奥様は接待秘書　浩一 作


「ねえ、あなたぁ…！わたしって、あんな恥ずかしい声をいつも上げてるのかしら？」

「ああ、あの黒人相手のときもアメリカンポルノに負けないくらい乱れてだな」
　受け答えに俺は帰国早々に学園理事長から見せつけられた、緋紗子が黒人留学生と大騒動をやらかしたときのことを揶揄してやった。

「ヤな人…！今さらあんな昔話を蒸し返すのね」
　あのとき、もう１年も前になるのか、我が女房は、ゴリラの如き黒人留学生に『あなたの女になる』のだと言いのけた女だ。

　留学生と言っても若くはなかった。
　３５歳を越えた政府派遣留学生だ。
　中国の援助攻勢に敗れてはならじと、我が国のアフリカ重視政策による支援関連招致、西アフリカ国その有力者部族のご子息だそうだ。
　友好ボランティアとは名ばかりの体のいい人身御供、利権の少ない文部科学省官僚の考えそうなことだ。

　なんせアイツは留学生とはいえ女を悦ばせる手立てに長けた、８人もの女を妻に持つ西アフリカ国のエリート野郎だ。
　並外れた２ｍ近い長身に筋骨隆々の１２０キロはある肉体で、理事長いわくだ。

『光田君、さすがの緋紗ちゃんも一晩中にも及んで女を玩ぶ性的能力の高い黒人に、抜かず３発と中出しでされてみろ』
　と、笑っていやがった。

『オオッ…！マイブラザー、ヒサコさんのご主人さん。
　ヒサコさんてとってもとても素敵な女性です。
　さみしいワタシたった１人でぇす。
　だから毎晩のように何回も、何回も慰めてもらいました。
　オオッ…分かってます。
　ご主人が帰ってこられたらヒサコさんを勝手放題に使えないってことですね。
　だから理事長さんがご主人の前でヒサコさんをいっぱいいっぱい、いかせろって。
　マイブラザーご主人さん見ててくれましたか…！ワタシ愛情込めてタップリタップリ中出し頑張りました。
　だからご主人、元気がないなら西アフリカ国産の山羊の睾丸を食べてみて下さい。
　脳ミソも高タンパクです。食べたらテキメン、朝晩３回ずつ抜かないと鼻血ブゥーです』

　超絶、それも３０センチを越える逸物だ。何度と逝かされた挙げ句、緋紗子なんざもう夢中に恋人気分だ。

「なあ、ヤツが帰国するってときにゃ、ついて行く気満々だったよな」

「またそれを言う」

「キンタってヤツも清河に勝る超絶倫で女好きなふざけた野郎だったものな」

「ふんだ…！清河さんのこと悪く言わない。あなたも社長の提案を受け入れたじゃない。男らしくない人ね」
　緋紗子は毒のある言葉を残しモニターに見入る。
　日サロの紫外線に焼いた清河の肉体があのときの黒人を思わせた。

「俺の承諾って、社長とは愛人契約だからとか、黒人との関係は友好協会ボランティアだと言い張るし、俺の立場ってどうよ」

「そうなんだ。それって、あなたと違って力強い男に抱かれたらってことよね」
　緋紗子はテレビ画面から目を離さず、俺の方を向きもせずそう言う。

「ああ…俺となら、緋紗子はお淑やかなお姫様だよ」

「もうこんないい女に、それもこんなに愛されてるのに皮肉れた人ね。元を正せば、あなたが出来なくなったからじゃない」
　そうかも知れない。無能な高校教師だった。

　心を病み不能状態が続いた。
　あのとき、担任としていじめ問題に対処できず、生徒の自殺未遂事件に教職を辞し逃げ出したんだ。
　学園理事長の巧みな甘言に緋紗子を残し、半年にも及ぶアメリカでの留学という名の療養生活を承知してしまった。

　その間に緋紗子を友人だと信じた村田清麿に寝取られ、あげく理事長一族の慰み者にされ。
　村田の義兄である(株)リソノ南野社長は緋紗子が本来持っていた淫欲を目覚めさせ、淫乱の如き女に変えて、リソノという上場企業の接待秘書という高級娼婦にしてしまった。

「いいか…！いくら不能状態が続いたといえ、心を病んだ俺が、バークレイに旅立ったその日に村田の野郎に抱かれたなんて…！。
　知らぬ間にリソノ社長の愛人だァ…！南野社長に性の技巧を叩き込まれ、挙げ句リソノの接待秘書になっていたなんて、言い訳にもならないだろうが。
　何がショック療法だ…！」

「ＥＤの夫を持つ妻の、夫を思う愛のどこが悪いのよ。
　でなきゃ良かれと言われても、あなたの前で黒人とのセックスなんてして見せなかったわよ。
　教えてあげる。
　村田ってあなたの良き友人なんかじゃなくて、横恋慕したあげく義兄の南野社長や実の父親の理事長のじいちゃんにまでわたしを抱かせた変態野郎じゃない」
　村田は学部は違ったが大学まで一緒だった高校からの友人だった。

