２．


　私が今の夫と再婚したのは、１０年前、私が２７歳になる年でした。
　再婚については、かなり消極的であった私でしたが、両親の思いや色々なことがあって、兄の高校時代からの友人であったその人と、再婚しました。

　新しい夫に愛情というものを感じるようになったのは、結婚して１年ほどたった頃からでした。
　小さな写真店をしている夫の生活は、ほとんど毎日同じこと送り返しで、その繰り返し中に小さな安定と小さな幸せを見つけた思いがしました。
　夫は子供を欲しがり、結婚した当初は、ほぼ毎晩のように求めてきました。
　私は、夫の求めに応じながらも、その性生活での行動はかなり抑制しました。
　それはｓｅｘでは野獣のようにもなるもう一人の私を、夫には知られたくなかったからでした。
　夫との性生活は、以前の経験があるだけに、その経験から比べれば、ちょっとした夫の激しささえ、淡泊なものといえるものでした。
　毎晩同じように愛撫され、同じようにカラダをつなげ、同じように私の中で果てる夫、そんな夫に不満を感じるよりは、かわいらしささえ感じたものでした。
　夫の愛撫は優しく、まるで宝の玉をなで回すようでしたが、それでも夫は必ず、痛くないか、つらくないか、と尋ねてきました。
　その度に私は首を振り、夫の優しさを受け入れました。
　そんな淡泊なｓｅｘでしたが、夫の優しい執拗な愛撫に、いつしか私も反応するようになり、何度かに１度は歓びをおぼえるようになりました。
　こんなｓｅｘもあるのだ．．．．と新鮮な思いに打たれたことでした。

　３年ほどたっても子供は出来ませんでした。二人で病院へ行き相談もしましたが、その原因は私にあったようでしたが、夫は、検査などの結果を一切私には教えてくれませんでした。
　夫はかなりがっかりしたと思いますが、私の前では、その気振も見せませんでした。
　ただ、毎晩のように求めてきた夫が求めなくなり、その回数が減っていったことは、彼がどんな思いでいるかを十分に教えてくれるとともに、夫がどんなに子供を欲しがっていたかが想像され、気の毒に思いました。
　勿論、原因が私にあるように思われたので、夫に対して申し訳ない気持ちが起こりましたが、それで離縁になるなら仕方がないと開き直ったようなところもあったように思います。
　それでも思い出したように求められることがありましたが、そのｓｅｘは依然と同じように優しく、細やかなもので、夫の私に対する愛情を感じずにはいられませんでした。

　結婚して５年ほどたったある日、私はいつものように商店街に買い物に出かけました。
　そんなに強く感じたのではないのですが、誰かに見られているようで、何気なしに振り返ると、そこに二人の男の人がおり、そして次の瞬間には買い物かごをそこに落としたまま、私は家に走り帰りました。
　間違いありません、男の人の一人は、岡倉さんでした。
　夫と再婚したとき以来、いつかこんなことがあるのではないかと不安でしたが、５年余り出会うことがなかったので、その不安さえ忘れていたのです。
　夕食の準備も手が着かず、暗くした寝室で呆然と座ったままでいたようです。
　夫が、そんな私に気づき、カラダの具合でも悪いのか、といたわってくれましたが、私はカラダの震えがとまらず、結局その夜はそのまま寝ついてしまいました。

　過去の私が、このささやかな夫との幸せを揺り動かそうとしている。
　何とかしなければ、でも何をしたらいいのか．．．． 考えはまとまらず、同じところをぐるぐると回るばかりでした。
　こんなことをしていてはいけない、たった１度の岡倉さんとの出会いではないか、向こうだってそんなに大事に覚えているわけでもないだろう。
　いつもの生活に戻ろう、そう自分に言い聞かせる為に、結局、３日間寝込むことになってしまいました。
　夫は元気を取り戻した私に安心し、夫自身も元気になったようでした。

