龍 晃一 作
| 第2章 瑠璃子の決断 帰宅して瑠璃子に栗田支社長と会ったことを話した。瑠璃子は栗田の名前を聞いた瞬間顔面が蒼白になったことを見逃さなかった。大原の老人が瑠璃子に会いたがっていることも話した。 小佐野ご老公と聞くと震えるだす瑠璃子がいた。 その日はそれだれで終わった。 翌日に自宅に帰ると豪華な料理をして待っていてくれた。家族4人で団欒のひと時を過ごした。娘達が眠ってしまうと瑠璃子から寝室に誘われた。 「あなたには私の過去のことを隠さずに話してよかった。女は相手によって淫乱にも貪欲にもなれるものです。その小佐野老人から逝かされること、潮を吹くことを体験させられました。それからセックスをしないと不安になる心理にさせられました。あれから8年も経過しています。恐らく男の機能は働かなくなっていると思いますが-----私が行っても宜しいのですか」 「その老人のこの世の見納めの為に行くのであれば仕方ないと思っている」 「私の身体を老人から舐められても私を嫌いにならないでくださいね。約束して下さいね」 「瑠璃子は、私の永遠の妻である」 「ありがとう。昨日郵便が来ていました。1000万円の小切手を同封していきました。あなたの通帳に入れておいてください。昔のようなことはされないと思いますが恐らく1年は通わなければならない気がしています。了承してくれますか」 「瑠璃子の判断に従う」 瑠璃子から手紙と一緒に1000万円の小切手を預かった。小切手には小佐野大二郎という男の行書のスタンプが押されていた。この男の不気味さを覚えた。 「金曜日から行くと連絡した」 瑠璃子が行く前日に訪問着が送られてきた。この着物姿で来てくれと言うことであった。瑠璃子の言葉では、総絞りで西陣の帯が付いて500万円もする高価なものであることを知らされた。 この時になって、私は後悔した。行くべきではなかったのではないかと悔やんだ。瑠璃子が遠くに行ってしまうような錯覚に陥っていた。 出発の日、美容院に迎えに行って、着物姿の瑠璃子を見て驚いた。瑠璃子に後光が輝いている眩しさを覚えこんなに瑠璃子が綺麗だったことを初めて知った。日本人は着物を着るとその美しさが10倍になると言った人がいるとことを思い出していた。初めてみる瑠璃子の美しさに見とれて、改めて惚れ直した時であったがときは遅かった。後戻りできない状態になっていた。 胸を締め付けられる思いで新幹線乗り場まで瑠璃子を送って行った。そのまま瑠璃子が遠くに行ってしまうのではないかという不安感と猜疑心に襲われていた。家に戻っても気持ちが落ち着かなかった。娘二人の好物のケーキを食べさせながら苛立つ気持ちをビデオの「007」の映画で紛らわそうとするが気持ちが集中しなかった。時計ばかりが気になっていた。 電車が出発して1時間半になっていた。京都駅に到着して改札口を出ているところかと思いを巡らせているところに携帯が鳴った。 「もしもし、瑠璃子です。今、京都に着きました。明日の夕方までには戻りますので、子供お願いしますね。これからご老公のところに行きます」 「気を付けて-----」 瑠璃子の声が震えているように感じた。瑠璃子を行かせたことを後悔するが遅すぎた。本当に瑠璃子を見納めに呼んでいるのかと疑問を感じてしまう。1500万円も貰ってしまったので反論することもできなくされた。瑠璃子がご老公と会うことは初めてではない。瑠璃子はご老公の寵愛を受けた女の一人であったこと仕方ないことである。 栗田によって女にされた瑠璃子は、栗田の献上女としてご老公に差し出された。それから二年間は、瑠璃子はリサーチから給与を貰いながら月の大半を屋敷で過ごした。 仕事が忙しい時に会社に駆り出された。屋敷で肉体を磨かれ、抱かれ続けていたが世間の空気に触れると生きている実感が湧き、恥じらいを感じる世間に染められた。 屋敷に戻されるとほぼ全裸でご老公に尽くした。膣を舐められ肛門も愛撫される。愛撫されるとそのお返しをしなければならなかった。老人のペニスを舐め、肛門を舌で舐めることに抵抗があったが涙を流して舐め続けた日々があった。 当時は、小佐野のペニスはギンギンとしていた。お口に、膣に、アヌスに精液を飲まされ続けた。ピルを飲んでいたと記憶はないが妊娠することもなかった。 それから10年の歳月が流れていた。 健二は、明日の夕方、瑠璃子が無事に戻ってくることを祈るしかなかった。 |
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| 2013.5.25掲載 |
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