　ヤツは南野Ｓ学園理事長が隠し子と姓は違うが裕福な母子家庭と、うちとは正反対。
　亡き母親どおしが知り合いでなければ付き合うこともなかったはずだ。

　そのときの事情はよく知らない。
　緋紗子に問い質すことも出来ずにいた。
　ただ緋紗子や村田、南野理事長の言動から想像するばかりだった。

「あなたを空港に見送った後、ホッとして隙を見せたのね。
　疲れてたのわたし、あなたにどれほど気を使ったか。
　その帰り、食事に誘われたけど断りもしなかった。
　あなたもそうでしょ…！なにが困ったことがあったら頼れって、村田の下心なんか見抜けなかったんでしょ。
　お酒も飲んだというより飲まされた。
　気がついたら翌朝、ベッドで目覚めたら全裸で、横で村田が寝ていた。
　考えられないでしょ…！あなたの代わりに自宅のベッドでよ。
　そういうこと腐れ縁。
　うふふっ…それから村田の言いなり、どうするんだって言われてもどうも出来ない」

「だからって、なにも」
　今さら言うべきことではない。
　それは分かっているが、接待秘書になるなんて…。

「社長秘書とは名ばかりの一族の慰み者よ。
　南野が言ったわ、男は３人や４人じゃ分かる物じゃないってさ。
　その道の達人っていうか、玉川って言うヤクザ屋さんともさせられたわ。
　脱いだら全身が刺青、最初恐くておっかなびっくり、だけどすぐに夢中、上手で女殺しのサオ師のワザって凄いの。
　おチンポの抜き差しでビンビンって感じるの。
　コリコリってした真珠粒にＧスポットを擦り上げられるあの快感に、もう他の男なんか目じゃないって。
　あれが調教と言うのね。
　男を悦ばせる手管、仕込まれて何でもしちゃうってあれ。
　清河のこと条件反射ってあるでしょ。
　刺青の背中なんか見せられたら、それだけで感じちゃうのよ」

「だったらなぜ…！身を持ち崩すまでに村田から逃げ出さなかったんだよ」

「弁解なんてしないわ。
　あのときね、村田はわたしのこと運命の女だと言ったの。
　無理やり犯したくせに極上の女は罪作りだって、友人の妻だと分かってる。
　が、わたしのこと認めて、一介の高校教師の妻でなくセレブリティな扱いを受けなきゃダメっだって。
　村田の勧めで南野にも抱かれたのもお金だけじゃない。
　あなたがクラスのいじめ問題で苦しんだことも、アメリカでの療養を承知したのも運命。
　そしてあなたが、わたしと別れられなかったのも。
　そう運命よ」

　緋紗子には緋紗子の言い分があるのを承知している。
　突然の退職に無収入、高額の保険外医療費にマンションのローン。
　だけど男として哀れすぎるだろ。
　結局、帰国後すぐに女房と黒人との性行為を見ることでＥＤから快方されたなんて。

「だってわたし、あなたと別れたくなかったから、
　社長に相談したらショック療法だって、あなたの目の前で村田や社長に抱かれてたとしたら、いくらなんでも男のプライドってものがあるから、関係のない屈強の黒人がいいだろって、キンちゃんに白羽がたって」

　確かに目に前で友人と信じた村田や南野社長に抱かれる緋紗子を見るのは辛すぎて、意地も有り離婚をしていたかも知れなかった。

「そう村田は言ったわ。
　禁断の実を食べたお前は、他の男に抱かれる度にきれいになるって。
　うふふふっ…あの一族ってさあ、みんな変態ばかりでさ面白かったわよ。
　社長なんかソープのプレイを手取り足取り教えてくれたわ。
　あなたが心病むことなんかなかった。
　みんな南野一族に仕組まれたこと。
　知らなかったのはあなただけ…！
　理事長なんか私たちの仲人したときから狙ってたんですって。
　あなたも見栄なんか張らずにさぁ…言えばよかったのよ。
　わたしが黒人としてるとこ見たいって…そしたらＥＤなんかならなかったわよ」

　それは違うぞ。
　緋紗子が黒人に抱かれるのを見るになど望んでなんかいなかった。
　あのとき空港からの車の中、村田からリソノって会社の秘書だと聞いていが、社長の個人秘書だと思っていた。
　接待秘書、それが緋紗子の仕事だと聞かされ、村田に連れられ見せられたのはあの部屋だった。
　(株)リソノという上場企業、その迎賓館の１室だった。