　それから３ヶ月、何事もなく過ぎました。
　やっぱりそんなに大事にならないものだ、と安心しようとしていました。

　あるご婦人から、茶道を個人的に教えてもらえないかという依頼を受けました。
（私は、中学、高校そして大学のはじめまで茶道を習っており、一応、師範の免許を　頂いていました。）
　どこで私のことを知られたのか、不審に思いましたが、月に１度ということであればそう負担にもならず、気晴らしにもなるからと夫に勧められたこともあり、気持ちの切り替えという思いも手伝って、お受けすることにしました。

　そのご婦人（名前を志村とおっしゃいます）は５０歳代半ばの、背も高くすらっとしたプロポーションで、頭はボウイッシュに短く刈っておられ、男性的な雰囲気のある方であっただけに、お茶の道を習う方という私の勝手な思いこみと少々違いましたが、お話しすると、落ち着きのある方で、やってみようという思いを強く持ちました。
　しかし、この茶道教授が私の第二の転落の始まりでした。
　今、私は転落と言ってしまいましたが、本当は、それは転落と言うよりは、私が最も私らしくあることを自由に表現できる時間と空間を得た、ということかも知れません。

　何度か志村夫人のお宅に伺い、茶道教授をしましたが、志村夫人ご自身はかなり茶道の心得をお持ちのようでした。
　ほとんど教授すると言うよりは、二人で茶道に没頭する時間を共有するというような感じで、それは私にとって、快い楽しい時間でもありました。
　２ヶ月ほど、回数にして８度目ばかりの頃にお宅に伺ったとき、いつもは通されたことのない奥の座敷に通されました。
　しばらくすると、志村夫人が一人の男性を伴って座敷に入ってこられました。
　その男性は岡倉さんでした。
　私は驚きはしましたが、それでも冷静に振る舞おうとし、それが出来たと思います。
　勿論、内心は激しく動揺し、鼓動は速く、呼吸も乱れていたと思いますが．．．．
　岡倉さんは、初対面のように丁寧に挨拶され、私も丁寧に挨拶を返しました。
　志村夫人は、今後は岡倉さんを含めて３人でお茶をしたいと提案されました。私は、断る理由も何もなく、はい、と答える以外に道はありませんでした。
　岡倉さんのお茶の作法、振る舞いは、師範資格を持つ私でさえ見習わねばと思わせるほど自然で、静かで、格式がありました。
　
　帰る道々、この茶道教授を何とか断れる理由はないだろうか、と考えました。
　結論は、何もない、ということに落ち着かざるをえませんでした。
　唯一考えられたのは、私が病気になることぐらいでした。しかし、先般、３日ほど寝込んだ時の夫の心配ぶりを思い出すと、とても仮病を使う気にはなれませんでした。

