％　『SM stories on the desk』eConomy 作
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幸の身体は既に血で塗れていた。 　しかも、出血の場所は「女を示す場所」からのみ。 　呼吸は大きく荒れ続ける。死が終着の「SM」・・。 　男との時とはそうではない。優しい愛撫もあり、快楽もあったSEX。 　そして、幸はその報酬かのような自虐的で男の快楽を優先させる行為を常に行った。 　 　それを男は調教だと言う。 　確かにそうかもしれない。快楽を得るがために淫らになる。 　将来を賭ける男のため、あらゆる事を拒否はない。 　それはやがて日常となり、幸の快楽にもつながって行く。 　調教だったのかもしれない。男は人間を従順にさせる3つの要素の内、2つを与えつづけた。 　 　つまり、将来への期待と刹那の快楽。そして、3つの内の最後のものであるはずの金は逆に女から奪い続けた。 　そして、最後に女自身が金に換えられる。 　 　幸が馬鹿だったのか、男が巧みだったのか、それは今問題ではない。 　今は生き延びなければいけない。男を殺すために。 　１日生き延びることが、そのパーセンテージを増やせる。 　 　幸は手足をいつかのようにベッドに仰向けに縛られている。 　男との行為のような「甘い被虐」は当然期待できない。 　ベッドにへそ付近を、また縄で縛りつけられた。 　最後にダーツの的が置かれ、ベッドが立てられる。 「100本ある。当然、本物だ。飲みながら投げる。目にでも当たると失明だな。一応、「豚女」の焼印の上にある的を狙ってやるよ。」 　言い終わるや一本のダーツが的の中央付近に突き刺さった。腕は確からしい。 　寝転び、バーボンのボトルを口に運んだ右手が再びダーツを握る。距離は5m。 「う〜。」 　ダーツはずれてある焼印の文字に突き刺さった。 　5mmほど幸の体を貫き、やがて揺れて下に落ちた。同時に出血が起こる。 　明らかにダーツは狙った場所に中ったものだ。 　幸は痛みより恐怖に震える。 　後98本。どれぐらいの時間を要するのか。目は言うに及ばず、女の顔には傷を付けたくない。 　10本は的に中り続けた。 　そして、次の1本が右の乳房に中る。 「グギャ〜。」痛みではない。 　ショックが心臓を止めそうになる。左なら止まるのかもしれない。
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『SM stories on the desk』
2013年4月13日掲載
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