『さあ入れよ。歓迎するぜ兄弟』
　あのときそう言って、村田がドアを開けた。

　その瞬間聞こえてきたのは女の嬌声。
　見えたのはソファーに座る黒色の巨体に跨がり、上下に尻をその真っ黒な手に動かされ、肩までの髪を振り乱す女だった。

　まさか…！後ろ姿が緋紗子のようだったが、髪は短いし。

『な、なんだ親父よう…！浩一が帰るまで待つって言ったろうが』

『おう、そのつもりじゃったが、キンタに四十八手指南と聞いて、緋紗ちゃんが是非にと志願してくれてのう』
　緋紗ちゃんって、理事長ぉ…！それって…。

『なんつう好き者だよ。浩一の前でするって言われて興奮でもしたのかよ。この淫乱が』

『清麿、口を慎みなさい。お前のその横柄な口利きや態度、緋紗ちゃんが正道に服したのは金だけでなかったことに気付きなさい』
　村田が居心地悪そうに下を向いていた。ヤツは理事長に昔から頭が上がらない。

『もう…っ、キンちゃんったら、じいちゃんの怒鳴り声になんかに気を散らさないの』
　その声、ちらりと見えた横顔、間違いなかった。

『オオッ…ソーリーですネェ、ヒサコさん。ご主人見えられましたネ、いよいよデ〜ス』
　いよいよって、緋紗子が黒人と…！どういうことだ。
　俺はあっけにとられ突然のことに驚いていた。

　この部屋で行われていたこと、白と黒、緋紗子と黒人との性行為の真っ最中だった。
　部屋にいたのは学園理事長と小振りなビデオカメラを構えた村田の義兄にあたるリソノ社長南野正道、緋紗子の今を愛人とする男だった。

『おう、変わりはないか光田君。そんな所で突っ立たず、さあさあこっちに来て特等席に座りたまえ。
　正道らが君の帰りを歓迎するというので、ちょうどいい機会じゃと君が来る前に古来の四十八手をキンタに伝授しとったところだ』

『伝授って理事長！、緋紗子が黒人とセックスしてるんですよ…！』
　現状を抗議すべく俺は言った。

『だから伝授と言っただろうが、まあ良い。こっちへ来なさい』
　驚愕に立ち尽くす俺に、ニコニコと対面のソファーに座る理事長が遠来の友人を迎えるように手招きしていた。
　分けが分からなかった。

　唖然となっていた。
　機先を制されたと言うのか、古来の四十八手を伝授、なんなんだろうこの人らは。

　招かれるままソファーのそばに。
　その眼前で真っ黒い、本当の黒人の肌といえばいいのか、漆黒の巨体が背中を向けた全裸の緋紗子を抱きながら座っていた。
　化け物のような黒人が俺を見た、笑った顔に白い歯が。

『まずじゃ、茶臼の下石ちゅう物は男があぐらをかいた物に似ておるかの。
　心木が上を向いてなにのように突き出ておるのじゃ。
　女性を上石に見立て心木の上に嵌めるつぅたら分かるな』
　理事長の講義が続く、てっ…ことは、上石が緋紗子で、ん、女性上位？。

『キンタは緋紗ちゃんの尻を両手ですくい上げて支える。
　すなわち、抱きついてきた緋紗ちゃんに心棒を差し込み、完全に尻抱きダッコしてしまう状態が茶臼なのじゃ』
　確かに良く見ると腰掛けると言うより、緋紗子は黒人の股の間に手に支えられ乗っかってたみたいだ。

『続いて茶臼がらみ、緋紗ちゃんは分かるな。
　茶臼 つまり対面座位から、緋紗ちゃんがキンタの腰に両脚を絡める。
　そうじゃ、両腕はキンタの首に回し後ろにのけ反る。
　どうじゃのけ反るとキンタの太いのが奥深く入ったろうが』

『じいちゃん、すごい…！ズギューンって』

『そりゃそうじゃろ、キンタとワシのを比べるでない。
　緋紗ちゃんそこでじゃ、絡めた足を反らしてみよ。
　ぐっときよるぞ』

『ああ…これ気持ちいいよ。あはっ…っ』

『ハイ、理事長さん、いつもヒサコさんと抱き合ってヤッテるのと変わらない気がしますが、
　キトウさんがヌメヌメと、高尚なジャパニーズのワザだと思うと超カンゲキです』

『おいサッサとまん前のソファーに行けよ』
　立ち尽くしてたのか村田にせつかされ、足をもつれさせながらソファーの前に来ると、緋紗子も気がついてたようで、はにかみながら黒人と抱き合う上半身で振り返り、小さく手を振ってきた。

『おお、そうだ緋紗ちゃん。光田君によおく見えるようにそのまま筏茶臼にくずれて宝船から鳴門じゃぞ』
　なんとそんなの術を心得てるのか、緋紗子が黒人の背を叩き、そのまま寝かせろ合図を送る。

　そして互いに繋がったまま仰向けに横たわり、緋紗子がごつい黒人の大黒柱のような片脚を股の間に抱え込む。
　抱え込んだ太足を柱のように上に引き上げ、これにすがって腰を使う。