　３人で茶道に没頭する時間は、私の心配するようなことは何も起こらず、私にとってもかなり充実した時間となり、月に１度ではもの足らないと、私自身が思うほどでした。

　その年も暮れ、新年の初釜の茶会の日になりました。
　この日は、私たち３人以外にさらに３人の客人を呼ぶことにしました。その顔ぶれは、岡倉さんの客人の５０歳代後半の男性、志村夫人は若いとてもお美しい女性を客人とし、私は、岡倉さんや志村夫人の勧めもあって、夫を客人として迎えました。
　集まったものは、一期一会の心から名乗りあうこともなく、席に着きました。
　亭主は志村夫人がなり、私と岡倉さんが並び、その横に直角に曲がって、男性、女性、夫と並んで座りました。
　静かな落ち着いた時間を私たちは堪能したように思えました。
　しかし、私だけは心乱れ、もう少しで大失態をもしでかしそうな状況にあったのです。　茶会が始まってすぐに、私はお尻に違和感を感じました。岡倉さんの手が、私のお尻をに触れたのです。
　それは明らかに意図的な手でした。
　お茶席で、他に人がおり、ましてや夫のいる目の前で、私のお尻を岡倉さんは撫でているのです。
　着物の上からとはいえ、その指先からは特別な電流でも出ているのではないかと思わせるほど、はっきりと感じられるのです。
　お尻の１点がしびれるようです。そのしびれは徐々にお尻全体に広がり、腰へと伝播していきます。
　岡倉さんの手は執拗に動きます。その指がお尻の円頂部に達して円を描きながら広げられるたびに、私は声が漏れそうになるのこらえるので必死でした。
　私は足の付け根をぎゅっと強く合わせ、そこにそのしびれが伝わらないことを祈りました。
　しかし、その努力もすぐに無となりました。
　岡倉さんは、執拗にお尻を愛撫しながら、本日は新春にふさわしい暖かい日和でなによりでした、と誰に話しかけるでもなく、自然に声を出したのです。
　皆一斉に岡倉さんの方に目を向けました。勿論、夫も声の主に目を向けたと思います。　それでも岡倉さんの手は動きを止めることがありませんでした。
　私と岡倉さん二人が並んで座っているところは、茶室の釜のある狭い方の辺で、窮屈に並んで座っているので、岡倉さんの手が見えにくいとは言えますが、右手でお尻を愛撫し続けている訳ですから、人に知られないとは言えません。
　私はちらっと夫を見ました。私の目と夫の目があったその時、岡倉さんの指が私のヴァギナに直接触れていると思えるほど、激しい快感が走りました。
　その快感は、足の付け根からクリトリスへ、クリトリスからヴァギナへさらにアナル、そしてお尻の円頂部へと何度も何度もぐるぐると走り回ったのです。
　私は、あっと声をあげそうになるのをこらえ、その場に前のめりに手をついてしまいました。
　皆さんは驚き、どうなったのかと一瞬静まりかえりました。
　夫が心配げに、大丈夫かと尋ねてくれましたが、私は、大丈夫と答え、その場を何とか取り繕いました。
　別室で安めとも言われましたが、とても立てない、まして歩くことなど出来ないような状態に私のカラダはあったのです。
　着物のその部分にシミが出来ているのではないか（実は出来ていたのです）、その方の心配もありました。

　お茶会も終わり、客人たちが帰られた後、予定通り、もう一つの会が催されました。
　奥の座敷で、私と岡倉さん、志村夫人の３人がささやかな膳を前に新年会を持つことにしていたのです。
　その席で、岡倉さんはごく自然に、着物を脱いでごらん、と言いました。
　私は、その言葉を待っていたなんてことはありません。しかし、心の中で、ああと叫んでしまい、体中にぞくぞくする、何か大きな期待感がわき起こるようでした。
　夫の顔が私の頭の中にはっきり浮かびました。
　私は夫を裏切りたくない、夫との生活を大切にしたい。どんなに心の中で自分に言い聞かせようとしたか知れません。
　じっと心に浮かぶ夫の顔を見つめ、あなた、助けて．．．．とつぶやきました。

　私は、まるで処女のように、恐る恐る着物を脱ぎ始めていました。いけない、いけない、また同じことになる、絶対にいけない、と心で私に言い聞かせながら、
　しかし、私の手は帯を解き、しごきを解き、襦袢を脱ぎ、おこしをとりはらい、気づけば白足袋だけの裸になって立っていました。
志村夫人が、子供を産んでおられないからお若いわね、と感心しながら、くるくると私を縛り、柱を背に両足を抱くような姿勢で固定し、さらに私のお尻を少し前に引き出しました。
　その結果、私の股間は大きく広げられ、私のヴァギナは、その密を垂らしている有様や、襞の１枚１枚までを人目にさらすことになりました。

