龍 晃一 作
| 第５章 瑠璃子の天命を知る 夫の健二は、離婚届が送られてきたことに驚いた。瑠璃子の居場所を求めて京都の宇治に来たが瑠璃子がいる痕跡もなかった。支社長に確認したが京都の居場所しか知らないと言われた。警察にも相談したが離婚届が送られてきているということで、捜索願も受理してくれなかった。 むしろ、健二が浮気したか、暴力行為で奥さんが逃げ出したと嫌疑を掛けられ諦めざるをえなくなった。 離婚届の送付先は、京都の私書箱になっていたので、京都の住所しか書かれていなかった。放心状態で帰宅した。諦められない気持ちを抱きながら娘二人を育てなければと決意した。 瑠璃子は、毎月1日に行われる奉神会で、教祖より「副代理教祖」として沙織、小百合、美幸、菜月、雅と瑠璃子の６名が紹介された。６人とも教祖の寵愛を受けた女だけに顔は観音さんのように微笑みを浮かべスタイルも良い女達で会った。誰もが一度は抱きたいと思える美女達であった。 お布施を３３３万円すると10時間希望する副代理教祖のありがたい愛液が飲め、副教祖の膣の中に精液を放って、己自身が清められると告げられた。 奉神会が終わると副代理教祖を抱きたい男達が殺到していた。早い者は、今夜を指定する者もいた。小佐野教祖は、体力の衰えを金儲けに活用しようと考えていたのだ。それで女達の欲望を満たすこともでき、金儲けと一石二鳥の企みである。 女達には、若くて男前の源太、源二、小太郎、小次郎に抱いてもらいたいということで、２２２万円のお布施を申し出ている。これが本当の宗教団体なのかと疑われるが、自己の欲望に素直になることが天国に行ける早道だと説かれているので、教祖を信じる者達は必死になって愛欲を求め続けるのだった。 一度、極上の女を抱くと不思議にもう一度、もう一度抱きたいと思えるのであった。男の本能は、美しい女を抱き、孕ませることに生甲斐を感じるのだ。サラ金から金を借りる者も続出していた。 女達も若くてハンサムな美男子に抱かれて、甘い一夜の夢を満喫している。若い牡の精を口にも、膣の奥深くに放出されることで極上の一夜を過ごしていた。若さゆえ、求めても求めても応えてくれるエネルギーがある。 一夜で完全に虜にされていた。 教祖は全裸の淫らな行為をすべて録画させていた。いざというときの脅しのネタになると思えた。更に裏ビデオとして売れることも考えの中にあった。信者達の裏切りや離反を監視する意味も込められている。女を連れて脱走しょうとした者は、死刑と言う厳しい判決があることも知らされている。 信者達を盲信させるように熱狂させ、教祖に絶対的服従をさせるには宗教と言うものが都合が良かった。理屈や筋道で正悪を判断させることではなくて、教祖が指示することが、教祖の言葉が絶対的に正しいと認識させた。それを信じている信者は、教祖の女を抱く為に、若い男に抱かれる為に金を貢ぎ、信者を獲得するために奔走している。人間の至福の道を信者達に説いたことで、教団にはほぼ連日、約５千万円もの札束が金庫に運ばれた。 その分、女達は休みなく連日、夜昼と男達に抱かれた。若い男達も連日信者を抱き続けた。副代理教祖に抜擢された女達は、順番で教祖の伽を任されている。休みも与えられないまま1ケ月を過ぎた。女達も要領がつかめると食事の時間、散歩の時間、団欒の時間とベッドでの時間を少なくしていった。 それでも予約は、半年先まで埋まってきた。より長く継続させる為に生理休日を設けたりして、娼婦に成りきることを防ぐことも考えられた。ジャズダンスの時間を設けたり、ヨーガの時間を設けて、セックスだけに没頭させないことも追加されてきた。 小佐野教祖は、すでに５００億以上の隠し財産を持っているのにこれ以上の大金を持っても仕方ないと思われていたが、教祖には「凛々教」の本殿を建設することを契約していた。山の奥に広大な土地を買い占めていた。そこにシャングリラを建設して、信者を極楽浄土に導く大神殿を建設しょうとしていた。 更に若くて美しい女を集めることを指示している。克っての大奥のように若い美女を１００名集めたかった。 小佐野教祖の野望は、日本全土に凛々教を普及させる野望があった。政治家との繋がり、報道機関とのパイプと有り余る金使って、金の力で政治を動かせると思っていた。 美女を侍らせることは、様々なところで利点がある。但し、その美女を制御するには常に肉体を満足させ、肉の虜にすることが先決なのである。女達を肉の虜にさせる技とテクニックは小佐野だけが習得している女のツボを見付け出し、そのツボを徹底して刺激させることで女は陥落するのだ。 |
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| 2013.6.26掲載 |
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