『うむ、立派な帆柱の見事な宝船じゃ。よう息も合っとるしショーとしてラスベガスに出しても通用するのう』
　理事長は口元に親指と人差し指のアーチをあてた芥川竜之介になっていた。

　四十八手、俺としてようつべでプロレスラーとビキニ美女とでのＣＭで見たことがあった。なるほどあれがそうか。

『うん、うん、うふん、うん。うふん、うん、う〜ん、うふん』
　微妙に違う鼻息に、なるほど、尻を振るというより足を抱えて上下に動くのか。

　なに考えてんだ俺って…！感心している場合かよ。

『あはっ…ダメぇ…！しつこく下から突いちゃ…
　もう次に移れないって…あうっ…つっ…ダメってもう…キンちゃん、あはぁ…っ…ああ、気持ち良いんだから…』
　なんだ、これがショーなら警察に捕まるぞぉっだ。

　ひと通り型を終えた所で次に進むか、
　緋紗子は足を放しソファーにゴロリと横たわる黒人の上で足を抜き、形はすになってやや斜めに俺の方を向いた。
　ドキリ、心臓が早鐘を打つ。

『足の位置が変則じゃが、それも良きかの。なあ緋紗ちゃんや』
　理事長は緋紗子が俺の方を向いてると言っているのか。

　女房を目の前に半年余りの久しの対面だ。
　緋紗子の座高が高いのは黒人の肉柱入り肉座布団を下に敷いているからか。
　どう考えても入ってんだよな。

『キンタ、そのまま体を起こし後ろに座れ』
　理事長に言われたとおりにゴソリと起き出し、緋紗子の後ろに密着するように肌を合わせた黒人は、白き豊満な乳房をぎゅにゅりと、そのグローブのような手で鷲づかむ。

『そうじゃ、そういうことはさすが上手いのぉ』
　あの状態に動いても緋紗子に収まる黒肉は抜けもしないか。

『あなたぁ…！』
　二人を引き離した不幸はあったが今はお互いと、わずかな距離を前に俺と緋紗子は見つめ続けた。

『緋紗子ぉ…！どういうことだよ…これぇ…！』
　哀れっぽい声に、緋紗子の気まずそうな表情。

『これ光田君…！つぅ立っとらんと座りなさい。とりあえず説明は後だ。今は黙って見ておれ』
　理事長の言にどうした物かとどうにも出来ず。
　俺は理事長の隣りに座ることになった。

『オオッ…！ヒサコさん教え方上手ですネ。ワタシいい生徒、きれいな先生スキね』
　身を起こした黒人は腰をズズンズンズンと深く、ここから見えない逸物を擦り上げ、後ろから緋紗子を強く抱きしめる。

『ああっ…うう〜ん、もおぅ、キンちゃんたら〜ぁ』
　その奥深くへのひと突きふた突きで緋紗子の心が揺れ動く。

　そんなで座るなり、緋紗子を後ろから抱く黒人と目が合ってしまった。

　俺なんて目じゃないってか。

『オオッ…！初めましてです。ヒサコさんのご主人、マイブラザーね。
　ヒサコさんのＨカップのオッパイ、とてもとてもサワリ心地がいいですネ。
　ワタシ大好きデス』
　グローブの化け物のような真っ黒の両の手が、緋紗子の乳房をまさぐり続けた。

『ああんもう、キンちゃんったら遊んでばかり、四十八手を覚えるんじゃなかったの』

『そうじゃ緋紗ちゃん、その体位から手懸かりから乱れ牡丹をやって見せい。ちゃんと教えてやらねばダメじゃぞ、緋紗ちゃん』

『じいちゃんったら偉そうにさ…』
　緋紗子は理事長に命にして、黒人に太もも持たせ両足で挟ませた。
　まるで真っ黒な安楽椅子だ。

『オッ…ソーリー、イエス乳繰りダメです。
　ご主人が来られて緊張しましたネ。ヒサコさんワタシ真面目にやります』
　緋紗子は後ろ手に黒人の腰辺りを手で支え反り返る。
　黒人は緋紗子の尻を持ち、電動のマッサージ椅子のようにシコシコユラユラと上下にもてあそび始めた。

『手を離しても、ヒサコさんは落っこちませんネ』

『うふふ…なによぉ…それって太い棒で支えてるってこと』

　どこが真面目にだ。くそ。

『光田君は怒るでないぞ。手懸かりとはそういう仲むずまじい交わりじゃからのう。
次はいよいよ乱れ牡丹じゃぞ』

　緋紗子が足を外に抜き、俺を前にソファーでＭ字に、なにぃ…！。
　陰唇に真っ黒な太肉が突き刺さり、短く刈った小さな三角の恥毛が、隆起した淫茎、ピンク色のクリトリスの肉芽が、丸見えだ。