　志村夫人は、あなたは素晴らしい才能をお持ちのようだと聞いていますが、それでもまだ経験したことがないこともおありでしょう、と言いながら、私の股間にバタークリームのようなものをべっとりと塗りたくリました。
　その塗られるコテ使いだけでも、私は十分に感じていましたが、志村夫人が連れてきた豆柴と呼ばれる子犬の舌技に、私はすすり泣き、失神し、目覚めてはすすり泣き、そして失神しました。
　小型犬とはいえ、成犬であり、豆柴は私をすすり泣かせながら、私のお腹の上にはい上がり、堅くいきり立ったペニスを私のヴァギナにこすりつけてきました。
　私は、犬に犯されるという恐怖を感じたのはほんの一瞬で、その快楽の大きさに、もう犬でさえ受け入れようと、もっとカラダを開こうとしたぐらいでした。
　幸運にもと言うべきか、不幸にもと言うべきか、豆柴は私の入り口を探り当てることが出来ず、専らこすりつけるばかりで、私のお腹の上に果てました。
（後で志村夫人が言っていましたが、人間がそばでペニスの方向をフォローしてやらないと、犬は人間とは交わることはほとんどでいないそうです。）
　それでも私が味わった快楽は、とても言葉にしては言えないものでした。
　人前で見られながら、人間ではなく犬に犯される私、その私を想像するだけで、もう私は何万ボルトの電流に打たれるほどに感じてしまうのでした。

　この新年会以降、私の茶道教授の仕事は大きく変化しました。
　月に１度のその日が来ると、着物に着替える手がもう震え始めるのでした。
　志村夫人のお宅の座敷で、私はすぐに着物を脱ぎ、裸のままで豆柴のもとにいくのです。
　豆柴の前で、私は、唇、首、脇、乳房、下腹、そしてヴァギナ、アヌスに、バタークリ−ムを、気もそぞろに自分自身で塗りたくるのです。
　そして、両足を開き気味に、いえ、正確には大の字になって横たわります。
　豆柴は、その作業の終わるまでじっと待っており、私は豆柴に顔を向け、声にならない声で、オ・ネ・ガ・イ、と合図し、豆柴を見つめるのです。
　それでも豆柴はすぐに動こうとはせず、私が眼で、オネガイ、オネガイと言い続ける中で、めんどくさそうに私のもとにやって来てくれるのです。
　豆柴は、私のことを飽きた愛人、いえ、おもちゃ程度にしか思っていないのです。
　
　もう何度も豆柴の愛撫を受けているのですが、その度に新鮮な快楽を覚えます。
　その舌は何とざらざらしていることでしょう。その足の爪は何と鋭いことでしょう。
　夫に何度か気づかれそうになったのですが、私の下腹とお尻は、豆柴の爪で傷つけられ、いくつかの深い傷跡が残されているのです。
（この傷跡が新しい快楽を生みました。それは後ほど少し触れたいと思います。）
　豆柴が、私の唇をなめ回し、首から脇、乳房を執拗になめ回される頃には、私は豆柴を抱きしめたくなるほど興奮し、その堅く、ざらざらした舌がヴァギナ、アヌスに及ぶ頃には、私はもう自分を忘れ、ひたすら快楽の中で狂い、絶叫しているらしいのです。
　ほーっ、と言う声が隣の部屋から漏れ、我慢できない何人かの人が、こちらの部屋へ出てきて、私の乳房を愛撫したり、私の唇を吸い上げたり、また、豆柴がなめ回す私のヴァギナをのぞき込んだりします。
　と言いましたが、私自身には記憶はありません。そのころには、私はもうどこにいるのか私でさえ解らないのです。ただただ絶叫し、カラダをのけぞらしているらしいのです。
　見知らぬ男たちの前で裸になり、犬にカラダを与える私。
　もう、志村夫人宅につく前から、私のカラダは濡れていて、着物を脱ぐときには、カラダが宙に浮いていると感じるほど舞い上がっており、
　豆柴の前では、はやく、はやく、という焦りにも似た気分で、豆柴の愛撫を恋いこがれているのです。

　志村夫人は、豆柴とつながることは許してくれませんでした。
　豆柴が、その堅くしたペニスでを、偶然私のヴァギナの入口を捜し当て．．．．、と言いましたが、本当は、私が豆柴のペニスに合わせて腰を使い、豆柴を受け入れようとしたのです。
　その時も志村夫人は、ダメ、ダメヨ、といって豆柴を引き離してしまいました。

