| 良妻賢母は二度ベッドインする 保留守人 作 |
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| ４． ホームはいつもの通り、通勤通学の乗客でごった返していた。 電車に乗ること４５分、昨夜の妻との房事が、まだ頭から離れない。 …………深夜の寝室、夫にパジャマとパンティを膝まで下ろされ、膝を折り曲げるようにして、Ｍ字に脚を開かれている妻、絵美子。 健一は茂みの隙間からパックリと開いて露わになった妻の女性器をマジマジと見つめた。 左右の陰唇が、ペニスを包み込もうとするように広がっている。 こんなグロテスクな神の創造物を未成年の孝太郎は目にしてしまったのか。 ＡＶビデオならモザイクがかかっている禁断の秘部である。 問題なのは視覚に限ったことではない。 写真やビデオではない実物の女性器は、少年の嗅覚にもその存在を強く訴えたことであろう。 通常なら“臭い”としか形容できない生臭く蒸れたニオイも、絵美子の股間から発しているものとなれば、どんなに大きな興奮を与えたかは想像に難くない。 しかしそれは、夫と永遠の愛を誓ったひとりの妻が、他人様には決して嗅ぎ取られてはいけないプライベートなニオイではなかったか。 人間として営む以上、妻が自分の生殖器を夫以外の男に曝け出すことは、モラルがそれを許さないのだ。 健一は絵美子のクレバスに唇を近づける。 「あっ！ だっ…だっ…だめ〜っ！」 宙に浮いた両脚をバタつかせ叫び声をあげる絵美子。 「いいじゃないか。お風呂、入ったんだし」 「ど…どうして…最近ずっと、舐めたりしなかったでしょ？」 健一はわざとらしくクンクンと鼻を鳴らした。 「あれ？ 絵美子。何だかエッチな匂いがするぞ」 「…………ダメだってば、健一さん」 「よっこらしょっと……」 「あっ？ あっ、あっ、あっ…や…ヤ〜ン！」 健一は妻の脚をＭ字に押し開いていた手をさらに押さえつけ、絵美子の体をグルッと回転させるようにした。 いわゆる“マングリ返し”の体勢となって絵美子の肛門が天井を向く。 思えば、恥じらい深い妻に、こんな破廉恥なポーズをさせたことは今までなかった。 「やだ、なに？ この格好。恥ずかしい……。翔太が…来たらどうするのよ」と、涙目になっている絵美子。 「アイツがこんな時間に来ないさ」 健一は白い山の谷間に茶褐色に沈着した皺の集まりを凝視した。 イボのようなデキモノも一切無く、放射状のその皺は綺麗に中心へと集まっている。 それは言うまでもなく、絵美子の大便やガスを排泄させるためにある肉体の門だ。 まさか若き間男は、恩師の妻の汚物の出口までを視界に捕らえていたのだろうか。 もしそうだとしたら、自宅の畳に他人の土足で踏み込まれたような気持ちになる。 （ちょっと比喩かズレている？……） 何本もの細い毛がその周辺を包囲するように密生している絵美子の肛門。 そんな毛の一本でさえ、夫の健一には愛おしく感じられる。 でも、本当に孝太郎少年が絵美子のケツ毛までを見ていたとしたら、彼は幻滅を感じなかっただろうか。 健一にはそんな、妙な心配が潜在意識にあったことには気づいてはい。 「あっ！…はぅっっ！……」 絵美子が破廉恥で窮屈な体勢のまま、白い太ももをピクピクと痙攣させた。 健一はラブジュースが溢れ、泡立っている妻のヴァギナに、自分の舌を深く差し込んでいた………… ――――斎藤孝太郎との共同生活。 色々なことはあったが、 気がつくと彼と過ごした３年間はあっとい間に過ぎ去っていた。 孝太郎は数々の大会おいて、ありとあらゆる記録を叩きだし、十二分に“広告塔”としての役割を果たしてくれた。 さらに家庭においては、引きこもり勝ちだった息子を知らず知らずの内に、明るい性格に矯正してくれていたのも孝太郎だった。 それに関しては絵美子も最大級の恩義を感じていたに違いない。 正直それは、父親としての立場が危うくなるほどの存在感だったといえる。 そう考えると孝太郎の下着事件は取るに足らない小さな出来事だと思うことができるようになり、健一の心のわだかまりも、すっかり無くなっていた。 そして、大学生になろうとする孝太郎との別れを意識し始めた、寒い２月のことだった。 それは今からほんの１年半ほど前のことである。 すでに孝太郎は水泳特待生として東京の大学へ進学が決まっており、寮生活をするにあたっては、いろいろ準備が必要となっていた。 そこで親代わりの絵美子が一泊かけて東京へ、孝太郎と一緒に出かけることになった。 孝太郎が絵美子を女としてみているのはわかっていたが、それでどうこうなるものではない。 