『どうじゃ光田君、入っとるのがよく見えるのお。緋紗ちゃんは研究熱心で裏表九十六手をすでに会得しとる。
　教育者としてワシも教え甲斐があったと言う物じゃ。
　ところでじゃ緋紗ちゃんに出入りするキンタの黒棒が、光田君に見えるかの。どうじゃ』
　見えるもなにも、乱れ牡丹と大股開きにされた緋紗子が、ワザと浮かした陰部の、その隙間に覗くのは淫汁に身を光らせた丸太のような黒肉だった。

　思わず目を疑った。太い。

『ねえ、あなたぁ…キンちゃんったら凄いでしょ。
　こんなことしたって抜けないくらい太くて長いの。
　３０センチの物差しより長くて缶コーヒーより太いのよね』

『オウ、そうですご主人、ヒサコさんはワタシのにネ。感動的に夢中で〜す』

『あなたぁ見ててぇ…！ほら…この子ぉ』
　緋紗子は後ろ手に黒肉を握り腰を浮かせて収まる物を引き抜いた。

『この子ぉ…！真っ黒いけど大きいでしょ』
　細い指に握り余した手の先にエラの張った黒蛇の、緋紗子の拳ほどの亀頭が見えた。

『ねえ、あなたぁ…それも大きいだけじゃないのよ。
　この膨れた雁首で膣内のＧスポットや子宮口をズコズコと擦られたら、もうわたしさっきも逝っちゃうって。
　キンちゃん続きをお願い、主人の前でまた逝きたいの。あなたぁ、見ててぇ』
　と、緋紗子は握った黒棒の先を小陰唇の割れ口にあて、ゆっくりと誇らしげに腰を下ろす。

　先端の膨らみがニュルリと飲み込まれ、ズルズルとあの太いのが吸い込まれ、薄茶色の大陰唇と真っ黒な睾丸が密着した。

『オオッ…もう四十八手指南は終わりデス。理事長さんいいデスか？』

『緋紗ちゃんが光田君の前でと言うんじゃから、仕方なかろう』

　俺は見た、確かに見たんだ。
　とても人類の物とは思えなかった物が緋紗子に収まった。
　あの位置から入ってあの長さだから、亀頭の膨らみは緋紗子のヘソより上になる。
あれが全部収まるのか。ただただ我が女房、緋紗子という女に驚愕だ。

『オウ、それじゃ行きます。ご主人の前で下からズゴズゴっとっネ』
　黒人の薄黒い分厚い唇が哄笑に緩み白い歯が見えた。

　膨れきった黒蛇にネットリとビラビラが貼りつくまもなく、ズブリと音が聞こえたかのように身を抜き、再び緋紗子の中に身を埋めた。
　俺を前にそれを繰り返しやがる。

　緋紗子はこれでもかと脚を開き、のけ反らせた背を黒人の隆々の胸に預けた。
　３０センチばかりのストロークに、こぶし大のピストンが、潤滑油たっぷりの緋紗子のシリンダーの中を往復する。
　パンパンパンと肉どおしが叩き合うエンジン音、喘ぎ声という排気音を部屋中に響かせた。

『見ろ浩一…！これが緋紗子の今だ。
　エヘヘヘヘェ…俺からの帰国祝いだよ。
　見ろよ緋紗子はよ、お前の帰国にも迎えに行かずキンタちゅう黒人との性行為を選んだんだぜ。
　それも接待秘書としての仕事じゃねえぞ。
　プライベートだ。
　その証拠によく見てみろ。
　コンドームなんか使っちゃいねえだろが』

『こら清麿！光田君を嬲るんじゃない。
　光田君も女子教育に携わった者がよそ見するんじゃない！。
　緋紗ちゃんが身をのけ反らせ大股開きの位置を変えたのを気がついたろ。
　せっかく黒人との結合がよく見えるようにしてくれてんだぞ。教職者がしっかりと見なくてどうする』
　理事長の怒鳴り声を久しぶりに浴びたが、もう教師じゃないし、これが怒られることなのか。

『ボーッとするんじゃない！。
　ほらこっからなら、緋紗子ちゃんのオマ○コに黒人の真っ黒のデカチンポが入ってるのがよく分かるだろが。
　オイ正道、チャンと撮すんだぞ。
　光田君も見たまえ。
　諸事情があって緋紗ちゃんは小さな三角に恥毛を残しとるが、クリトリス周辺や陰唇の毛は永久脱毛しちょるから、眺めはええぞ』

『親父なんか緋紗子を抱くだけじゃ物足りなくてよ、黒人との性行為を見てみたいと言うもんでよ。
　兄貴が緋紗子に承知させたんだよ。
　そしたらよ緋紗子ったら親父の目の前なんか平気でよ。
　あのどでかい黒チンポに夢中になりやがって…』

『これ、清麿…！いい加減になさい』

『光田君、出来の悪い息子をよくぞ堪忍してくれた。
　黒白ショーちゅうか、緋紗子と黒人の性行為を生で見るとな、ワシの老いぼれたこやつも薬を使わずとも隆々となりよる。
　キンタと緋紗ちゃんなら名勝負だ。
　よけりゃこの後、ワシが緋紗ちゃんとやるのも見てくんじゃど』