　見知らぬ男たちが帰った後、志村夫人は再び私を縛り上げ、鴨居から垂らした縄で私の両手の自由を奪い、立った姿勢のままで、背後から堅く太いディルドーで私の貫くのです。
　女を女が犯す、これは志村夫人の好みであるようでした。
　女の人が女を犯す、そのやり方は男の人以上に執拗で、残酷でもあると思いました。
　豆柴の舌技によってに欲望の業火の中に投げ込まれ、犬でも、いえ、犬以外の私のカラダに入ってきてくれるならものなら、たとえ悪魔のペニスでさえ受け入れたいと願う私のカラダは、志村夫人の腰に装着されたディルドーでグチョグチョという恥ずかしい音をたてながえら、その太く堅いものをその根本まで吸い込もうとするのです。
　男の人ならいずれ果てることでしょう。しかし、志村夫人は果てることを知りません。
　志村夫人の責めは、私の心でなく、私のカラダが私のカラダでなくなるまで、続くのです。

　月に１度の茶道教授、それは私に本当の私が何であるかを目覚めさせました。
　このような生活が２年余り続きました。
　この間、夫との生活は、夫の側から見れば、平穏無事という言葉をそのままあてはまるようなものであったと思います。
　写真店は順調で、収入もそれなりに安定していましたし、私は、主婦として、夫の店を手伝いながら、家事をそれなりにこなしていると見られたと思います。
　ただ、私の側から申しますと、夫を裏切っているという事実は誤魔化しようがなく、毎日、生活の節々で懺悔する気持ちで夫に対して接しておりました。
　勿論、それは欺瞞だ、というご意見はあろうとおもいます。
　夫が私の本当の姿、私の裏切りを知ったなら、私を許すことはないと思います。
　しかし、結婚して５年余り、現実に過ごしてきた日々はここにあるのです。私は夫を愛しています。
　夫が私を愛してくれているのは、日々の私に対する心遣いから十分に察せられます。
　勿論、夫のその優しさに出会うたびに、私の心は痛み続けるのですが、この痛みを誤魔化さずに受け止め、その痛みが大きければ大きいほど、そのまま夫を慈しむ気持ちが大きくなるように思われるのです。
　手前勝手なことばかり申しまして、お耳障りだと思います。しかし、私はこうして生きていく他に道はないように思えるのです。悪女、それが私です。

　夫が、私の下腹についた傷跡を見つけたとき、私は、自分でひっかいたようだと言い訳しました。
　夫が、きつく掻いたのだね、と言ってその傷をしげしげと眺め、かわいそうに、となめてくれたとき、私の頭の中で、何か小さな爆発があったように感じました。
　夫の舌触りをその傷に感じるとき、激しい欲情が私を襲ったのです。私は夫との性生活で初めてというほど、欲情しました。
　豆柴に愛撫され狂乱している私を、夫に見られているという思いが、私の中にわき起こったのです。
　夫の愛撫はいつも優しく、控えめで、私を快くはさせてくれるのですが、私が私自身を見失うほど、快楽に狂わせるというほどのことはありませんでした。
　しかし、その夜は、いつもと同じ夫の愛撫に対して、私は狂い、我を失いました。
　勿論、これまでにも歓びに達したことは幾度もあるのですが、我を忘れるという大きなものではありませんでした。
　夫の前で初めて乱れた．．．．恥ずかしさと後ろめたさ、そして私の本性に対する不安。
　夫は、私のそんな思いには気づかず、ただただ喜んでくれました。
　妻により大きな歓びを与えられたという、夫としての歓びと、女を忘我の境にまで導けたという、男としての力、自身を感じたように思いました。
　これを境に、しばらく、夫が私を求めることが多くなりました。
　私は、その後、時折ではありますが、乳房にも、首にも、豆柴の爪痕を残すようになりました。

　夫に見られたい、愛する夫に本当の私を見て欲しい．．．．そんな思いがどこかにあったのかも知れません。