、私は精一杯あなたを愛したい。あなたも私を愛してください。遠慮なく私にあなたの精液を注いで欲しいの」

　その言葉を聞くと涙が溢れてきた。
　
　別れなければならない二人が泣きながらお互いの性器を貪り、雅子の体内に思いの丈を注いだ。
「あなたの子供を産みたい」
　と言葉で言いながらピルを服用している。結婚する男以外の子供を身籠るということは許されないことなのだ。

　雅子との逢瀬も２月末までになっていた。３月末で退職するが出社するのは、２月で終えることにしている。今夜で最後という夜、
「あなたと最後の思い出に浸りたいの----もう一度、旅に付き会って欲しい」
　と電車の切符を渡された。

　島原温泉までの切符であった。雅子の為に最後の最後まで愛を貫いてあげようと決心していた。幸いにも２月に新規店の契約ができた。諸冨町の化粧品店に開拓で行っていた。お客様が化粧品を買っていた。

「クリスタル化粧品ですが、クリスタル化粧品を置きたい考えはありますか」
　と阿呆な質問をしていた。
　そのことを聞いていたお客様が淳一がお店から出てくるのを待っていた。

「私も化粧品店できるかしら------」
　と質問された。
「大丈夫です。お店のできる場所さえあれば-------」
「家を見て下さらない」

　子供達が大学に行ったので、部屋も余っているし、庭を駐車場にすればお店として申し分ない条件であった。
「今月の支社の商品勉強会に参加できるのであれば、契約しませんか」
　初めての新店契約が思いもよらぬところで契約できた。淳一の最初の契約となった。

　そんなことも重なり、雅子と温泉に行けることは嬉しかった。この温泉が２人が会える最後の機会となった。
　雅子は、淳一のペニスからアヌスまで懸命に愛撫してくれた。雅子が本当に愛してくれていたことを感じつつ-----。
　夜が明けてくるまで、愛し合った。これで二度と会えなくなると感じると更に愛おしさが増していった。雅子の口に、膣に精液を吐き出しても、吐き出してもまた、子宮に注ぎ込たい気持ちに駆られた。

　お口の中にも昨夜から４回は飲ませている。雅子は大切なものを食べるように亀頭を愛撫しながら飲み干している。
　もう、出ないと思っていても雅子にフェラされると大きく勃起してくる肉棒に驚いた。電話で起こされ、朝食を食べると時間のキリキリ迄寝てしまっていた。

　１１時にホテルを出た。島原を観光した。雅子の裸の写真を撮影して於けば良かったと後悔したが遅かった。観光スポットで雅子との最後の日を撮影して、博多に戻った。

　雅子との愛が終わった。数日間は雅子との思い出に「ボッー」とすることが多かったが、真澄から今月から博多で九州全体の営業施策会議があるので、金曜日の夜に行きたいとメールがあった。

　雅子との悲しい別れの傷が癒えないままでいた淳一には嬉しかった。
「金曜日から日曜日まで泊ってください」
　と返信した。
「嬉しいです。宜しくお願いします」
　と連絡があった。これも人生の縁なのだと思えた。

　金曜日になった。落ち着かない雰囲気の中、１８時で退社した。真澄を迎えに西鉄の天神まで迎えに行った。
　笑顔の真澄がいた。大きな紙袋を２個も提げている。宿泊用のバックを持っていた。紙袋を２個とも持った。駅の看板の木陰でさり気なく口付けを交わすことも自然の成り行きのように思えた。

　マンションの玄関を入ると、
「私のマンションより広いし、きれい------」
　玄関で抱き合い、長い口付けを交わしていた。真澄が３日間も一緒にいてくれることが嬉しくなっていた。女気のないときはないが、モテ出すと不思議と連続にモテルようになる。

　雅子は、気品のある百合の花に似ている。真澄は凛とした雰囲気があり、近寄り難い気もするが薔薇の花に似ている。
　雅子の気品は、年寄りには心をくすぐられるか、徹底した甚振りを受ける可能性も秘めている。
　真澄は、根は優雅で優しさに溢れているが、澄ました感じのときは、棘のような鋭さがあるが淳一には、優しいお姉さんである。安心して寄りかかることもできるが、淳一の性格上、淳一がリードしなければ気が落ち着かないところもある。

　その夜は、真澄が飢えた狼のように思えた。真澄に火を点けたのが淳一なのだ。眠っていた獅子を起こしてしまった。
　激しい口付けの後、貪るように肉棒を咥える真澄がいた。陰嚢からアヌスまで舌の愛撫が続いた。真澄の口に二発も噴火してしまった。
　その時には、股間は大洪水状態である。愛液が足首から床にまで流れている。燃えている膣の中にペニスを挿入しただけで逝ってしまった。逝ってからの真澄の愛欲には驚かされた。

　女の業の深さを骨の髄まで教えられた。真澄が安らかに眠っている寝顔は観音様の化身でもあるかのように微笑みを浮かべた顔に女の神秘的な魅力に惑わされる。新たな熱き思いが胸を高鳴らせている。
「結婚してと望まれば、結婚してもいいかも------」

　真澄には結婚することは眼中になかった。今、淳一と熱く燃え上がり狂ったような恋に溺れることもいいかも-----。
　所詮、ライバル同士の会社である。私情と仕事は、別と言う思いがあった。
　　　　　
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2013.8.10掲載
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