『ああっ…あなたぁ…！村田がさあ、つるつるマムコちゃんで、キンちゃんとしてるの見せたら、あなたがＥＤも忘れちまうってぇ…。
　目の前でやる黒人とのセックスが、あなたのためのショック療法だと社長が言うの…』

　なにが村田に社長だ。

『オオッ…ノオ…！ショック療法だなんてェ、ヒサコさんワタシのモンスターを大好きだと言ったクセにです。
　ご主人への思いに、ワタシ妬けますネ』

『もうキンちゃんったら、わたしがキンちゃんのこの真っ黒なおチンポちゃんをどれほど愛してるのか知ってるくせにぃ』

『オオゥ、ならヒサコさん、ワタシご主人の前で立ってします。いいですか？』

『も〜おぅキンちゃんわぁ…』
　緋紗子は後ろ手に黒人の太い首っ玉を持った。そいいうことなのだろう。

　黒人は緋紗子の尻近くの太ももを持ち、軽々と立ち上がり抱え歩きし目前に。俺はどうしたものかと理事長を見た。

『いいんじゃないか光田君！。キンタも緋紗ちゃんとの仲を君に見せたいのだろう』
　と、平然と言う。

　座ったソファーから見上げると眼上にヤツの真っ黒の睾丸が。
　緋紗子の両足が俺の顔の左右に広げられ、丸まった睾丸から伸びる黒肉を陰唇に支柱と前を向き乗っかっていた。

　黒人は緋紗子の太ももを抱え持ち上下に動かす。
　１６６センチで４９キロの緋紗子を軽々とまるで大人の人形玩具のようにだ。
　動くたび淫汁にぬめる裸の小陰唇が黒肉にまとわりついた。

『ああっ…あなたぁ…あなたぁ見てぇ…！キンちゃんの太くて…固くて…大きいのが入ってるの…中に、中によ…！』
　やるせない衝動、いてもたってもいられない感覚といえば、分かってもらえるのだろうか。

　ズッポコズッポコ、湿った音を立てて、緋紗子を支える丸太のような黒肉が見え隠れ。
　緋紗子が毛のない陰唇に黒ズッキニーが突き入り上下に舞い踊る。
　黒髪がふわりふわ、双房の乳房がプルプルユラユラと頭上で揺れる。

『うふぃ…あはっ…！うふっ…キンちゃんすご〜い！
　あ〜あっ気持ちいい…！あはっ…キンちゃんすご〜い。
　あは、緋紗子は、緋紗子は、キンちゃんのものよぉ…！』
　のめり込む緋紗子は、もう俺のこと眼中にないみたいだった。
　あんだけの物が中で動くんだ。気持ち良くない分けがないよな。

『オ〜イエス…！オウ、イエスです。
　ご主人さん、だから分かって下さいネ。
　ワタシもヒサコさんを、心からタイヘンタイヘ〜ン愛してます』

『キンちゃんのおチンポちゃん大好きよ。
　太くて真っ黒なこの子なの。キンちゃんのおチンポちゃんが気持ちいい』

『オオゥ…オオッ…！ヒサコさんのマムコがラバーのようにコックを締めます。オオッ…ワタシたまりませんです』

『光田君、見たまえよ。これぞ日本女性のおもてなしの心じゃ、西アフリカ国と日本の友好、これぞ国際親善じゃ…！』

　狂ってる、なにが教育者一族だ。
　仲人だと知って狙ってただと、理事長…！緋紗子って俺の女房でＳ女学院高校の卒業生なんですよ。
　なんてことを、明治から続く女子教育に寄与した学校法人の理事長までが…。

『よう光田君…！一度会ったことがあるよな』
　声を掛けて来たのはビデオカメラを構えたリソノ社長南野正道だった。
　地元の名士様だ。それが…。

『親父が文部科学省傘下の留学生支援団体の理事をやってること、光田君も知ってるだろ。
　私としてもアフリカ連合の繁栄に寄与するにやぶさかでない。
　西アフリカの黒人がデカくて絶倫だってのは有名な話だ。
　彼の名前はキムタレイヤセイヤなんとかで、長いから緋紗子君なんか勝手にキンちゃんて呼んでもう愛人気取りだ。
　どうだ緋紗子君って黒人相手に凄んげえセックスやらかすだろ』

　これがあんなに愛し合って結ばれた緋紗子だと信じられなかった。

『光田君には、私が緋紗子君を愛人としたのは不本意かもしれない。
　だがな緋紗子君のような女は間々いない。
　外見で鑑賞に堪える人材は我が社にも豊富にいる。
　知性能力を含め私の秘書として公私共々と…』
　この場でなにが言いたいんだ。
　愛人にしちまった言い訳かよ。俺は今、それどころじゃないんだぞ。

