撮影会 露稟 作
≪野田有紀≫ 　あれから数回、息子は店にやってきては、彼女の写真を持って行った。 　来るたびに、新しい写真を用意してやった。 　彼の手元には、彼女の、恥ずかしい写真が十数枚あることだろう。 　その、写真を見ながら、彼はオナニーでもしているのだろうか。 　社会見学の出来事は、心配した様子もなく、息子との関係は特に変化はない。 　むしろ以前より会話をするようになった。 　そして、息子との会話の中で、ある事実が発覚した。 　学年主任のあの男、立花と言う。 　なんと、既婚者だという。 　と言うことは、野田先生との関係は、いわゆる「不倫」である。 　教師が不倫とは、何とも情けない話だ。 　野田先生の肉体が目に浮かぶ。 　不倫と聞いて、野田先生の体が見たくなった。 　不思議なものだ、まともな恋愛には関心がないが、不倫と知ったとたん興味が湧いてきた。 　先生のヌードを見る方法はないのだろうか。 　色々考えてみた。 　そしてある考えが思い浮かんだ。 　裏稼業の友人にモデルとしてスカウトさせてみるか。 　教師が、アダルトビデオに出演するのは、よくある話だ。 　友人達は、成人女性や、人妻も扱っている。 　それは所謂、アダルトビデオと言われるもので、基本的にはモザイクが掛かっている。 　ただし、友人である私には、ノーカット版を見せてくれることもある。 　電話が鳴った。 　偶然にも、その裏稼業の友人だった。 　例のグループの新たな情報だった。 　午後、彼に会った。 　会って早々、ＤＶＤを見せられた。 　タイトルは「妖精　佐々木雅代」 　少女に見覚えはなかったが、制服から明らかに池畑中学の生徒とわかった。 　名札から２年生とわかった。 　制服でのイメージ映像が数分続く。 　顔は好みではないが、仕草が意外と可愛らしと思った。 　数分後、彼女は下着を脱がされていた。 　性器を露出させられた後、性交に及んでいた。 　性交の様子からして、彼女は処女ではなかったようである。 　それにしても、こんなＤＶＤが出回っているとは如何なものか。 　自分のしていることを棚に上げて、他人の行為を非難するのもよくはないが、少なくとも、私は、性交はしていない。 　処女のまま帰している。 　本人が望まなければ、中学卒業ともに、モデルの仕事も卒業させている。 　その時点で、彼らとは大きく違っていると自負している。 　しかし自分は、心の中で、美香の処女を奪うのは私だと決めていることに、少なからず罪悪感を感じ始めている。 　が、それは彼女がモデルを卒業してからであれば許されると勝手な判断をしている。 　私と彼女だけの秘密であれば良いのだ。そう言い聞かせている。 　それまでは、少なくともまだ２年ある。それまで我慢できるだろうか？ 　いや、彼女の処女を大切に、そして、楽しもうと決めている。 　例のグループについては、友人によると、すでに当局が動き始めており時間の問題ではないかと言っていた。 　しばらく様子を見たのち、美香の３度目の撮影会を考えてほしいと言われた。 「考えておく。」とは答えたものの、もう、誰にも見せたくはない気もした。 　ついでに、野田先生のことを話してみた。 「お前、ロリ専門だったんじゃないのか。」と笑われた。 「教師は難しいぞ。まぁ考えとく。」と言われた。 　彼は、あまりのる気ではなさそうだ。 　自分で撮れればいいのだが、まさか先生が私の前で裸体を見せることはないだろう。
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2016年8月11日掲載
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