| ３． 皆さん、お久しぶりです。私、サツキですが、やっぱりノブオさんにはどうしようも無いのが現状です。兎に角、機嫌を損ねないように家事をしてますし、何かノブオさんに言われたらすぐに素直に従ってます。 そうしないと、またいつ拳が飛んでくるか分かりませんから……。 それでも、また今日の夜もまたノブオさんは私の身体を触ってます。予定より家事を終わらせる時間が数秒遅れたとか言う理由だったらしいんですが、絶対そんなの適当に決まってます。 でも、私が逆らったらどうなるかはもう分かってますから、絶対に反抗なんて出来ません。 それにしても……、スカートの中に手を入れられて……凄く不愉快です……。スカートなんか嫌になってきてるんですが、スカートじゃないと蹴り倒されますから……。 「お前のケツマジで最高だなぁ！！」 ノブオさんはしつこいんです……。いつまで触ってんでしょうか……？ それに、時々つねってきたりするから痛いです……。私はホントに……黙ってるしかありません……。 「ってお前なんか言えよ？ 折角触ってやってんだからよ？」 なんでこんな状況で何か言わないといけないかが全然分かりません……。言ったら言ったで絶対反抗的だとか言って殴るってくるのに……。 私はパンツ……越しに触ってくる手にただ黙ってる事しか出来ません。ノブオさんがなんて言ってこようと、私は黙ってるしか無いんです……。 「けっ……つまんねえ女だぜ。もういいや、さっさと部屋行けこのガキがぁ！！」 そうつまんなさそうにノブオさんは言いながら私を放してくれましたが、それと同時に私にゲンコツを食らわしてきました……。 「痛っ！！」 私は頭に響くような痛みに思わず声をあげてしまいました。でも居間に残ってたらまた何をされるか分かんなかったから、一応すぐに居間から出ました。 それでも頭に残った痛みはまだ消えてくれません。それに、居間の方からノブオさんの独り言も聞こえてきました。 「つまんねえ奴だな。なんか言ってきたら適当な事言って蹴り潰してかと思ったのになあ」 やっぱり……。初めっからそう言う考えだったようです……。 私はなんだかやり場の無い状況に置かれた気分になって、思わず玄関の前で泣き出しそうになりました。でも、ホントに泣いたらまた何か言われると思って、声だけは出さないように必死になりましたが、涙だけは止まりませんでした……。 ―ガチャン！ 「ただいま〜」 いきなり玄関から別の人が入ってきたんです。いや、人と言うよりは男の子、じゃなくて私とほぼ同い年で、学ランを着た男の子でした。 私はその男の子と目があって、一瞬固まってしまいましたが……。 「あ……あれ？」 私は妙に見覚えのあるその彼を見続けてたんですが、何故かどんどん記憶が蘇るような気分になりました。 「お前って……」 その男の子も私の事を見て何かを思い出そうとしてました。ちょっと長い髪が少しだけカッコいい感じがしましたが……。そんな事より、何だか凄く懐かしい感じがしてきました。 「あの……、まさか、コウイチ？」 私の脳裏に小学校の頃同じクラスだった男の子の名前が思い浮かびました。昔よく一緒に遊んだり、私が宿題を手伝ってあげたりしてたんですが、まさかこんな所で会うとは思ってもいませんでした。 「あれ？ お前ってサツキだよなぁ？」 なかなかたくましくなった顔のコウイチを見ると私はどんどん表情が明るくなってく事に気付きました。コウイチは私の事をじっと見ながら玄関で靴を脱ぎました。 「コウイチ……、コウイチじゃん！ 久しぶりぃ！！」 私は思わずコウイチに抱きついてしまいました。さっきまではノブオさんから嫌がらせを受けてたから、コウイチに抱きついて全て忘れてしまおうと言う気持ちもあったのかもしれません。 コウイチは見た目はある程度痩せ形でしたが、実際抱きついてみると結構いい身体をしてる事にも気付きました。 「ってお前なんだよいきなり……」 コウイチは少し戸惑ったような事を言ってますが、私は凄く懐かしかったから抱きつく事に対する羞恥心もあんまり感じませんでした。 でも流石にずっと抱きついてたらコウイチも嫌がるだろうから、離れました。 その後ノブオさんが玄関にやってきたんですが、何故かコウイチの前では私に対して横暴な態度を取る事はありませんでした。逆になんだか少しコウイチを怖がってるようにも見えました。 私はその後は居間でコウイチと一緒にテレビを見たり、学校の話をしたりして笑い合ったりしたのを覚えてます。この家に来て初めて本気で楽しいと思えたのはこの時でした。 きっとコウイチならこれから先何か助けてくれるだろうと思ってましたが、何だかノブオさんの視線が凄く恐ろしかったので、何でもないと一応断っておきました。 ですが、これからのノブオさんは…… |
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| 2010.9.18掲載 |