『南野さん、ここでそんな話しやめてくれませんか！』

『確かに場違いのようだが、私が緋紗子君のことをどう思っているか、君に話しておきたかったのだが、これだけは言っておく。
　私は緋紗子君の心が欲しかった』

『オウ、ヒサコさんボチボチ、フィニッシュです。ご主人の前です。どうしましょか』

『ああっ…ああ…やって…やってぇ…！ああ…キンちゃん、いくよ…いっちゃぅ…！』

『おう、キンタァ…！構わねえから、いつものようにそのままやっちまえ。俺が許してやらあ』

『清麿、まだわからんのか！
　常識と心得よ…！光田君に無礼だろ。
　ところで光田君、緋紗ちゃんの望むとおりコンドーム無しで、キンタにさせても構わんだろうな？』
　この場に及んで、それに理事長の念押しに教師の頃からイヤとは言えなかった。

　コンドームなしのそのままということは中出し、俺は理事長の顔を凝視した。
　理事長の顔は笑ってた。

『オオッ…！ご主人さん、中出しの許可ありがとございます。
　じゃフィニッシュはドッギースタイルでグアンバリますネ』
　そう言って、繋がったままに前屈みに緋紗子の足を床に着けた。
　ソファーの前の狭いスペースだから、緋紗子はツンのめるように俺のヒザのところに手を着いた。
　緋紗子の顔が目の前に。

『緋紗子…！』

『あなたぁ…！』
　ハッシと緋紗子は俺の首っ玉を持ち、唇を押しつけてきた。
　ブチュブチュレロレロと舌を絡めてのフレンチキッスだ。
　唇に、抱き合った両腕に後ろから突き上げる振動。
　緋紗子の後ろに細腰を抱く真っ黒なヌリカベが、すぐに緋紗子の口から喘ぎが洩れた。

　黒人の太チンポと緋紗子の濡れ壺が奏でるぬめった音が尻向こうか聞こえる。

『ああぁ…いいぃ…ああぁ…キンちゃんのが…
　ああ…中で動いてるの…
　ああっ…あなたぁ…いやらしい女でしょ…
　ああキンちゃん突いて…
　その大きなおチンポでもっと突いてぇ…
　ああぁ…主人の前で、
　あたしを犬みたいにして犯してぇ…！
　ああぁ早く…
　あたしのオ○○コに黒人のを打ちこんでぇ…』

『いいぞ緋紗ちゃん…！
　そうじゃ、教えたとおりじゃ…！
　卑猥に話すんじゃど。
　よいか、もっと光田君に聞かせてやるんじゃど』

『ああ…緋紗子は…
　緋紗子はキンちゃんの物よ…！
　やって…やってぇ…そのままよ』
　緋紗子の手が俺の股間に伸びたとき、俺のが固く大きく起っていた。
　緋紗子の目が輝いた気がした。

『ああ…あなたのおチンポが…！
　ああっ…立ってるぅ…
　ああ…気持ちいいの…
　黒人のおチンポって…
　あなたぁ…もういくぅ…
　いくぅ…ああっ…いくうぅ…』
　確かに固く勃起していた。

　緋紗子がズボンの上からモミモミと、その刺激、その逝き声にもたまらずズボンの中でドビューンっと、漏らしてしまった。
　アハッ…つ…つう。

「アアォ…ご主人さん、たまりませんネ。
　ワタシ、ウヒヒヒ…」
　くそ、知られてしまった。

『良かったのう立っておったぞ。光田君』
　理事長にまで。

『あはは〜ん…ああ…あはぁ…
　ううううう…うひぃ…ひい…
　ひひぃ…たい…！いたい』
　後ろからの強烈な突き動き、悲鳴のような緋紗子の喘ぎに、気は遙か彼方に飛ばしていたようだった。
　が、あの黒人野郎は両の乳房を揉む振りに乳首を捻りやがった。

『ああっ…キンちゃん』
　戻した緋紗子はまた、気を奮い立て絶頂を求める淫乱婦の眼に。

『オオッ、ヒサコォ…！ヒサコさん…！いよいよですネ。ワタシもいきますデス』
　なんてヤツだ。
　緋紗子の気を戻してそれからやるのか。
　なるほど。緋紗子の置いた手に俺のヒザまでがガクガクとゆれた。

『ああ…っ、いいぃ…いいの…キンちゃ〜ん…！
　濃いいの入れて…入れてちょうだい…！主人の前でいっぱいよ…！』
　悦楽に身を置き、黒人に中出し射精を求める緋紗子の顔が目の前に。

『オオッ…！ご主人さん、見ててくださいネ。今でしょ…！今です』
　その刹那、恍惚と悦びに震える緋紗子の唇、しっとりと濡れた黒髪、黒人の射精の突き動きにプルプルと乳房がゆれていた。

『ああっ…！出てる…出て来る…ブチュブチュって…ああ…生温かいのが…ああああぁ…出てるぅ…』
　虚ろに俺を見つめる緋紗子が瞳、黒人の射精のその瞬間を感じ入っていた。