従順な孝太郎が恩師の妻である絵美子と一緒に外泊することに寸分の不安も感じなかった。 当時、１８歳の少年と３５歳の主婦である二人は、傍目から見れば、母子のように見えたかもしれない。 とにかく都区内に土地勘のある健一は、ふたりの為にビジネスホテルのシングルルーム２部屋を手配してやった。 結果、絵美子は首尾よく段取りを整え、予定通り一泊のみで東京から帰ってきた。 それ以降は記念にみんなで食事に出かけたり、日帰り旅行を楽しんだり、残り少なくなった彼との生活を家族みんなで惜しんでいた。 そんな時期、他の家族も孝太郎もそれぞれ何かの所用で不在が重なったとき、健一は締めくくりとして最後にもう一度、離れの様子を見ておこうと思い立った。 思えば初めて我が家に来た孝太郎はまだ絵美子より背が低く、学校ではケンカばかりしていたような悪ガキ少年だった。 うまく言えないが、すっかり大人になった、そんな孝太郎の成長の証を確かめたくなっていたのかもしれない。 たとえまた、絵美子の下着を盗んでいたとしても、それは最後のご褒美だ。 孝太郎を責める気持ちにはならないだろう。 むしろ、きっと将来、女には苦労しないであろうイケメンの孝太郎から見初められた絵美子は自慢の妻だと言い換えることができるほどの、余裕の心さえ持っていた。 部屋に入り、一番に気になったのは彼の大切な宝物、一眼レフのデジタルカメラだった。 絵美子と東京に出かけたときもこのカメラバッグを大事そうに抱えて行ったようだ。 東京の景色などを収めてきたのだろうが、彼の腕前がどんなものかと興味を持った。 取り出して構えてみるがズッシリとした手ごたえだが高級感を感じさせる。 早速電源オンで小さな背面液晶画面に撮影された画像を表示させるが、心配されたパスワード入力も必要なく、いきなり二人のツーショットが現れた。 しかし、 （ん？ 何これ……ちょっとベッタリしすぎじゃない？） のっけから健一の心拍数が上昇しはじめた。 恐らくカメラの三脚を“自撮り棒”替わりに利用して、セルフタイマー機能で撮影したと思われる。 本当の母子なら仲のいい親子だと笑っていられるのだろうが、ふたりは違う。 その画像はビジネスホテルの客室内と思われるドアの前で、詰襟学生服の孝太郎とコートを脱いだベージュ系のスカートスーツ姿の絵美子が、立った姿勢で体を寄せ合い笑顔を見せている構図だった。 それは紛れもなく、先日ふたりが東京に出かけた時の服装。 孝太郎は絵美子の腰に片腕を回して体を引き寄せ、ふたりはホッペを密着させて微笑んでいるのだ。 非常に強い違和感を感じ、訝る健一。 “送りボタン”を押さえ次の画像を見ようとしたが、はやる気持ちを抑え、机上のノートパソコンとカメラを接続し、ＰＣモニターで見ようと思いついた。 そうすれば、より大きな画面で見ることができる。 ノートＰＣは孝太郎に貸与した健一の物。 使い慣れている。 それに時間も十分ある。 気持ちを落ち着かせ、バッグからＵＳＢケーブルを取り出し、ＰＣに繋いだ。 やがて、さっきの画像がより鮮明となってはっきりと表示される。 画像の鮮やかさは、健一の動揺に拍車をかけた。 生唾を飲み込み、送りボタンで次の画像を表示させる。……と、 （えっ？ ここ、ツインルームじゃないか。 それに自分が手配したビジネスホテルなんかじゃない！……） まだ日差しがある時間の明るい部屋。 落ち着いた清潔感のあるクリーム色の壁、なにより窓の外、すぐ近くに東京タワーが聳え立っているのだ。 （間違いなく、どこか有名な港区内のシティホテルだ） そして画像は、そんな部屋の２台並んだベッドの一つに絵美子が腰かけている様子だった。 ジャケットを脱ぎ、首元に大きなリボン飾りのある白いブラウス姿でベージュのタイトスカートの裾からナチュラルパンストの膝小僧を覗かせている。 細いベルトを足首に巻きつけたエレガントなパンプスを履いた脚を揃え、両手を膝に置き、うつむき加減に緊張している面持ちだ。 健一は心臓をかきむしられるような想いを感じた。 それはあたかも、三十路の人妻が、今まさに不倫相手の男に初めて服を脱がされようとしている直前のような雰囲気を、写真から感じさせられたのだ。 夫としては居たたまれず、妻の手首を掴み、間違いを犯す前に、引っぱって連れて帰りたくなる心情だ。 そして３枚目の画像に、 「ええぇぇぇぇっ！？……」 叫んだ後に絶句する………… |
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| 2015年11月21日掲載 |
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