『ああっ…もっとぉ…！キンちゃんもっとよ…！欲しいの…欲しいのぉ赤ちゃんが…』

『アオオゥ…ヒサコさん…がんばりマス』
　ヤツの腰がヒク付いていた。精を打ち出す快感に、だらしなく開いた口に白い歯だけ、黒人の顔が歪んでた。

『凄えよ…！やっぱり凄えよな。キンタの中出しってよ。
　見ろよ浩一…！目の前でよ。
　緋紗子の感じ入りをよう…
　ファハハハハ…！ヒャハハハハ…これでなくちゃよう。
　なァ…』

『緋紗子が赤ちゃんって…』
　まさか緋紗子が黒人の子を欲しがるなんて。

『心配すんなって簡単にゃ出来やしねえよ。
　なに大丈夫だよ浩一君。
　緋紗子が俺たちと関係をもったすぐ後だった。
　不能だった浩一君にゃ関係の無いお話だがよ、誰のタネだか分からねえが妊娠しちまいやがって、それも子宮外妊娠だ。
　兄貴にゃ怒られるが、しゃねえじゃねえかなあ、だからよ大学病院だ。
　子宮なんとか症もあって片方の卵管と子宮の一部を取っての手術だ。
　兄貴とこの接待秘書にゃ珍しく、恥毛を残してるのは小さいながらその時の傷痕を隠すためでもあるんだぜ』

『緋紗子が子宮外妊娠…？』

『この呆けやがって、
　だから分かってんのか浩一ぃ…！お前の所為だぞ。
　俺はよう緋紗子がコンドームなんか使ってないって言うから、ピルを飲んでるもんだとばかり思ってたんだぞ。
　まさか妊娠なんてな、お前が種なしって知ってりゃよ。
　どっちみち緋紗子を妊ますことなんか出来ねえんだから安心しな。
　医者に言われたんだよ、もう妊娠の可能性は有って百に一つか二つてな。
　薄い精液や運動率の低い最近の日本人の精子じゃゼロだって。
　だから黒人の濃ゅ〜い精液ならばってな。
　万一によキンタの子を妊んだら緋紗子はお前の子だと言って産むんだと、黒ん坊の子をよ』
　なにか愕然として震えが止まらなかった。

『光田君、すまない！。
　清麿から諸事情を知るにつけ、申し訳ない気がいっぱいじゃ。
　適うことならと老骨に鞭打って、もう一度、緋紗ちゃんに日本人の子と励んだんじゃが、もうワシのでも無理だったようじゃ』
　理事長はいったいなにを言っているんだ。

『いいか、お前との間に何年も出来なかった子だぞ。
　あのときの緋紗子の悄気込みよう。
　浩一よう、親父は緋紗子を妊娠させたのは自分だと思ってんだよ。
　あの年でそりゃねえかと思うけど、どのみち兄貴か俺のしかねえものな』

　あのとき、村田がなにを言っているのか、よく理解できなかったのが救いだった。
　緋紗子の妊娠に自分が子供を持てない男だなんて。

『お前を欺くつもりじゃなかったんだ。
　これも緋紗子とお前との定めなんだ。
　緋紗子と別れたいというのなら、俺は無理は言わない。
　借金をチャラにして１億円の慰謝料を兄貴からもらってやるさ。
　言っておくが緋紗子は俺やお前を裏切った分けじゃない。
　緋紗子って女はよう、一度たがを緩めちまったら俺の粗チンじゃ満足しねえんでよ。
　あの変態親父や兄貴にも抱かせることにしたんだえ。
　そっちじゃ名うての兄貴から手解きを受け本格的に目覚めちまいやがった。
　兄貴は緋紗子を社長秘書という愛人にしたものの手に負えずだ。
　淫乱に接待秘書は務まらないと言ったが、俺はそうだとも思えねえ。
　なぜならよ、政財界の偉いさんてのは変態ばかりで、緋紗子も仕事がちゃんと勤まっているからよ。
　なっ…！浩一ぃ』

　どういうことだ。
　村田という男がいくら緋紗子に思い入れようと適わず、南野社長が公私共々と思えど手も余っただと。

　理事長いわくだ。

『聡明な君のことだ。すぐに悟るじゃろ。
　緋紗ちゃんを家庭という檻に閉じ込めるなぞ、光田君には出来まいて。
　緋紗ちゃんに愛されるを名誉と誇れ。
　よいな』
　緋紗子に住む性欲という名の猛獣を、鎖に繋いで飼うには一人の男には荷が重すぎると言うことか。

　その日、結論はとりあえずと言うのか理事長に勧められるまま、緋紗子と連れだって以前住んでいたマンションに戻ったんだ。
　送迎のレクサスＬＳという高級車の中、運転手も無言ならば二人ともなにも話さなかった。
　いや話せなかったんだ。なにを話して良いか分からなかったから。
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2015年8月15日掲載
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